加重平均 経営統計の補足資料 2014年6月16日 金沢学院大学経営情報学部 藤本祥二 加重合計 例) {3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 5, 6}の10個のデータ 合計= 3 + 3 + 4 + 4 + 4 + 5 + 5 + 5 + 5 + 6 = 44, 平均= 44/10 = 4.4 度数で纏めてから合計や平均を計算する. ↓度数の重みを掛ける ↓相対度数の重みを掛ける データ 番号 𝒊 1 2 3 4 合計 データ (の値) 𝒙𝒊 𝑥1 = 3 度数 相対度数 𝒇𝒊 𝑓1 = 2 𝒓𝒊 𝑟1 = 0.2 度数× データ 𝒇𝒊 𝒙𝒊 𝑓1 𝑥1 = 6 𝑥2 = 4 𝑓2 = 3 𝑥3 = 5 𝑓3 = 4 ↑最頻値 𝑥4 = 6 𝑓4 = 1 10 - 𝑟2 = 0.3 𝑟3 = 0.4 𝑟4 = 0.1 1.0 𝑓2 𝑥2 = 12 𝑟2 𝑥2 = 1.2 𝑓3 𝑥3 = 20 𝑟3 𝑥3 = 2.0 𝑓4 𝑥4 = 6 𝑟4 𝑥4 = 0.6 44 4.4 4 4 𝑓𝑖 𝑖=1 度数の和は 全データ数 4 𝑟𝑖 𝑖=1 相対度数の 和は1 相対度数 ×データ 𝒓𝒊 𝒙𝒊 𝑟1 𝑥1 = 0.6 4 𝑓𝑖 𝑥𝑖 𝑖=1 度数×データ の和はデータの合計 𝑟𝑖 𝑥𝑖 𝑖=1 相対度数×データ の和はデータの平均 加重平均その1 例) {3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 5, 6}の10個のデータ 𝑓1 𝑥1 𝑓2 𝑥2 𝑓3 𝑥3 𝑓4 𝑥4 4というデータ が3個ある 5というデータ が4個ある 4 合計 = 2 × 3 + 3 × 4 + 4 × 5 + 1 × 6 = 3というデータ が2個ある 𝑓1 𝑓2 𝑓3 𝑓4 6というデータ が1個ある 𝑓𝑖 𝑥𝑖 度数という重みを掛けた データの合計 𝑖=1 4 データ数 = 2 + 3 + 4 + 1 = 𝑓𝑖 重みの合計 𝑖=1 4 重みを掛けた合計 平均 重みの合計 fx i 1 4 i i f i 1 i 44 4 .4 10 このような 平均の計算方法を 加重平均という 加重平均その2 例) {3, 3, 4, 4, 4, 5, 5, 5, 5, 6}の10個のデータ 𝑟1 𝑥1 𝑟2 𝑥2 𝑟3 𝑥3 𝑟4 𝑥4 4 0.2 × 3 + 0.3 × 4 + 0.4 × 5 + 0.1 × 6 = 3というデータ が2割ある 5というデータ が4割ある 4というデータ が3割ある 𝑟1 𝑟2 𝑟3 6というデータ が1割ある 𝑟𝑖 𝑥𝑖 𝑖=1 相対度数という 重みを掛けた データの合計 4 𝑟4 1.0 = 0.2 + 0.3 + 0.4 + 0.1 = 𝑟𝑖 重みの合計 𝑖=1 4 重みを掛けた合計 平均 重みの合計 r x i 1 4 i i r i 1 4 .4 4 .4 1 .0 このような 平均の計算方法を 加重平均という i 相対度数の場合は重みの合計が必ず1になるので 加重合計がそのまま加重平均になる 異なる重さの重りの釣り合い 重さ(weight) の違う重りの 釣り合う位置 (重心)を計算 するのに加重 平均の公式が 使える 𝑑1 = 𝑥1 − 𝑥 −1.4 𝑑2 −0.4 重さ 𝑤2 𝑤1 3 2 𝑥1 3 4 x w x i 1 4 i i w i 1 i 44 4 .4 10 𝑥2 4 𝑥 4.4 𝑑4 1.6 𝑑3 0.6 𝑤3 4 𝑤4 1 𝑥3 5 𝑥4 6 左側(反時計回り)のトルク −𝑤1 𝑑1 − 𝑤2 𝑑2 = 2.8 +1.2=3.0 右側(時計回り)のトルク 𝑤3 𝑑3 + 𝑤4 𝑑4 = 2.4 + 1.6 = 3.0 加重平均の公式で求めた位置が ちゃんと釣り合いの位置になってる 左右のトルクは釣り合ってる 釣り合いの条件 • 前ページの例で,4個の重さが異なる重りでは −𝑤1 𝑑1 − 𝑤2 𝑑2 = 𝑤3 𝑑3 + 𝑤4 𝑑4 が釣り合うための条件であることが分かった 移項すると 𝑤1 𝑑1 + 𝑤2 𝑑2 + 𝑤3 𝑑3 + 𝑤4 𝑑4 = 0 が釣り合うための条件であることが分かる. • 一般に𝑛個の重さが異なる重りでは 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 𝑥= 𝑤1 + 𝑤2 + ⋯ + 𝑤𝑛 が平均の位置になり,偏差 𝑑𝑖 = 𝑥𝑖 − 𝑥 を使った 𝑤1 𝑑1 + 𝑤2 𝑑2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑑𝑛 = 0 の条件が必ず成り立つことが証明できる. 「加重平均は釣り合いの位置」の証明 𝑑𝑖 = 𝑥𝑖 − 𝑥 を使う 𝑤1 𝑑1 + 𝑤2 𝑑2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑑𝑛 = 𝑤1 𝑥1 − 𝑥 + 𝑤2 𝑥2 − 𝑥 + ⋯ + 𝑤2 𝑥𝑛 − 𝑥 = 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 −𝑤1 𝑥 − 𝑤2 𝑥 − ⋯ − 𝑤𝑛 𝑥 括弧を外し 計算の順番を変える 後半部分を −𝑥 で括る = 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 − 𝑤1 + 𝑤2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥 = 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 − 𝑤1 + 𝑤2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥 の定義を使う 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 𝑤1 + 𝑤2 + ⋯ + 𝑤𝑛 = 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 − 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 =0 平均の左右のトルクが釣り合って0になる事が示せた 約分 これまでの平均との関係 • 加重平均の公式 𝑤1 𝑥1 + 𝑤2 𝑥2 + ⋯ + 𝑤𝑛 𝑥𝑛 𝑥= 𝑤1 + 𝑤2 + ⋯ + 𝑤𝑛 で全ての重さが等しい 𝑐 だとする • 𝑤1 = 𝑤2 = ⋯ = 𝑤𝑛 = 𝑐 とすると上の式は 𝑐𝑥1 + 𝑐𝑥2 + ⋯ + 𝑐𝑥𝑛 𝑥= 𝑐 + 𝑐 + ⋯+ 𝑐 𝑐 𝑥1 + 𝑥2 + ⋯ + 𝑥𝑛 = 𝑐𝑛 これまでの平均の式は 全ての重さが等しい場合の 加重平均 1 = 𝑥1 + 𝑥2 + ⋯ + 𝑥𝑛 𝑛 共通因子 𝑐 で括る 𝑐 を 𝑛 個足すので 𝑐𝑛 約分 連続データの分析 階級と階級値 連続データの分析 • 量的データは2種類ある • 離散データ(discret data,整数データ) • 連続データ(continuous data,実数データ) – 小数点以下いくらでも小さく半端な値を持つ 例)身長データ、体重データ – ○○以上○○未満などの階級に分けないと度数 の集計ができない – 度数分布のグラフでは柱と柱の間をひっつける このグラフのことを「ヒストグラム」という 階級値 • 階級値 – 階級を代表する値 – (階級の間の値なら何でも良いが)普通は階級の真ん中 の値を階級値にする 階級の下限 + 階級の上限 階級値 = 2 – 階級内のデータは全て階級値の値だと近似することで データ全体の合計や平均の概算ができる (階級値に度数や相対度数の重みを掛けた加重平均で計算) – 階級に要約する前のデータ(生データ)はデータ量が多い 等の理由で手に入らないことがあるので階級値を使った 概算は重要 表2.3.9の女性の体重の度数分布 階級にまとめる前のデータが以下のものだったとする. {18.1, 20.2, 22.5, 25.3, 27.4, 28.0, 30.2, 31.2, 34.9, 36.4, 37.1, 37.9, 38.4, 39.1, 41.4, 41.8, 43.2, 46.2, 48.6, 55.7} 単位[kg] 合計703.6, 平均: 35.18 階級 階級 階級値 度数 相対 番号 度数 𝒊 𝒙𝒊 𝒇𝒊 𝒓𝒊 1 15 1 0.05 10 ≤ 𝑥 < 20 2 25 5 0.25 20 ≤ 𝑥 < 30 3 35 8 0.40 30 ≤ 𝑥 < 40 ↑最頻値の概算 4 45 5 0.25 40 ≤ 𝑥 < 50 5 50 ≤ 𝑥 < 60 55 合計 - - 1 20 0.05 1.00 𝒇𝒊 𝒙𝒊 15 𝒓𝒊 𝒙𝒊 0.75 125 280 225 55 700 6.25 14.00 11.25 2.75 35.00 ↑合計の概算 ↑平均の概算 女性の体重の度数分布 度数の目盛 10 相対度数の目盛 0.5 8 0.4 6 0.3 4 0.2 2 0.1 0 0 0 10 20 30 𝑥 35 40 50 60 70 [kg] 表2.3.10の男性の体重の度数分布 階級にまとめる前のデータが以下のものだったとする. {29.8, 34.2, 38.8, 41.6, 43.3, 47.0, 48.2, 50.8, 52.5, 54.8, 55.2, 57.6, 59.3, 60.5, 61.2, 64.6, 66.2, 66.6, 67.4, 69.2} 単位[kg] 合計1068.8, 平均: 53.44 階級 階級 階級値 度数 相対 番号 度数 𝒊 𝒙𝒊 𝒇𝒊 𝒓𝒊 1 25 1 0.05 20 ≤ 𝑥 < 30 2 35 2 0.10 30 ≤ 𝑥 < 40 3 45 4 0.20 40 ≤ 𝑥 < 50 4 55 6 0.30 50 ≤ 𝑥 < 60 ↓最頻値の概算 5 60 ≤ 𝑥 < 70 65 合計 - - 7 20 0.35 1.00 𝒇𝒊 𝒙𝒊 25 𝒓𝒊 𝒙𝒊 1.25 70 180 330 455 1060 3.50 9.00 16.50 22.75 53.00 ↑合計の概算 ↑平均の概算 男性の体重の度数分布 度数の目盛 10 相対度数の目盛 0.5 8 0.4 6 0.3 4 0.2 2 0.1 0 0 10 20 30 40 50 𝑥 53 60 70 80 [kg] P.128問11 番号 階級 階級値 度数 𝒊 𝒙𝒊 𝒇𝒊 1 0.0 < 𝑥 ≤ 0.5 0.25 8 2 0.5 < 𝑥 ≤ 1.0 0.75 27 3 1.0 < 𝑥 ≤ 1.5 1.25 45 4 1.5 < 𝑥 ≤ 2.0 1.75 50 ↑最頻値の概算 5 2.0 < 𝑥 ≤ 2.5 2.25 39 6 7 8 2.5 < 𝑥 ≤ 3.0 3.0 < 𝑥 ≤ 3.5 3.5 < 𝑥 ≤ 4.0 2.75 3.25 3.75 合計 - - 21 7 3 200 相度 𝒓𝒊 0.040 0.135 0.225 0.250 0.195 0.105 0.035 0.015 1.00 𝒇𝒊 𝒙𝒊 2.00 20.25 56.25 87.50 87.75 57.75 22.75 11.25 345.5 ↑合計の概算 𝒓𝒊 𝒙𝒊 0.01000 0.10125 0.28125 0.43750 0.43875 0.28875 0.11375 0.05625 1.7275 ↑平均の概算 1日に飲む水の量の度数分布 度数の目盛 60 相対度数の目盛 0.3 50 0.25 40 0.2 30 0.15 20 0.1 10 0.05 0 0 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 𝑥 0.17275 2.5 3 3.5 4 4.5 [l]
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