離島の防災とまちづくり 温暖化防止 × 火力発電の燃料である重油は、船で運ば 力発電でまかなっています。 な再 生可 能エネ ルギ ーの 導入可 能性 を調査 とを活かした水産系バイオマスなど、様々 風力だけでなく、海に囲まれた島であるこ 年に新エネルギービジョン ギー自立に向けた取組を進めるため、利尻 陽光発電と風車には、それぞれ蓄電池電源 には防災用LED照明を設置しました。太 1kWの小型風車を4基、そして体育館内 化する実証実験などを実施してきました。 システムが導入されており、災害等の停電 時に、再生可能エネルギーを進める可能性 の強化を図り、非常用電源を確保すると同 東日本大震災を契機に、防災拠点の機能 うなるのか、危機感を覚えた﹂と言います。 のような災害が利尻島で起きたら、一体ど ル ギ ー 係 長 の 佐 藤 弘 人 さ ん は、﹁も し、あ さった、利尻町の防災広報係長兼環境エネ が 起 こ り ま し た。今 回 取 材 に 対 応 し て 下 その一方で、一般家庭への再生可能エネ 調に進んでいます。 施設への再生可能エネルギーの導入は、順 るデマンド監視システムの導入など、公共 ワーク化して電力使用量を町役場で管理す 入 や、町 内 の 公 共 施 設 や 学 校 等 を ネ ッ ト 蓄電池、コージェネレーション設備等の導 なっています。また、町庁舎への太陽光や を 探 る こ と に な り ま し た。平 成 24 新エネルギービジョンをもとに、太陽光や きています。 ルギーの普及には、離島特有の課題も出て 23 年 に は、 そんな中、平成 時でも、自立電源として活用できるように 21 17 年3月、東日本大震災 を策定、平成 町では、平成 年には町内の笹をペレット 15 事例4 れてくるため、災害時に安定して確保でき する実証実験を行っています。 ∼ る保証はありません。また、輸送に費用が ・ 北海道北部の日本海に浮かぶ島、利尻島。 かかるので、他地域に比べて価格が高いう 離島の防災対策 ∼危機感を覚えた 島の 西側 に位 置す る利 尻町で 進め られ てい え、不安定な石油価格は、住民、特に高齢 町の災害時収容避難所でもある総合体育 町内への再エネ普及には 離島ならではの課題も る、防災と低炭素型のまちづくりを兼ねた 者の生活を圧迫しています。さらに、地球 が多いことも課題でした。 温暖 化の 原因で もあ る二 酸化炭 素の 排出量 北海道本土の電力系統から独立した電力 kWの太陽光発電と 館﹁夢交流館﹂に、 年に稼 働開 始した 北電 のディ ーゼ ル火 こうした課題を解消し、地域内のエネル 和 42 系統の利尻島では、ほとんどの電力を、昭 取組をご紹介します。 11 1 3 自立・分散型エネルギーシステム 1.総合体育館「夢交流館」の小型の風力発電、 1 kW×4基。「1kWが4基の方が、万が一 1 基壊れても、残り 3 基が使えるから」とのこと。 2 3 平成 年、再生可能エネルギーと連携し 年には漁業者にも使用 が障害となってしまうことがわかりまし の性能には問題はないものの、充電の手間 してもらいました。その結果、電気自動車 らこそ、地域資源を活用したまちづくりが ﹁離 島 は 人 も 物 も 限 ら れ て い ま す。だ か る、と佐藤さんは言います。 しかし、一方で離島ならではの強みもあ 地域資源を活用し 島国のモデル地域に た。また、家庭向け太陽光発電なども、塩 くて、かつメリットがなければ、一般の家 ﹁住 民 の 生 活 ス タ イ ル に 合 い、使 い や す 話しています。 実 に 可 能 か ど う か の 調 査 を 行 う 予 定 で す。 スマートコミュニティビジョンを作り、現 一層進むと思っています。今後、利尻島の たエネルギーの自立に向けた動きも、より ま す が、小 さ な コ ミ ュ ニ テ ィ だ か ら こ そ、 庭に再生可能エネルギーを普及させるのは 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー は も ち ろ ん、エ ネ ル せん。 難しいのが現状です。また、再生可能エネ ギー管理システムも積極的に活用して、低 新しい取組を積極的に受け入れられるよう ルギーの機械や設備は、島にはない、町民 炭素型のまちづくりを進めていきたいと考 佐藤さんは、離島で再生可能エネルギー が実際に見たことのないものであることが えています。広く言えば、北海道も島、日 な雰囲気が出てこれば、地域資源を活用し ほとんどです。設備に関する専門的な知識 生可能エネルギーとまちづくりのモデル 本も島。島における地域資源を活用した再 たつの異なる機械が、本当に組み合わせて を、利尻島で作れたらと考えています﹂。 など、細かい技術的な部分は、エネルギー 月 9 業界の人や、専門家でなければわからない 年 公益財団法人北海道環境財団 連絡先 ︵担当 杉岡︶ 011‐218‐7811 取材日 平成 26 年度地域における地球温暖化防止活動促進 事業﹂で作成しています。 本紙は﹁平成 26 ことが多いと感じています﹂。 3.停 電 時、通 常 時 共 に 使 用できる太陽光発電。 記事に関するお問合せ 使えるのか、メンテナンスはどうするのか を持った人材も、十分とは言えません。ふ を推進する時の課題について、次のように 必要です。抱えている課題はたくさんあり 25 害に対する不安を抱く住民が少なくありま 試験導入し、平成 た取組として、電気自動車を公用車として 24 2.防 災 広 報 係 長 兼 環 境 エ ネルギー係長の佐藤弘人さ ん。 自立・分散型エネルギーシステム に関するお問合せ 利尻町防災広報係 / 環境エネルギー係 〒097-0401 利尻郡利尻町沓形字緑町14番地1 TEL 0163-84-2345 北海道北端の稚内市から西方約53キロにあり、「利尻」はアイヌ語「リイ・ シリ」で「高い・島」を意味する。島の中心にそびえる秀峰利尻山は、日本 百名山のひとつに数えられている。水産業と観光業が盛んで、毎年春から夏 にかけて多くの観光客が訪れる。
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