Clinical Chemistry Journal Club

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Circulating Fragments of N-Terminal Pro–B-Type Natriuretic Peptides in Plasma
of Heart Failure Patients
心不全患者(HF)の血漿中に含まれる脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体の N 末端循
環型断片について
Jared Yong Yang Foo,†, Yunxia Wan,†, Benjamin L. Schulz,†, Karam Kostner, John Atherton, Justin Cooper-White, Goce
Dimeski, and Chamindie Punyadeera*
1
The Australian Institute for Bioengineering and Nanotechnology,
School of Chemistry and Molecular Biosciences, and
3
School of Medicine, the University of Queensland, Brisbane, Queensland, Australia;
4
Department of Cardiology, Mater Adult Hospital, Brisbane, Queensland, Australia;
5
Department of Cardiology, Royal Brisbane and Women's Hospital, Brisbane, Queensland, Australia;
6
School of Chemical Engineering, the University of Queensland, Brisbane, Queensland, Australia;
7
Chemical Pathology, Princess Alexandra Hospital, Brisbane, Queensland, Australia;
8
current affiliation: Saliva Translational Research Group, The University of Queensland Diamantina Institute, Woolloongabba, Australia.
2
* Address correspondence to this author at: Saliva Translational Research Group, The University of Queensland Diamantina Institute, Level 6,
TRI | 37 Kent St. |, Woolloongabba, QLD 4102, Australia. Fax +61-(0)7-3443-6966; e-mail [email protected].
概要
背景:脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体の N 末端(NT-proBNP)の検出に、標準化され
ていない測定法を用いると心不全(HF)の誤診を招く恐れがあり、さらに言えば現在市販
されている NT-proBNP 循環型ペプチド測定キットにおいては、まだ共通のコンセンサ
スが確立されていない。そこで HF 患者の血中を循環している多様な NT-proBNP を分類
し、かつ検討することを目的とした。
方法:血漿サンプルは HF 患者(n=20)から安静時に採血され、マイナス 80℃にて保存さ
れたものを使用した。NT-proBNP の濃縮には、免疫沈降法と質量分析を組み合わせた方
法が用いられた。homogenous sandwitch AlphaLISA イムノアッセイ法を新たに確立し、
これを用いて6種類の NT-proBNP 断片の測定値を評価した。
結果:質量分析により、N, C 末端がプロセッシングされた循環型 NT-proBNP がいくつか
同定され、それらは第 2 番目アミノ酸のプロリンと第 3 番目のロイシン間、第 3 番目
ロイシンと第 4 番目グリシン間、第 6 番目プロリンと第 7 番目グリシン間や第 75 番目
プロリンと第 76 番目アルジニン間の生理的プロテアーゼ分解を伴っていた。この結果
と一致して、NT-proBNP の N, C 末先端を認識する抗体を AlphaLISA イムノアッセイ法で
使用すると、実在より低い見かけ濃度として検出され、グリコシル化が無く、かつ N, C
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末端では無い場所を抗原とする抗体を用いた場合は、その NP-proBNP の見かけ濃度が
上昇した(P < 0.05)。
結論:HF 患者から採血した血漿中には、N, C 末端が欠損した多様な NT-proBNP 断片が
存在し、それら断片は免疫活性を持っていることが明らかとなった。NT-proBNP の免疫
法による検出は、末端領域をターゲットとしない抗体を用いることで著しく改善された。
以上の結果を基に、次世代の NT-proBNP アッセイでは、中心部のグリコシル化領域を
避けることと、N, C 末端をターゲットとしないことが極めて重要である。
心不全(HF)はグローバルな健康問題であり、世界的にみても医療による成果に乏しく、
医療制度に対する相当な経済的負担を伴っている(1)。世界中でおよそ 2 千 3 百万人が
心不全を患っており、その数は高齢化や人口増加により近い将来増加することが見込ま
れている(2)。これまで、血漿中の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)か、BNP 前駆体の
N 末端のいずれかを測定することで、心不全の疑いのある患者への診断精度を上げるこ
とが示されてきた(3-5)。しかしながら患者間にみられる大きな変化や、血中の NTproBNP 多型の存在、さらには検出に使われている方法により不正確性が相当まちまち
であり、心不全に対するこれらのペプチド測定の有効性が制限されている。特に患者が
診断プラットフォームの異なる別の検査ラボを利用する場合、測定精度の相違が益々問
題となってくる(4, 5)。さらに、心不全中に心臓組織から分泌された proBNP 前駆体に由
来する NT-proBNP ペプチド断片についても、コンセンサスはない。また、血中の furin
や corin 転換酵素により、proBNP 前駆体のプロセッシングが正常に起こらず、現在流通
している NT-proBNP イムノアッセイ法が、心不全患者の血中 proBNP を検出している可
能性が報告されており、さらに問題を複雑にしている(6-8)。
Clerico らは、BNP や NT-proBNP イムノアッセイの分析方法や臨床結果の違いを評価す
るために、CardioOrmoCheck スタディーと呼ばれる熟練試験プログラムを行い、Roche
diagnostics 社の抗体やスタンダードを使用した流通している3種類の NT-proBNP イムノ
アッセイ法を用いて、NT-proBNP 濃度の測定精度(8.7%)を決定した(9)。CardioOrmoCheck
スタディーの報告によると、ほとんどのイタリアの検査ラボで BNP の代わりに、NTproBNP を使用したという事実もまた報告されている。Roche 社の NT-proBNP アッセイ
法は、NT-proBNP の異なったエピトープをターゲットとする異なった抗体(ポリクロー
ナルとモノクローナル)を利用している(10)。
Ala-Kopsala らは、心不全患者から採血された血漿中には、様々な NT-proBNP(N, C 両末
端が欠損している)が含まれており(11)、そのいくつかは全長の 76 個のアミノ酸残基
に満たない短いもので、しかもそれらが免疫反応を示すことを明らかにした。しかしな
がら、彼らは心不全患者の NP-proBNP 型を定量したり同定したりすることに着目して
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いなかった。血液中の NT-proBNP の主要な分子型についての定量化やコンセンサスの
獲得は、診断や HF 患者の治療の際に使われる NT-proBNP 検出法の精度の向上に繋がる
と思われる。
この研究の目的は、HF 患者から採血された血漿中に含まれる NT-proBNP 主要型を同定
し定量することであり、この情報は次世代の診断検査法の発展に寄与すると思われる。
材料と方法
参加者とサンプル回収:この研究は Queensland 大学医療倫理施設委員会と、Mater 病
院医療倫理審議委員の承認を得ている。すべての参加者は 18 歳以上で、研究へのサン
プル提供前に告知に基づく同意書に署名をお願いした。一般の心臓学部門から左心室排
出が 40%以下の心不全兆候を示す患者{n=20; ニューヨーク心臓協会(NYHA) 心機能分類
クラス III}を募った。HF の診断についてはオーストラリアの慢性心不全の予防、検出
や治療のためのガイドラインに則り、Mater 成人病院の循環器専門医が行った(12)。研
究の参加者全員に、サンプル回収 24 時間前の運動を控えるようにお願いした。参加者
はヨーロッパ人、アフリカ人、アジア系であり、風邪や呼吸気管の感染の兆候は見られ
なかった。血液サンプルは NT-proBNP の in vitro 分解を最小限にするため EDTA 管
(Greiner Vacuette®; Greiner Bioone)に集められ、すぐに遠心器にかけられた(500xg, 10 分、
4℃)。サンプルは分注後、マイナス 80℃で保存された。
内在性 NT-proBNP の精製と質量分析による同定:プロテアーゼにより分解された血中
NT-proBNP の主要生成物を同定するため、HF 患者血漿(n=4)を免疫沈降(IP)反応に使った。
簡単に説明すると、製造業者の説明書に従い EDS-NHS [1-ethyl-3-(3dimethylaminopropyl)-carboimide and N-hydroxysuccinimide]を用いて、NT-proBNP モノク
ローナル抗体(13 から 20 個のアミノ酸残基をターゲットとする)を Dynabeads M270
Epoxy (Invitrogen)に化学的に結合させたものを使用した。
次に、濃縮した血漿 NT-proBNP を、トリスバッファー(50 mmol/L Tris-HCl pH7.5 with 10
mmol/L dithiothreitol)中でトリプシン処理(37℃、16 時間)を行い、C18 ZipTips
(Millipore)で脱塩し、既出の論文(13)通りに liquid chromatography (LC)-electrospray
ionization–tandem mass spectrometry (MS/MS) using a Prominence nanoLC system (Shimadzu)
3
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on a TripleTof 5600 mass spectrometer with a Nanospray III interface (AB SCIEX)にて解析を
行った。およそ 2 µg のペプチドを Agilent C18 trap (300-Å pore size, 5-µm particle size、
0.3mm i.d. x 5 mm, at flow rate of 30 µL/min for 3 min)で脱塩し、その後 Vydac EVEREST
reversed-phage C18 HPLC column (300-Å pore size, 5-µm particle size, 150-um i.d. x150 mm, at
flow rate of 1 µL/min)で分離した。さらに、バッファーA(1% acetonitrile with 0.1% formic
acid)とバッファーB(80% acetonitrile with 0.1% formic acid)を用いて B 溶液の濃度勾配溶液
(a gradient of 10%-60%)を作り、それを用いてペプチドを分離した。ガスと電圧の設定は
必要に応じて設定した。質量電荷比(m/z) 350 から 1800 範囲で MS TOF 検出を 0.5 秒間
行い、さらにスペクトル当り 0.05 秒間、質量電荷比(m/z) 40 から 1800 までのトップ 20
のペプチドのキャピラリー電気泳動と共に、MS/MS の IDA (information-dependent
acquisition)機能解析を行った。
タンパク質は Protein Pilot(AB SCIEX)を用いて同定し、標準設定(sample type, identification;
cysteine alkylation, none; instrument, TripleTof5600; species, no restriction; ID focus, biological
modification; enzyme, trypsin; search effort, thorough ID)を使い、LudwigNR データベース
(downloaded from
http://www.wehi.edu.au/faculty/advanced_research_technologies/proteomics/wehi_systems_biol
ogy_mascot_server as updated on 27 January 2012; 16 818 973 sequences; 5 891 363 821
residues)で検索した。ProteinPilot を用いて False discovery rate (FDR)をすべての検索で行
った。> 99% confidence かつ < 1% local false discovery rate の条件を備えたペプチドの解
析を進め、MS/MS 断片化スペクトルは手動で調べた。抽出されたイオンクロマトグラ
フは PeakView 1.1 を用いて得られた。
血漿 NT-proBNP AlphaLISA イムノアッセイ法:筆者らは異なったエピトープ特異性を持
つ 6 種類の AlphaLISA イムノアッセイを用いて、NT-proBNP の免疫反応を測定した(Fig.
1)。抗体はすべてモノクローナル由来であり、11D1 は My Biosource 社(MBS311067;
http://www.mybiosource.com)から、それ以外は Hy Test 社(http://www.hytest.fi)から購入し
た。これらのモノクローナル抗体は広く一般的に調べられており、製造業者により抗体
の特異性が検証されている。さらに、ヒト血中のグリコシル化された NT-proBNP の免
疫検出にも首尾よく使われている(14)。これらのモノクローナル抗体の特異性は、Hy
Test 社や My Biosource 社らによりサンドイッチ検出法を用いて広範囲に渡り調べられ
ており、遺伝子組み換え的に発現させたグリコシル化がない NT-ProBNP や proBNP アナ
ライト同様、HF 患者からの血清や血漿サンプル中においても、キャプチャー抗体もし
くは検出抗体として使われている。
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Fig. 1. Schematic diagram illustrating the antibody binding sites on the 6 fragments of
glycosylated NT-proBNP and MS peptide coverage of NT-proBNP enriched by
immunoprecipitation from plasma.
Fig 1(A), 6 種類のイムノアッセイは診断グレードのモノクローナル抗体を使用してお
り、NT-proBNP1-20, NT-proBNP13-45, NT-proBNP1-45, NT-proBNP28-76, NT-proBNP13-76, NTproBNP1-76 を検出する。筆者らの MS 解析により検出された N, C 末が、プロテアーゼ分
解された箇所を赤字の縦線で示してある。*は一番高い NT-proBNP の見かけ濃度を示
した抗体ペアを指している。Fig 1 (B), Confidence > 99%で同定されたペプチドに対応す
るシーケンスは太字で、トリプシンで分解されない箇所は赤字の縦線で示してある
(Table2 参照)。
6 種類の NT-proBNP イムノアッセイの名前は、キャプチャー抗体が NT-proBNP に結合す
る最初のアミノ残基と、検出抗体が第 1 番目から第 76 番目のアミノ残基をもつ NTproBNP の最後のアミノ酸残基に由来している:NT-proBNP1–20 (5B61–12 and 13G1213–20);
NT-proBNP13–45 (18H513–20 and 11D128–45); NT-proBNP1–45 (5B61–12 and 11D128–45); NTproBNP28–76 (11D128–45 and 28F867–76); NT-proBNP13–76 (18H513–20 and 28F867–76); NTproBNP1–76 (5B61–12 and 28F867–76)。NT-proBNP AlphaLISA アッセイそれぞれが 2 つのモノ
クローナル抗体から成り立っており、一つ目はビオチン化され、ストレプトアビジンで
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コーティングされたドナービーズに結合する抗体(5B6, 11D1, or 18H5)、二つ目はアクセ
プタービーズに予め結合された抗体である(11D1, 13G12, or 28F8) (15) (16-19)。NT-proBNP
アナライトは PerkinElmer 社から購入した。NT-proBNP スタンダードは健康なボランテ
ィア(n=10)から集められた血漿プールを用い、High Block 免疫バッファーで 50%対 50%
に混ぜた。これにより、血漿を使ったイムノアッセイの開発の際に良く見られるマトリ
ックス効果を克服することができる。
イムノアッセイのための NT-proBNP モノクローナル抗体のビオチン化:Nhydroxysuccinimido-ChromaLink-biotin (2 g/L) (9007-105K, Solulink)を 30 対 1 のモル率でそ
れぞれの NT-proBNP 抗体に入れ、室温で 2 時間反応させた。Zeba スピン脱塩カラム
(89882; Thermo Scientific Pierce)を用いて結合しなかったフリーのビオチンを取り除き、
ビオチン化された NT-proBNP 抗体の精製に使用した。ビオチン化された抗体は 4℃で保
存された。
NT-proBNP 抗体の AlphaLISA アクセプタービーズへの結合:リン酸バッファー溶液
(250µl)を、50µl の AlphaLISA アクセプタービーズ(6772003; PerkinElmer®)に添加して遠心
にかけ(16000xg, 15 分)、上精は捨てる。アクセプタービーズのペレットを得るため、
0.1 mg の NT-proBNP 抗体、1.25µl の 10% Tween-20、25 µg の NaBH3CN と PBS(0.13 mol/L,
pH7.4, Gibco®; Life Technologies)を添加して、最終反応量を 200µl し、37℃で 24 時間反応
させた。その後、10µl の carboxy-methoxylamine を反応液に加えて、37℃で 1 時間反応
させた。結合した NT-proBNP モノクローナル抗体は 1600xg, 15 分で精製され、上精は捨
て、ビーズのペレットを 1 ml トリスバッファー(0.1 mol/L, pH 8)に溶かした。この精製
ステップは 3 回繰り返し、超音波処理(20 pulses per second)を行った。結合させたビー
ズは 4℃で保存された。
自家製 NT-proBNP AlphaLISA イムノアッセイ:簡単に説明すると、AlphaLISA はペアの
NT-proBNP 抗体を使用し、一つの抗体はビオチン化されたもので、ストレプトアビジン
でコートされたドナービーズに結合し、もう一つの抗体はアクセプタービーズに結合さ
れている。NT-proBNP の存在下、これらのビーズ同士が近距離まで近づくと、ドナービ
ーズの励起により酸素一分子の放出を促進して、アクセプタービーズへのエネルギー伝
達のトリガーとなる。結果として、625 nm での light emission のシャープピークとして
計測される(18)。
製造業者のプロトコルに従い、サンプルは 384-well ProxiPlatesTM (PerkinElmer®)を用いて
トリプケートで測定した。一つの例外は、反応液量を 50 µL から 10 µl に減らしたこと
である。要約して説明すると、アッセイは一つのサンプルあたりアナライト(1 µL)、ビ
オチン化抗体(25 mmol/L)、アクセプタービーズ(25 ng/L)とストレプトアビジンドナービ
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ーズ(80 ng/L)から構成されており、すべてのイムノアッセイにおいて、アクセプタービ
ーズの最終濃度は 10 µg/mL で、ビオチン化抗体の最終濃度は 1 nmol/L である。全工程
のインキュベーション時間は暗室、室温で 1.5 時間、プレートは EnSpireTM マイクロプ
レートレーダーを用いて計測した。
NT-proBNP AlphaLISA アッセイを特徴づける方法:血漿 NT-proBNP を測定するための
AlphaLISA アッセイの適合性を評価するため、健康体のプールされたコントロール血漿
において、濃度が分かっている NT-proBNP アナライト二つを添加した。添加あり、な
し両方のサンプルを、同じ AlphaLISA イムノアッセイで測定した。2 つの添加した血漿
サンプルのリカバリーパーセントは、対応する添加していないプールの血漿を用いて以
下の式を作成した:
一回の AlphaLISA アッセイにおいて、血漿サンプルをトリプケート用意し、3 回独立し
て AlphaLISA アッセイを行った。筆者らは一回の実験で 3 サンプル用意し、12 ブランク
を使ったアッセイで検出限界(LOD)を評価した。LOD はシグモイダルドーズレスポンス
曲線で読み取られた:
統計解析:すべての統計解析は GraphPad Prism 5 software version 5.03(GraphPad
Software)を用いて行った。標準曲線は、”raw” AlphaLISA カウント vs 4 パラメータロジス
ティック方程式(様々なスロープを持つシグモイダルドーズレスポンス)と、1/y2 デー
タの重み付け(相対二乗距離を最小値にする)を使った NT-proBNP スタンダードをプ
ロットすることにより得た。統計解析の前に、標準分布を検定する目的で6つの血漿
NT-proBNP 断片の濃度(計量値)に対して D’Agostino and Pearson 等の正規性検定を行
った。標準分布なしで値を比較するために、ウィルコクソンの符号順位検定を 2 つの
ペアとなるグループからのデータに基づいて行った。2 種類のグループ間の違いは、統
計的に p<0.05 を有意差とした。スピアマンの順位相関係数は、2種類のグループ間の
標準分布を持たない計量値を調べるために計算された。
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結果
筆者らは NYHA クラス III の HF 患者を募り、患者の特徴を Table 1 に示した。
Table 1. Characteristics of HF patients.
Parameter
Age, years, mean (SD)
Sex, M:F, n
HF patients (n = 20)
73 (10.9)
11:09
Body mass index, kg/m2, mean (SD)
NYHA classification
Systolic blood pressure, mmHg, mean (SD)
Diastolic blood pressure, mmHg, mean (SD)
29.9 (6.19)
All patients were class 3
124 (3.81)
75 (4.83)
NT-proBNP 由来のペプチドは、NT-proBNP に対する抗体(Table 2)を用いた IP(免疫沈降
法)による抽出分画中で確認した。これらのペプチドは予想される成熟した NTproBNPta タンパク質の N, C 末領域を含んでいる(UniProtKB accession P16860)。しかしな
がら、いくつかのペプチドはセミトリプシンであり、つまりペプチド末端の一方ではコ
ンセンサストリプシン認識サイト以外での切断が起こっていた。
Table 2. NT-proBNP tryptic and semitryptic peptides identified
after IP from plasma
Positiona
Peptideb
m/z
z Δmass
1–21
HPLGSPGSASDLETSGLQEQR.N 722.68 3 −0.003
3–21
P.LGSPGSASDLETSGLQEQR.N
966.46 2 −0.004
4–21
L.GSPGSASDLETSGLQEQR.N
909.92 2 −0.005
8
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7–21
P.GSASDLETSGLQEQR.N
789.36 2 −0.004
67–76
K.MVLYTLRAPR
407.23 3
0.001
67–75
K.MVLYTLRAP.R
532.3 2
0.002
67–73
K.MVLYTLR.A
448.25 2
0.001
•
•
a
b
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Amino acid position in mature NT-proBNP protein.
Nontryptic cleavages are bold; missed cleavages are underlined.
個々人から得られた NT-proBNP に由来するこれらのトリプシン・ペプチド やセミトリ
プシン・ペプチドの相対的存在量は、それぞれのペプチドの抽出されたイオンクロマト
グラムの強度の相対定量法を使って調べられた。ペプチドの N, C 末のセットは個々に
正規化され、これにより HF 患者の血中における NT-proBNP の N, C 末欠損断片の存在量
を、半定量的に測定することが可能となった。このことは、異なってプロセッシングさ
れた NT-proBNP 断片の相対的な比率が患者間で本質的に一緒であり、血中 NT-proBNP
の N, C 末両端でプロテアーゼ分解のプロセッシングが、高度に生じていることを示し
ている(Fig. 2)。
9
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Fig. 2. Relative proportion of N- and C-terminal tryptic and semitrypic peptides from NTproBNP purified by IP from individual patients.
(A), N-terminal peptides: black, H1-R21; white, L3-R21; gray, G4-R21; striped, G7-R21. (B), Cterminal peptides: black, M67-R76; white, M67-P75.
筆者らは Roche diagnostic 社のアッセイと、自家製の NT-proBNP13-76 (Spearman
correlation of r = 0.69 and P< 0.05)イムノアッセイとの比較を行った(n = 28) (see Fig. 1 in
the data supplement that accompanies the online version of this article at
http://www.clinchem.org/content/vol59/issue10)。NT-proBNP AlphaLISA アッセイ結果は Table
3 にまとめた。
10
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Table 3. Performance characteristics of our NT-proBNP immunoassays.
Recovery, % 300
Interassay
AlphaLISA
Intraassay
LOD,
ng/L % 3000
variation, %
immunoassay
variation, %
ng/L
ng/L/,
(SE)
NT-proBNP1–20
101.9 6.55 (0.88)
8.78 (0.56)
90.7
6.69 (0.70)
52.4
7.13 (0.65)
26.4
9.59 (1.03)
168
6.32 (0.88)
147
4.46 (0.59)
45.3
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82.6
NT-proBNP13–45
81 9.14 (0.76)
80
NT-proBNP1–45
77.8 7.58 (1.09)
76
NT-proBNP28–76
96.7 7.34 (0.62)
78.8
NT-proBNP13–76
88.1 7.30 (0.69)
121
NT-proBNP1–76
71.5 5.39 (0.75)
70.2
HF 患者の血漿サンプルにおいて、NT-proBNP 濃度の測定には NT-proBNP 全長をターゲ
ットとする抗体と、5 種類の異なる箇所をターゲットとする抗体が使われた。NTproBNP1-20 の濃度範囲は 2182 から 19808 ng/L で、median は 8885 ng/L (IQR, 4166-14204
ng/L)。NT-proBNP1-45 の濃度範囲は 91.6 から 2645 ng/L で、median は 448.3 ng/L (IQR,
195.2-860.3 ng/L)。NT-proBNP13-45 の濃度範囲は 165.1 から 14164 ng/L で、median は 2151
ng/L (IQR, 840.5-3969 ng/L)。NT-proBNP13-76 の濃度範囲は 969.2 から 91458 ng/L で、
median は 14705 ng/L (IQR, 5045-28999 ng/L)。NT-proBNP28-76 の濃度範囲は 140.8 から
2995 ng/L で、median は 600.5 ng/L (IQR, 369.2-1339 ng/L)。NT-proBNP1-76 の濃度範囲は
399.7 から 16091 ng/L で、median は 4201 ng/L (IQR, 1370-8244 ng/L)。NT-proBNP13-76 断片
を認識する抗体ペアは、他の場所を認識する抗ペアと比較して一番高い濃度を示した
(P<0.05)(Fig. 3A)。NT-proBNP13-76 と 5 種類の断片の関係については Fig. 3, B-F に示してあ
る。
11
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Fig. 3. Comparison and correlation of the concentrations of plasma NT-proBNP13–76 (the highest
apparent concentration) vs plasma NT-proBNP1–20, NT-proBNP13–45, NT-proBNP1–45, NTproBNP28–76, and NT-proBNP1–76 in HF patients (n = 20).
(A), The 25th, 50th (median), and 75th percentiles are indicated on the box-and-whisker plots. *,
Significantly different from NT-proBNP13–76 concentration at the P < 0.05 level. Spearman rank
correlation was calculated between the concentrations of plasma NT-proBNP13–76 and (B) NTproBNP1–20, Spearman r = 0.890, P < 0.0001; (C) NT-proBNP13–45, Spearman r = 0.859, P <
0.0001; (D) NT-proBNP1–45, Spearman r = 0.788, P < 0.0001; (E) NT-proBNP28–76, Spearman r
= 0.908, P < 0.0001; and (F) NT-proBNP1–76, Spearman r = 0.946, P < 0.0001.
考察
筆者らは HF 患者血漿中の NT-proBNP 循環型ペプチドを明らかにするため、MS 分析と
AlphaLISA イムノアッセイを組み合わせた。筆者らが今回開発した 6 種類の AlphaLISA イ
ムノアッセイ法は、いずれも NT-pbroBNP 断片の定量の分析に良い感度を示した。健康
なコントロール血漿(n=10)をプールしたり、予め濃度が分かっている NT-proBNP アナラ
イトを添加することで、マトリックス効果をコントロールした。その結果、70.2%から
121%のリカバリーを得られた。これらのリカバリーは NT-proBNP イムノアッセイが血
漿サンプルの使用に適していることを示すよい指標となる。これらのアッセイを用いて、
12
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HF 患者血漿中の異なる NT-proBNP 断片の定量や比較、さらには血中の NT-proBNP の一
番高い見かけ濃度を出す抗体ペアの同定を行った。
筆者らの MS 分析により、トリプシン切断コンセンサス部位ではない部位で、ペプチド
の片端の切断が生じているセミトリプシン・ペプチドがいくつか同定された。これらの
セミトリプシン・ペプチドは免疫沈降(IP)で濃縮する前、すなわち血中で NT-proBNP の
N, C 末端が生理的に切断されたものらしい(22)。NT-proBNP の切断に関わっているプロ
テアーゼが一種類なのか、それとも数種類なのか明らかではないし、proBNP が NTproBNP や BNP にプロセッシングする前なのか後なのかも分からない。筆者らの MS 分
析で BNP から生じたペプチドは検出されなかったということは、同定されたペプチド
は proBNP というよりは、むしろ NT-proBNP 由来であることを示している。しかしなが
ら、proBNP が IP 後もサンプル中に含まれている可能性がある。自己切断によって生じ
たセミトリプシン・ペプチドが検出されなったということから、トリプシン切断部位以
外の切断はアーティファクトではなく、多様な N, C 末のプロテアーゼ修飾を伴った NTproBNP の異型であることを示している(Fig. 1B)。さらに、MS 分析データから血中 NTproBNP の主要な分画では、N, C 末端両方が欠損していることが分かった(Table 2, Fig. 1
and 2)。これより、血中 NT-proBNP 濃度を測定する抗体ペアは、ペプチドの N, C 末端を
ターゲットとしないのが理想である。そこでこの仮説を検証するため、NT-proBNP の異
なるセグメントをターゲットとする抗体のペアを使って、NT-proBNP の見かけ濃度を比
較した。NT-proBNP13-76 をターゲットとする抗体ペアは、NT-priBNP1-76 をターゲットとす
る抗体ペアよりもよりも高い濃度を出し、NT-proBNP13-45 をターゲットとする抗体は、
NT-proBNP1-45 を標的とする抗体よりも高い濃度を出した(Fig. 3)。これらの結果は NTproBNP の N 末欠損が、モノクローナル抗体 5B6 のこの欠損部位への結合を制限し、
NT-proBNP の濃度が低い見かけ濃度となる結果と一致している(Table 2, Fig. 1)。同様に、
NT-proBNP1-20 を認識する抗体ペアは、C 末端が欠損し、モノクローナル抗体 28F8 の結
合を制限している NT-proBNP1-76 よりも高い濃度を出した(Fig. 3)。これらの結果は、血中
NT-proBNP の主要型は N, C 末端が欠損しているという、筆者らが MS 分析から得られた
データをサポートするものであり、血中 NT-proBNP の多型についての既出の記述とも
一致している(4, 11)。
NT-proBNP の中心領域のグリコシル化が、免疫検出を阻害することもまた報告されてい
る(14, 23)。NT-proBNP1-20 をターゲットとする抗体ペアを使った時の NT-proBNP の見か
け濃度は、NT-proBNP1-45 や NT-proBNP13-45、もしくは NT-proBNP 28-76 をターゲットとす
る抗体ペアを使った時よりも高くなる(Fig. 3)。このことは NT-proBNP の中心部における
グリコシル化がこの領域への抗体の結合を弱めていることと一致しており、既出の結果
を確証するものである(7, 14, 23)。以上をまとめると、NT-proBNP を測定する理想のイム
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Clinical Chemistry
Journal Club
ノアッセイは、NT-proBNP の N, C 末先端をターゲットとせず、中心部分のグリコシル化
領域も避けるべきである。
Roche Diagnostic 社のアッセイを使用して、以前 NT-proBNP 濃度を測定した 37 つの血漿
サンプルを用いて、筆者らが今回 NT-proBNP1-76AlphaLISA を評価すると、筆者らのアッ
セイと Roche 社のアッセイ(r2=0.78 and P<0.001)との間で、有意な相関関係が見られた
(see online Supplemental Fig. 1)。現在 Roche Diagnostics 社から発売されている 2 世代目の
NT-proBNP アッセイは、NT-proBNP のアミノ酸残基第 27 番目から第 31 番目と、第 42
番目から第 46 番目領域にそれぞれの認識サイトを持つ、2つのモノクローナル抗体を
基に作成されている(Roche Diagnostics data sheet; see
http://www.aacc.org/publications/cln/2008/July/Pages/newproducts7_0708.aspx)。対照的に、
試験に使った抗体ペアのうち、NT-proBNP13-76 を標的としたペアが、HF 患者血漿サンプ
ル中に含まれる NT-proBNP の一番高い見かけ濃度を示すことがこの研究で明らかにな
った。しかしながら筆者らの結果から、理想的な NT-proBNP イムノアッセイは、NTproBNP の C 末端欠損(Figs. 1 and 2)により見かけ濃度が減少するので、アミノ酸残基第
67 番目から第 76 番目をターゲットとする抗体を使うべきではない(Fig. 3)。代替となる
抗体の一つとして、中央の O 型グリコシル化領域から C 末端が欠損した領域まで、し
かもいずれの領域箇所も除く、NT-proBNP 断片をターゲットする抗体が望まれる。しか
し残念ながら、現在はそのような抗体は入手できない。さらに付け加えると、NTproBNP13-76 をターゲットとする抗体は、相対的に高い個体相互の変化を示すことが分か
った。それ故、血漿サンプル中で検出される NT-proBNP13-76 断片が、市販の診断アッセ
イキットで検出されるいくつかの断片よりも望ましいかどうかを、大規模な臨床試験に
より判定することは有益である。筆者らの研究における制限を一つ挙げるとすれば、
NYHA 心機能分類クラス III の HF 患者の小集団について調べているということである。
最近の Semenov らの研究により、HF 患者の心筋細胞から血中への分泌に関して、
proBNP が furin 転換酵素により、NT-proBNP や BNP への転換が十分に起こっていない傾
向があることが示されている(7)。しかしながら、筆者らの MS 分析では HF 患者の血中
に proBNP 断片は検出されなかったが(n=4)、それはおそらく筆者らが免疫沈降のために
選択した抗体が原因かもしれない。Katrukha らは以前、HF 患者の血漿 NT-proBNP28-45 に
あるグリコシル化の多い領域をターゲットとする特異抗体が、そのグリコシル化により
抗体がアクセスできないことを証明し、さらに、この領域から O 型グリコシルを持つ
オリゴ糖を酵素で除去すると、NT-proBNP の濃度が著しく上昇する(p<0.05)ことからこ
れを証明した(24)。それゆえ NT-proBNP28-45 モノクローナル抗体は、O 型グリコシルを
持つ領域には結合できないという点において、筆者らの結果と以前の結果は同じである。
血漿 NT-proBNP13-76(グリコシル化が無い領域)の見かけ濃度が、NT-proBNP13-45 や NT-
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proBNP28-76 の見かけ濃度と強い相関関係が見られたということは、内在性 NT-proBNP に
おいて O 型グリコシルの濃度(グリコシルを持たない vs グリコシルを持つ)は慢性的
な HF 患者のある限定されたグループにおいてかなり一致していることを示している
(Fig. 3, C and E)。このことは Nishikimi らの研究により支持されており、彼らは最近、血
漿 NT-proBNP のグリコシル化型と非グリコシル化型の比率がすべての HF 患者(NYHA 心
機能クラス I から IV)で一致していると報告している。
ヒト NT-proBNP28-45 領域の Ser, Thr 残基に O 型オリゴ糖が添加することで 、血中 NTproBNP の安定性が維持されるという報告がある(26)。それゆえ、NT-proBNP 間のグリコ
シル化が無い領域である NT-proBNP28-45 間をターゲットとするモノクローナル抗体は、
血漿 NT-proBNP の測定での O 型グリコシルの効果を排除していると考えられる。ここ
で得られた知見は、NT-proBNP13-20 をターゲットとするモノクローナル抗体の事例と併
せて、将来の“サンドイッチ”イムノアッセイにおける、より標準化された血漿 NTproBNP の測定方法の開発に寄与するものである。今回の研究により、ヒトの血漿中に
は免疫反応を示す様々な NT-proBNP 断片が含まれているが、特定のターゲットをもつ
ペプチドはさらに豊富に含まれており、それらは臨床用に開発される次世代診断アッセ
イを開発する際の理想的なターゲットであることを示すことができた。
最後に、筆者らは血漿中 NT-proBNP を検出する理想的なイムノアッセイは、プロテア
ーゼ切断を受ける N, C 末端をターゲットとすべきではなく、さらに中心部の O 型グリ
コシルをもつ領域もターゲットから外すべきであることを示した。これらの結果は,診
断を目的とする次世代 NT-proBNP イムノアッセイの開発にとって重要なことである。
筆者らの発見は、HF 診断の向上のためもっと標準化された、商業的な 3 世代 NTproBNP イムノアッセイ開発のための道を開くものである。
Acknowledgments
The authors acknowledge the help of Fairuz Jamaluddin with the zip-tipping of 4 plasma samples from the HF patients for MS analysis.
Footnotes
†
Jared Yong Yang Foo, Yunxia Wan, and Benjamin L. Schulz contributed equally to the work, and all should be considered as first authors.
9
Nonstandard abbreviations:
HF,
heart failure;
BNP,
B-type natriuretic peptide;
NT-proBNP,
N-terminal proBNP;
NYHA,
15
Clinical Chemistry
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New York Heart Association;
IP,
immunoprecipitation;
LC,
liquid chromatography;
MS/MS,
tandem mass spectrometry;
LOD,
limit of detection.
Author Contributions: All authors confirmed they have contributed to the intellectual content of this paper and have met the following 3
requirements: (a) significant contributions to the conception and design, acquisition of data, or analysis and interpretation of data; (b) drafting
or revising the article for intellectual content; and (c) final approval of the published article.
Authors' Disclosures or Potential Conflicts of Interest: Upon manuscript submission, all authors completed the author disclosure form.
Disclosures and/or potential conflicts of interest:
Employment or Leadership: None declared.
Consultant or Advisory Role: None declared.
Stock Ownership: None declared.
Honoraria: None declared.
Research Funding: B.L. Schulz, National Health and Medical Research Council Project Grant 631615 and National Health and Medical
Research Council Career Development Fellowship APP1031542; C. Punyadeera, Queensland Government Smart Futures Fellowship Programme
(QGSFF), University of Queensland New Staff Research Funds (UQNSRSF 601252), University of Queensland Foundation Research Excellence
Award Scheme, and donations of NT-proBNP monoclonal antibodies from Perkin Elmer (USA).
Expert Testimony: None declared.
Patents: None declared.
Role of Sponsor: The funding organizations played no role in the design of study, choice of enrolled patients, review and interpretation of data,
or preparation or approval of manuscript.
Received for publication November 26, 2012.
Accepted for publication June 12, 2013.
© 2013 The American Association for Clinical Chemistry
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