平成 26 年度 第 1 回 文字情報検討サブワーキンググループ 議事録 1. 日時 平成 26 年 8 月 8 日(金)15:00~17:25 2. 場所 独立行政法人情報処理推進機構 13 階 会議室 B 3. 出席者 【主査】 高田 智和 人間文化研究機構国立国語研究所 理論・構造研究系准教授 【委員】 織田 哲治 日本アイ・ビー・エム株式会社 ソフトウェア開発研究所グローバ リゼ-ション技術アドバイザリ-S/Wエンジニア 小西 聡 日本電気株式会社 システムソフトウェア事業部 フォントグルー プ 田中 恭弘 株式会社モリサワ 本社フォント開発部二課 係長 三橋 洋一 大日本スクリーン製造株式会社 商品開発統括部ソフトウェア商品 開発部フォント課 課長 【事務局】 田代 秀一 独立行政法人情報処理推進機構 沼田 秀穂 独立行政法人情報処理推進機構 武藤 圭祐 独立行政法人情報処理推進機構 4. 配布資料 <配布資料> 資料 0:議事次第 資料 1:委員名簿 資料 2:標準化進捗報告 資料 2 別紙 1:ISO/IEC JTC 1/SC2/WG2/IRG #42 の会議要旨 資料 2 別紙 2:Postponed リストに含まれる同形異字 16 文字 資料 2 別紙 3:Postponed リストに含まれる日本提案(同形異字を除く)99 文字 1 資料 2 別紙 4:Annex A へのサブレパートリー追加寄書案 資料 3: 【参考】変体仮名のデザイン案 資料 4:文字情報基盤成果物バージョンアップ案 資料 4 別紙 1:MJ 文字図形修正案 資料 4 別紙 2:MJ 文字情報一覧表 Ver.004.01 項目一覧(案) 5. 議事内容 5.1. 拡張 F について 事務局より資料 2 に基づいて、IRG における拡張 F の進捗状況について報告。資 料 2 別紙 3(postponed とされたものの一覧)のうち p.1 – 11 の 74 文字は、統合の 可能性が指摘されたものであり、p.12 –p.15 の 25 文字は、部首についての疑義があっ たものである。 【意見など】 Postponed リストに含まれる 99 文字について 提案文字の一部部首(資料 2 別紙 3 p.12-p.15 の 25 文字)について、中国や 香港から問題指摘がなされている。新大字典の配列が由来となっているもの であるが、字形の見た目からは、想像がつきにくい部首が付与されている。 中国や香港から指摘通り、提案文字の字形から探しやすい部首に変更しても 良いのではないかという意見があった。一方で、部首情報は、部首・内画数 が ISO/IEC 10646 (UCS)の符号表に記載されるので、MJ 文字情報一覧表に 記載されている部首と異なると違う文字と認識されて混乱が生じる可能性が あるのではないかという意見もあった。 UCS の符号表に記載される部首情報は、インデックスとして掲載しているも ので、MJ 文字情報一覧表の部首情報は、辞典典拠をもとにしているものであ る。部首情報は、一意に決まるものではないので、MJ 文字情報一覧表には様々 な部首情報を付した方が良いという意見があった。 同形異字について 資料 2 別紙 2 において、非同系、非同源という表記がなされているが、JIS X 0221 において、non-cognate character は、「非同系文字」とされているの で、今後は「非同系」と記載するべきだという意見があった。 Annex S においては、 「non-cognate character(非同系文字)は、統合されな い。」とされているので、SC2 専門委員会は、同形異字については、JTC 2 1/SC2/WG2 において非統合を主張する予定である。 統合となった場合には IVD 登録を行えばよい、符号位置が不定となり符号化 が先送りになることが一番問題である。 JTC 1/SC2/WG2 において統合と判断された場合には、IVD 登録する予定で ある。しかし、実際に IVD 登録するとなる実質的に同一の字形に異なる VS を付与することについて議論が起きる可能性がある(現実には微妙な字形の 差異はある) 。 過去には、同一字形に異なる VS を振った例がある。 本 SWG では、拡張 F 提案は Annex S や UCV を参照し、統合ができないも のとして、拡張 F 提案を行っているため、基本的には非統合の立場である。 Postponed リストで統合の可能性が指摘されているものについては、9 月ま でに SC2 専門委員会が、それぞれの文字についての統合/非統合のポジショ ンを決めることになるだろう。本 SWG は、SC2 専門委員会の内容について、 10 月までにその内容を確認する。一部の非同系のものについては、追加の説 明資料を用意した方が良い。 【決定事項】 今後の資料においては、non-cognate を「非同系」と記載する。 資料 2 別紙 3 の部首についての疑義があったものについて、当 SWG として は特にこだわることはせず、IRG の議論に任せる。部首を変更することとな った場合には、当該部首情報を MJ 文字情報一覧表に追加することとする。 同形異字について、非統合の主張をしても受け入れらなかった場合において は、それを受け入れて統合することとし、IVD 登録を進めることとする。 同形異字の 16 文字以外の統合指摘がなされている非同系ものについては、 SC2 での議論へ向け、事務局が追加の説明資料を用意する。 5.2. Moji_Joho コレクションについて 事務局より資料 2 に基づいて、2014 年 5 月 16 日に IVD に登録された Moji_Joho コ レクションについての報告を行った。 【意見など】 2.2 登録内容の確認について 1)については、戸籍統一文字番号 112430 に対応する字体を作字し、新規 3 MJ 文字図形名を付与して、IVD 登録を行うべきだという意見が多数を占め た。 2)については、Moji_Joho コレクション IVD 登録時には、拡張 E は発行され ていないため、統合規則の面からも U+535A への統合が最適であった。2) と同様に、IVD 登録後に登録されたグリフと同一の字体が独立した統合漢字 の符号位置を持つことが、今後も起き得るものであるが、UTS#37 ではその ようなことが考慮されていない。 2)の<535A,E010B>が、すでに IVS として実装されたフォントがあるとすれ ば、今後問題が生じる。しかし、CJK 統合漢字拡張 E が正式に UCS 第 4 版 で追加され、UCS 符号位置の実装が可能となった段階で、IVS の実装がなさ れていなければ、MJ059400 の符号実装を U+2B9E4 のみにしても問題ない のではないかという意見があった。 2.3 Moji_Joho コレクションに関する今後の予定について Moji_Joho コレクションの登録後に、公開レビュー期間を、2000 図形あた り 30 日追加するとの方針が Unicode コンソーシアムから示された。その結 果残り約 48,000 のシーケンス登録には、2 年を超える公開レビューの期間が 必要となる可能性がある。 現在のところ、拡張 F1 は、順調に進めば ISO/IEC 10646 第 5 版に含まれ ると思われるが、IS の発行までには 2 年程度を要すると思われる。拡張 F1 の内容が確定してから、第 2 期登録を開始するとすれば、公開レビューの開 始は 2 年以上先になる。 拡張 F1 を待って、1 符号位置に複数の MJ 文字図形が対応するものについて の IVD 登録が開始できるのが 2 年後ということであれば、1 符号位置に一つ の MJ 文字図形のものについて先に公開レビューを行ってもよいのではない かという意見があった。 【決定事項】 戸籍統一文字番号 112430 の字体に対応する新しい MJ 文字図形を作字し、 第 2 期にシーケンス登録を行うことを目標とする。 MJ059400 に つい ては 、 MJ 文 字情 報 一覧表 に おけ る記 述 にお いて は U+2B9E4 へ対応付けることそし、フォントの実装については、IVD を参照 4 することによって<535A,E010B>を実装したフォントが他にあらわれた場 合における互換性をとるため、U+2B9E4 と<535A,E010B>の双方を実装す る。 Moji_Joho コレクションの第 2 期登録の内容については、継続して検討する こととする。 5.3. Annex A への追加提案について 事務局より資料 2 別紙 4 に基づいて、9 月に開催予定の WG2 に提出を検討している Annex A のサブレパートリー追加について説明した。 【意見など】 WG2 では、CJK 統合漢字の各ソースについて、例示字形を最新規格のものに更新 するという提案が出ている。常用漢字と JIS との関係を考えると、この議論が Annex A の追加提案にも影響を与える可能性がある。 ローマ字と常用漢字についてのサブレパートリー追加は、本事業とは直接関係し ておらず、また、常用漢字については上記の懸念があるため、WG2 に寄書として 提出する場合は、常用漢字とローマ字について別けるべきだという意見があった。 5.4. 文字情報基盤成果物のバージョンアップについて 事務局より資料 4 及び資料 4 別紙 1、別紙2に基づき、MJ 文字情報一覧表と IPAmj 明朝フォントバージョンアップについての案を説明した。 【意見など】 今回のバージョンアップに、戸籍統一文字番号 112430 の字体に対応する新 しい MJ 文字図形も追加した方が良いのではないかという意見が多数を占め た。 資料 4 別紙 1 の見方について、 左側の MJ 文字図形と記載されているものが、 現在のバージョンの MJ 文字図形で、右側の改訂と記載されているものが新 バージョンの図形案である。今回の修正の目的は、微細なデザイン変更に伴 う修正であり、字体が大きく変わるものではない。また、既に IVD に登録さ れている Hanyo-Denshi コレクションの平成明朝体グリフと、より正確に同 定できるものとなる。 【決定事項】 5 戸籍統一文字番号 112430 の字体に対応する新しい文字図形として、MJ 文 字図形名 MJ068054 を追加する。 次期バージョンの IPAmj 明朝フォントで、資料 4 別紙 1 の MJ 文字図形修正 を行う。 ISO/IEC 10646 第 4 版に記載される拡張 E と互換漢字に対する SVS を実装 した次期バージョンの IPAmj 明朝フォントと MJ 文字情報一覧表の整備作業 を進めておき、同規格書の発行を待って速やかに公開することとする。 5.5. 変体仮名について 主査が、資料 3 変体仮名のデザイン案についての日本語表記史などを専門とする日本語 学研究者のレビュー結果について報告した。 5.6. その他 次回の文字情報検討 SWG の開催は、メーリングリストにて日程を調整し、9 月末に開 催予定の JTC 1/SC2/WG2 の前に開催することとした。 6
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