CO2排出上限値 EU 加盟諸国、新車の気候保護目標値に関して合意

CO 2 排出上限値 EU 加盟諸国、新車の気候保護目標値に関して合意
掲載日
2013 年 11 月 29 日
国名
ドイツ(EU)
分類
出典
タイトル
環境
Zeit オンライン版
CO 2 -Grenzwerte
EU-Staaten einig über Klimaauflagen für Neuwagen
自動車の排気ガスの基準値を巡る論争が終わった。ドイツは数か月にわたって二酸化炭素排出基準
の決定を阻んだ。この度の決定によって自動車メーカーは、法規の実施までより多くの猶予を得ること
ができた。
2020 年より EU 圏内の新車に対して課せられる、いっそう厳しい気候保護目標値に、自動車業界は適
応しなくてはならない。しかし、この基準が実際に適用されるまでには、当初の予定よりも十分な猶予
がある。このことは欧州委員会と EU 加盟各国、そして欧州議会による妥協の結果によるものであるこ
とを、EU 加盟国の大使が認めた。今後、議会での採決を経なければならないが、可決されることがほ
ぼ確実の見通しである。この計画を、ドイツは数か月にわたって阻んできた。
合意の内容は、新車における CO 2 排出量の上限値に関するものだ。2021 年より、EU 圏内のすべての
乗用車の新車について、走行距離 1km あたりの CO 2 排出量の平均値を 95 グラムとする。すでに 2020
年の時点で、新車の 95%はこの平均値を保持していなくてはならない。これに伴い、すべてのメーカー
に細かい基準値が適用される。現在もすでに同様の基準値があるが、これらの値は徐々に厳しくなっ
ていく。
電気自動車やその他有害物質の少ない自動車のメーカーについては、軽減措置も視野に入れている。
制限はあるものの、メーカーはこれらの車両について、2020 年から 2022 年の間は数回分カーボン・フ
ットプリントに算入することができる。このことは気候に負担をかけないエンジンへの投資に発破をかけ
ることにつながる。
環境保護主義者は落胆
今回達した合意で EU は、すでに夏の交渉の際に決定した妥協案から、さらに妥協することになった。
当時の合意にドイツは賛成しようとはしなかった。これによって自動車メーカーは新たな気候基準に適
応するまでの時間稼ぎができる。
二酸化炭素の排出量を 1 キロメートル走行あたり 95 グラムにするという目標の達成時期は、当初は
2020 年であったが、2021 年に引き延ばされた。環境への影響が少ない車両に対する奨励金の導入に
関しても、2020 年から 2022 年へと後ろへずらされ、その分経済界は時間の余裕を確保できた。いっそ
う厳しくなった基準を満たす時期が遅くなれば、一部を電気自動車の増加によって埋め合わせができ
る。
環境保護主義者達はこの譲歩案について失望を隠せない。きっとドライバーもガソリンスタンドで同じ
感情を抱くだろうと語るのは、環境団体トランスポート・アンド・エンバイロメント(T&E)だ。というのも、よ
り多くの二酸化炭素を排出する車両は、ガソリンの消費量も多いからだ。同団体の試算によると、今回
の決定で、一台の車が寿命を終えるまでのガソリン代として、775 ユーロの余分な支出が生まれるとい
う。
ドイツ社会民主党(SPD)所属で、欧州議会の交渉担当をつとめるマティアス・グローテ議員はこれに対
して、今回の結果を擁護している。「我々は 180 度方針転換をした訳ではありません。元々進んでいた
方向から 5 度くらいは逸れたかもしれませんが。」