2.本市の現状と課題 本市全体及び被保険者の状況について、KDBシステムのデータ(平成25年度の状 況)を基に、本計画の対象疾患について、同規模市、長崎県、全国と比較を行い、特徴や 課題をまとめています。 (※同規模市は、人口5万~10万人の全国252市の平均値。) (1)人口構成の状況 年齢別人口構成は、同規模市、長崎県、全国と比べると39歳以下の若い世代が多い 状況です。また、産業別人口構成は、同規模市、長崎県、全国と比べると第3次産業の 就労者が多い状況です。 図1 年齢別人口構成の比較 100% 80% 60% 10.0 10.1 33.3 図2 産業別人口構成の比較 100% 12.0 14.1 11.2 12.3 12.0 12.0 80% 34.0 60% 34.0 34.7 71.6 70.6 20.2 25.2 40% 40% 20% 64.8 75.4 46.6 41.7 39.2 20% 42.8 大村市 0~39歳 同規模市 40~64歳 長崎県 全国 大村市 65~74歳 75歳~ 第1次産業 資料:KDB システム「地域の全体像の把握」 8.2 6.2 4.6 0% 0% 29.0 20.0 同規模市 長崎県 第2次産業 4.2 全国 第3次産業 資料:KDB システム 「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」 (2)被保険者の状況 国保の加入率は約24%であり、同規模市、長崎県、全国よりも低く、被保険者の年 齢構成は、2025年に75歳以上の高齢期を迎える40~64歳の壮年期の割合が多 い状況です。 図3 国民健康保険の加入率と被保険者の年齢構成の比較 資料:KDB システム「被保険者の状況」 -3- (3)平均寿命と健康寿命の状況 平均寿命、健康寿命ともに、男性が同規模市と比べると低い状況です。 表1 平均寿命と健康寿命の比較 平均寿命 健康寿命 男性 女性 男性 女性 大村市 同規模市 長崎県 全国 79.1 86.4 64.9 66.9 79.6 86.3 65.3 66.8 78.9 86.3 64.6 66.4 79.6 86.4 65.2 66.8 資料:KDB システム「地域の全体像の把握」 【健康寿命の算出】 市区町村名別生命表より、下記式にて算出。 0 歳平均寿命-65 歳平均余命-(1-介護認定者数÷40 歳以上の人口)×定常人口÷65 歳生存者数 (4)介護保険の状況 要介護認定率は、長崎県や全国と比べると低いものの、同規模市と変わらない状況 です。しかし、1件当たりの介護給付費、要介護認定者の一人当たりの 1 か月の医療 費は、同規模市、長崎県、全国と比べ高くなっています。高血圧症、糖尿病、心臓 病、脳疾患等の疾患を持つ割合も高くなっていることから、要介護となる大きな要因 の一つに、生活習慣病の重症化によるものが考えられます。 表2 介護に関する比較 大村市 1号認定者数(認定率) 新規認定者 2号認定者 (認定率) 同規模市 長崎県 国 3,469 18.9% 806,584 18.9% 90,327 24.3% 4,534,478 19.7% 60 0.3% 13,496 0.3% 1,281 0.3% 73,049 0.3% 103 0.3% 23,896 0.4% 2,487 0.5% 139,384 0.4% 1件当たり介護給付費(円) 65,186 63,607 63,325 61,370 介護認定別 認定あり 医療費(円) (40歳以上) 認定なし 11,474 8,320 8,137 8,339 3,291 3,672 3,791 3,711 糖尿病 高血圧症 23.5% 55.8% 20.8% 50.0% 25.2% 60.0% 20.9% 49.4% 脂質異常症 24.6% 25.3% 30.3% 25.8% 63.6% 30.2% 57.6% 27.1% 68.9% 29.1% 56.8% 26.4% がん 9.9% 9.2% 12.6% 9.4% 筋・骨格 54.3% 49.1% 62.7% 48.7% 精神 37.1% 32.5% 37.7% 32.4% 要介護認定者 心臓病 有病状況 脳疾患 資料:KDB システム「地域の全体像の把握」 -4- 介護度別の認定状況は、要介護3~5の認定者が要介護者全体の36.3%と高 く、要介護者の82.7%は、脳卒中や虚血性心疾患、これらの基礎疾患である高血 圧症や糖尿病等の血管性疾患の有病者です。また、第2号被保険者(40~64歳) の約半数も血管性疾患に罹っており、75歳以上では、認知症等、脳の病変に起因す る有病者が増えています。血管性疾患は、長い年月を経過しておこる疾患であること から、若い世代からの取組が必要です。 表3 認定状況と有病状況 受給者区分 年齢 2号被保険者 40~64歳 65~74歳 1号被保険者 75歳以上 計 人口 29,909人 9,022人 9,019人 18,041人 47,950人 認定者数 103人 386人 3,083人 3,469人 3,572人 認定率 0.34% 4.3% 34.2% 19.2% 7.4% 新規認定者数 29人 106人 528人 634人 663人 介護度 別人数 ( レ セ プ ト の 診 有断 病名 状よ 況り 重 複 し て 計 上 ) 合計 要支援1・2 27 26.2% 142 36.8% 889 28.8% 1,031 29.7% 1,058 29.6% 要介護1・2 40 38.8% 121 31.3% 1,057 34.3% 1,178 34.0% 1,218 34.1% 要介護3~5 36 35.0% 123 31.9% 1,137 36.9% 1,260 36.3% 1,296 36.3% 疾病 件数 割合 疾病 件数 割合 疾病 件数 割合 疾病 件数 割合 疾病 件数 割合 疾患 順位 件数 -- 103 1 脳卒中 循環器 2 疾患 虚血性 心疾患 388 37 35.9% 9 8.7% 脳卒中 虚血性 心疾患 3092 140 36.1% 61 15.7% 脳卒中 虚血性 心疾患 3480 1449 46.9% 946 30.6% 脳卒中 虚血性 心疾患 3583 1589 45.7% 1007 28.9% 脳卒中 虚血性 心疾患 1626 45.4% 1016 28.4% 9 27 219 246 255 35.0% 54.6% 75.2% 72.9% 71.8% 3 腎不全 腎不全 腎不全 腎不全 腎不全 血 8.7% 7.0% 7.1% 7.1% 7.1% 管 28 152 1211 1363 1391 性 糖尿病 糖尿病 糖尿病 糖尿病 糖尿病 27.2% 39.2% 39.2% 39.2% 38.8% 疾 患 基礎疾患 高血圧症 36 高血圧症 212 高血圧症 2325 高血圧症 2537 高血圧症 2573 脂質 異常症 血管性疾患 合計 認知症 合計 認知症 筋・骨格疾患 筋骨格系 26 25.2% 51 49.5% 6 5.8% 46 44.7% 脂質 異常症 合計 認知症 筋骨格系 142 36.6% 257 66.2% 52 13.4% 234 60.3% 脂質 異常症 合計 認知症 筋骨格系 1226 39.7% 2654 85.8% 1060 34.3% 2487 80.4% 脂質 異常症 合計 認知症 筋骨格系 1368 39.3% 2911 83.6% 1112 32.0% 2721 78.2% 脂質 異常症 合計 認知症 筋骨格系 1394 38.9% 2962 82.7% 1118 31.2% 2767 77.2% *脳卒中:脳出血、脳梗塞 資料:KDB システム「要介護(支援)者突合状況」 (5)医療の状況 長崎県、本市は、医療機関や病床数等が多く、医療環境に恵まれています。また、外来 患者数、入院患者数も多い状況です。 -5- 表4 医療の提供体制等の比較 大村市 同規模市 長崎県 全国 数 人口千対 数 人口千対 数 人口千対 数 人口千対 病院数 7 0.3 1,223 0.3 159 0.4 8,078 0.3 診療所数 82 3.8 12,186 2.5 1,423 3.3 93,404 3.2 病床数 1,595 74.3 223,465 46.1 27,124 63.8 1,487,829 50.6 医師数 349 16.3 31,924 6.6 4,065 9.6 228,161 7.8 外来患者数 743.3 649.7 入院患者数 23.3 19.0 694.4 638.4 26.9 18.0 資料:KDB システム「地域の全体像の把握」 長崎県の受療率は、入院・入院外ともに全国で高い位置にあり、特に入院は、糖尿病、 腎不全、虚血性心疾患、脳血管疾患ともに高くなっています。 表5 長崎県の入院・入院外の受療状況(平成23年度) 患者調査 人口10万対 総数 虚血性心疾患 脳血管疾患 腎不全 糖尿病 入 院 順位 受療率 (全国受療率) 3位 1,865 (1,068) 8位 18 (13) 8位 204 (137) 2位 50 (28) 1位 46 (19) 入 院 外 順位 受療率 (全国受療率) 6位 6,492 (5,784) 13位 63 (49) 17位 104 (89) 1位 226 (100) 5位 215 (166) 資料:厚生労働省「患者調査」 被保険者の一人当たりの 1 か月の医療費は、25,530円であり、同規模市と比べる と高くなっています。また、入院の件数は全体の3%であるのに対し、その費用額は全体 の43.5%を占めています。入院を減らすことが重症化予防にもつながり、さらには医 療費の伸びの抑制にもつながると考えられることから、入院とならないよう、受診を継続 しながら重症化を予防することが課題です。 表6 一人当たり医療費の比較 一人当たり 1か月医療費 大村市 同規模市 長崎県 国 25,530円 23,358円 26,992円 22,603円 (県内10位、同規模市内 59位/252市) 資料:KDB システム 「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」 図4 入院・外来の件数と費用額の割合 0 20 40 60 件数 外来 100 % 97.0 費用額 件数 入院 80 56.5 3.0 費用額 43.5 資料:KDB システム「地域の全体像の把握」 -6- 1件当たりの医療費と在院日数が医療費に影響を及ぼします。入院では、虚血性心疾患 の1件当たり費用額が最も高額となっており、脳血管疾患では在院日数が最も長くなって います。外来では、腎不全が長期療養となる人工透析が必要なことから、他の疾患と比べ 高くなっています。また、外来では、虚血性心疾患、脳血管疾患、腎不全を引き起こす基 礎疾患として、糖尿病が高くなっています。 表7 疾患別の1件当たり医療費と在院日数の状況 入院 1件当たり医療費 外来 県内順位 在院 日数 1件当たり医療費 県内順位 糖尿病 515,144円 12位 15日 32,882円 14位 高血圧症 529,106円 9位 16日 27,734円 15位 脂質異常症 515,782円 8位 17日 26,702円 12位 脳血管疾患 610,650円 7位 19日 37,913円 5位 虚血性心疾患 635,324円 3位 15日 41,379円 11位 617,326円 9位 16日 147,686円 20位 腎不全 資料:KDB システム「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」 平成25年度の1件当たり200万円以上の高額レセプトは87件あり、そのうち脳血 管疾患と虚血性心疾患とで費用額全体の約15%を占めています。また、6か月以上の入 院となったレセプトは1,540件あり、脳血管疾患と虚血性心疾患とで費用額全体の約 18%を占めています。この他、人工透析者の約3人に 1 人は、糖尿病性腎症が背景とな っており、脳血管疾患や虚血性心疾患を併発している状況がみられています。 虚血性心疾患・脳血管疾患、糖尿病性腎症の基礎疾患は、高血圧が最も多く、また糖尿 病、脂質異常症が重なっている状況もみられます。 高血圧、糖尿病、脂質異常症は、自覚症状がないまま悪化するという特徴があります が、予防可能な疾患であることから、これらの疾患をしっかりコントロールすることが重 要です。 -7- 表8 1件当たり200万円以上となる疾患の状況 全体 レセプト 脳血管疾患 87件 件数 がん その他 4件 9件 15件 59件 4.6% 10.4% 17.2% 67.8% 40歳未満 0 0.0% 0 0.0% 1 6.7% 8 13.6% 40代 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 0 0.0% 50代 1 25.0% 1 11.1% 2 13.3% 2 3.4% 60代 3 75.0% 6 66.7% 10 66.7% 31 52.5% 70-74歳 0 0.0% 2 22.2% 2 13.3% 18 30.5% 年 代 別 費用額 虚血性心疾患 2億3816万円 974万円 2659万円 3929万円 1億6254万円 4.1% 11.2% 16.5% 68.2% 資料:KDB システム「厚生労働省様式(2-1) 」 表9 6か月以上の入院となる主な疾患の状況 レセプト 全体 人数 168人 件数 1,540件 費用額 6億1873万円 脳血管疾患 虚血性心疾患 精神疾患 20人 10人 124人 11.9% 6.0% 73.8% 122件 91件 1,165件 7.9% 5.9% 75.6% 7022万円 4448万円 4億2407万円 11.3% 7.2% 68.5% 資料:KDB システム「厚生労働省様式(1-1) 」 表10 人工透析患者の状況(重複あり) レセプト H25.5 診療分 全体 人数 80人 件数 1,024件 費用額 4億4030万円 H25年度 累計 脳血管疾患 虚血性心疾患 糖尿病性腎症 28人 37人 28人 35.0% 46.3% 35.0% 299件 398件 350件 29.2% 38.9% 34.2% 1億3563万円 1億7200万円 1億3685万円 30.8% 39.1% 31.1% 資料:KDB システム「厚生労働省様式(2-2) 」 表11 生活習慣病治療者の状況(平成25年5月レセプト) レセプト 8,291人 高血圧 脳血管疾患 虚血性心疾患 糖尿病性腎症 978人 960人 162人 11.8% 11.6% 2.0% 740人 769人 130人 75.7% 80.1% 80.2% 402人 478人 162人 41.1% 49.8% 100.0% 579人 606人 114人 59.2% 63.1% 70.4% 高血圧症 糖尿病 脂質異常症 高尿酸血症 4,984人 2,555人 3,516人 696人 60.1% 30.8% 42.4% 8.4% の基 重礎 な疾 り患 糖尿病 脂質 異常症 資料:KDB システム「厚生労働省様式(3-1~7) 」 -8- (6)特定健診の状況 ① 有所見の状況 糖尿病等の発症には、内臓脂肪の蓄積が関与しており、肥満に加え、高血糖、高血圧等が 重複した場合には、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症等を発症する可能性が高くな ります。このため、糖尿病やメタボリックシンドローム等の減少を目的に、特定健診を行っ ています。 メタボリックシンドローム該当者・予備群の割合は、同規模市、長崎県、全国と変わらな い状況ですが、血圧の有所見がある人の割合が多い状況です。男性のメタボリックシンドロ ーム該当者・予備群の割合は、女性より約2.7倍高く、受診者の43.3%となっていま す。また、男性は40~64歳のメタボリックシンドローム該当者・予備群の割合が多いこ とから、男性は若い時からのメタボリックシンドローム対策が必要です。 表12 メタボリックシンドローム該当者・予備群等の比較 大村市 同規模市 長崎県 全国 11.5% 11.0% 11.7% 11.0% 男性 17.8% 17.4% 18.1% 17.4% 女性 7.0% 6.1% 6.9% 6.1% 15.7% 16.4% 17.7% 16.4% 男性 25.4% 25.6% 26.9% 25.6% 女性 8.8% 9.4% 10.8% 9.3% 血糖のみ 0.4% 0.7% 0.5% 0.7% 血圧のみ 8.7% 7.6% 8.8% 7.6% 脂質のみ 2.5% 2.7% 2.3% 2.7% 血糖・血圧 2.4% 2.6% 2.9% 2.6% 血糖・脂質 0.5% 0.9% 0.7% 0.9% 血圧・脂質 8.6% 8.2% 9.2% 8.2% 血糖・血圧・脂質 4.2% 4.7% 4.9% 4.7% 6.5% 4.7% 5.6% 5.0% メタボ予備群の割合(男女計) メタボ該当者の割合(男女計) メタボ予備群 の状況 メタボ該当者 の状況 非肥満高血糖者の割合 資料:KDB システム「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」 表13 メタボリックシンドローム該当者・予備群の男女別出現状況 男性 健診受診者 該当者+ 予備群 人数 人数 割合 合計 1,852 27.8 40-64歳 655 19.5 65-74歳 1,197 36.4 女性 割合 予備群 人数 割合 高血糖 人数 割合 801 43.3 330 17.8 292 44.6 135 21.0 509 42.5 195 16.3 13 5 8 健診受診者 該当者+ 予備群 高血糖 人数 人数 割合 合計 2,604 33.3 40-64歳 903 24.2 65-74歳 1,701 41.5 割合 予備群 人数 413 15.9 183 101 11.2 48 312 18.3 135 割合 7.0 5.3 7.9 人数 3 2 1 高血圧 人数 割合 0.7 244 13.2 0.8 88 13.4 0.7 156 13.0 割合 高血圧 人数 0.1 142 0.2 31 0.1 111 割合 5.5 3.4 6.5 脂質異常症 人数 73 42 31 割合 38 15 23 人数 割合 3.9 471 25.4 6.4 157 24.0 2.6 314 26.2 脂質異常症 人数 該当者 割合 該当者 人数 割合 1.5 230 8.8 1.7 53 5.9 1.4 177 10.4 (人、%) 血糖+血圧 血糖+脂質 血圧+脂質 3項目全て 人数 86 23 63 割合 4.6 3.5 5.3 人数 17 12 5 割合 人数 割合 人数 0.9 244 13.2 124 1.8 81 12.4 41 0.4 163 13.6 83 割合 6.7 6.3 6.9 血糖+血圧 血糖+脂質 血圧+脂質 3項目全て 人数 23 8 15 割合 0.9 0.9 0.9 人数 5 2 3 割合 人数 0.2 138 0.2 32 0.2 106 割合 5.3 3.5 6.2 人数 64 11 53 割合 2.5 1.2 3.1 資料:KDB システム「厚生労働省様式(6-8) 」 -9- 非肥満の高血糖者の割合は、同規模市、長崎県、全国と比べると高い状況です。また、各 種検査の有所見率は、全国と比べ男性女性ともに血圧、血糖、尿酸が高く、男性はクレアチ ニンも高いことから、メタボリックシンドローム以外の対策も必要です。 生活習慣病は自覚症状がないまま進行することから、有所見の改善のためには、特定健診 が最も重要となります。しかしながら、年々受診率は低下し、同規模市、長崎県、全国と比 べても低くなっています。特に、年代が若くなるほど受診率は低くなっており、若い世代か ら毎年、健診を受けてもらうことが最も重要な課題です。 表14 特定健診有所見率の比較 男性 全国 長崎県 合計 大 村 40-64 市 65-74 女性 全国 長崎県 合計 大 村 40-64 市 65-74 (%) HDL-C 空腹時血糖 HbA1c BMI 腹囲 中性脂肪 GPT 尿酸 25以上 85以上 150以上 31以上 40未満 100以上 5.6以上 7.0以上 130以上 85以上 120以上 1.3以上 29.7 31.2 26.8 30.5 24.8 48.5 49.6 47.1 50.7 45.1 28.1 26.3 25.6 29.6 23.5 20.1 20.0 18.0 22.9 15.4 9.1 10.6 10.7 10.1 11.0 26.7 31.0 32.3 26.6 35.4 50.6 43.8 41.7 34.8 45.5 収縮期血圧 拡張期血圧 LDL-C クレアチニン 12.1 17.3 16.5 19.8 14.6 49.5 54.4 53.9 45.5 58.5 49.0 41.3 40.5 44.4 38.3 1.4 2.2 2.1 1.1 2.7 BMI 腹囲 中性脂肪 GPT HDL-C 空腹時血糖 HbA1c 尿酸 収縮期血圧 拡張期血圧 LDL-C クレアチニン 25以上 90以上 150以上 31以上 40未満 100以上 5.6以上 7.0以上 130以上 85以上 120以上 1.3以上 20.8 23.0 20.2 19.4 20.6 17.5 19.8 17.9 14.0 20.0 16.6 15.9 14.6 14.4 14.8 8.7 8.6 7.6 9.2 6.7 2.1 2.7 2.4 2.1 2.6 15.9 18.7 18.8 14.3 21.2 50.5 43.1 42.7 33.2 47.7 1.5 2.1 2.0 1.8 2.2 43.1 47.6 45.7 33.0 52.5 資料:KDB システム 大村市 健診 受診者数 受診率 24.1 25.0 22.1 27.9 18.9 1,164,330人 県内23位 同規模市内187位 35.7% 104,999人 36.2% 59.0 52.3 53.3 55.0 52.3 0.2 0.4 0.2 0.1 0.2 「厚生労働省様式(6-2~7) 」 表15 特定健診受診率の比較 同規模市 長崎県 4,456人 30.8% 14.5 15.9 13.6 14.7 13.1 全国 6,361,815人 33.5% 全国18位 資料:KDB システム「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」 表16 特定健診受診率の年代別の推移 (%) 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 20.9 19.2 17.3 16.3 13.9 22.0 17.1 19.7 18.8 17.2 22.8 22.9 20.5 22.8 19.0 29.6 26.7 27.4 27.2 23.0 37.9 37.1 37.8 35.1 31.5 44.1 45.6 46.9 42.3 38.8 47.3 46.5 48.5 44.0 41.1 資料:大村市「特定健診等データシステム」 (※資格喪失者含む) - 10 - ② 未受診者の状況 40~64歳の38.1%は、特定健診も治療も受けておらず、身体の状態が全くわか らない状況です。自覚症状で病気に気づいた時には、進行している場合も少なくないこと から、若い世代から毎年自分の健康状態を把握する機会を増やす取組が重要です。 また、生活習慣病にかかる一人当たりの1か月の医療費は、健診未受診者が健診受診者 より16,587円も高くなっています。治療中であっても、特定健診・保健指導を受け ることが生活習慣病の重症化予防につながります。 図5 特定健診の受診者及び未受診者の状況 健診受診者 22.0% 40~64歳 健診受診者 1,558人 J_治療なし 6.7% 健診未受診者 78.0% I_治療中 15.3% H_治療中(健診未受診) 39.9% G_健診・治療なし 38.1% (22.0%) 0% 20% 40% 60% 80% 100% J_治療なし I_治療中 H_治療中(健診未受診) G_健診・治療なし 473人 1,085人 2,834人 2,705人 3,919人 健診受診者 39.2% 健診未受診者 60.8% 65~74歳 I_治療中 34.2% 健診受診者 J_治療なし 5.0% 2,898人 (39.2%) 0% 20% H_治療中(健診未受診) 47.7% 40% 60% G_健診・治療なし 13.1% 80% 100% J_治療なし I_治療中 H_治療中(健診未受診) G_健診・治療なし 373人 2,525人 3,523人 965人 6,048人 資料:KDB システム「厚生労働省様式(6-10) 」 図6 特定健診の受診者・未受診者一人当たりの1か月の生活習慣病治療費 0 健診受診者の 生活習慣病治療費 10,000 20,000 30,000 (円) 10,197円 健診未受診者の 生活習慣病治療費 26,784円 資料:KDB システム「健診・医療・介護データからみる地域の健康課題」 - 11 - ③ 重症化予防の状況 特定健診受診者のうち、脳血管疾患、虚血性心疾患、糖尿病性腎症の重症化予防が必要な 対象者は、受診者の1,234人(26.8%)であり、このうち、427人は未治療者で す。また、未治療者の219人は、特定保健指導対象者であり、特定保健指導も徹底して行 うことが重症化予防にもつながります。さらに、未治療で重症化予防が必要な427人のう ち、50人(11.7%)は、すでに臓器障害の可能性が高い状態まで進んでいる可能性が あります。未治療者の重症化予防には、医療との連携が不可欠であり、保健指導後確実に医 療機関を受診したのか等、受診の状況を確認し、その後も治療中断しないよう疾病管理を行 う必要があります。 また、重症化予防の対象者のうち、807人は治療中であり、メタボリックシンドロー ム、糖尿病での割合が高くなっています。メタボリックシンドローム、糖尿病は、薬物療法 だけではコントロールが難しく、食事療法を併用した治療を行うことが必要であることか ら、栄養指導等の保健指導や重症化予防のための二次健診の検討を進める必要もあります。 図7 健康日本21 (第2次)目標 目指すところ 脳血管疾患 科学的根拠に基づき 脳出血 脳梗塞 (7%) (18%) (75%) (27%※) (31.9%) 高血圧 健診結果から 対象者の抽出 高血圧治療 ガイドライン2009 (日本高血圧学会) 重症化予防対象 Ⅱ度高血圧以上 受診者数 4,603 (2005年度合同研究班報告)) クモ膜下出血 ラクナ 梗塞 による年間新規透析導入患者数の減少 虚血性心疾患の一次予防ガイドライン(2006年改訂版) (循環器病の診断と治療に関するガイドライン 脳卒中治療ガイドライン2009 心原性 脳塞栓症 糖尿病性腎症 の年齢調整死亡率の減少 (脳卒中合同ガイドライン委員会) 労作性 狭心症 心筋梗塞 糖尿病治療ガイド CKD診療ガイド 2012-2013 (日本糖尿病学会) 2012 (日本腎臓病学会) 安静 狭心症 アテローム 血栓性 脳梗塞 非心原性脳梗塞 ※脳卒中 データバンク 2009より 優先すべき 課題の明確化 虚血性心疾患 の年齢調整死亡率の減少 科学的根拠に基づき レセプトデータ、 介護保険データ、 その他統計資料等 に基づいて 健康課題を分析 重症化予防が必要な対象者の状況 脂質異常症 メタボリック シンドローム 動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012年版 (日本動脈硬化学会) メタボリックシンド ロームの診断基準 心房細動 心房細動 LDL-C 180㎎/dl以上 中性脂肪 300㎎/dl以上 メタボ該当者 (2項目以上) 糖尿病 慢性腎臓病(CKD) 糖尿病治療ガイド CKD診療ガイド2012 (日本腎臓病学会) 2012-2013 (日本糖尿病学会) HbA1c(NGSP) 6.5%以上 (治療中:7.0以上) 蛋白尿 (2+)以上 eGFR50未満 70歳以上40未満 重症化予防対象者 (実人数) 214 4.6% 0 0.0% 121 2.6% 134 2.9% 735 16.0% 208 4.5% 81 1.8% 105 2.3% 1,234 26.8% 128 4.7% 0 0.0% 114 3.2% 107 3.0% 159 6.9% 114 2.7% 23 1.0% 26 1.1% 427 18.5% 47 22.0% 0 -- 29 24.0% 37 27.6% 159 21.6% 28 13.5% 8 9.9% 4 3.8% 219 17.7% 治療中 (2,298人) 86 4.6% 0 0.0% 7 0.7% 27 2.7% 576 25.1% 94 29.7% 58 2.5% 79 3.4% 807 35.1% 臓器障害 あり 1 0.8% 0 -- 3 2.6% 4 3.7% 6 3.8% 10 8.8% 23 100.0% 26 100.0% 対象者数 治療なし (2,305人) (再掲) 特定保健指導 CH4 2 50 11.7% 資料:大村市「特定健診等データシステム」 (※資格喪失者含む) - 12 - (7)これまでの取組 第1期、第2期特定健診等実施計画に基づき、以下のような保健事業に取り組んできまし た。特定保健指導実施率は年々上昇していますが、特定健診受診率は年々低下しています。 その他、CKD予防対策を中心に医療機関と連携して取り組み、健康ハイリスク者への受診 勧奨も行ってきましたが、虚血性心疾患や脳血管疾患等の課題は残っています。 本市の特定健診・保健指導の状況 特定健診 その他保健指導 特定健診 未受診者対策 開始 年度 平成20年度 平成20年度 対象者 40~74歳の 被保険者 実施 体制 【委託】 集団健診 個別健診 ①集団健診:年間約20日 各出張所で実施 ②個別健診:医療機関で 実施 実施 方法 *独自検査として、HbA1c, 尿酸、クレアチニン検査を 実施 3 特定保健指導 平成20年度 CKD予防対策 重症化予防 健康ハイリスク者 への受診勧奨 平成20年度 平成20年度 平成24年度 特定健診結果で尿蛋白2 特定健診結果で、Ⅱ度高 過去の健診結果で要医療 特定健診結果で動機づ +以上、またはeGFRが50 血圧以上、HbA1cが6.5%以 となっていたが、その後治 特定健診の未受診者 け、積極的支援と判定され 未満(但し、70歳以上は4 上、LDL-Cが160㎎/dl以上 療や健診を受けていない た者 0未満)の者 者 者 【直営】 臨時職員 ①訪問・電話による勧奨 ②ハガキ等による勧奨 ③会合等での情報提供 ④FMおおむらなどによる 周知 【直営】 保健師・管理栄養士 看護師 ①初回面接(保健指導) ②6か月後評価(腹囲、体 重等の把握) *但し、積極的支援は、初 回面接から評価までに保 健指導を2回以上実施。 【直営】 保健師・管理栄養士 看護師 【直営】 保健師・看護師 ①受診状況等の確認 ①受診状況等の確認 ②保健指導時に連絡票を ②保健指導 渡す→本人が医療機関に ③受診状況、検査結果の 受診 確認 ③医療機関より返信後、必 要な者へ生活指導実施 【直営】 保健師・看護師 ①受診状況等の確認 ②保健指導(受診勧奨) ③健診受診、治療受診状 況の確認 目標の設定 これまでの状況や生活習慣病の特徴を踏まえ、以下のように目標を設定します。 医療費が高額となる要因であり、また要介護となる原因疾患となっている虚血性心疾患、脳血 管疾患の重症化予防を、最優先として取り組むこととします。また、糖尿病性腎症も長期の療養 を要する人工透析の要因であることから、同様に取り組みます。 (1)中長期的な目標 ◆ 虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症の新規患者数の減少 同規模市と比べ患者千人当たりの新規患者数(平成26年5月診療分)は、虚血性心 疾患は低いものの、脳血管疾患と糖尿病性腎症は高くなっています。それぞれの疾患の 患者数を減少させるとともに、新規患者数を同規模市に近づけることを目標とします。 ◆ 入院に要する費用額の割合の低下 今後、高齢化が進むこと、また年齢を重ねるごとに血管が傷んでいくことから、医療 費全体を抑えることは難しい状況です。特定健診の受診者を増やし、早期介入により生 活習慣病の重症化予防へつなげ、入院の費用の割合を同規模市並みの40.9%に近づ けることを目標とします。 - 13 -
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