週刊介護情報第123号 - 介護事業開業経営相談サポート

第 123 号
週刊介護情報
平 成 26 年 12 月 26 日 (金 曜 日 )
第122号 平成 26 年 12 月 26 日
(金曜日)
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介護給付費への連動から高齢者人口に連動する仕組み
厚労省 地域包括センター運営費適正化で通知
介護保険改定 合意事項について整理、報告書は次回
審議報告案提示「地域包括」に焦点 介護給付費分科会
2020 年介護福祉製品関連市場、80%増に拡大
富士経済調査 非介護保険領域への展開進む
認知症で穏やかに暮らせる町づくりにつながる政策を
長寿医療研究センター「政策提言」を厚労相へ提出
介護給付費
連動
厚労省 地域包括
高齢者人口 連動
仕組
運営費適正化 通知
――厚生労働省
厚生労働省は 12 月 22 日、来年度から地域包括支援センターの運営にかかわる地域支
援事業の上限を見直すことを決め、全国関係機関へ「地域支援事業における包括的支援
事業(地域包括支援センター運営分)及び任意事業の平成 27 年度以降の上限の取扱に
ついて」(厚労省通知 vol.407)、上限見直し内容を発出した。
介護保険制度改正により従来の予防給付の一部が市町村主体の地域支援事業に移行
されるに伴い、現行の地域支援事業のうち、包括的支援事業(地域包括支援センター運
営分)および、任意事業の上限額の仕組みを改めることとなったもの
制度改正で新たに地域支援事業に位置づけられた下記については、今回知らせるもの
とは別に上限を設定するため、別途連絡するとしている。▽在宅医療介護連携推進▽認
知症総合支援▽地域ケア会議▽生活支援体制整備。
◆考え方(見直しは、給付費の伸びに連動させる仕組みから、65 歳以上の高齢者の伸び
率に連動させた仕組みとする)。
介護予防や介護給付費の適正化に取り組む自治体や小規模な自治体においても、高齢
者の人口規模や増加等に応じてセンターの体制整備を行うことができる仕組みへと見
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直しつつ、中長期的には効率化を図る。具体的には、当該市町村の介護給付費に連動す
る上限から、高齢者人口に連動する仕組みとする。
◆計算式
現行:当該年度の介護給付費見込額の 2%→見直し後:平成 26 年度の上限額✕当該市
町村の「65 歳以上高齢者数の伸び率」
*この他、小規模自治体や、介護予防及び介護給付の適正化を推進する自治体に対す
る特例を設定(3 か年に限定し新しい総合事業を実施する場合など条件を満たす場合は、
現状よりも大きく財源を上乗せする特例を設ける)。
地域包括支援センターは、地域支援事業の包括的支援事業(①介護予防ケアマネジメ
ント、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、④包括的・継続的ケアマネジメント支援
業務)を一体的に実施し、地域住民の心身の健康の保持と生活の安定のために必要な援
助を行うことにより、保健医療の向上・福祉の増進を包括的に支援することを目的とし
ている。
<厚労省通知 vol.407 要約>
2025 年を目途とした地域包括ケアシステム構築に向けて、高齢化の進展や地域の実情
に応じた地域包括支援センターの体制整備を図っていけるよう、現行の上限(介護給付
費見込額の2%)を以下のとおり見直す。
(見直し方針)
○
○
介護予防や介護給付費の適正化に取り組む自治体や小規模な自治体においても、
高齢者の人口規模や増加等に応じてセンターの体制整備を行うことができる仕
組みへと見直しつつ、中長期的には効率化を図る。
具体的には、当該市町村の介護給付費に連動する上限から、高齢者人口に連動
する仕組みとする。※この他、小規模自治体や、介護予防及び介護給付の適正
化を推進する自治体に対する特例を設定
介護保険改定 合意事項
審議報告案提示 地域包括
整理 報告書
次回
焦点 介護給付費分科会
――厚生労働省
厚生労働省は 12 月 19 日、社会保障審議会の介護給付費分科会を開催し、分科会の議
論のうち、合意が得られた事項について整理した 2015 年度報酬改定に関する審議報告
案について議論した。合意が得られた事項について次回発表になる見込みでこの日は整
理した内容の確認を行った。
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同分科会では、これまで議論してきた状況等を背景として、今般の制度改正後初とな
る今回の介護報酬改定においても、制度改正の趣旨を踏まえ、今後想定される診療報酬
と介護報酬の同時改定も見据えつつ、地域包括ケアシステムを着実に構築していく観点
から、その基本的な考え方を整理すれば、おおむね次の3点に集約されるものと考えら
れる、として3本柱を上げた。
次回にまとめられると思われる報告案では、改定に向けた「平成 27 年度介護報酬改
定の基本的な考え方」についての柱とは(1)中重度の要介護者や認知症高齢者への対
応のさらなる強化、(2)介護人材確保対策の推進、(3)サービス評価の適正化と効率的
なサービス提供体制の構築―という方向を指し示している。
具体的な対応として、(2)では、【介護職員処遇改善加算】の拡大を打ち出し
た。現行の加算の仕組みを維持しながら、さらなる資質向上、雇用管理の改善などの
取り組みを進める事業所を対象に上乗せ評価をする区分を新設するとしている。また
(1)では、「地域包括ケアシステムの構築」、「活動と参加に焦点を当てたリハビリの推
進」、「看取り期における対応の充実」などが掲げられている。
「地域包括ケアシステムの構築」のためには、次のような対応が取られる。
● 訪問看護サービスの提供体制見直し:定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業
所のうち、一体型事業所における訪問看護サービスの一部について、他の訪問
看護事業所との契約に基づき、当該訪問看護事業所に行わせることを可能とす
る。
● 小規模多機能型居宅介護の訪問サービスの機能強化:訪問を担当する従業者を
一定程度配置するとともに 1 カ月あたりのべ訪問回数が一定数以上の事業所に、
新たな加算で評価する。
● 【総合マネジメント体制強化加算】の創設:定期巡回・随時対応型訪問介護看
護、小規模多機能型居宅介護、複合型サービス共通で、積極的な体制整備に係
る評価として、加算を創設して、この加算は区分支給限度基準額の算定に含め
ない。
「活動と参加に焦点を当てたリハビリの推進」のためには、次のような対応がとられ
る。
● リハの基本理念を規定:リハビリは「心身機能」、「活動」、「参加」などの生活
機能の維持・向上を図るものでなければならないことを、訪問・通所リハに関
する基本方針に規定する。
● 認知症短期集中リハの改善:認知症の状態に合わせた効果的方法や介入頻度・
時間を選択できる新たな報酬体系を導入する。
「看取り期における対応の充実」では、小規模多機能型居宅介護での看取り期におけ
る評価の充実、介護老人福祉施設等での【看取り介護加算】の充実等が図られる。
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年介護福祉製品関連市場
富士経済調査 非介護保険領域
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増 拡大
展開進
――(株)富士経済
総合マーケティングビジネスの(株)富士経済(東京都)が 12 月 18 日に発表した
「“Welfare”関連市場の現状と将来展望 2014」によると、介護福祉・介護予防関連製
品・サービスの市場規模は、2013 年と比べ、2020 年には 82.3%増の 2 兆 7,829 億円と
大きく拡張の見通しであることがわかった。介護福祉・介護予防関連製品・サービスの
市場を調査し、その結果を報告書にまとめた。注目されるのは、介護保険負担額の変更
などで今後、非介護保険領域への展開が進んでいくと予測している点だ。
介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場は有望産業として注目されるが、要支援・
要介護者をターゲットとした介護・福祉機器や、加齢に伴う心身機能の変化に応じた、
自立支援、介護予防、リハビリ、介護など高齢者の生活支援を目的とする製品やサービ
スを対象とする。
これまで介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場は介護保険が適用される製品や
サービスが中心であった。しかし、高齢者人口と高齢者関係給付費(社会保障給付費の
一種)は増加の一途を辿っており、所得に応じた介護保険負担額の変更や高齢者福祉施
設利用の補助縮小などが検討されているため、介護保険適用外もしくは介護だけではな
く介護予防に関わる製品やサービスによる需要獲得、在宅介護へのシフトによる民間委
託事業の拡大など、非介護保険領域への展開が進んでいる。この背景には、総じて高齢
者人口と高齢者関係給付費の増加、所得に応じた介護保険負担額の変更、高齢者福祉施
設利用の補助縮小といった変化があるとしている。
製品市場は堅調に拡大しているものの、けん引しているのはサービス市場であり、全
体では 2020 年に 2013 年比 82.3%増の2兆 7,829 億円が予測される。注目は被介護者の
自立支援やQOL(Quality Of Life)の確保、さらには介護者の作業負担軽減に繋が
る製品やサービスであり、ICTやエレクトロニクス技術を組み込んだ介護ロボットを
はじめとする新たな産業の創出も期待される。
調査は、専門調査員による参入企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査を
通じ、2014 年 6~10 月に実施されたもの。調査対象となったのは介護製品・サービスの
全 43 品目。
<注目市場>
■利用シーン別市場(2020 年予測)
介護福祉・介護予防関連製品・サービス市場を「移動」
「食事」
「排泄」
「睡眠」
「入浴」
の5つの利用シーンで分類した。2020 年で最も市場が大きいのは「移動」シーンで利用
される製品やサービスで、2013 年と比較して最も市場が拡大するのは「食事」シーンの
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製品やサービスであるとみられる。ほかの「排泄」「睡眠」「入浴」シーンでも在宅介護
へのシフトにより拡大が予想される。
移動シーンでは、福祉車両や車いすなど長距離移動をサポート、杖や介護用シューズ
など自力歩行をサポート、ベッドから車いすなどの移乗をサポートする製品がある。今
後の市場の拡大には介護福祉ロボット(歩行・移乗)の普及がポイントとなる。
食事シーンでは、QOLへの影響が大きいため重要視されており製品ラインアップが
豊富である。用具・用品では専用品が使用される割合が低く普及が進んでいないが、介
護食や口腔ケアなどの消耗品が伸びている。
また、高齢者にとっては食事をする以前に料理をすること自体が負担になるため、食
事宅配や家事代行などのサービスが今後も伸びるとみられる。睡眠シーンでは、介護度
が高い人向けの褥瘡予防、高齢者の見守りのための製品が多い。徘徊・転倒防止機器や
在宅用無線呼出し装置は 2020 年に 2013 年比2倍以上が予想される。入浴シーンでは、
浴室や浴槽内での移動をサポート、浴室内での怪我防止を目的とする製品が多い。在宅
介護が増加する中、風呂好きといわれる日本人にとって、入浴はQOLにも影響するこ
とから、市場は今後拡大が予想される。
認知症 穏
長寿医療研究
暮
町
政策提言
政策
厚労相 提出
――国立長寿医療研究センター
国立長寿医療研究センターは 12 月 24 日、「今後の認知症施策」に関する政策提言を
塩崎厚生労働大臣に提出したと発表した。
厚生労働省では、平成 26 年 11 月 5 日~7 日に開催された「認知症サミット日本後継イ
ベント」を受け、「新たな戦略」の施策に当たっての基本的な考え方を発表している。
現在、「2025 年を目指して、認知症地域包括ケアシステムを実現」等の「新たな戦略」
を策定するための作業を進めている。
■主な政策提言の目指すもの
イベントを通じて強調された「当事者参加」及び「地域で暮らすためのまちづくり」
については、新戦略の重要な柱として位置づけるべき。それは、本人が行政や医療、福
祉機関だけでなく、商店、交通など町づくりに発言していく機会を設けることが、認知
症で穏やかに暮らせる町づくりにつながるためである。
また、医療・介護サービスを担う人材育成は当然重要と位置付ける。地域で暮らす認
知症患者の医療介護に携わる人材の研修はさらに推進すべきであり、学校教育の中でも
認知症教育を行うべきであると指摘する。
さらに、ICT やロボットは今後の要介護者の増加に伴い避けられない手段とし、民間
の力を、上手に認知症医療介護に活かすための道筋を明らかにするとともに実用化する
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ための臨床的評価基盤の形成が不可欠と位置づけている。
平成 24 年の推計では、認知症有病者は、有病率推定値 15%(約 462 万人)
、また軽度
認知障がいの発生率 13%(約 400 万人)。この他、国立長寿医療研究センターでは、認
知症予防戦略を国民的課題として構築することも必要だと指摘している。
●認知症患者の身体救急疾患 救急病院の 7%が「診療しない」
長寿医療研究センター病院は、「認知症の人の身体疾患に対する医療に関する全国調
査」の結果を 12 月 20 日に一部公開した。それによると、認知症患者の身体救急疾患の
際、救急病院の 7%が「診療しない」ということがわかった。
この調査は、救急告示病院に対し、認知症の人が身体救急疾患をきたした際の対応に
ついて尋ねたもので、武田章敬在宅医療・地域連携診療部長を中心とするグループによ
り行われた。対象となった全国の救急告示病院(3,697 ヵ所)のうち、589 ヶ所から有
効回答を得た。
それによると、認知症の人の身体救急疾患の診療について、86%の病院が「通常行っ
ている」「行うことが多い」と答えたが、7%の病院は「通常行わない」「行わないこと
が多い」と回答した。緊急入院については、83%の病院が「通常受け入れている」「受
け入れることが多い」と回答したが、5%の病院では「通常受け入れない」「受け入れな
いことが多い」という回答であった。
また「認知症の人への対応が困難と感じることがあるか」という質問については、
94%の病院が「ある」と答えた。その理由として多かったのは「転倒・転落の危険性が
ある」で、次いで「意思疎通が困難」であった。困ったときの対応として「身体を抑制」
や「薬物による鎮静」を行う病院は、「しばしば行う」あるいは「ときに行う」をあわ
せていずれも 70%程度に認められた。