交流回路

回路の勉強会
第2回 交流回路
回路の勉強会
Nicodimus R. @ 2014
記号について
電圧源
v
V


電流源
V /v
交流
直流
(大文字) (小文字)
単位:V(volt,ボルト)
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

一般
I /i
直流/交流
(大文字)/(小文字)
単位:A(ampere,アンペア)
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2
受動素子
名前
補助単位
記号
単位
値
記号 : 読み方
W
1012
T : tera, テラ
(ohm,
オーム)
109
G : giga, ギガ
容量(C)
F
106
M : mega, メガ
キャパシタ、コ
ンデンサ
(farad,
ファラッド)
103
k : kilo, キロ
10 3
m : mili, ミリ
インダクタ
(L)
H
10 6
m : micro, マイクロ
10 9
n : nano, ナノ
1012
p : pico, ピコ
1015
f : femto, フェムト
抵抗(R)
コイル
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(henry,
ヘンリ)
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3
容量
容量値
導体
Q
d
絶縁体
C

[F]
d
 : 絶縁体の誘電率
V
Q
容量に電荷Q(正確には一つの極板に+Q、
もう片方の極板に-Q )が溜まると容量の
両端の電圧Vおよび電荷Q、容量値Cの関
係は
Q  CV
※+Qと-Qの電荷の数は必ず同じ
(1)
になる。
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4
容量における電圧と電流の関係
なので、微小な電荷dQの場合
電流の定義を思い出すと
+
+
dQ  C  dV
導体
+
+
微小時間dt間に通過する微小電荷をdQ
dQ
I
dt
dV
dQ
C
dt
dt
dV
I C
dt
よって電流の時間関数i(t)の場合
dv (t )
i (t )  C
dt
(2)
(3)
これをv(t)について解くと
一方、式(1)は
v (t ) 
Q  CV
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Cが一定
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1
i (t )dt

C
(4)
5
RC回路(一例)
i (t )
R
t<0において入力電圧が0Vなので
i(t )  0[A]  vR (t )  0[V], vC (t )  0[V]
vin (t )


vR (t )
C
vC (t )
t=0において入力電圧が0からV0に変わる
のでキルヒホッフの法則より
 vin (t )  vR (t )  vc (t )  0
vin (t )  vR (t )  vc (t )
vin (t )  V0  u (t )
オームの法則と式(3)を適応すると
u (t ) は単一ステップ入力
vin (t )  i (t ) R  vC (t )
1

0
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t
dvC (t )
CR  vC (t )
dt
dvC (t )
1
vC (t )  vin (t ) (5)

dt
CR
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6
RC回路のステップ応答
f (t )  vC (t )  vin (t ) と置くと
ここで
f (t )  e
t  0 において
df (t ) dvC (t )

dt
dt
vC (t )  vin (t )t 0  K   e
(6)
vC (t )  V0  K   e
式(6)を(5)に代入すると
t
CR

t
CR
(7 )
t  0  vC (0)  0
なので式(7)より
 V0  K 
この微分方程式をf(t)について解くと
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
ここで初期条件を用いてK´を求めると
df (t )
1

f (t )
dt
CR
df (t )
1

dt
f (t )
CR
df (t )
1


 f (t ) CR  dt
t
ln  f (t )   
K
CR
 t

K 

 CR

よって、
vC (t )  V0 (1  e
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
t
CR
)
(8)
7
補足:時定数
vin (t )
i (t )
R


vR (t )
C
vC (t )
ポイント
RC回路において、入力電圧に対して
出力電圧は遅れて出て来る。
t



CR
vC (t )  V0 1  e 


 1
1  V0
 e
その遅れは抵抗および容量値に比
例し、両者の積を時定数(t)という。
t  CR
V0 入力
出力(vC)
t
0
t  CR
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8
正弦波入力に対する定常応答
vin (t )
i (t )
R


vR (t )
回路が定常状態で動作してい
る際の出力(定常応答)はど
のようになる?
C
vC (t )
補足
定常応答とはある程度時間が経った
(回路の動作が安定している)後の回
路の出力のことである。
仮に入力電圧vin(t)が正弦波だとする。
出力
定常応答
vin (t )  V0 sin(t )
時間
過渡状態
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定常状態
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入力電圧
vin (t )  V0 sin(t )
V0 sin(t ) 
RC回路の入力
dv (t )
CR  vC (t )
と出力電圧の関係 vin (t )  C
dt
(6ページ)
dvC (t )
CR  vC (t )
dt
RC回路は線形回路なので正弦波を入れたら正弦波が出てくることが分かる。
ここで出力電圧を v (t )  V  sin(t   ) と仮定すると
C
V0 sin(t )  CR cos(t   )  sin(t   )
上の式の右辺を左辺と同じ形なるように変形する(計算方法は11ページ)
V0 sin(t )  V  1  (CR ) 2 sin t    tan 1 (CR ) 
この結果から、
V 
V0
1  (CR )
振幅特性
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2
  tan 1 (CR )
位相特性
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10
y ( )  a cos( )  b sin( ) の求め方
y ( )  a cos( )  b sin( )  a sin(   / 2)  b sin( )
C
a sin(   / 2)
a
y ( )

B
b sin( )

b

A
y ( ) をAC間のベクトルを使って表せばよい。
C
a 2  b2
y ( )  a 2  b2 sin(   )
 a  b sin   tan ( a / b) 
2
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2
1
A
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
a
b
B
11
正弦波入力に対する定常応答
vin (t )  V0 sin(t )
i (t )
R


vR (t )
C
vC (t ) 
V0
1  (CR )
2
sin(t   )
位相特性
振幅特性
入力されている角周波数()に
よって出力電圧の振幅と位相
が変わる。
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12
正弦波の複素表示
虚
振幅
補足
オイラーの公式
V0
e jx  cos( x)  j sin( x)

実
V
v  V0 sin(t   )
複素表示にすると
V  V e j (t  )  V   e jt  e j
但し、 V  
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V0
, j  1
2
e  jx  e jx
sin( x)  j
2
e  jx  e jx
cos( x) 
2
→ 振幅
e jt → 周波数
e j → 位相
を表しているが、線形回路において、入力と出力
の周波数は変わらないため周波数成分を表す
項を省略しても問題なく
V  V   e j
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と一般的に表す。
13
容量の電圧と電流の関係
v(t ) と i (t ) を複素表示にすると
容量の両端に電圧 v(t )  V0 cos(t   )
が加わると、式(3)より容量に流れる電
流は
dv(t )
d
i (t )  C
 CV0 cos(t   )
dt
dt
 CV0 sin(t   )
ここで、 cos( x   / 2)   sin( x) な
ので
v(t )
V  V e j
i (t )
I  CV e j (  / 2)  CV e j e j / 2
 e j / 2CV
オイラーの公式より
e j / 2  cos( / 2)  j sin( / 2)  0  j
なので、容量の電圧と電流の関係を複素
で表すと
v (t )
1

i (t )
jC
i (t )  CV0 cos(t     / 2)
(11)
容量のインピーダンス!
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14
複素表示の応用
i
vin
R


vR
式(11)より
vC  i  Z C
C
vin  vC

ZC
R
vC
vCについて解くと
キルヒホッフの電圧法則を使うと
vin  vR  vC
さらにオームの法則を応用すると
i
vin  vC
R
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vC 
ZC
vin
R  ZC
1
1
jC

vin 
vin
1
1  jCR
R
jC
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15
回路の伝達関数
伝達関数とは回路の入出力の関係を表すもの
であり、以下のように定義される。
入力
T ( j )
出力
回路の出力
伝達関数T ( j ) 
回路の入力
R
vin


左図の回路の複素表示出力電圧は
1
vC 
vin
1  jCR
C
vC
伝達関数は
vC
1
T ( j ) 

vin 1  jCR
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インダクタの電圧と電流の関係
i (t )
v(t )
式(3)と比較すると電圧と電流の微分関係
が逆になっているだけなのでインダクタの
電圧と電流の複素表示は
L
v (t )
 jL
i (t )
インダクタの両端の電圧v(t)と流れる電流
i(t)の関係は
di(t )
v(t )  L
dt
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(12)
インダクタのインピーダンス
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RL回路
L
i
振幅特性
R 4  LR 
2
vin


T ( j ) 
vL
R
R 2  L 
2
vR

1
 L 
1 

R


2
位相特性
 LR 
1  L 

tan


2 
R
R




  tan 1 
上記RL回路の伝達関数は
T ( j ) 

vR
vin
R
R  ZL
R

R  j L
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補足
複素表示を用いた解析方法は線形
解析である。
インピーダンスの概念を使えば容量
もインダクタも抵抗と同様に扱える!
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