ニュースレター第3号 [PDFファイル/740KB]

RESEARCH CENTER for DEVELOPMENT of WELFARE SOCIETY, TOYO UNIVERSITY
東洋大学福祉社会開発研究センター
News Letter
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3
News Letter 2014.Vol. 3
高齢者・障害者・子どもの社会的孤立に対応する
見守り支援・自立支援に関する総合的研究
(平成 25-29 年度 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業)
INDEX
●ご案内
その1◇ 2014 年 11 月 22 日開催の高齢ユニット公開研究会資料を公開
その2◇ 2015 年 3 月 7 日に国際シンポジウムを開催します
・・・・ 1
・・・・ 2
●障害ユニット「シンポジウム」レポート
●「子どもの権利条約批准 20 年を考える集い」レポート
・・・・ 2
・・・・ 3
ご案内
その1
高齢ユニット公開研究会資料を Web 公開
2014 年 11 月 22 日、東洋大学白山キャンパススカイホールにて、高齢ユニット主催による公開研究
会:テーマ「地域包括支援センターのデータを用いた業務の見せる化の可能性」が開催されました。
当日は、都内地域包括支援センター、シルバー交番事業、自治体関係者を中心に、42 名の方々にご
参加いただき、終了後のアンケートでは、「とても勉強になった」
、「業務と重なり周囲への情報提供がで
きず残念だった」等のご感想をいただくなど好評でした。
そこで、研究会の内容をより多くの方々と共有するため、当日資料を web 公開することといたしま
した。職場内はもとより、住民の方々や関係先とのコミュニケーションツールとしてお役立ていただく
など、今後の支援活動の参考にしていただければ幸いです。
詳細は東洋大学福祉社会開発研究センターホームページをご覧ください。
http://www.toyo.ac.jp/site/cdws/61697.html
②
News Letter 2014.Vol.
ご案内
その2
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国際シンポジウムを開催します
2015 年 3 月 7 日(土)午後 2 時から、東洋大学白山キャンパス 8 号館「125 記念ホール」にて、本
センター主催のシンポジウム:
「東アジア諸国における権利擁護と地域支援システムの現状と課題―
地域で暮らす社会福祉課題を抱える人々への対応策をめぐって―」を開催します。
本センターはこれまで、
「権利擁護と地域支援システム」をテーマに韓国を中心に国際交流・研究
を重ねてきましたが、今回のシンポジウムではエリアを広げ、東アジア諸国(内蒙古・台湾・中国・
韓国)の現状と課題を探ります。各国では、地域で暮らす人々がどのような社会福祉課題を抱えてい
るのか、それに対して、どのような支援策を展開しているのかを検証し、問題提起していただきま
す。
コメンテーターには武川正吾先生(東京大学教授)をお招きします。
シンポジストは、本学研究科で学び母国で活躍されている若手研究者の方々で、今回の企画をきっ
かけとして、東洋大学社会福祉研究と教育の東アジアネットワークの形成をめざします。
尚、シンポジストの皆さん全員が日本語でご報告されます。
詳細は東洋大学福祉社会開発研究センターホームページをご覧ください。
http://www.toyo.ac.jp/site/cdws/61714.html
竹端先生
ご講演の様子
障害ユニットは、知的障がいのある方の「自己決定支援」の実践的・理論的研究に取り組んでおります。
この度1月 24 日(土)13:30~17:00 東洋大学白山キャンパスにおいて「知的障がいのある人の自立支
援と権利擁護~意思決定支援を中心に~」をテーマとし、障害ユニットとして初めてのシンポジウムを開催
いたしました。
今回は山梨学院大学より竹端寛先生をお迎えしてご講演頂くと共に、「意思決定支援」をめぐる支援者等
からの報告をもとに皆様と議論を深めることができました。また当センターの研究支援者の木口恵美子さん
に「海外のSUPPORTED
DECISION MAKINGの議論の動向」についてご報告頂きまし
た。さらには、当センターの研究協力者・由良亮人さんには「地域生活支援のための本人参画によるアセス
メント研究」
、研究協力者・小泉隆文さんには障害ユニットの活動内容でもある「ICTを活用した支援の
実態」についてご報告頂きました。
シンポジウムの内容詳細は、後日、活動記録としてHP上に掲載する予定です。
③
News Letter 2014.Vol. 3
子どもの権利条約批准 20 年を考える集い
2014 年 11 月 15 日(土)11:00~16:00 東洋大学
白山キャンパス 2 号館 16 階
て、福祉社会開発研究センター後援「こどもの権利条約
スカイホール他に
批准 20 年を考える集い~子どもの権利の具体化
の検証~」シンポジウムが開催されました。
当日は、オープニング講演会として
西野 博之さん(NPO 法人フリースペースたまりば理事長)に
「居場所の力~川崎“フリースペースたまりば”のとりくみから」をご報告頂き、コーディネーターとし
て森田明美福祉社会開発研究センター長よりコメントがありました。フリースペースたまりばは開設して
より 23 年。
「子どもの最善の利益は何か」を問い、子どもの「いのち」のほうへ制度や仕組みを引き寄せ
ようというミッションのもと活動されてきました。子どもの力を発揮させなくするのは、大人側の責任で
もあります。このような居場所が重要な背景には、子どもたちが遊びを通して自分はできるという実感の
場が失われつつある現状であります。周りの人々にも協力してもらえるようにするためには、たまりばの
活動の場の中に入ってもらい対話を続けていくことです。
また、阿部 彩さん(国立社会保障・人口問題研究所)に「子どもの貧困問題と子どもの権利」に関す
る内容をご報告頂きました。その中で、子どもの相対的貧困率は 1994 で年は 12.1%であったのに対し、
2012 年は 16.3%という状況が報告され、子どもの貧困問題は深刻化しています。
子どもの権利条約に定められる貧困と深い関係がある子どもの権利として、「6 条 生きる権利・育つ権
利」
「24 条 健康・医療への権利」
「27 条 生活水準の確保」
「28 条 教育を受ける権利」「31 条 休み、
遊ぶ権利」などが挙げられます。しかし一方で、子どもの健康格差の問題、教育における子どもの貧困の
影響などがあり、またそれらが自身の将来や自己肯定感にまで影響を与えています。
阿部氏は、子どもの貧困対策として必要なものを現金給付・現物給付の視点からまとめられています。
現金給付の役割としては、現児童手当はそのままに維持すること。貧困率の逆転現象の解消、ひとり親世
帯への給付拡充などを行う必要性を述べられています。また、現物給付の中では、スクールソーシャルワ
ーカーの拡充、義務教育の重視などを挙げられていますが、一方で誰が負担をするのかを明確にすること
や子育て世代間の再配分に関する議論などを深めていく必要がありそうです。
シンポジウムの後半は、各教室に分かれて分科会を行いました。「東日本大震災と子どもの権利」「障害
者権利条約と子どもの権利」
「国際的な視点から考える子どもの権利」等々、様々なテーマで子どもの権利
について考えました。どの分科会も真剣に学び合う場となり、有意義な意見交換ができたと思います。
④
News Letter 2014.Vol. 3
7つの分科会に分かれて意見交換をしました。
①
子どもたちと語ろう!考えよう!子どもの権利
―子どもたちが権利について、おとなと話したい!聞きたい!
②
東日本大震災と子どもの権利
―被災地で広がる「支えられ格差」の中で子どもたちは今?
③
障害者権利条約と子どもの権利
―すべての子どもが、学校、地域でともにいきるために
④地域で支える子どもの権利
―子どもたちが抱える福祉的な困難と子どもたちの「居場所」
⑤国際的な視点から考える子どもの権利
―国連や世界での子ども人権をめぐる最近の動きは?
⑥ワークショップで学ぶ!性的マイノリティと子どもの
権利
―「LGBT」ってどういうこと?グループワークで学びます。
⑦ワークショップで学ぶ!ジェンダーと子どもの権利
―自分らしく生きるってどういうこと?グループワークで学びます。
※次号は、3月末に発行予定です。
発行:東洋大学福祉社会開発研究センター
E-mail:[email protected] 2月末発行
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TEL:03-3945-7504(FAX 兼用)