外 郭 団 体 に 関 す る 特別委員会追加資料 (先端医療振興財団) 平 成 2 6 年 8 月 4 日 先端医療センターで実施中の研究・開発等について 先端医療センター 概要 研究・開発機能と診療機能を併せ持つ施設 標榜診療科目 :内科・呼吸器内科・血液内科・循環器内科・腫瘍内科・小児科・脳神経外科・眼科・整形外科・ 歯科口腔外科・放射線診断科・放射線治療科・糖尿病内科・外科・耳鼻咽喉科・麻酔科 診療機能:病床数:60床(一般個室:29室、一般4床室:3室、無菌・準無菌室19室)、診察室6室、 外来化学療法室、手術室2室、血管撮影室1室、放射線検査室、薬局・臨床検査室など 開発基盤 :CPC(細胞培養室)、細胞管理室、PET関連基盤(サイクロトロン、ホットラボ、PET1台、PET-CT3台) 放射線治療基盤(リニアックiX, 4D) 実施中の臨床開発等 ① 再生医療技術 (iPSを用いた網膜再生治療など) ② PETを用いた新規診断法 ③ 高精度放射線療法 ④ 固形がんに対する先端的治療法(多剤併用、ケモラディ) ⑤ 造血幹細胞移植術(骨髄移植、臍帯血移植等) ⑥ 先進的脳血管内治療法 ⑦ 眼科・耳鼻科領域の高度・先進医療 ⑧ その他、医薬品、医療機器の治験 1 iPS細胞を用いた網膜再生 【加齢黄斑変性(滲出型)の再生治療】 自家iPS細胞由来の色素上皮シートを移植 網膜下へ移植 ・H25.2 臨床研究の実施計画を厚生労働省に申請 ・H25.6 厚生労働省「ヒト幹細胞臨床研究に関する審査委員会」における条件付承認 ・H25.7 厚生労働大臣の了承 ・H25.8 臨床研究開始、スクリーニング・一次登録開始 ・現在、 皮膚組織を採取し、移植用網膜色素上皮シートを作成中 (参考) 他家iPS細胞を用いた網膜再生の治験は、A社・B社主導で計画中 2 試験物製造を財団で行う再生治療 【難治性眼表面疾患の再生治療】 【限局性膝軟骨損傷の再生治療】 (角膜再生) ・角膜上への結膜侵入による高度の視力障害あり (膝軟骨再生) ・通常の角膜移植では予後不良 自家軟骨再生治療製品 (CeReS)を移植 StevensJohnson症候群 眼類天疱瘡 熱・化学外傷 損傷部位 患者自身の口腔粘膜上皮細胞から作成した 上皮シートを移植 健常部位からバイオプシー で自己軟骨細胞採取 患部をゲル形状に 合うように形成する 治療部位 コラーゲンゲル(足場)内 に自己軟骨細胞を播種、 CPCで8-14日間培養 患部にIK-01を フィブリン糊で固定 ・H25.6 先進医療Bの承認 ・試験物製造 2例実施、その結果を踏まえ使用薬剤の 一部変更申請を行い、現在厚労省で審議中 ・H24.4 神戸大学と共同で医師主導治験開始 承認後、京府医大及び財団で先進医療として実施予定 ・これまでに、7例の治療を実施 ・一方で、関連知財を承継したC社と企業主導治験実施 ・企業主導治験及び承認後の製造販売を目指す に向けた共同開発契約を締結 D社と共同研究契約を締結 3 末梢血幹細胞を用いた再生治療 【慢性重症下肢虚血性疾患の再生治療】 第1~5日 第5日 第6日 【難治性骨折(偽関節)の再生治療】 偽関節:長期間にわたり 骨折の治癒が 認められない状態 単核球 分離 採 取 患者 G-CSF 皮下注射 自己末梢血CD34陽性細胞 (血管内皮前駆細胞) 自己末梢血CD34陽性細胞+コラーゲンを 骨折部局所へ移植 返 血 アフェレーシスによる 単核球の採取 治療前 治療12週後 EPC:血管内皮前駆細胞 ・17を対象とした臨床研究を終了し、論文化 ・11例を対象とした医師主導治験を終了 ・企業主導治験の実施に向けてE社と細胞製造に関する 契約を締結するも、E社は再生医療分野から撤退表明 ・企業主導治験を計画中のF社から細胞製剤製造業務を受託 ・7例を対象とした臨床研究を終了、論文化 ・PMDAとの薬事戦略相談事前面談の結果を 踏まえ医師主導治験を計画中 ・治験物提供予定企業G社と業務支援について 4 協議中 骨髄幹細胞を用いた再生治療 【脳梗塞に対する再生治療】 自己骨髄単核球の静脈内投与 【対象疾患】 ・急性期心原性脳塞栓症 ・20〜75歳 ・発症後10日以内に治療が可能 など一定の基準を満たす方 ・国立循環器病研究センターと共同で実施した12例(低用量群 6例、 高用量群 6例)を対象にした臨床研究を終了し、現在、論文執筆中 ・先進医療Bへの申請を準備中 ・一方で、“単核球細胞分離デバイス”をH社と開発中 (参考)“CD133陽性細胞の脳動脈内投与”という 脳梗塞に対する新たな治療法の臨床研究も計画中 神戸市立医療センター中央市民病院、 神戸リハビリテーション病院など 5 細胞を用いない再生治療 <新規の臨床研究> 【鼓膜穿孔の再生治療】 (鼓膜再生) 【声帯瘢痕の再生治療】 ゼラチンスポンジ、塩基性線維芽細胞増殖因子 高度な発声障害を呈する疾患 (bFGF)を使用 5残基欠損型肝細胞増殖因子製剤 (dHGF)の声帯内投与 塩基性線維芽細胞増殖因子 ・ 9例を対象とした臨床研究を終了し、現在、論文執筆中 ・PMDA対面助言の結果を踏まえて、多施設共同(財団、京大、慶應) で行う医師主導治験開始に向けて準備中 ・治験物提供企業であるI社と共同開発に関する合意済 (参考)“多血小板血漿とコラーゲンシート”を使用した 臨床研究も実施中 :HGF 週1回×4回反復投与で 瘢痕化した声帯粘膜の再生を促す ・京都大学と共同で医師主導治験 を実施する ・H26.7に治験届を提出 ・治験物提供企業であるJ社と 共同開発に関する合意済 6 PET診断技術・放射線治療技術の開発 <PET診断技術> 【認知症・がんの診断法の開発】 <放射線治療技術> 【高精度放射線治療装置(4Dリニアック)】 -動体追尾機能を有する- PETカメラ PET-CT装置 多目的合成装置 PET治験薬製造施設 システム (PETの検査室だけでなく、様々なPET薬剤が合成できるよう サイクロトロン、ホットラボ室等の諸設備を完備する) サイクロトロン <認知症診断薬の開発> ・「FDG」、及びアミロイドイメージング剤としての「PIB」を合 成し医師主導臨床研究の実施 ・理研で開発された新規診断薬の合成と臨床研究の実施 <がん診断薬> ・がんの診断薬を合成し、医師主導臨床研究を実施 「FES」 … 子宮体癌、卵巣癌を対象 「FMISO」… 頭頸部癌を対象 「FLT」 … 子宮肉腫を対象 【その他のPET診断関連事業】 ・保険収載されているFDGを用いたがん診断 ・PET診断薬の企業主導治験や認知症治療薬の治験に 必要なPET検査の受託 ・国内初となるPET治験薬の製造を受託 H16.4 H20.1 H20.5 H22.5 開発企業のK社と共同研究契約締結 製造販売承認を取得 診療を開始 動体追尾機能の製造販売承認を取得 H23.12 当財団にて動体追尾放射線治療を開始 これまでに肺腫瘍に10例、肝臓癌に10例の治療を 実施(※肺癌または肝癌に対して保険適用) 膵臓癌に対する動体追尾放射線治療を確立するた め臨床研究を計画中 【その他高精度放射線治療】 ・定位放射線治療 治療装置を回転させて様々な方向から放射線を 照射することで病巣にピンポイントで集中させる技術 ・IMRT(強度変調放射線治療) 病巣に十分な放射線量を与えながら正常臓器の線 量を減らせるよう、照射内強度をモザイク状に変化 させ複雑な形状の線量分布で治療する方法 7 その他の開発中の医療技術 <創薬> <先制医療> 【アルツハイマー病治療薬の開発】 【精神疾患に関する先制医療開発】 アルツハイマー病で起こる神経細胞死の 関連物質(ASPD)に対する分子標的薬 ・L社、京大と共同開発中 (参考)先制医療 ヒトアルツハイマー患者脳より分離した 神経細胞死をおこす重合体(ASPD) 先制医療とは、個人ごとに高い精度発症予測あるいは 正確な発症前診断を行い、病気の症状や重大な組織の 障害が起こる前の適切な時期に治療的介入を実施して 発症を防止するか遅らせるという、新しい概念の医療 【認知症治療薬の開発】 既承認の抗血小板薬の適応拡大 -脳老廃物排出改善を期待‐ ・PMDAと戦略相談実施済 ・臨床試験実施に向けて準備中 (研究計画書はほぼ確定) 患者脳内ASPD量は重症度に比例する 老化や代謝に関わるα-klotho遺伝子の成果にもとづく 新規治療薬 ・実用化研究(検査薬、検査機器の開発) に向け、M社、N社と共同研究の準備中 被験者数 【腎不全及び糖尿病の合併症に対する治療薬】 バイオマーカーを用いた、鬱やストレ ス応答疾患の診断法 健常人 うつ病 ・治療薬となりうる化合物の探索中 判別式による判別用内部スコア 8
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