表面分析を活用したボンディング不具合原因解明 電極表面の異常によって発生するワイヤボンディング不具合に 対し、表面分析技術を用いて不具合原因を解明し、接合品質の 向上を実現します。 技術のポイント ナノオーダーの表面分析技術 表面拡散状態の定量化 金属表面の酸化状態分析技術 【技術内容】 【応用展開】 ■ボンディング不具合原因解明への表面分析技術の活用 ■ボンディング不具合原因解明と品質改善 ワイヤ不着や剥離の原因としては、電極(めっき膜、スパッタ膜)の 表面汚染や表面凹凸がありますが、近年は膜厚の極薄化に伴って 下地成分の表面拡散が原因となるケースも増えてきました。 ①電子回路部品のめっき厚の改善(XPS分析) Auめっき厚:0.2μm NiO Ni 金(Au) ニッケル(Ni) 銅(Cu) 基 板 Ni:8.7% Auめっき表面のXPS分析 金ワイヤ O Ni 金の極表面を分析 (深さ方向分解能:約5nm) O Ni 1100 Au エネルギー(eV) Auめっき厚:1.2μm Au Ni O C C 0 1100 Au C Ni:1.6% 表面に Ni が多く存在し、 ボンディングを阻害 C O Ni Au NiO Ni Auめっき厚:0.4μm Ni:1.4% 0 エネルギー(eV) 1100 エネルギー(eV) 0 Auめっき厚を厚くして、Ni 拡散を抑制 ⇒Auめっき厚を0.4μmに変更 ②電子パッケージのめっき拡散状態の可視化(オージェ分析) 890 エネルギー(eV) 825 1100 エネルギー(eV) 0 ←赤い部分に Ni が分布 Au めっき層の下地成分である Ni が表面拡散して、酸化物を生成。 硬い酸化物が表面に存在すると、接合が阻害されます。 表面分析技術(XPS分析、オージェ分析)を用いて、ボンディング不具合 原因を解明するとともに、表面拡散状態の定量化によって、最適な成膜 条件の導出につなげることができます。 【適用例】 センサ商品、LED、電子回路部品など チップ実装時の熱負荷で 下地 Ni が粒界中を拡散 ⇒粒界が少なくなるように めっき条件を変更 未処理品 【問い合わせ先】 熱処理品 パナソニック(株) 解析センター 分析解析サポートグループ [email protected] 礒谷 小由里、相馬 誠
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