Research Sheet re Singapore Q3 2012

Investment Market Update
Japan Q3 2014
取引額は減少、しかし投資市場は引き続き活況
 2014 年第 3 四半期の商業不動産取引額(住宅、ホテルを除く)は、前期の
6,995 億円から 22%減少の 5,469 億円であった(図 1)。下落幅は前期に比
べて縮小したものの、2 四半期連続の下落となった。しかし、投資市場は引き
続き活況である。
15 October 2014
Contents
取引額
2
セクター種別
2
投資家種別
2
資金の出所
3
主要取引
3
見通し
4
 今期の取引額の落ち込みは、市場が比較的静かな夏季休暇を挟んだこと、ま
た J-REIT による取引の減少が主に起因している。取引市場は取得競争が激
化しており、利回りは低下傾向にあるため、特に優良エリアにおいては、価格
が押し上げられている。REIT は通常リスクを回避し、キャピタルゲインを睨む
投機的取引は行わない。そのため、価格が上昇している現在の市場環境に
おいては、REIT の投資機会は減少しており、これが REIT による取引減少の一
因とも言える。
 今期の最大取引は森トラストによる「目黒雅叙園」の取得であり、価格は約
1,300 億円と報道されている。「目黒雅叙園」は、オフィス、ホテル、店舗等か
らなる複合施設であり、37,301 ㎡の広大な敷地内には歴史的建造物も含ま
れている。当該施設は 2002 年のローンスター取得後、過去数回売却が試み
られた模様だが、入札はいずれも成立せず、今回の売却はようやく成功裏に
終わった。
Author
Kayoko Hirao
 「目黒雅叙園」を含む、今期発表された幾つかの大型取引に見られるように、
優良資産に対する投資家の投資意欲は依然高い。第 4 四半期にも既に数件
の大型取引が予定されている。このように、オフィス賃貸市場での賃料上昇ペ
ースは緩やかではあるものの、2014 年末に向かい、市場は改善を続け、投
資市場も引き続き好調に推移することが予想される。2014 年は投資市場にと
って、昨年に続き活況な年となるであろう。
Head of Japan Research
+ 81 (0)3 5512 8213
[email protected]
図1
不動産取引額 (単位:10 億円)
4,000
3,500
Contacts
3,000
Andrew Ness
2,500
Head of North Asia Research
+852 2507 0507
[email protected]
Hans Vrensen
Global Head of Research
+ 44 (0)20 3296 2159
[email protected]
DTZ Research
2,000
1,500
1,000
500
0
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
Q1
Source: DTZ Research
Q2
Q3
Q4
Japan Q3 2014
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
Mixed Use
Industrial
Q3 2014
Q2 2014
Office
Q1 2014
0
Q4 2013
取引市場は取得競争が激化しており、利回りは低下傾向
にあるため、特に優良エリアにおいては、価格が押し上げ
られている。REIT は通常リスクを回避し、キャピタルゲイン
を睨む投機的取引は行わない。そのため、価格が上昇して
いる現在の市場環境においては、REIT の投資機会は減少
しており、これが REIT による取引減少の一因とも言える。JREIT が不動産取引市場において占める割合は常に大きく、
その動向は日本における取引額全体を左右する。しかしな
がら、今期は 1,000 億円を超える大型取引が行われ、また
来期も 100-500 億円級の取引が多く予定されており、投
資市場が引き続き好調なことが示されている。
セクター別取引額 (単位:10 億円)
Q3 2013
第 3 四半期も取引額は減少
2014 年第 3 四半期の商業不動産取引額(住宅、ホテルを
除く)は、前期の 6,995 億円から 22%減少の 5,469 億円で
あった(図 2)。下落幅は前期に比べて縮小したものの、2
四半期連続の下落となった。前年同期比でも 20%減であ
ったが、年初からの 9 ヶ月間で比較すると、昨年とほぼ同
水準である。今期の取引額の落ち込みは、市場が比較的
静かな夏季休暇を挟んだこと、また J-REIT による取引の減
少が主に起因している。
図2
Q2 2013
取引額
Retail
Other/Unknown
Source: DTZ Research
図3
セクター別取引割合 2014 年第 2 四半期 vs 第 3 四半期
100%
80%
60%
セクター種別
40%
今期はより分散が進む
今期の取引はより分散が進んだ。中でも、オフィスが最も
多く全体の 35%を占めた(図 3)。複合施設は、東京にお
けるオフィス、ホテル、店舗等からなる 1,000 億円を超える
大型取引が今期実施されたため、前期よりシェアを増やし
27%となった。インダストリアル系取引も、GLP 投資法人や
ラサール不動産投資顧問による大型取引があり、そのシェ
アを 2013 年第 2 四半期の 6%から、今期は 24%に拡大さ
せた。
20%
0%
Q2 2014
Office
Mixed Use
Q3 2014
Industrial
Retail
Other/Unknown
Source: DTZ Research
図4
投資家別取引額 (単位:10 億円)
1,400
1,200
800
600
400
200
Quoted Property Vehicle
Corporate
Quoted Property Company
Institution
Q3 2014
Q2 2014
Q1 2014
Q4 2013
0
Q3 2013
依然 REIT が優勢
取引額自体は減少したものの、REIT を中心とした上場不動
産ヴィークルが、第 3 四半期も依然最大の買い手(ネット
ベース)となった(図 4)。今期は、ソニーが本社ビルの土地
をソニー生命へ 528 億円で売却したため、機関投資家に
よる取得の割合が増加した。不振が続くソニーは資産売却
を続けており、2013 年には品川区にあるソニーシティ大崎
も 1,111 億円で売却した。
1,000
Q2 2013
投資家種別
Private Property Vehicle
Other/Unknown
Source: DTZ Research
www.dtz.com
Investment Market Update
2
Japan Q3 2014
資金の出所
海外投資家も活発な動き
市場は引き続き国内投資家が多くを占め、第 3 四半期の
取引額全体に占める割合は 89%であった(図 5)。今期、
海外投資家の割合に増加は確認されなかったが、活発な
動きが多く見られた。
シンガポール上場の Croesus Retail Trust は、千葉市稲毛
区のショッピングセンター「ワンズモール」を 110 億円で取
得し、保有資産を拡大させた。Croesus は日本のリテール
資産を投資対象としている。
今期報道されたもう一つの大型取引は、現在セキュアー
ド・キャピタルの保有する「パシフィックセンチュリープレイス
丸の内」のオフィス部分の売却である。取引は未だ進行中
の模様であるが、GIC が約 1,700 億円で取得すると言われ
ている。東京都心の最優良エリアに立地する本物件は、過
去数回売買されており、不動産価格が直近のピークであっ
た 2006 年にダヴィンチが PCCW から 2,000 億円で取得、
その後ローンのデフォルトにより、債権者から現所有者の
セキュアードが 2009 年に 1,400 億円で取得した。今回の
売買が成立すると、5 年間で 20%程度の価格上昇となる。
図5
www.dtz.com
20%
Domestic purchase
Q3 2014
Q2 2014
Q1 2014
Q4 2013
Q3 2013
0%
Foreign purchase
Source: DTZ Research
図6
地域別取引内訳
100%
80%
60%
40%
20%
Tokyo
Q3 2014
0%
Q2 2014
第 3、4 四半期に大型取引相次ぐ
今期の最大取引は森トラストによる「目黒雅叙園」の取得
であり、価格は約 1,300 億円と報道されている(表 1)。「目
黒雅叙園」は、オフィス、ホテル、店舗等からなる複合施設
であり、37,301 ㎡の広大な敷地内には歴史的建造物も含
まれている。当該施設は 2002 年にローンスターが取得し
た後、過去数回売却が試みられた模様だが、入札はいず
れも成立せず、今回の売却はようやく成功裏に終わった。
40%
Q1 2014
主要取引
60%
Q4 2013
シンガポールの City Development Limited は、米国の投資
会社と共に、港区の土地 16,815 ㎡をセイコーホールディン
グスから 305 億円で取得した。土地は白金の優良住宅街
にあり、セイコー創業者の元邸宅である。買主は高級マン
ションを開発する予定である。
80%
Q3 2013
AXA Real Estate Investment Managers は、今回新宿におい
て、保有するファンドにとって 5 件目となる資産を取得した
ことにより、 調達資金すべての投資が完了したことを発表
した。本取得は三井住友トラスト投資顧問が運用するファ
ンドとの協調投資である。AXA のファンドは東京の中規模
オフィスビルを対象としており、AUM は 210 億円である。
100%
Q2 2013
中国の復星グループ傘下にあるイデラキャピタルマネジメ
ントは、品川区天王洲にある「シーフォートスクエアシティグ
ループセンター」を取得した。復星ブループがアレンジした
機関投資家との共同取得である。
資金別取引内訳
Q2 2013
ラサール不動産投資顧問は、川崎市のマルチテナント型
物流施設「東扇島倉庫」の 3 棟を取得した。ラサールは取
得について、湾岸エリアの物流施設においては、優良な投
資対象資産は希少であり、この取得は、安定的な収益を求
めるコア投資家にとって優れた投資機会であった、としてい
る。
non-Tokyo
Source: DTZ Research
Investment Market Update
3
Japan Q3 2014
見通し
市場は引き続き好調、2014 年は年間を通じ活況に
2014 年第 3 四半期の取引額は 2 四半期連続で減少とな
ったが、日本の不動産投資市場は依然活況である。投資
対象物件は限定的で、利回りは低下傾向にあるため、投
投資機会を求め、投資家の一部は対象を地方都市へとシ
フトさせている。その結果、東京以外での投資額が上昇し
ている(図 6)。とはいえ、「目黒雅叙園」等、今期発表・報
道された幾つかの大型取引に見られるように、東京の優良
資産に対する投資家の意欲は引き続き高い。第 4 四半期
にも幾つかの大型取引(引き渡し)が実施され、森トラスト
総合リートは、「紀尾井町ビル」(75%)をアンジェロ・ゴード
ンとオリックスから 343 億円で取得する予定だ。また、継続
中の「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」の取引も、
実現すれば、2014 年で最大級の取引となる。丸の内・大手
町エリアではほとんどの賃貸ビルを主要デベロッパーが保
有しているため、こうした A グレードビルが市場で売買され
るケースは非常に稀であり、内外問わず、多くの投資家の
意欲を引き寄せた。依然賃貸市場における賃料上昇ペー
スは緩やかではあるものの、2014 年末に向かい、市場は
改善を続け、投資市場も引き続き好調に推移することが予
想される。2014 年は投資市場にとって、昨年に続き活況な
年となるであろう。
表1
主要取引
物件名
所在
買主
売主
セクター
目黒雅叙園
目黒区
森トラスト
ローンスター
オフィス、
ホテル、
リテール等
東扇島倉庫 A, B, C 棟
川崎市
ラサール不動産投資顧問
のファンド
フォートレスインベスト
インダストリアル
メントグループの SPC
ソニー本社ビルの土地
港区
ソニー生命
ソニー
土地(オフィス)
528
GLP 東京 II
江東区
GLP 投資法人(REIT)
GLP の SPC
インダストリアル
361
港区白金 2 丁目の土地
港区
City Development Limited,
a U.S investment firm
セイコーホールディン
グス
土地(住宅)
305
アークヒルズサウスタワー
港区
(25%)
森ヒルズリート投資法人
(REIT)
森ビル
オフィス
191.5
横浜プラザビル
グローバル・ワン不動産投
ランドビジネス
資法人(REIT)
オフィス
179.5
横浜市
価格(億円)
1,300
(推定価格)
550
(推定価格)
Source: DTZ Research
www.dtz.com
Investment Market Update
4
Japan Q3 2014
Other DTZ Research Reports
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Updates on occupational markets from an occupier
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Occupier Perspective – User Guide to Asia Pacific
Occupier Perspective – User Guide to EMEA
Occupier Perspective – Global User Guide
Global Office Review
India Office Demand and Trends Survey 2013-14
Sweden Computer Games Developers November 2013
Property Times
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North China, Paris, Poland, Prague, Pune, Rome, San
Francisco, Seoul, Singapore, South & West China,
Stockholm, Sydney, Taipei, Toronto, Ukraine, UK, Warsaw,
Washington.
Investment Market Update
Regular updates on investment market activity, with
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Coverage includes Asia Pacific, Australia, Belgium, Czech
Republic, Europe, France, Germany, Italy, Japan, Mainland
China, South East Asia, Spain, Sweden, UK and US.
Money into Property
For more than 35 years, this has been DTZ's flagship
research report, analysing invested stock and capital flows
into real estate markets across the world. It measures the
development and structure of the global investment
market. Available for Global, Asia Pacific, Europe and UK.
Foresight
Quarterly commentary, analysis and insight into our inhouse data forecasts, including the DTZ Fair Value Index™.
Available for Global, Asia Pacific, Europe and UK. In
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Insight
Thematic, ad hoc, topical and thought leading reports on
areas and issues of specific interest and relevance to real
estate markets.
Great Wall of Money – October 2014
German Open Ended Funds – October 2014
Insight Singapore medical suites September 2014
China Insight Establishing the Capital Economic Region Aug 2014
Insight European Transaction Based Price Index Q2 2014
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China Insight Office Pipeline and Dynamics May 2014
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TM
Fair Value Index
Five-year rolling forecasts of commercial
and industrial markets in Asia Pacific,
Europe and the USA.

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Aggregated overview of investment activity
in Asia Pacific and Europe.

Money into Property
DTZ’s flagship research product for over 35
years providing capital markets data
covering capital flows, size, structure,
ownership, developments and trends, and
findings of annual investor and lender
intention surveys.
Investment Market Update
5
DTZ Research
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