2016年の日本経済の見通し - 三井住友アセットマネジメント

2015年12月22日
(No.2,352)
〈マーケットレポートNo.4,576〉
2016年の日本経済の見通し
景気は緩やかな回復が続く
15年度はプラスに転換
(%、前年度比)
4
物価は下振れ
■2015年度の実質GDP成長率は+1.0%(前
年度比)とプラスに転換する見通しです。四半期
では、15年4-6月期に中国向け輸出や個人消費
が低迷したことで、前期比年率で▲0.5%とマイナ
ス成長となりました。7-9月期は堅調な設備投資
によって2四半期連続のマイナス成長は避けられ、
緩やかな景気回復を維持する見通しです。
■物価は、原油安の影響などから目標とする2%を
大 き く 下 回 っ て 推 移 し て い ま す 。 2015 年 度 は
+0.1%程度と予想されます。
16年度も緩やかな回復
予想
2
1.0 1.0
0
▲2
▲4
07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年度)
(注)データは2007年度~2016年度。2015年度以降は三井住友
アセットマネジメントの予想。
(出所)内閣府のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
■2016年度の日本経済は、①世界景気の緩やか
な回復、②雇用・所得面の改善を背景とした底堅
い個人消費の継続などから引き続き緩やかな回復
基調が続く見通しです。16年度の実質GDP成長
率は前年度比+1.0%と15年度と同程度の成長
になると予想されます。
マネタリーベースと物価上昇率
(%、前年比)
4
2
(兆円)
500
マネタリーベースの目標(右軸)
3
物価は+1%近く
日本の実質GDP成長率
400
2%の「物価安定の目標」(左軸)
物価上昇率(左軸)
16年度(予)
15年度(予) +0.9%
1
200
+0.1%
マネタリーベース
(月末残高、右軸)
0
300
100
▲1
0
13/3
14/3
15/3
16/3
17/3 (年/月)
(注)データは2013年3月~2017年3月。物価上昇率は2015年10月まで。
マネタリーベースは2015年11月まで。2015年12月以降のマネタリーベースは
■一方、物価上昇率は、次第に原油価格が落ち着
年間80兆円のペースで増加するとして算定。物価上昇率の15年度、16年度
くと見られるため、+0.9%程度の上昇になると予
は三井住友アセットマネジメントの予想。物価上昇率はCPIコア。
(出所)Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセットマネジメント作成
想されます。
日本の今後の方向性を見極める年
■2016年は、今後の日本の政治経済の方向性を
見極める大切な年となりそうです。7月に参議院選
挙が実施されます。2017年4月に導入を予定し
ている消費税の引き上げ(8%⇒10%)も判断
しなければなりません。いずれも、経済成長の確か
らしさがカギを握っています。
■年前半は政策に対する期待が強まりやすいと思わ
れます。2015年度に続き2016年度も過去最高
益を更新すると予想される企業業績とともに、日本
株投資にとって好影響を与えると期待されます。一
方、中国経済や原油価格の動向など海外要因に
は引き続き注意が必要です。
2015年12月18日 日銀の金融政策(2015年12月)
2015年12月 9日 日本の主要企業の業績見通し
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