⼿持ち⼯具の⼿腕系振動暴露評価のための 振動計測事例 試験分析 事例 中嶋隆勝1* キーワード ⼿腕系振動、振動⼯具 概 要 ⼿持ち⼯具による振動が人体へ及ぼす健康被害を抑制するためには、「周波数補正振動 加速度実効値の三軸合成値」を計測し、⽇振動暴露量を算出して管理することが⼤切です。⼿持 ち⼯具の振動計測事例を紹介します。 2.加速度センサーの取付方法 1.計測・解析の準備 手持ち工具(インパクトレンチ) 取付A 平面部:専用 ワックスを用いて固定 (さらに、写真(下)セン サーの上からテープ複 数回巻き固定) 加速度センサ (PV-971) 取付B 曲面部:テープ複 数回巻き(5回、張力を掛 けた状態)により固定 加速度センサ(テープ下) 振動計測・解析装置 (VM-54、VX-54WH) 4.「周波数補正振動加速度実効値の 三軸合成値」の統計値と分散分析 3.作業の再現方法(工具の状態) 状態0 無負荷:空中 で運転⇒計測 状態1 負荷:ねじの 増し締め⇒計測 取付・状態 条件 平均値 m/s2 変動係 数 % 計測 回数 A-0 2.11 7.6 10 A-1 14.5 17.8 10 B-0 2.60 6.4 10 B-1 15.5 10.1 10 振動計測時間は5秒です。 無負荷(空中)で運転 M16六角ナット 本事例の分散分析結果は次のとおりです。 「センサー取付方法」 は有意でない。 「作業の再現方法」 は有意である。 5.おわりに インパクトレンチの手腕系振動暴露評価のための振動計測事例を紹介しました。 多くの計測で課題となる「センサー取付方法」について分散分析した結果、本事例では「曲面部 へのテープ複数回巻き」でも有意差が生じないことがわかりました。 本計測にご協力いただいた(地独)大阪府立産業技術総合研究所 加工成形科 安木誠一主任研究員、永田芳樹技術専門スタッフに謝意を表します。 1(地独)⼤阪府⽴産業技術総合研究所 製品信頼性科 *TEL: 0725-51-2711 E-mail: nakajima@tri-osaka.jp
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