質疑応答の要約(139KB/PDF)

(株)堀場製作所 2014 年 12 月期 決算説明会における主な質疑応答内容
<自動車計測事業>
Q: 排ガス測定装置と MCT(メカトロニクス)事業を組み合わせたターンキービジネスは 2015 年にどの程度
展開が拡大するのか。2015 年予想の自動車計測事業の売上高の伸び率に比べて営業利益の伸び率が小さ
い。その理由も教えてもらいたい。
A: 自動車メーカーは新たな研究開発にシフトしている。以前は、お客様の研究設備の設計はお客様自身で
部隊を確保し実施されていたが、現在はそのような部隊は本来の製品開発にシフトしたり、ベテランの
技術者が定年退職で減少していると聞いている。当社製品に詳しい人材の減少や、設備の高度化・複雑
化が進む中で当社に設計段階から頼っていただけるケースが増えている。グローバルに展開し、自社内
で全ての製品を持っていることで全体の質の保証ができる。それを強みにさらなる事業拡大を進める。
増益幅が小さい点は、収益性の高い排ガス測定装置だけでなく、MCT 事業の販売拡大による製品販売の
ポートフォリオが変わってきていることが原因である。現行の中長期経営計画では以前は赤字事業であ
った MCT を急速に成長させ黒字化することに成功した。今でも当社の主力である自動車計測事業は今後
も一段階大きく成長できる分野であると考えている。
Q:MCT 事業の 2015 年売上高予想の確度は高いのか。
A:確度は高いが懸念事項としては、プロジェクト単位のボリュームが大きくなっていること。進捗によっ
ては来年以降にずれ込む可能性もある。急速に売上高を成長させている MCT 製品群を滞りなくお客様に
届けるというマネジメントを強化していく。
Q:大型排ガス測定装置の出荷台数イメージ(スライド 16)について、2014 年と 2015 年の台数計画はほぼ
同じに見えるが、顧客ニーズの変化があるのか説明してほしい。
A:過去 20 年ほどで排ガス測定装置の販売はかなり成長した。高成長を維持したため、更新需要を必ずしも
全て取り込めていなかったが、今回の新製品(MEXA-ONE)で取り込みたい。更新需要の取り込みにより、
販売台数はさらに増加できると期待している。新製品も徐々に浸透しているが、お客様も製品性能を検
証している段階であり、本格的な更新需要の拡大時期については慎重な予想をしている。今後の需要増
に対応できるように、現在、滋賀県にて HORIBA BIWAKO E-HARBOR を建設中である。
Q:大型排ガス測定装置について、新製品の出荷比率が 2014 年の 40%から 2015 年の 60%に上昇することで
収益性への影響はあるのか。
A:MEXA-ONE シリーズは旧製品の MEXA-7000 シリーズより高い収益性のターゲットを設定している。現状は、
新製品であることと周辺製品が全て出揃っていないことなどから、収益性についてはまだ改善の余地が
あるが、MEXA-ONE シリーズの販売が収益にマイナス要因となっていることはない。
Q:HORIBA BIWAKO E-HARBOR への移転コストは自動車計測事業に影響がでるのか。
A:京都本社のガス計測に関する自動車計測と環境・プロセスの部隊を新拠点に移動させる。これにはかな
りの準備や移動経費などがかかることは間違いなく、これらのコストを織り込んで今回の予想を作成し
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た。将来の競争力獲得のための先行投資と思っていただきたい。
Q 自動車業界の研究開発投資の内訳が変わってきていると思われる。自動車メーカーの研究開発費の何%く
らいを HORIBA がカバーしていけるのか。そして、短期の規制に伴うものと燃料電池などに伴う研究開発
に関するものなど、どのような分野が HORIBA の対象となってくるか?
A:具体的な比率については我々には知り得ないが、当社としての考え方は次のとおりである。
自動車の研究開発は単発的なものから、総合的な組み合わせ技術になってきている。試験設備も総合的
なものになっており、排ガス測定装置だけではなく、ブレーキやトランスミッションともに総合的な試
験設備が必要となってきている。複雑化していく計測ニーズに対して相談相手になれるようなサプライ
ヤーが、結果的に自動車開発のスピードを上げることになる。それが短期の規制によるものであっても
燃料電池などのような将来的な投資であっても、そのような提案ができる企業となることが、当社が将
来めざす姿である。お客様からまず HORIBA に引き合いや相談がくるという状況になることが大切と考え
ている。すでに実施をしているが、もし当社製品以外の計測技術が必要となった場合でも、競合他社と
アライアンスを組んでトータルパッケージとして提供することで当社製品を確実に提供するというビジ
ネスモデルも構築している。お客様の大型投資案件には、発注先企業の安定した企業規模も求められる
が、それも当社はクリアできていると思っている。
Q:企業規模をさらに拡大していく必要があると思っているのか?
A:HORIBA 全体の企業規模であれば決して小さくないと思っているが、今後ともさらなる成長を続けていく
には、敵対的ではなく、HORIBA と共に成長していきたいという企業の買収なども視野にいれている。
<医用事業>
Q:フランスで中/大型装置の開発をされているようだが、大型装置ではすでに競合がシェアを獲っている。
今後、競合と対抗するには障壁が大きいと思うが、どのように考えているのか。
A:当社は小型装置についてはすでに高いシェアをもっている。中型と大型装置のシェアは低い状態である
が、インドや中国をはじめとしたアジアなどではまだ市場に隙間が沢山あると認識している。競合他社
は収益性の高い大型に積極投資している。小型の収益性は大型と比べると低いが、当社は小型に技術的
優位があり、いい意味ですみわけをしている。将来的には小型を武器に OEM 供給をするなどいったこと
にチャレンジすることも医用分野で成功をしていく方法の一つと考える。
Q:今年は達成できそうにない現行の中長期経営計画の数値は、今後達成できる見込みはあるのか。今のリ
ソースで達成できるのか。
A:当社としては、HORIBA は医用機器メーカーであるという認識をみなさんに持ってもらうことをターゲッ
トにしている。現在、医用事業は当社の中で主力になりきっていないのは事実。しかし、着実に「HORIBA」
というブランドが医療業界に浸透してきていると考えている。血球計数装置の専門会社になりたいので
はなく、医用分野に積極策をとり大学や病院と協力して、医用分野に新たな分析・計測装置を供給して
いくことが最終的な目標である。今後も投資は継続していき、長い期間で成長をさせていきたい。血球
計数測定分野では、今のリソースで現中長期経営計画の 60 億円という営業利益の達成は近い将来に十分
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可能と考える。しかし、次のステップに進むには新たな M&A を含め検討が必要である。
Q:2015 年にフランスの子会社から新製品を投入すると聞いているが、2015 年の医用業績予想では収益性の
大きな改善が見られない。本格的な影響が出るのは 2016 年以降となるのか。
A:2015 年は、日本は販売会社の協力も期待でき、感触としては良いものを感じている。しかし、フランス
の製品も含めその他で業績の大幅改善は予想しておらず、着実に達成できる慎重な予想としている。
<半導体事業>
Q:HORIBA のシェアが高まってきている影響はあるのか教えていただきたい。
A:当社のシェアが上がってくることで、お客様により購買先を 2 つ以上に分散させようというプレッシャ
ーもある。しかし、当社の新技術への評価や、納期と品質に対する評価が高まっているとも感じている。
今まで築き上げてきた信頼を失わない戦略も大事なポイントである。現在のシェアについては、業界か
らポジティブに受け取られていると考えている。
<その他/全体>
Q:各セグメントごとの研究所や工場と、全体の基礎研究をする研究所などがあると思うが、今後のバラン
スはどのように考えているか。
A:今年稼働する HORIBA 最先端技術センターは当社装置の半導体センサーを研究するところで、クリーンル
ームを利用するような開発を集約した施設となっており、全セグメントに技術を供給することが目的。
生産面ではセグメント間に横串を通すような展開をしており、医用の試薬などはフランスの部隊がブラ
ジルを指導するなど地域面での横串も通している。マネジメントとしても、地域やセグメントを超えた
展開を意識して経営している。
Q:現行の中長期経営計画最終年度の営業利益 200 億円に、2015 年予想では 20 億円届いていないが、200
億円は諦めたのか。
A:現在の予想 180 億円でもチャレンジングであると考えている。200 億円は厳しいが、不可能な数値では
ないと思っている。
Q:次期中長期経営計画の描き方は、今の事業が拡大していくのか、それとも新たな事業が出てくるのか。
A:自動車業界に対する当社の可能性はまだまだあると考えている。医用事業については、今回のターゲッ
ト以上を掲げていきたい。環境・プロセス事業は、アジアを中心に大きなポテンシャルを感じており、
着実な展開と獲得した市場を守ることで安定成長をめざす。科学事業は当社の基礎となる技術を有して
いる事業。世界最高の性能であることへの追求は成功していたが、お客様のニーズを認識しながら新た
な提案が不足していた。現行の製品ラインアップだけでもまだ成長の余地は十分にあると感じている。
これらを総合的に展開していけば次のステップアップの可能性は十分にあると考えている。
以上
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