設計及び工事段階における品質保証について【PDF

《資料6-1》
設計及び工事段階における品質保証について
(資料5-1の一部改定)
Ⅰ.検討事項
設計及び工事段階における品質保証に係る基準案の策定
今般の法改正により、工事計画に対する認可の基準として、「その者の設計及び工事に係る品質
管理の方法及びその検査のための組織が原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合するも
のであること」が新しく設けられた。
このため、設計及び工事段階における品質保証に係る基準案について検討する。
Ⅱ.本日の検討事項
○
前回までの検討チームでの議論を踏まえ、設計及び工事段階における品質保証に係る基準の
内容を確定する。
1
Ⅲ.検討事項に対する考え方
⑴ 設計及び工事段階における品質保証の基準骨子案の策定
原子力安全に対する品質マネジメントは供用段階、設計・工事段階を問わず、同様の要求事項
が求められると考えられる。
したがって、供用段階(保安規定)で適用している品質保証(JEAC4111-2009)をもとに、設計・
工事段階における品質保証の基準を策定することとする。
加えて、IAEA安全基準(安全要件 NO.GS-R-3)等の海外規格の要求事項から、JEAC41112009で不足している事項を必要に応じて追加する。
具体的には、①経営者(社長)及び全ての階層の責任者は、リーダーシップをもって安全文化
を促進し支援すること(結果的に職員は、品質方針に基づき安全文化の醸成活動を行うこととな
る)、②安全文化に関する活動のレビューを実施すること、③調達先の不適合報告を管理するこ
と等を含めた基準骨子案等を策定する。
※ JEAC4111-2009の要求事項への追加項目(イメージ図)を参照
2
⑵ 設計及び工事段階における品質保証の基準骨子案の作成方針
①
用語の定義
設計及び工事段階における品質保証の技術基準に使用する用語を定義する。
②
品質保証活動の仕組み
(1)一般要求事項
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、
品質保証活動の仕組みの中に安全文化を醸成するための活動の仕組みを含める。
※骨子(案)定義②第一号で規定する。
プロセスや組織を変更する場合には、その影響を評価することを追加する。
ヒューマンファクターの知見を用い、品質保証活動及び良好事案の促進を行うことを追加する。
※ GS-R-3の最新の改定案に合わせ、「社会科学及び行動科学の知見」に置き換える。
(2)文書化
JEAC4111の要求事項に相当する。
3
⑵ 設計及び工事段階における品質保証の基準骨子案の作成方針
③
経営者の責任及び各階層の責任者
(1)経営者のコミットメント
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、
 安全文化を醸成するための活動を促進支援することを追加する。
 リーダシップを発揮することを追加する。
 意思決定するとき、問題が生じたときの判断基準を示すことを追加する。
※解釈の骨子(案)7.経営責任者③で規定する。
(2)原子力安全の重視
JEAC4111の要求事項に相当する。
(3)品質方針
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、品質方針に安全文化の醸成と法令遵守に関するものを含める。
※解釈の骨子(案)1.用語の定義③で規定する。
(4)品質目標
JEAC4111の要求事項に相当する。
4
⑵ 設計及び工事段階における品質保証の基準骨子案の作成方針
③
経営者の責任及び各階層の責任者
(5)品質マネジメントシステムの計画
JEAC4111の要求事項に相当する。
(6)責任、権限及びコミュニケーション
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、各階層の責任者も、リーダーシップを発揮し、安全文化を醸成する活動に対し促進支援するとともに、所管する業
務の品質保証活動について評価することを追加する。
(7)マネジメントレビュー
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、マネジメントレビューのインプットに、安全文化の醸成、法令の遵守状況及び外部から学んだ教訓を追加する。
④ 資源の運用管理
(1)資源の提供
JEAC4111の要求事項に相当する。
(2)人的資源
JEAC4111の要求事項に相当する。
(3)原子力施設
JEAC4111の要求事項に相当する。
(4)作業環境
JEAC4111の要求事項に相当する。
5
⑵ 設計及び工事段階における品質保証の基準案の作成方針
⑤
業務の計画及び実施
(1)業務の計画
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、
 業務の計画に、安全文化を醸成するための活動の計画を追加する。
※骨子(案)定義②第一号で規定する。
 業務の計画に当たって、明確化すべきとして各階層の責任者を追加する。
(2)設計・開発
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、
 コンピュータソフトウェアとその関連文書がアウトプットの一部である場合には、検証及び妥当性確認をすることを追加する。
 各設計段階において、次の段階に進む前に要求事項への適合性を確保するための検証を行うことを追加する。
(3)調達
JEAC4111の要求事項に加え、GS-R-3等の要求事項を下線部のとおり追加する。
具体的には、調達要求事項に、不適合の報告及び処置決定に関する要求事項を追加する。
(4)業務の実施
JEAC4111の要求事項に相当する。
(5)監視機器及び測定機器の管理
JEAC4111の要求事項に相当する。
6
⑵ 設計及び工事段階における品質保証の基準案の作成方針
⑥
評価及び改善
(1)原子力安全の達成
JEAC4111の要求事項に相当する。
(2)内部監査
JEAC4111の要求事項に相当する。
(3)プロセスの監視及び測定
JEAC4111の要求事項に相当する。
(4)検査及び試験
JEAC4111の要求事項に相当する。
(5)不適合管理
JEAC4111の要求事項に相当する。
(6)データの分析
JEAC4111の要求事項に相当する。
(7)是正処置
JEAC4111の要求事項に相当する。
(8)予防処置
JEAC4111の要求事項に相当する。
7
JEAC4111-2009の要求事項への追加項目
※JEAC4111-2009 解説Ⅰ本規程策定に関する考え方 プロセス関連図を元に作成
4.品質マネジメントシステム(4.1一般要求事項)、安全文化の継続的改善
5.経営者の責任及び各階層の責任者(リーダーシップ)
Plan
5.1経営者のコミットメント
5.3品質方針
5.2原子力安全の重視
5.5責任,権限及びコミュニケーション
5.4計画
5.4.1品質目標
5.4.2品質マネジメントシステムの計画
5.6マネジメントレビュー
7.業務の計画及び実施
7.2業務に対する要求事項に関するプロセス
6.資源の運用管理
7.1業務の計画
7.3設計・開発
Do
4.2文書化に関する要求事項
6.1資源の提供
6.2人的資源
6.3原子力施設
7.4調達
7.6監視機器及び測定機器の管理
7.5業務の実施
6.4作業環境
8.評価及び改善(8.1一般)
8.2監視及び測定, 自己アセスメント
8.2.1原子力安全の達成
8.3不適合管理
8.2.2内部監査
Check,
Act
8.5.2是正処置
8.2.3プロセスの監視及び測定
表記についての注意
附属書「根本原因分析
に関する要求事項」
8.2.4検査及び試験
基本プロセス
中プロセス
小プロセス
:明確な関連
:理解上重要な関連
8.5.1継続的改善
8.4データの分析
8.5.3予防処置
赤字:GS-R-3等の要求事項を追加
8
<参考1>改正の概要・関係条文
(1)制度概要
工事計画の認可の基準として、資材の受入管理、設計管理、外注管理、製造管理など工事計画の
認可に関する品質保証活動及びこれらの活動に対する確認のための体制が整っていることを追加。
(2)原子炉等規制法の関係条文
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律
(工事の計画の認可)
第四十三条の三の九 (略)
2 (略)
3 原子力規制委員会は、前二項の認可の申請が次の各号のいずれにも
適合していると認めるときは、前二項の認可をしなければならない。
一・二 (略)
三 その者の設計及び工事に係る品質管理の方法及びその検査のための組織が原子力規制委員会規則で定める技
術上の基準に適合するものであること。
4~6 (略)
9
<参考2>JEAC/IAEA
GS-R-3における「安全文化」の取扱いと、規則骨子案における考え方
○JEAC4111-2009
安全文化の醸成は、各組織の実態に合わせて取り組むべきものとの考え方から、GS-R-3のように直接の要求事項と
して明示されていない。
○GS-R-3
目的を含め全6章から構成され、要求事項として以下が定められている。
第2章:安全文化、等級分け及び文書化などに関係するマネジメントシステムに対する一般要求事項
第3章:マネジメントシステムの構築と実施のためのシニアマネジメントに対する要求事項及び責任
第4章:資源の運用管理に対する要求事項
第5章:組織のプロセス並びにマネジメントシステムの共通的プロセスに対する要求事項
第6章:マネジメントシステムを測定、アセスメント、改善することに対する要求事項
JEAC4111-2009等 (抜粋)
GS-R-3※ (抜粋)
■JEAC4111 解説 Ⅰ.4.4.2
・安全文化
安全文化に対する要求事項については、本規程に基づく活動と安全文化
は互いに影響を及ぼしあうものであり、本規程に基づく活動は、安全文化
がベースとなった活動であるとの考え方に基づき、「1.目的」に「安全文
化を基礎とし」を追記している。
■背景
1.3 本書の内容は、国際原子力グループ(INSAG)が述べているように、
マネジメントシステムの2つの基本的な目的の達成を支援するものである。
- 通常時、過渡変化時及び緊急時の状況における安全関連
活動を計画し、管理し、また監督することによって、組織の
安全実績を改善すること。
- 要員及びチームにおいて、それぞれがそれぞれの業務を安
全に遂行できるように、安全に対する良好な取組と活動を展開
させ、強化することによって強固な安全文化を育成し支援する
こと。
■JEAG4121-2009 2.3.5.2(抜粋)
JEAC4111に基づく活動は、原子力安全を達成することを目的とした活動
の枠組みであり、安全文化をどのように醸成していくかについては、各組
織の実態に合わせて自由に取り組むべきもので画一的に決められるもので
はないとの考え方から、GS-R-3のように直接の要求事項として安全文化に
関する要求事項を明示していない。しかしながら、JEAC4111に基づく活動
を行っている組織が安全文化を醸成する活動を具体化する場合には、冒頭
のべたマネジメントレビュー、教育・訓練、自己アセスメント、内部監査
などの品質マネジメントシステムを活用したIAEAが示すGS-R-3の考え方の
他、GS-R-3.1及び/又はDS349を活用することができる。
最後に、安全文化は組織又は個人に内在するものであるから、安全文化
に係る活動は、組織においてかつ継続的に、かつ明示的に取組み、形骸化
させないこととが重要である。
■目的
1.8 本書の目的は、組織の全ての活動において安全が適切に考慮されるこ
とを確実にするため、安全、健康、セキュリティ、品質及び経済性の要素
を統合するマネジメントシステムを確立し、実施し、アセスメントしかつ
継続的に改善するための要求事項を規定することにある。
1.9 マネジメントシステムに関する要求事項の主要目的は、別々のマネジ
メントシステムにおいてではなく全体して安全に関する全ての処理の予想
される影響効果を考慮することによって、安全が損なわれないことを確実
にする必要がある。
※:日本語訳版「IAEA安全基準 施設と活動のためのマネジメントシステム 安全要件
No.GS-R-3 国際原子力機関」2008年12月 独立行政法人 原子力安全基盤機構
今般の設計・工事段階における品質保証に係る基準の整備に当たって、「安全文化の醸成」については、GS-R-3等を踏まえ、
その手段としてマネジメントシステムを用いることを求め、関連する条項において、それぞれ考慮を求める。
10
GS-R-3※ (各条項の抜粋)
■経営者のコミットメント
3.1 全ての階層における管理者は、マネジメントシステムの確立、実施、
アセスメント及びそれを継続的に改善することに対する自身のコミット
メントの証拠を示し、かつそれらの活動を実行するために適切な資源を
割り当てなければならない。
■マネジメントシステムの責任と権限
3.12 シニアマネジメントシステムは、マネジメン トシステムに対し
て最終的に責任を負い、かつ、マネジメントシステムが確立され、実施
され、アセスメントされ、かつ、継続的に改善されることを確実にしな
ければならない。
3.2 シニアマネジメントは、マネジメントシステムの実施を支援するた
めに、その組織要員の価値観、組織の価値観及び行動への期待事項を策
定し、かつこれらの価値観及び期待事項の普及においては、規範として
振るまわなければならい。
3.13 シニアマネジメントの直接の指揮命令系統にある要員は、以下に
対して責任と権限を有しなければならない。
- マネジメントシステムの構築と実施の調整、及びそのアセスメント
と継続的改善
3.3 全ての階層における管理者は、要員に対して、マネジメントシステ
ムの要求事項に従うとともに、要員の価値観、組織上の価値観並びに行
動への期待事項に応えることの必要性を伝達しなければならない。
- 安全や安全文化に及ぼす影響並びに改善の必要性を含む、マネジ
メントシステムの実績に関する報告
3.4 全ての階層における管理者は、マネジメントシステムの実施と継続
的改善において全ての要員の参画を奨励しなければならない。
- 要求事項間及びマネジメントシステムのプロセス内における潜在的
な矛盾の解決
3.5 シニアマネジメントは、意思決定がマネジメントシステムの中で、
いつ、どのように、また誰によって行われるかが明確になっていること
を確認しなければならない。
■自己アセスメント
6.2
シニアマネジメント及び組織内の全ての階層の管理者は、業務の
実績と安全文化の改善状況を評価するために自己アセスメントを実施し
なければならない。
■安全文化
2.5 マネジメントシステムは、以下によって強固 な安全文化を促進し、 ■独立アセスメント
かつ、支援するために用いられなければならない。
6.3 独立アセスメントは、以下を実施するためにシニアマネジメントに
代わって定期的に行わなければならない。
- 組織内での安全文化の主要局面について共通の理解を確実にする。
- 目的、戦略、計画と目標に合致して、これらを成し遂げる際に、そ
- 要員、技術及び組織の間の相互作用を考慮に入れて、要員やチー
のプロセスの有効性を評価すること
ムが業務を安全に、かつ、成功裡に遂行できるように、組織が支援す
るための手段を提供する。
- 業務能力とリーダ-シップの妥当性を決定すること
-
組織のあらゆる階層において学習し、かつ、問いかける姿勢を強化
する。
-
安全文化を醸成し、かつ、改善しようと、組織が継続的に努めるた
めの手段を提供する。
- 組織の安全文化を評価すること
- 製品の品質を監視すること
-改善の機会を特定すること
※:日本語訳版「IAEA安全基準 施設と活動のためのマネジメントシステム 安全要件
No.GS-R-3 国際原子力機関」2008年12月 独立行政法人 原子力安全基盤機構
11
<参考3>第3回会合までに出された骨子案に対するご意見等とその対応について(1/2)
骨子案に対するご意見等
■ IAEAのスタンスは、例えば、手順、手続とういうものできち
んと決めることによって、文化なり価値観というものが埋め込
める。それから、安全に関する知識は、経営リソース、マネ
ジメントリソースとして構築されているときに、安全文化を醸
成していくもとになるという考え。
■ ある価値観なり文化を醸成したいのであれば、むしろ、仕組
みの方で、強制するなり、誘導するなりということを通じて醸
成するという形が良い。規制でどこまで安全文化に関して要求
するかという問題ではあるが、骨子案は、現在、供用段階でエ
ンドースしているJEAC4111の程度とあまり変わらない。
■
トップマネジメントが安全にコミットすることは必須条件で
あるが、例えば、安全文化を醸成するということは、IAEAの
GS-R-3の改定案では、規制要求事項の遵守とそれ以外の安全に
対する要求事項は統合されたマネジメントシステムの中で確立
され、組織の中でその要求事項によって妥協されないよう、首
尾一貫して適用せよとされている。こういうことが安全文化の
醸成のわかりやすい活動の要求だと思う。もう少し何をするか
ということを、特に肝要なところで具体的に書いた方が良い。
■ GS-R-3の考え方の核にあるのは、総合マネジメントシステム
である。例えば、コストの削減を理由にして、その要求が安全
の要求を制限したりするようなことがないようにということが
基本的な考え方と理解している。
2006年にGS-R-3ができて、国際的にはドイツ、スイス等は、
福島事故が終わる前頃にはそれを採り入れたというような話を
聞いている。GS-R-3が要求している本質的な部分を目指すとい
うところを明確にしていただきたい。
ご意見等への対応
■規則骨子案において以下を規定
○ 発電用原子炉設置者が保安活動を実施する部門の管理監督を
行うための仕組み(安全文化を醸成する活動を行う仕組みを含
む。)を「品質管理監督システム」と定義。<骨子案(0)②一>
○「品質管理監督システム」に係る要求事項として、規則に従っ
て同システムを確立し、実施するとともに、その実効性を維持
しなければならない旨規定。【骨子案(1)①】
○ 経営責任者が定める品質方針に係る要求事項の一つとして
「品質方針以外の組織運営に関する方針と整合性のとれたもの
であること」を規定【骨子案(8)①六】
■解釈(案)において以下を規定
○ 安全文化を醸成する活動の例示について解釈案1.②】
・安全を最優先した資源計画が立案され、それが実行されて
いること
・安全に関わる誤った意思決定を避ける方策を実施すること
・常に問いかける姿勢を組織に定着させること など
○品質管理監督システムの要求事項について【解釈案2.①】
・「品質管理監督システムを確立し、実施するとともに、その
実効性を維持しなければならない」とは、品質管理監督シス
テムで規定した一連のプロセスの運用と管理の結果、保安の
確保が維持されているとともに、品質管理監督システムの不
備について、当該システムの原因を究明し、是正処置や予防
処置を通じて原因の除去を継続的に行うことをいう。
○「品質方針以外の組織運営に関する方針と整合性のとれたもの
であること」について【解釈案9.④】
「品質方針以外の組織運営に関する方針と整合性のとれたも
の」とは、The Management System for Facilities and
Activities,Safety Standards Series No.GS-R-3(2006)」の統
合マネジメントシステムの一部に相当し、本規則で定める品質
方針が、労働衛生等の他の方針と整合が図られていることをい
う。
※第3回会合資料3-5に第5回会合で追加したページ
12
第3回会合までに出された骨子案に対するご意見等とその対応について(2/2)
骨子案に対するご意見等
ご意見等への対応
○ 現在、供用段階はJEACをエンドースしている。それを設計
■規則骨子案において以下を規定
段階の基準でまとめようとしているが、今のJEACでいう管理
○ 管理責任者について
責任者が抜けている。代わりに、プロセス責任者を書いている
「経営責任者は、品質管理システムを管理監督する責任者(管理
が、各部門の責任者のことで当たり前のこと。システム全体を
責任者)に、所定の業務に係る責任及び権限を与えなければなら
代表する管理責任者を外して、経営責任者だけが全部目配りす
ない」旨規定。【骨子案(12)】
るのは事実上無理と思うので、仕組みを考え直したほうが良い。 ○ プロセス責任者について
○ カタカナを日本語に置き換えているが、微妙に違っていると
「経営責任者は、プロセスを管理する責任者(プロセス責任者)
ころがある。
に、所定の業務に係る責任及び権限を与えなければならない旨」
規定。【骨子案13.】
○ 用語(日本語への置き換え)
<例>
・品質マネジメントシステム→品質管理監督システム
・レビュー→照査
・インフラストラクチャー→業務運営基盤
・トレーサビリティ→追跡可能性
など
○ IAEAガイドとJEACの比較で、予防措置について極めて重要
なポイントが抜けている。IAEAでは、ベストプラクティスを
特定する技法の活用があるが、この方法はJEACにはないので
はないか。なぜうまくいっているかの分析は極めて難しいが、
それをうまく使わないと、本当に良い方策は見つからないと思
うので、ぜひ検討していただきたい。
■規則骨子案において以下を規定
○ 「発電用原子炉設置は、起こり得る問題の影響に照らし、適切な
予防処置を明確にし、採らなければならない。この場合において、
保安活動の実施によって得られた知見のみならず他の施設から得
られた知見を適切に反映しなければならない。」旨規定
【骨子案53.①】
■解釈(案)において以下を規定
①「保安活動の実施によって得られた知見」とは、不適合管理及
び是正に関する活動を通して得られた知見の他、ヒヤリハット
事例から得た良好事例も含む。
②「他の施設から得られた知見」とは、他の原子力施設を含めた
他の施設で発生した不適合に関する情報の分析によって得られ
た知見や他の組織との共有によって得た情報から得られた知見
をいう。
【解釈案53.①】
※第3回会合資料3-5に第5回会合で追加したページ
13
<参考4>
第5回会合で出された規則骨子案とその解釈
に対するご意見等とその対応について
規則骨子案、その解釈案に対する主なご意見等(要旨)
○ 規則骨子案の安全文化を醸成する活動とは、一般に以下のよ
うな要素を含んだ活動をさすとして列挙しているが、これらは
本質的で、包括的なものを幾つか例示するよう整理が必要。
ご意見等への対応
○ 規則骨子案と解釈骨子案の関係、解釈骨子案の位置付け
(規則骨子案の運用に関する透明性の確保)の観点から、記載
事項及び記載内容を再整理。
○ 規則骨子案は機能要求とし、解釈は実施の際の例示という観
点から整理が必要。
(参考6-2-1参照)
○ 「品質管理監督システムに影響を及ぼす恐れのある変更」の
解釈案で、「品質管理監督システム基準書の変更、マニュアル
の変更、設備の変更、組織の変更という」と限定しているが、
影響を及ぼす要因はそれだけではないので整理が必要。
○ GS-R-3は、安全と健康と環境とセキュリティ、品質、経済性
という要素を統合してマネジメンすること求めている。
現時点では、例えばセキュリティとセーフティの取り合いは
議論が始まった段階、また、経済性の取り合いは、福島の教訓
として非常に大きなところ。
GS-R-3の統合されたマネジメントシステムは、その2点を含
めて、一つのマネジメントシステムとする膨大なものと理解し
ている。今後ともそれに近づけるように努力するという立場を
明らかにすべき。
○
今回の規則策定に当たっては、原子力発電所の供用段階で
適用している品質保証(JEAC4111-2009)に、IAEAのGS-R-3
の要求事項に対し不足している事項として、安全文化に関す
る事項等を含めることとする。
○ また、経営責任者が定める品質方針に係る要求事項の一つ
として「組織運営に関する方針と整合性のとれたものである
こと」を含めることとする。
○ なお、マネジメントシステムに関する考え方については、
今後ともその向上に取り組んでいく。
※第5回会合資料5-1に今回(第6回会合)で追加したページ
14