値上げの波 乗り越え 次代担う大型商材作りへ ているのがEDLP。 終了し、いま売場で訴求し を基本とした訴求が、冷凍 体となり、正確な情報発信 といえる。 食品普及の鍵を握っている 拠のない半額セールの実態 ピカールが登場 ヨーカ堂とは別だが、根 に待ったを掛けた消費者庁 の行政指導の結果といえ 食品専門店「ピカール」 (P イオンがフランスの冷凍 だが、ある業界関係者は ICARD)の売場を20 る。 「安売りの終焉とはほど遠 ように台頭しているのが、 値上げの動きに逆行する DLP)に置き換えられた み、耳触りの良い言葉(E ら、安売りが地下に潜り込 年には本国と同様の路面 の売場を足掛かりとして、 導入した。イオンは首都圏 14年 月、日本に初めて EDLP(エブリデイロー い。誤解を恐れずに言うな ラッシュが待ったなしでスタート。値上げによる買い控えはあっても、需要の減退は避けなければならない。 2015年(平成 年)が幕を開けた。昨年来の急激な円安基調を継続したまま、「冷凍食品の値上げ」 それには、春の新商品をしっかりと提案することが大事なのは言うまでもない。家庭用の成長は、永らくパ 店の展開も計画している。 ルド食品は、当日買いす る食事の1品、つまりは 日配惣菜を指す場合が多 い。これに対し欧米をは じめとする先進諸国で は、週、または月単位で 購買する食事という認識 マルハニチロは 年8 で、日持ちも求められる。 月からロングライフチル ド惣菜のテスト販売に入 り、 年9月宇都宮工場 (栃木県)敷地内で専用 工場建設に着工、 年3 = 月中旬の完成をめざして 冷凍食品業界は「食品 グライフチルド食品に、 に過ぎない」と指摘する。 産業の中で唯一成長を続 本 格 的 に 取 り 組 む 」( 伊 プライス 毎日が低価格) い る 。「 近 い 将 来 2 千 億 けている産業」だと言わ 藤滋社長)方針。 スタがけん引してきたが、そろそろ新カテゴリーの登場が期待される。フランスの冷凍食品専門店「ピカー 売場では前菜から主菜の る。今は海外から輸入した トまで約 品目を品揃えす れて久しい。諸統計を見 円市場と予測されるロン 有力量販店を中心に冷凍 商品を販売しているためど ても年々伸び続けている ーピーも同様のマーケッ の流れ。2014年 月で 肉・魚料理、パン、デザー 食品のPB(プライベート う し て も 割 高 だ が 、「 将 来 トがある。また勢いづくC て有利な条件を握るメリッ 量販店は、PB化によっ は別。一般的な冷凍食品売 ロに近いが、 年、 年後 わる可能性は今のところゼ 現が既存の売場にとって代 ない日本で、ピカールの出 冷凍食品専門店が根付か 日本で語られる既存のチ 低温帯の支流のひとつ。 熱い視線を向けている。 されている訳ではなく、 凍食品メーカーの多くが 月6日号で掲載予定) (本紙の新年2集号 1 も予想され、新市場の形 流は「チルド食品」だ。 存チルドメーカーの参戦 のは事実だが、欧州の潮 ト開拓を進めている。既 他に、日本水産、キユ ブランド)化も一段と進ん 的には日本国内で生産する VS(コンビニエンススト 場と競うことで、新しい需 = 専門店、回転寿司店、イタ 活発なのが日系のとんかつ チェーン店。中でも動きが が求められる外資系の外食 無理」と言われる市場。た きを覚悟しなければ継続は くて、多少売れても赤字続 は「スーパーの入店料が高 一方、家庭用マーケット 業努力だけではコストアップを吸収で 増の勢いで上昇し続けており、加えて したカテゴリーは個食パス で、過去5年間に最も成長 家庭用冷凍食品市場の中 昼食や夕食で楽しむ料理と 腹を満たすスナックから、 と単価を上げ続け、単に空 トップ各社が「伸びてはい タ市場だが、 2014年は、 づ く り 」( 市 場 形 成 ) を 見 ケタ成長を遂げてきたパス しかしながら、永らく2 据えて、研究開発に取り組 の時代を担う「新しい商材 小売、卸、メーカーが次 り、競争は一段と激化して カーや中国メーカーが加わ ーの他、欧米など外資メー ローチをかける日系メーカ 日本での実績を基にアプ 内陸部に向かっている。 ーカー、流通、卸の目線も の都市にも急速に拡大。メ だった小売市場は、内陸部 だ、これまで沿岸都市中心 きなくなった」というのが共通認識。 現地で収穫される原料価格も国際相場 しての位置付けに変せん。 んでいる。先行者利益を求 変更やリニューアルで対応する」と慎 いる。年間を通して計画生産される冷 日清フーズ、日本製粉な 400万円と数量・金額とも3割増の顕 用術を紹介している。 大冷の「骨なし魚」は、もともと病院 して「徐々に中国産品の扱 いはなくす」というスーパ ーが増えている。 毎年上昇する人件費や原 安く作り日本へ 輸出はもう古い 材料の高騰に対応するため に進めてきた機械化も大方 が完了し、いま人手をかけ ているのは付加価値を生む 工程のみ。中国進出の目的 であった「安く作り日本へ 対日輸出にブレーキがか 輸出する」時代は終った。 かると、消費大国「中国」 での内販がにわかに注目さ れ始めた。だが日本向けに 作った工場、商品はいずれ もハイスペックで、中国で 国土が日本の 倍、人口 タと言える。 るが、2ケタ成長は止まっ いる。もちろん学校給食や どの製粉会社の他、麺の総 方も定着している。 な転換期を迎えている。政 ◇ は 倍の巨大な中国マーケ 25 中には「単純値上げは避けて、量目 のアップと共に毎年のように上昇して 近年の生パスタの登場で、 めて、各社の研究開発員が 重な姿勢を崩さない例もあるが、実質 凍野菜ではあるが、世界規模の異常気 合トップを志向する日清食 中国に冷凍食品の生産拠 ◇ そこで日系の営業が集中 の価格競争力はない。 産と販売の舵をどう切るの ットを巡り、近い将来、生 かが注目される。 施設などのマーケットも事 情は同じ。 新春特集号〈第1集〉 …………………3面 乙羊〈きのと・ひつじ〉年生まれの業界人〉 行役員生産統括部長、他)…………………………………… 面 大河原毅代表取締役CEO、ニチレイフーズ・和田秀実常務執 (味の素・山口範雄会長、ジェーシー・コムサ・ ◇年男万歳〈 (問屋、 物流、 外食・給食、 メディケア食)……………… 面 ◇業界展望2015年 (シジシージャパン、ヤオコー)……………9面 ◇小売業トップが語る将来の姿 品、マルハニチロ、他)……………………4~8面 (ニチレイフーズ、テーブルマーク、味の素冷凍食 ◇有力メーカーの新年展望 (自動化の流れが顕著、食品防御への取り組み進む) ◇メーカーの生産担当役員に聞く (生産効率化、工場再編は急務)………2~3面 ◇メーカートップに緊急インタビュー 2015年 するのは、一定以上の品質 た」と認めるようにスピー などのチェーン。 リア料理店、カレー専門店 ただし冷凍食品が否定 こうした成長分野に冷 可能性を秘めている。 成はスピードアップする ア)を牽制する意味合いも 要の喚起が期待される。 いずれにしろ製配販が一 ある。 かは大きな違い。 でいる。工場の安定稼働を ル」の日本上陸で、既存の冷凍食品売場は刺激を受けている。中長期的に期待の大きなメディケアは、単な イトーヨーカ堂が、冷凍食 品の「全品半額セール」を 13 15 めざすメーカーにとって、 フローズンからチルドへ 可能性もある」という。 欧州の潮流は~~~ PBを受託生産できるか否 量販店PB拡大 し、需要を減退させない 必然性をていねいに説明 メーカーは、値上げの い。 る栄養摂取から「楽しむ食事」へと転換。世界的なチルド食品台頭の潮流がどう影響するのかも注目点。 原価高騰で 待ったなし よう活発な販促を打ち続 ある卸のトップは「メ 2015年は「食品値上げ本格化」 けるべきだろう。 の年であり、 待ったなしでやってくる。 説明に翻弄され、1~2 即席麺、食用油、コーヒー、そして冷 ーカーの営業が値上げの ロングライフチルド オシャレな食事という捉え 例えば、中国の人件費は毎年2ケタ 14 11 50 事業所給食、病院・高齢者 象で計 画 が 大 き く 狂 う 例 は 少 な く な 品冷凍がパスタ市場をけん 的な値上げと変わりはない。 引 し て き た 。「 米 飯 市 場 が 押され気味なのは、パスタ い。また自国の経済成長に伴い、輸出 の台頭によるもの」と言わ パスタは、定価150円、 かつてはゼロだった冷凍 れる。 実売100円のスパゲティ 現地工場は 内販を強化 一辺倒から国内消費に軸足が移りつつ 安全安心を過剰に担保する以上、コ 問題は、値上げに伴う買い控えなど あるのも原料高騰の一因。 販促策をしっかり の反動。いくら明確な理由のある値上 げであっても、消費者の全面的な理解 スト上昇が止まることはない。 この 「値 気に沸く時代ならともかく、政府が発 であり、国内産地の見直しを含めて産 が得られる訳ではない。未曾有の好景 上げのスパイラル現象」は現在進行中 表する景気回復は限定的なもの。消費 地の分散化が求められている。 治的な摩擦が中国離れを加 した食品で、消費者が分かりやすいよう 7 月 か ら ホ ー ム ペ ー ジ 上 で 公 開 し て い 2013年のユニバーサルデザインフ に 対 応 し た %増134億8100万円と伸長。登録 り除くことが苦手な利用者に代わって、 のであること」に変わり、2010年代 %増1万1686 、生産金額は ・5 当向けに提案する商品だったが、骨を取 24 26 46 速させ、実現の成否は別と 点を持つメーカーは、大き いる高齢者、またその食事を作っている 味の素冷凍食品は咀嚼機能が低下して している。 外にも、様々な形の提案商品が多数登場 厳格な規定に基づくメディケア商品以 著な伸びを示している。 からスタート。徐々に品質 栄養摂取の介護食から 「楽しむ食事」へと変化 家族を対象に、自社の冷凍食品を使って 介護者が食事介助して与える食事」 や飲み込む力が低下した人を対象に開発 「食べやすさ」に配慮したレシピを 年 冷凍食品に限らず、食品業界全体が注 して、 目しているのが「メディケア食」市場。 となった。 2000年代は「介護を必要としてい に、各社商品の基準を「かたさ」や「粘 る。咀嚼機能が低下した高齢者が家族と 広義のメディケア食は、もはや通常食の き、身体状況を悪化させないこと、そし 介護食、病院食、高齢者食などを含めた 食 べ る 状 況 に 応 じ て き め 細 か に 対 応 で という表示で統一している。 食べる楽しみを感じさせながら、 度」の規格で4つの区分と「とろみ調整」 同じメニューを食べられる冷凍食品の活 様々なメディケア商品が登場している。 る人に、 少子高齢化が加速度的に進展する中で、 14 延長線上にあり、誰もが触れる機会を持 て見た目にも味もおいしく食べられるも ード(UDF)の生産量は前年比 ・5 や保育園などの医療・福祉施設、介護弁 った普通の食事と認知されている。 介護食の定義は時代とともに変化して は「 残された食べる機能 ! 食事形態の実現。人生最期まで口から食 商品が最も多い冷凍食品は ・7%増4 製造段階から徹底して骨を除去した商品 ◇ とむせる人、食べ物を上手に飲み込めな な食事」と進化した。 い人のために特別に工夫した食事」が、 28 「食べやすさ」にも配慮 日本介護食品協議会の「ユニバーサル 摂取するのが不能または不自由な人に対 デザインフード」(UDF) は 、 噛 む 力 年代には「身体機能が不自由で自分で ! 10 年間購読料33, 600円(税別) 16 一段と熱くなっている。 20 凍食品と続々値上げに向かう。 すでに 年 月までに有力冷凍食品 月に発表される新商品の 価格改定を発表。買い手の反発を警戒 なるのが一番怖い」と強 いられているのが、輸入冷凍野菜など 調理冷凍食品以上に厳しい展開を強 値上げスパイラル続く してか、端的な「値上げ」という表現 く懸念する。 ではなく「価格改定」とするのが一般 的になっている。値上げ幅は企業や商 で様々。 品によって異なり、数%から %台ま 10 11 パスタに続く柱育成へ 日本に初上陸した 「ピカール」 の売場 ドダウン。 費の上昇と、 急激な円安が加わって 「企 材費、動力燃料費(電気 な ど )、 物 流 ている。 「国際的な原材料の高騰」に、包装資 た事のない急激な為替変動に翻弄され こ れ ま で の 主 な 値 上 げ 理 由 だ っ た 円安が直撃する分野。これまで経験し 20 者は財布の紐を中々ゆるめてはくれな 中国離れ加速 http : //www.suisantimes.co.jp 1980年代の「水やお茶などを飲む べて、明るく・楽しく・おいしく・幸せ 522 、生産金額は ・3%増 億5 として、いまや広く普及している。 いる。 " 11 13 27 ! 謹賀新年 1/1【!】 27 メーカー各社が年明け1~3月からの 販売促進に手が回らなく 12 共栄フード (昭和45年7月9日第三種郵便物認可) メディケア 14 東京都荒川区南千住6-27-9 ホームページ http : //www.kyoeifood.co.jp E−Mail [email protected] 東京都港区芝5‐9‐6 電話(03) 3456―1411 (代表) 3456―1416 FAX(03) 2015年 (平成27年) 第1975号 毎週火曜日発行 パン粉のことなら 発行所 水産タイムズ社 90
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