平成26年を振り返って 第5回ARESマスター

ARESマスターからの投稿
平成26年を振り返って
平成 26 年 11 月 17 日から 27 年 3 月 31 日までの期間、ARES CAMPUS 内で全資格認定者を
対象に「平成 26 年(年度)を振り返って」というテーマで雑感の投稿を募集いたしました。
今回は平成 27 年 2 月中旬頃までに投稿いただいた方の中より、皆様にご紹介したいものを掲載い
たします。なお、掲載された方には平成 26 年度の継続教育ポイントを加算しております。
● 平成 26 年を振り返って(敬称略・認定番号順)
佐藤 雅人(ARES マスター M0600309)
(2015 年 2 月 7 日投稿)
2014 年を振り返ると、何よりも自民党政権が解
をはじめ 、高速道路網の整備に関して、今後の進
散総選挙により基盤を更に盤石のものとしたことが
展への期待も含め 、大きく進んだ印象があり、それ
大きいと感じている。日中、日韓関係等出口の見え
が物流施設投資の拡大に大きく影響を与えた 1年
ない問題は抱えているものの、民主党政権時代よ
と言えよう。ネット販売の普及、コンビニエンススト
り政策の推進力は格段に高まり、金融 、不動産
アの売上増加 、メーカー、流通業者による物流効率
マーケットに関しても政策要因による将来の不安定
化の動きを背景に、不動産投資の世界においても
要素はほぼなくなったと思われ 、あとは膨大な公
物流施設は長期安定型の投資対象として地位を高
的債務の問題 、少子高齢化 、低所得者の増加等構
めて行くように思われる。
造的な問題を抱えた経済が改善に向かうかという
点にかかっているような感じがする。
一方で、大型商業施設の開発に関しては、これま
でのハイペースでの拡大により飽和感が出たことに
自身の仕事の周辺では、戸建 、マンション事業者
加え、建築費高騰の影響もあり、開発計画が先送
に対するファイナンスを通じて、消費税の増税が低
りされる例も見受けられるなど、減速感を強く感じ
所得向け住宅マーケットに与えた影響は根深いと
る 1年であった。これまでの大型化による集客力
考えている。ハウスメーカーの受注低迷は、増税が
を向上策だけでは「 どこに行っても同じようなテナ
消費者の住宅取得意欲をマインド面から大きく押し
ント( ショップ )しかない」というマンネリ感が出か
下げたことを示しているように感じられ 、一次取得
ねないと感じており、一消費者として、足元の開発
者層自体のボリュームダウンもあり、消費税率の再
スピードダウンの局面を経て、より魅力のある商業
引き上げを見据えた有効な需要喚起策が施されな
施設の企画・開発が進んで行くことを期待している。
ければ、住宅マーケットは更なるサイズダウンを余
不動産証券化業界においては、利回り面での相
儀なくされるように思われる。国内経済全体への
対的優位性を背景に、J-REIT への投資ニーズが大
影響力が大きい住宅マーケットが底割れしないよ
きく拡大し 、マーケット規模も大きく成長した。自
う、低所得者の住宅取得意欲が盛り返すような、所
身の周辺でも、太陽光発電施設によるファンド組成
得の底上げの施策の必要性を強く感じている。
へのチャレンジの動き等も見られ 、物件の流動性
また、2014 年は圏央道の東名高速道路への接続
が重視されていた一昔前とだいぶ様相が変わって
March-April 2015
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きたと感じている。
スク検証に携わる者も肌感覚では理解しているも
2015 年は不動産収益の根源的な源泉となる企業
のの、安全サイドに考えれば、
「 経済的に利用に耐
収益および国民個人の所得増加の実現がマーケッ
えられなくなる」というこの法律用語にどうしても
トの安定的な成長のカギになると考えている。
引っ張られてしまう側面がある。もちろん 、当該年
自身の課題としては、中古物件の不動産関連
数を超えるファイナンスも可能ではあるが 、何らか
ファイナンスにおいて、税法上の経済的耐用年数を
の補強が必要となるという現実もあり、正常に管
ファイナンスの一定の限界と見る考えを乗り越えら
理 、営繕されている建物がいつまで収益を生み続
れなかったことが上げられる。税法上の経済的耐
けるものなのか 、税法上の経済的耐用年数とは不
用年数を超えて収益を生み続ける不動産は多くあ
動産投資においてどう位置づけられるべきものな
り、一般的に建物が税法上の経済的耐用年数で無
のか 、議論が進むことを期待している。
価値になると考えている人はほとんどいないし 、リ
藤波 大三郎(ARES マスター M0701277)
松本大学 松商短期大学部 教授
(2014 年 11 月 10 日投稿)
2014 年を振り返り、やはり気になったのは消費
足の不安が春以降 、急激に言われるようになったの
税の景気へのマイナス効果でした。日本銀行の大
も気になります。技術進歩によって多くの仕事がコ
胆な金融緩和政策によってデフレからの脱却が始
ンピューターを備えたロボットによって代替される
まりつつある時に、消費税を 1度に 3% も引き上げ
可能性が高く、失業の増大が考えられる中、少子
ることは問題と思っておりました。リーマンショック
化がなければ大量の失業者が出ると思います。私
以降 、消費税( 付加価値税 )を一度に 3% も引き
は大学で学生の就職指導を担当しておりますが 、
上げた先進国はないと思います。
昨年に比べて 2014 年の学生の内定状況は大幅に
その結果、実質賃金が上がらないことがアベノミ
改善しています。その背景にはアベノミクスによる
クスの失敗のように言われていますが 、実際は物価
企業の業績回復もありますが 、少子化と団塊世代
上昇の多くは消費税によるものであり、その分を差
の退職があることは間違いありません。
し引けば実質賃金は小幅ながら上昇 、少なくとも低
日本銀行のインフレ目標が採用されてから、日本
下はしていないと思います。ところが 、その辺りの
はモノを買うなら「 今でしょ」の国になりました。
議論が曖昧であり、専門家でも 10月末の日本銀行
デフレの状態では現金での資産保有が望まれます
の追加緩和での円安により、庶民の生活を圧迫す
が 、インフレではモノを買う方が有利です。モノが
る物価上昇が起きるなどとコメントする人がいます。
買われるとすれば企業も設備投資は「 今でしょ」と
しかし 、実際は昨年の約 20 円の円安によっても
物価は 1% 程度しか上昇していないのです。そうし
ようやく始まったわが国の経済成長を阻害しかねな
たことから追加緩和が行われたのに的外れなコメ
い消費税の再増税はやはり先送りするべきではと
ントや報道が多すぎるように思います。
感じています。
また、少子高齢化で日本の将来について人手不
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なります。そこから不動産価格の上昇も起こります。
ARES 不動産証券化ジャーナル Vol.24
髙須 英彦(ARES マスター M0701351)
新日本有限責任監査法人 経営管理室 税理士
(2014 年 12 月 19 日投稿)
私は、2007年 8月まで、さくら綜合事務所におい
なっています。将来、このすばらしい技術が 、経済
て不動産証券化に係る会計・税務のコンサルテー
社会における基礎的インフラとなっていく可能性を
ションや、SPC の管理・税務申告等を行っておりま
感じます。貴協会には、全方位戦略的な「 営業活
したが 、2007年 9月に、現在の職場である新日本
動」を期待しています。不動産証券化の技術が幅
有限責任監査法人へ転職しました。現在は、パブ
広い分野で有効活用されるべく、啓発活動に注力
リック・セクターにおける会計監査やコンサルテー
していただけると幸甚です。
ションに従事しております。
PPP や PFI はこれからが本番です。今後は、新
転職後の 7~ 8 年間の間に不動産証券化を取り
興国向けのビジネス・チャンスが増えていくと考えら
巻く環境は激変しました。2008年のリーマン・ショッ
れます。特に、日本企業による新興国へのインフラ
ク以降
( あるいはもっと以前からかもしれません。)
輸出において、スキーム組成関係者は積極的に関与
の数年間、不動産証券化をバネにした資産効果の
していくべきだと思います。不動産証券化ビジネス
もたらす便益が小さくなり、経済活動がマクロ・ミク
が日本経済に貢献する余地は大きいです。なお、パ
ロの両面で委縮したことに伴い 、不動産証券化の
ブリック・セクターにおける不動産の有効活用につい
活用についても下火になりました。そのため転職後
ては、国内にも多くのビジネス・チャンスがあります。
の数年間は、不動産証券化に係る仕事にほとんど
国や地方公共団体 、独立行政法人、国立大学法人
携わっておりませんでした。
等の保有する不動産の有効活用に、証券化の技術
ところが、ここ 2 年間ほどの間に、再び不動産証
が貢献する余地は大きいです。また、証券化の技
券化に関連するコンサルテーションに数多く関与す
術は東日本大震災からの復興作業にも大きく寄与す
るようになりました。不動産証券化の技術は、パブ
ることができると考えます。不動産証券化の技術を
リック・セクターにおいて大きな期待を集めるように
用いて、日本経済の持続的発展に貢献しましょう!
村上 泰樹(ARES マスター M1003565)
有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター
(2015 年 2 月 13 日投稿)
2014年の1年間を振り返り、自身の仕事の変化や
不動産証券化業界 、市場の動向などについて、感
じていることを投稿する。
2013 年は、いわゆるアベノミクス開始の年であっ
体化されることなく、2015 年に持ち越された。
その他の日本国内の経済的な動きは、2014 年 4
月に消費税が 5%から 8%に増税され 、3月までは
駆け込み需要により、日本経済は好調であったが 、
た。そして、2014 年は、本来、アベノミクス第三の
4月以降の反動減は予想通りであったが 、予想に反
矢を具体化し 、実現する年であったが 、実際は具
し第 3 四半期もマイナス成長に陥り、2015 年 10月
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に予定されていた消費税 10%への再増税は 11月
油の供給量が大幅に上昇したにも拘らず、OPEC
18日に1年半延期され 、2017年 4月からとなった。
が生産量を削減することをしなかったため 、特に
また、消費税の再増税が予定通り実施されるこ
2014 年央には 100ドルあまりで推移していた原油
とを見越して、日本銀行は 10月 31日に追加緩和を
価格が年末には 50ドルまで下落した。さらに、
決定していたので、日本銀行はハシゴを外された格
ISIL( いわゆるイスラム国 )やウクライナ問題など
好となった。このことは、政府が延期の際に景気
地政学的リスクも高まっている。
条項を削除しており、財政出動の余地が限られる
このように、経済的な波乱要因は、国内よりも海
中、景気対策的には日本銀行に依存しなければな
外にあるといえる。ただ、原油価格の下落は、日本
らないのに、禍根を残したと言えよう。
銀行の物価安定の目標 2%の達成を困難にするか
一方、世界経済に目を転じると、2014 年は米国
もしれないが 、日本経済にとっては追い風といえ、
連邦準備理事会( FRB )が量的緩和を終了するか
円安のコスト増というマイナス面の影響を緩和する
否かが最大の焦点であった。FRB は 10月 29日に
効果がある。また、円安の輸出増大効果は限られ
開催した連邦公開市場委員会( FOMC )で、資産
ているとは言え、徐々に出始めている。一方、最近
買入額をこれまでの 150 億ドルからゼロに決定し 、
では農協改革などの動きがあるが 、欧米からも本
2012 年 9月に開始した量的緩和第3弾( いわゆる
当に第三の矢が存在するのか 、懐疑的な見解も強
QE3 )は終了した。これにより、新興国を含めた世
まっており、2015 年は安倍政権にとって、経済的に
界的な資金の流れの巻き戻しが懸念されている。
正念場の年となろう。
また、2014 年後半は原油価格の下落が焦点となっ
た。これは、米国のシェールオイル革命により、原
※当該記事は執筆者の私見であり、有限責任監査
法人トーマツの公式見解ではない。
樋口 篤(ARES マスター M1104267)
(2014 年 11 月 25 日投稿)
シンガポールに移って 2 年が経った。
産価格に関して言えば、
( 政策的に価格誘導がなさ
ここに来るまで、不動産は他のアセットに比べて
れたシンガポールの住宅を除き)この2年 、ほぼ一
土着性が高いため 、その価格は国際的な経済情勢
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本調子に上昇してきた用に感じる 。
には比較的左右されにくいものだと理解していた。
これは、健全な価格上昇なのだろうか。
しかしシンガポールから日本を含むアジアの不動産
価格の正当性は常に、未来になって判明するも
市況に触れる中で、昨今、私の「 理解」は間違って
のなので、現段階で明確な答えはないだろう。しか
いたのではないかと感じる機会が増えた。
し現在の価格の正当性は、この「 先高期待」に、
リーマンショック以降の世界的な金融緩和の影
各国の不動産賃貸マーケットやそれを構成する
響は、マーケットでの「 カネの量 」という意味では
個々の不動産が応えられるかどうかに懸かっている
確実に『 成果 』を挙げており、故に不動産を含め
ことは、断言できるのではないか 。将来、この
「先
た世界中で投資対象資産の価格は軒並み 、上昇し
高期待」に実態価格が応えることができるならば、
ているように感じる。この地からアジア全体の不動
バブルでなかったということになる。しかし 、もし
産をざっくり俯瞰してみても、ASEAN 各国の不動
「 No 」である国があれば、今から数年後、
『 あの
ARES 不動産証券化ジャーナル Vol.24
国はバブルであった 』と結論づけられることにな
シャルが 、昨今ラッシュを迎えている不動産の供給
る。
に、特に質や価格の面でマッチするかどうかは、別
ASEAN 新興国は一様に、国民がまだ若く、人
口増加と経済発展の両面で、とてつもないポテン
問題ではないかと感じることが多々ある。
ここ 数 年 、
「 ど う 作 るか」が 焦 点 で あ った
シャルを有している。この成長が実現される限り、
ASEAN の不動産市場。しかし将来、我が国が今
ASEAN の不動産市場は実需に支えられて健全な
まさに直面しているように、
「 どう使うか」に議論が
成長を実現するのであろう。しかし 、このポテン
移るタイミングを迎えるのではないか。
加藤 宏嗣(ARES マスター M1104577)
大和ハウス工業株式会社 不動産事業開発室不動産証券化グループ グループ長
(2015 年 2 月 16 日投稿)
『 投資口利回りとキャピタルゲイン』
ファンドの隆盛などにより、物件の価格は右肩上が
りにあがり、最近では PO をしたいが 、物件が手当
昨今 REIT 市場では IPO・PO が盛んに行われ
てできないというような状況が起こっているように
ている。現在の金融緩和の状況から鑑みると、
も思える。そうなると、流れ込んでくる資金は投資
マーケットへの資金の流れは潤沢であり、これらの
口価格を押し上げ投資口利回りを低下させることと
動きも納得できる。
なる。それでもキャピタルゲインが見込めるという
一方、これだけ IPO・PO が行われても、投資口
価格の下落≒投資口利回りの向上はなかなか実現
期待感により資金が流れ込んで来るとすると、その
反動が大きくなる事は容易に想像できる。
していない。このような書き方をすると、投資口価
不動産取引市場では、2020 年のオリンピック前
格の下落を望んでいるように思われてしまうかもし
に売り抜ける≒オリンピック後の調整局面は避けら
れないが 、それは本意ではない。REIT が本来持
れない 、という見方が強いように思える。資金流入
つ、もしくは持っていてほしいと思われている、株・
の抑制と取引市場の価格下落がうまくリンクすれ
債権との相関関係の在り方、ミドルリスク・ミドルリ
ば、先に述べた特性を維持できるであろうが 、ずれ
ターンという、ポジショニングを維持できているの
た場合は、全く違った特性を印象付けてしまう。実
だろうかという疑問を持たざるを得ないということ
際に過去のリーマンショック時での投資口・保有資
だ。REIT におけるキャピタルゲインを排除すべき
産の下落では、多くの投資家を失望させてしまっ
だとは思わないが 、過度な期待感はその反動として
た。漸く、それらが払拭されつつある現状で、再度
のキャピタルロスの回避へと繋がるのではないかと
あのような事が起これば、その失望の度合いは
いう危惧がある。
前回を大きく凌ぐものとなり、マーケットにとっても
現在の金融緩和が継続されなくなったときにソフ
致命的なものになりかねない。
トランディングできるか 、ハードランディングとなる
そうならないために、何ができるのか 、投資家・
かは、今後のマーケットの特性を決めてしまうと
AM・スポンサー、それぞれの立場で考えたいと
言っても過言ではないように思う。実際、REIT の
思っている。
IPO・PO による物件取得の他 、私募 REIT・私募
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ARESマスターからの投稿
深瀬 誠(ARES マスター M1305450)
ジェイアール西日本不動産開発株式会社 神戸営業支店 支店長
(2015 年 1 月 31 日投稿)
鉄道会社系列の不動産デベロッパーに勤務して
きの視点で開発されていたものが 、今では駅の周
いる。私の主な仕事は駅やその周辺地域の魅力を
辺にはどういったものがあるべきか?あるべき施設
高めるような商業施設を鉄道高架下に開発するこ
が必要とする建物計画は如何なるものか?といった
と。
ソフト計画ありきの視点に変わっている。
「 駅 」といえば正にトラフィックジェネレーターで
鉄道高架下の敷地で賄いきれなければ、周辺の
あり、人がそこから湧いてくる如く捉えられ 、さぞ
地主と協議を行い土地を調達する。一般のデベ
かしテナントリーシングには苦労しないだろうと思
ロッパーでは当たり前に行われていることを遅まき
われがちであるが実際はそんなことは無い。少し前
ながらやっているという感である。また、ハード計
までは駅周辺の商業開発自体が少なく発展途上で
画について奇をてらったデザインにも取り組むよう
あったため 、駅改札の目の前等は比較的楽にリー
になった。昔ではとうてい考えられないことである。
シングが可能な物件もあった。そんな時代では駅
しかしながら入居テナント様からの評判は上々であ
に近い高架下ということだけでアドバンテージが取
る。駅というランドマークに加えて、奇をてらった
れた。しかしながら開発が徐々に進み 、そういった
デザインの建物という二重のランドマークとなった
「 やりやすい物件」が少なくなってしまい 、現在で
ことからも宣伝効果が高くなったためである。
は大半の物件が駅だけではお客様がつかない状
況となってきている。駅に隣接しているものの改札
テップとしては駅間の高架下開発である。
口が無かったり、駅前ではあるものの人通りが少な
ひと昔前の駅間の高架下といえば駐車場や工場
く出店の検討には至らなかったり、といった「 曲
等のイメージであると思われる。しかし主要幹線
者」な物件が多い。そんな高架下を開発していくに
道路と鉄道高架下が交わるようなトラフィックジェ
あたっては、なにか「 一工夫 」が絶対に必要である
ネレーターなどを突破口にして商業開発が難しい
と感じており実際そうしている。
と思われていた場所にも開発のメスを入れていかな
昔は駅高架下の敷地の中だけで考えて出来る建
物計画はどのようなものかといったハード計画あり
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駅周辺の展開にある程度の成果が出た次のス
ARES 不動産証券化ジャーナル Vol.24
ければならないと感じている。