品質/情報セキュリティマネジメントシステム審査員の資格基準(JRCA AQI120-改訂 1 版)の改定概要 No 1 2 3 分類 改定前 改定概要 改定理由 全体構成 AQI120/220/320 共通に、QMS 又 は ISMS 審査員に適用される事項 を、個々の項目内に規定している。 全体構成 基準文書それぞれに、QMS 審査員と ISMS 審査員の共通事項をまとめて記述し、異な る部分は違いが明確になるよう全体的に 記述を見直した。 ・従来の基準文書は、“QMS 又は ISMS 審査 員は・・・”と併記されている場合、Q /I共通に認められるかのように読みと れるなど、紛らわしい(不明確な)部分 があった。 ・できるだけ記述を簡素化して、読みやす さの向上を図った。 全体 「17.特例」 資格の失効及び回復について、内 容の異なる緩和処置が特例として 記述されている。 「15.資格の失効及び回復」 提出物の猶予期限等の緩和処置について 記述を整理した。 ・読みやすさの向上を図った。 審査の用語 審査実績の用語 認証審査の種類に関する用語は、 登録、維持、更新審査と表記。 審査実績の用語 ISO17021 の定義に合わせて、初回認証、 サーベイランス、再認証審査の用語に変更 した。 ・認証機関によって審査種類の呼称が異な るので、わかりやすさ向上のため共通用 語に変更した。 審査員資格 の定義 3.定義 3.2 QMS 審査員、3.3 ISMS 審査員 各審査員資格の定義は、 “当センタ ーが評価し登録した者”とだけ規 定している。 「3.マネジメントシステム審査員の資格区分」 ・JRCA が評価登録を行う資格区分に関する JRCA が、認証登録している審査員の区分 説明を明確にした。 (審査員補、審査員、主任審査員)を明確 にした。 ・用語の定義を付属書にまとめ整理した。 その他の用語定義は付属書1にまとめた。 1 備考 従来は規定なし 4 有効な審査 実績 「3.4 エキスパート(EXPERT)審査員」 「8. エキスパート(EXPERT)審査員」 エキスパート審査員資格を新設した。 ・主任審査員としての豊富な実績を持ち、 他の審査員の指導・育成を専門に行なう 人材確保を目指して新設した。 3.定義 3.1.1 有効な審査 定義の冒頭で“有効な審査”を定 義している。 「11.有効な審査実績」 JRCA に実績として申請できる審査の要件 を“有効な審査実績”として 11 項に規定 した。 ・従来は、 “有効な審査実績”を用語の定義 として記述してきたが、資格基準全体の 中で重要な位置づけを持つ内容なので本 文中に項目を設け詳細に記述した。 3.定義 3.1.1 有効な審査 ①QMS 審査で有効な審査基準は JISQ9001 のみ。 (JISQ/IAQG9100、 TL9000、ISO/TS16949 も有効だが 明記なし) ②ISO19011 に従った一者・二者監 査、三者審査の実績を区別なく有 効とする規定。 ③すべての実績で、審査チームに JRCA 主任を必須とする規定。 ④“システム全体の審査”を、有 効な審査とは別定義。 「11.有効な審査実績」 ①QMS審査実績として認められる審査 の基準を明確にする。従来から有効とし てきた3種の規格事例に加えて、 JISQ13485、JISQ17021 をあわせた5つ の規格を JISQ9001 相当と認める規格の 事例として追加した。 ②ISO19011 に従った一者・二者監査も要 件としてとして認めるが、ISO17021 に 従った第三者審査を第一の要件として 明示し、第三者審査員の要員認証を基本 とするスタンスを明確にした。 ③資格の維持・更新における審査実績とし ては、審査チームに JRCA 主任審査員が 含まれていることを必須とすることを 要件から削除する。 (但し、格上げ時の 要件としてはチーム内の JRCA 主任審査 員を伴う審査を必須とする。 ) ④従来の“システム全体の審査”に代えて “システム全体を対象とした審査”とし た。ただし、是正確認審査のように審査 目的を極端に絞り込んだ特別な審査は 除外することを明確にした。 ①QMS審査実績に相当するとみなすこと ができる審査分野の再整理をし、新たに 2種類の審査分野を追加した。 2 ②ISO17021 と ISO19011 では対象とする審 査が分れたので、これを区分する。 ユーザーニーズに対応した。 ③JRCA 登録の主任審査員が含まれていない 場合でも、 (資格昇格のための指導を伴う 審査実績等を除けば、)審査内容の適切性 を十分に確認することで資格維持・更新 のための審査実績として認めることが可 能。 ④システム全体が視野に入っている審査の 実績であれば(是正確認審査のように極 端に適用する要求事項が限定されている ような特殊な審査でない限り)、広く資格 の格上げや維持・更新のために有効な審 査実績として認めることが可能。 新設 5 6 システム全 体を対象と した審査 資格更新時 の審査実績 要件 5.審査員への登録要件 5.2 審査実績 6.主任審査員への登録要件 6.3 リーダー審査実績 11.資格の更新 11.1 審査実績 システム全体の審査(登録/更新 審査)を 1 回以上/格上件数(格上 げ時)、1 回以上/3 年(更新時) を要求。 「6.2 必要な審査実績」 ・従来の“システム全体の審査”を“シス 「7.3 必要なリーダー実績」 テム全体を対象とした審査”に変更し、 「10.1 (資格の更新に)必要な審査実績」 (格上げや資格更新時に限らず)すべて 前述の通り、従来の“システム全体の審査” の審査実績に必要な要件として整理し に代えて“システム全体を対象とした審 た。従って格上げや資格更新の際に提出 査”を有効な審査実績として取り扱う。正 する審査実績も通常のサーベイランス審 当な適用除外がある審査やある程度重点 査実績で認められるようになった。 化されたサーベイランス審査も格上げや 資格更新の審査実績として取り扱う。 (但 ・サーベイランスであっても、極端に要求 し、是正確認審査等の審査目的を極端に絞 事項を限定して審査したものでなけれ り込んだ特別な審査は除外する。 ) ば、システム全体を対象とし審査をして いるのが一般的である。 また、資格更新要件としてもサーベイラ ンス審査を複数回経験することで要求事 項の全般網羅性を確保できると見なす。 11.資格の更新 11.1 審査実績 審査実績 3 回/3 年の提出を要求。 これとは別に 1 回/至近 1 年の実 績も要求。 「10.資格の更新」 「10.1 必要な審査実績」 資格更新時も、資格の維持同様 1 回/至近 1 年の審査実績を提出することに要件を 変更。 (資格維持時点で1回/至近1年の 審査実績を提出していることが前提) ・従来から、資格の維持の際に(自己申告 ではあるが)1 回/至近 1 年の審査実績 の提出を要件としているため、更新時も 1 回/至近 1 年の審査実績を提出するだ けで 3 回/3 年の提出要件を満たすこと ができる。 ・また、3 年を通じて偏りなく年 1 回の審 査実績を確認することになる。 ・さらに、変更に伴い、結果としてすべて の審査実績には受審組織の実績証明が得 られることになり客観性が確保できる。 3 4 と関 連する 変更 従来は規定なし 「10.3 3年間の活動のまとめ」 ・資格更新にふさわしいワーク(アクショ 3年間の活動のふり返りを「まとめ」とし ン)を推奨することで資格「更新」の意 て「審査実績一覧」の作成か又はCPD記 味づけが明確になる。 述として提出することを新たに推奨する。 まとめの活動は最大3時間をCPDとし ・ 「まとめ」の活動は、最大3時間までCP て組み入れ可とする。 D実績としてカウントされるので審査員 は比較的負担感なく取り組める。 ・認定された審査機関証明のある「審査実 績一覧」は正式な審査実績としてカウン トアップしていくことで、審査員のキャ リアストックとして、またエキスパート (EXPART)審査員登録への励みになる。 7 CPD の規定 10.資格の維持 10.2 CPD 実績 ①CPD を JRCA 登録コース、認定さ れた MS 認証機関内研修、上記以外 の研修、個人学習・グループ学習 等の“活動方法”で分類。 ②その“活動方法”毎に、審査員 資格別の実証方法(提出文書の作 成方法)を指定。 ③MS 認証機関研修は、JAB/JIPDEC 認定に限定。 「12.継続的専門能力開発(CPD) 」 11 項の「有効な審査実績」に続き、CP Dの説明を 12 項に独立させて、QMS 審査 員、ISMS 審査員毎の CPD として認められ る“活動対象” 、 “活動方法”を資格基準と して規定。 ・資格基準では CPD の目的、対象となる活 動、要求事項を明確にする。 そして、その実証方法(提出文書の書き 方)は、運用上の問題なので「手引き」 へ移動し、記述を簡素化した。 10.資格の維持 10.1 審査実績 10.2 CPD 実績 審査実績・CPD 実績は、維持では 申請日までのもので可。 (更新では有効期限までのものが 可。 ) 「9.資格の維持」 「9.1 必要な審査実績」 「9.2 CPD 実績」 審査実績・CPD 実績は、 (資格の更新時と 同様に)資格の維持期限までのものが有効 として規定を変更。 ・審査実績・CPD 実績は、維持・更新とも、 期限までのものを有効とする考え方に統 一した。 4 8 申請受付の 開始日 3.定義 3.14 申請受付日 期限より 3 か月以上前の申請は 3 か月前の日に一律に変更。 4.審査員補への登録要件 4.1.1/4.1.2 審査員補 7.資格拡大 7.2 資格拡大の要件 新規・拡大申請時に、高卒以上の 学歴要求なし。 (7 年以上の実務経 験で卒業証明不要。 ) 9 付属書1 用語の定義 1.1 申請受付日 3 か月以上前に受け付けた場合の受付日 を、実際の受付日とは異なる日に変更する 規定を削除。 合わせて評価登録手順(AQI220)に、期限 より 3 か月前から申請受付けする規定を 追加。 ・期限より 3 か月以上前の申請受付を、一 律に 3 か月前ジャストの日に統一する特 別な理由がないため該当規定を削除。 ・受け付けた書類を別保管しておく必要が あるなど業務処理の煩雑さを解消する。 「4.審査員補(新規登録) 」 ・ISO27006(ISMS 審査員の力量に関する要 「4.1 実務経験」 求事項)では、高等学校卒以上に相当す 「5.審査員補(資格拡大) 」 る学歴要求が明確ある。JRCA としては、 「5.2 実務経験等の要件」 研修コース基準の中に 27006 を含めてお QMS・ISMS とも、学歴は高卒以上、一般実 り、登録審査員が 27006 の要求事項を満 務経験は 4 年以上に変更。 たしていることを可能な範囲で確認する 必要がある。 ・本件に関しては、ISMS 審査員も QMS 審査 員も差をつけず同等に取り扱い、新基準 改定前の状態に戻して、学歴(一般的知 識)と実務経験はセットで審査員資格登 録の要件とする。 新規登録時 の要件 4.審査員補への登録要件 4.1.1 QMS 審査員補 QMS 新規登録者の QM 分野の実務経 験事例がない。 (ISMS は 4.1.2 に記載あり。) 「4.審査員補(新規登録) 」 「4.1 実務経験」 QM 分野の実務経験の事例を追記。 5 ・QMS 新規申請者のわかりやすさへの配慮。 10 格上げによ る認証サイ クル変更 5.審査員への登録要件 5.4 CPD 実績 6.主任審査員への登録要件 6.5 CPD 実績 格上げにより、維持&有効期限の 認証サイクル(審査実績&CPD 提 出のサイクル)が変わる。 格上げ日から新サイクルが始ま る。 期限から 6 か月越えで申請の場合 は、1 年分の CPD を要求。 (維持/有効期限から 3 か月まで に格上げの場合は、格上げ日がそ の期限まで遡る。 ) 「6.審査員」 「7.主任審査員」 従来は、格上げ時に認証サイクルを変更す る方式を採用してきたが、格上げ管理と認 証サイクル管理を切り離す。 従って、今後は格上げをしても認証サイク ルの起点は初回登録のまま変わらない。 また、格上げのタイミングが維持/有効期 限後 6 ヶ月超えの場合は 1 年分の CPD 要求 する、という現在の規定を削除(廃止)す る。 ・格上げ時に認証サイクルを変更する現在 の規定には、以下の不具合がある。 ①維持/有効期限から 3 か月以内に格上げ した場合、格上げ日がその期限日に遡る など変則的な対応にせまられる。 ②維持/有効期限日から 3 か月以内に格上 げすると、維持/更新登録費を返金など 事務処理が手戻りする。 ③期限後 6 ヶ月超えで格上げすると、1 年 (参考) 分の CPD を要求する規定は審査員にとっ *更新で必要な審査実績は、格上げ申請時 て負担が大きい。 の OJT 実績で可とする。 *格上げでは申請料のみ徴収する。 ④CPD管理上、空白の期間が発生しない 生涯変更のない認証サイクルで運用し、 よう細かなルール設定が必要。 維持/更新のタイミングでは最新資格 での登録料を徴収する。 以上 6
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