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EDL
大画面4Kディスプレイにおける
表示輝度とViewing Gammaの好適条件
窪田 悟
エルゴデザイン研究所
http://www.kubota-labo.com
2014.9.1
EDL
はじめに
高画素数化の趨勢
UHD
4KUHD
HD
SHV
8KUHD
ユーザー側のメリット
画素不可視でより大きな画角で画像を観視できる
表示への影響
観視画角が大きくなると好適表示輝度は低下する
実験の目的
観視画角と好適な画質パラメーターとの関係
表示輝度,Viewing Gamma
EDL
表示輝度とViewing Gammaの好適条件の
観視画角依存性について実験
55型4K-LCDに4種類の画像を表示し,観視画角を実験変数として,好
ましい表示輝度とViewing Gamma(VG)の最適な組合せ条件を調整法
により求めた.より綺麗で好ましく感じるレベルに調整させた.
実験変数
102cm,204cm,408cm
・観視画角 3条件 62°,33°,17°(1.5 H, 3 H, 6 H)
従属変数
・表示輝度
:調整範囲 70~370cd/㎡ (白輝度)
リモコンを操作してバックライトの強度を調整
・Viewing Gamma :調整範囲 0.5~2.0 0.05ステップの変化
(Display γ:1.1~4.4)
手元のテンキーの矢印キーを操作して調整
EDL
実験に用いた4つの評価画像
(BMP 3840×2160画素)
画像名
デフォルメした画像
ALL
Street
46.9%
Railroad
27.9%
Platform
15.9%
Bridge
5.8%
Y‘値ヒストグラム
L*a*b*色度図
EDL
4K画像表示システム
実験状況
スケーラーと超解
55型4K2K
像はキャンセル
Toshiba 55XS5 0-255フルレンジ
出力
121cm×68cm
4K画像アダプター
Toshiba MBA1
HDMI×4
4K表示用
PC
写真は観視画角62°,視距離1.5H
画面照度
100 lx(家庭の平均的レベル)
照明色温度 D65, 壁面 N8グレー
Windows7 Ultimate
64bit, Intel(R)
Core(TM) i7-3930K,
6 core 3.20GHz,グラ
フィックボード ATI
Fire Pro V7900
EDL
実験のフロー
画像4条件
(Street,Railroad,
Platform,Bridge)
観視画角3条件
(62°,33°,17°)
表示輝度とVGの調整
no
no
調整4回
終了?
yes
画角3条
件終了?
yes
no
画像4条
件終了?
yes
end
実験参加者は学生20名
1.6
2
好ましいViewing Gamma
start
1.4
L
V
V
1.2
1
1
3
7
8
4
L
V
6
V
L
5
L
初期条件
0
L:表示輝度の調整
V:VGの調整
0.8
250
300
好ましい表示輝度 [cd/m2]
370
ひとつの条件におけるVGと表示輝度の調
整過程の例,後半の3回,すなわち③~⑧
のデータを使用した.
1.3
2.86
Picture
62゜
Street
好ましいViewing Gamma
1.2
17゜
33゜
62゜
1.1
Railroad
Platform
2.20
17゜
33゜
Viewing angle
and distance
0.9
62゜
0.8
17゜
17゜
200
1.98
17°(6H)
33°(3H)
62°(1.5H)
33゜
0.7
150
2.42
Bridge
33゜
62゜
1
2.64
ディスプレイガンマ
結果
EDL
1.76
1.54
250
300
350
400
好ましい表示輝度[cd/㎡]
観視画角ごとの好ましい表示輝度とViewing Gammaの条件
20名の平均値(輝度は幾何平均値)と標準誤差
EDL
二元配置の分散分析
観視画角(3)×画像(4)×
20名の参加者内比較
Viewing Gamma
要因
観視画角 3水準
画像
誤差
4水準
誤差
観視画角×画像
誤差
SS
0.500
0.557
3.699
3.057
0.112
1.260
DF
2
38
3
57
6
114
MS
0.250
0.015
1.233
0.054
0.019
0.011
F 値 有意確率
17.03
p<0.001
22.99
p<0.001
1.68
NS
表示輝度
要因
観視画角 3水準
画像
誤差
4水準
誤差
観視画角×画像
誤差
SS
0.110
0.365
0.048
1.055
0.006
0.536
DF
2
38
3
57
6
114
MS
0.0548
0.0096
0.0161
0.0185
0.0010
0.0047
F値
5.71
有意確率
p<0.01
0.87
NS
0.22
NS
1.3
2.86
Picture
62゜
Street
好ましいViewing Gamma
1.2
17゜
33゜
62゜
1.1
2.42
Bridge
17゜
0.9
62゜
17゜
33゜
17゜
0.7
150
Platform
2.20
33゜
0.8
Railroad
33゜
62゜
1
2.64
Viewing angle
and distance
1.98
17°(6H)
33°(3H)
62°(1.5H)
ディスプレイガンマ
結果
EDL
1.76
1.54
200
250
350
300
400
好ましい表示輝度[cd/㎡]
観視画角ごとの好ましい表示輝度とViewing Gammaの条件
20名の平均値(輝度は幾何平均値)と標準誤差
EDL
Viewing Gammaに対する画質と奥行感を評価した実験の結果
奥行感を優先するとVGは高い方が好まれる
VGを6段階に変えた画像間で,画質と奥行感について,対刺激比較
を行った実験結果
画像:Railroad
画質と奥行感で最適なViewing Gammaが異なる
2
画像:Railroad,表示輝度:70cd/m2
20名の平均値と95%の信頼区間
→ Good
画質
奥行
z-score
1
0
-1
Poor ←
z-score
→ Good
2
Poor ←
画像:Street
-2
画像:Street,表示輝度:70cd/m2
20名の平均値と95%の信頼区間
画質
奥行
1
0
-1
-2
0
0.5
1
Viewing Gamma
1.5
2
0
0.5
1
Viewing Gamma
1.5
2
EDL
まとめ
1. 4Kや8Kといった高画素数ディスプレイの出現により,観
視距離との関係はあるが,観視画角は拡大傾向にある
2. 観視画角の拡大による影響として,表示輝度とViewing
Gammaの最適値に変化が生じる
3. 観視画角が拡大すると好適表示輝度は低下し,好適
Viewing Gammaは上昇する
4. 3のViewing Gammaの変化は,画像の奥行感が向上
する方向への変化であると考えられる
EDL
ご清聴有難うございました