薬理学総論4 薬動学 Pharmacokinetics 平成26年10月16日(木) 1. 薬物の吸収・分布・代謝・排泄 Therapeutic site of action “Receptors” bound free Tissue reservoirs bound free 分布・結合 Unwanted Site of action bound free Central Compartment 吸収 Drug dose Absorption [Free drug] Excretion Liberation 排泄 protein bound drug metabolites 代謝 Biotransformation 平成26年10月16日(木) First-pass effect Bioavailavility 門脈 平成26年10月16日(木) AUC (Area under the concentration-time curve) 血漿薬物濃度曲線下面積 (AUC)p.o. F= (AUC) i.v. 平成26年10月16日(木) 薬の膜輸送機構 受動輸送 能動輸送 Na+/Cl-共輸送体 Na+/K+/2Cl-共輸送体 共輸送 単純拡散 交換輸送 Na+-Ca2+交換体 二次性能動輸送 促進拡散 一次性能動輸送 平成26年10月16日(木) Na+,K+-ATPアーゼ H+,K+-ATPアーゼ Ca2+-ATPアーゼ 弱酸・弱塩基とpH 膜のバリアー 薬物名 小腸内腔 (pH 5.0) 弱酸 アスピリン (pKa =3.5 ) [U] 弱塩基 ジアゼパム (pKa=3.3) [U] = 100 [ I ] = 3162 [Total] = 3262 = 100 [I] = 2.0 [Total] = 102.0 血漿 (pH 7.4) [U] = 100 [ I ] = 794328 [Total] = 794428 [U] = 100 [ I ] = 0.008 [Total] = 100.008 胃内腔 (pH 1.4) [U] = 100 [ I ] = 0.0079 [Total] = 100.0079 [U] 0.79 100.79 = 100 [ I ] = 7940.0 [Total] = 8040.0 弱酸アスピリン(pKa=3.5)と弱塩基ジアゼパム(pKa=3.3)の生体内での相対的濃度 U = unionized drug(非イオン型薬物)、I = ionized drug(イオン型薬物) Henderson-Hasselbalchの式 弱酸の場合:pKa -pH = log (非イオン型薬物濃度/イオン型薬物濃度) Henderson-Hasselbalch の式 H+ + A[H+] [A-] Ka = [ HA ] HA log Ka = log [H+] + log [A-] [ HA ] pKa= -log Ka、pH = -log[H+]であるから [ HA ] pKa - pH = log 平成26年10月16日(木) [A-] 非解離型の酸(非イオン型) 解離型の酸(イオン型) 平成26年10月16日(木) Henderson-Hasselbalch の式 RNH+ RN + H+ [H+] [RN] Ka = [ RNH+] log Ka = log [H+] + log [RN] [ RNH+] pKa= -log Ka、pH = -log[H+]であるから [RNH+] 非解離型の塩基(陽イオン) pKa - pH = log 平成26年10月16日(木) [RN] 解離型の塩基(遊離塩基) . 平成26年10月16日(木) 薬の排泄 平成26年10月16日(木) 薬物動態理論 平成26年10月16日(木) 投与量 薬物動態学 (吸収・分布・代謝・排泄) 血中濃度 作用部位濃度 薬力学 (受容体・薬効発現様式) 臨床効果 (薬理作用) 平成26年10月16日(木) 単回静注(bolus)後の薬の血漿濃度の時間変化 1-コンパートメントモデル 平成26年10月16日(木) 1-コンパートメントモデルによる解析 薬の血中からの減少速度 dx/dt = -kel x (1) kel は排泄速度定数、xは血漿中の薬物量である。時間tにおける血漿中の 薬物量xは投与した薬物量をM0とすると、 x = M0 exp (-kel ・t) (2) 投与した薬物が単一のコンパートメントに瞬間的に分布すると仮定し、 見かけの分布容積をVd、薬物濃度をC0とすると、M0 = C0・Vd、x = C・Vd であるから、 血漿濃度Cは C = (M0 /Vd)exp (-kelt) (3) 対数をとると log C = - kel /2.303・t + log C0 (4) (4)より kel /2.303・t = log (C0/C) (5) (5)式で t = t 1/2 、 C0 /C =2とすると、半減期 t1/2は t1/2 = 0.693 / kel 平成26年10月16日(木) (6) 平成26年10月16日(木) 持続点滴静注 平成26年10月16日(木) 2-コンパートメントモデル 平成26年10月16日(木) 2-コンパートメントモデル C1 kaM 平成26年10月16日(木) C2 平成26年10月16日(木) 薬の吸収と排泄による血漿濃度の時間経過 静脈内 筋肉内 経口 平成26年10月16日(木) 薬物吸収の変化が単回経口投与時の血中薬物濃度に及ぼす影響 Cmax 平成26年10月16日(木) F:生体内利用率 D : 投与量 t : 投与間隔 Vd : 分布容積 k : 排泄速度定数 平成26年10月16日(木) 反復投与後の血中薬物濃度の変化 平成26年10月16日(木) 反復投与による薬の 血漿濃度の時間経過 平成26年10月16日(木) 急性気管支喘息の患者にテオフィリンを静注で投 与する。Css = 15mg/mL、CL = 48 mL/min とする。 ①点滴静注速度を求めよ。 ②8、24時間毎の投与間隔で投与する場合の投与量 を求めよ。 平成26年10月16日(木) 急性気管支喘息の患者にテオフィリンを静注で投 与する。Css = 15mg/mL、CL = 48 mL/min とする。 ①点滴静注速度を求めよ。 CL x Css = 48 (mL/min) ×15 x 10 –3 (mg/mL) = 0.72 mg/min → 43.2 mg /h ②8、24時間毎の投与間隔で投与する場合の投与量 を求めよ。 43.2 x 8 h = 346 (mg ) 平成26年10月16日(木) 43.2 x 24 h =1037 (mg) Therapeutic Drug Monitoring(TDM) 治療薬物モニタリング ① 重篤な中毒症状を起こす可能性のある薬物 ②治療血中濃度範囲が狭い薬物 ③体内動態の個人差が大きい薬物 ④体内動態に非線形性がある薬物 ⑤血中濃度-薬理効果曲線が急勾配である薬物 ⑥合併症・併用薬により体内動態に変動が認められる薬物 ⑦速度論の臨床的応用が確立されている薬物 平成26年10月16日(木) 平成26年10月16日(木)
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