島根原子力発電所2号炉 緊急時対策所について【PDF:1.3MB】

資料1-1
島根原子力発電所2号炉
緊急時対策所について
平成27年 2月10日
中国電力株式会社
目
次
1. 新規制基準への適合方針 ................................................... 1
2. 緊急時対策所について ..................................................... 6
2.1
配置 .................................................................... 6
2.2
建物及び収容人数について ................................................ 7
2.2.1
建物 ................................................................ 7
2.2.2 収容人数 ............................................................ 8
2.3 電源設備について ....................................................... 10
2.4 遮蔽設計について ....................................................... 11
2.5 被ばく評価について ..................................................... 12
2.6 換気設備について ....................................................... 13
2.7
汚染持ち込み防止について ............................................... 15
2.8
重大事故等に対処するために必要な情報を把握できる設備について ........... 16
2.9 通信連絡設備について ................................................... 18
2.10
配備する資機材等の数量及び保管場所について ............................ 19
2.11
エリアモニタリング設備について ........................................ 20
2.12
事故時に必要な要員について ............................................ 21
1. 新規制基準への適合方針
緊急時対策所に関する要求事項と,その適合方針は以下のとおりである。
第 1‐1 表 「実用発電用原子炉及び付属施設の位置、構造及び設備の基準に関す
る規則」第三十四条(緊急時対策所)
新規制基準の項目
適合方針
工場等には、一次冷却系統に係る発
一次冷却系統に係る発電用原子炉
電用原子炉施設の損壊その他の異常
が発生した場合に適切な措置をとるた
め、緊急時対策所を原子炉制御室以外
施設の損壊その他の異常が発生した
場合に適切な措置をとるため,緊急時
対策所を中央制御室のある制御室建
物から独立した建物に設置する。
の場所に設けなければならない。
1
第 1‐2 表 「実用発電用原子炉及び付属施設の位置、構造及び設備の基準に関す
る規則」第六十一条(緊急時対策所)及び「実用発電用原子炉及び
付属施設の技術基準に関する規則」第七十六条(緊急時対策所)
新規制基準の項目
適合方針
緊急時対策所は,重大事故等に対処
するために必要な指示を行う要員がと
第三十四条の規定により設置される
緊急時対策所は、重大事故等が発生し
た場合においても当該重大事故等に対
どまることができるよう,以下の措置
を講ずる。
処するための適切な措置が講じられる
よう、次に掲げるものでなければなら
ない。
一
重大事故等に対処するために必要
な指示を行う要員がとどまることが
できるよう、適切な措置を講じたも
のであること。
緊急時対策所は,発電所の状況に係
二
重大事故等に対処するために必要
な指示ができるよう、重大事故等に
る情報を表示する装置を設置し,対策
指令に必要な原子炉施設の情報の把握
対処するために必要な情報を把握で
きる設備を設けたものであること。
ができる設計とする。
発電所内の関係要員に対して必要な
三
発電用原子炉施設の内外の通信連
絡をする必要のある場所と通信連絡
指示を行うための通信連絡設備(発電
所内用)及び発電所外の関係箇所へ連
を行うために必要な設備を設けたも
のであること。
絡を行うための通信連絡設備(発電所
外用)を設置する。また,通信連絡設
備はそれぞれ多様性を持たせた設計と
する。
【解釈】
1 第1項及び第2項の要件を満たす
緊急時対策所とは、以下に掲げる措
置又はこれらと同等以上の効果を有
する措置を行うための設備を備えた
ものをいう。
a)基準地震動による地震力に対し、
免震機能等により、緊急時対策所の
機能を喪失しないようにするととも
に、基準津波の影響を受けないこと。
2
緊急時対策所は,基準地震動におい
ても機能を維持できるよう免震構造と
する。
また,敷地高さ EL50m の高台に設置
し,基準津波(施設護岸最高地点で
EL9.5m)による影響を受けない設計と
する。
新規制基準の項目
適合方針
緊急時対策所は,原子炉建物等から
【解釈】
は独立した建物とし,プラントとは独
b)緊急時対策所と原子炉制御室は共
通要因により同時に機能喪失しない
立したガスタービン発電機,換気設備
等を有しているため,共通要因により
こと。
中央制御室と同時に機能喪失しない設
計とする。
緊急時対策所は,通常使用する電源
(2号炉所内電源系)とは別に,ガス
【解釈】
c)緊急時対策所は、代替交流電源か
タービン発電機を設置する。
らの給電を可能とすること。
また、当該代替電源設備を含めて
緊急時対策所の電源設備は、多重性
又は多様性を有すること。
緊急時対策所は,適切な遮蔽設計及
【解釈】
d)緊急時対策所の居住性が確保され
び換気設計を有する設備とし,加圧設
備等により,居住性を確保する設計と
るように、適切な遮蔽設計及び換気
設計を行うこと。
する。
東京電力株式会社福島第一原子力発
【解釈】
e)緊急時対策所の居住性については、 電所事故と同等の放射性物質の放出量
次の要件を満たすものであること。 等を評価条件として,緊急時対策所の
① 想定する放射性物質の放出量等は 対策要員の被ばく評価を行った結果,
マスク着用等の付加条件なしで実効線
量は約 53mSv であり,判断基準「対策
要員の実効線量が7日間で 100mSv を超
えないこと」を満足している。
東京電力株式会社福島第一原子力発
電所事故と同等とすること。
② プルーム通過時等に特別な防護措
置を講じる場合を除き、対策要員は
緊急時対策所内でのマスクの着用な
しとして評価すること。
③ 交代要員体制、安定ヨウ素剤の服
用、仮設設備等を考慮してもよい。
ただし、その場合は、実施のための
体制を整備すること。
④ 判断基準は、対策要員の実効線量
が 7 日間で 100mSv を超えないこと。
3
新規制基準の項目
適合方針
緊急時対策所への汚染の持ち込みを
【解釈】
防止するため,モニタリング,作業服
f)緊急時対策所の外側が放射性物質
により汚染したような状況下におい
みを防止するため、モニタリング及
ングエリア,除染スペースを備えた設
び作業服の着替え等を行うための区
画を設けること。
計とし,汚染の拡大防止を図る動線を
確保する。
2
て、緊急時対策所への汚染の持ち込
の着替え,除染を行うための区画とし
て,モニタリングスペース,チェンジ
重大事故等発生時において,緊急時
対策所内で必要な指示をする要員 46
緊急時対策所は、重大事故等に対
処するために必要な数の要員を収容
することができるものでなければな
名に加え,原子炉格納容器の破損等に
よる発電所外への放射性物質の拡散を
らない。
抑制するための要員 29 名を加えた合計
75 名を収容可能とする。
【解釈】
2 第2項に規定する「重大事故等に
対処するために必要な数の要員」と
は、第1項第1号に規定する「重大
事故等に対処するために必要な指示
を行う要員」に加え、少なくとも原
子炉格納容器の破損等による工場等
外への放射性物質の拡散を抑制する
ための対策に対処するために必要な
数の要員を含むものとする。
4
第 1‐3 表 「実用発電用原子炉及び付属施設の技術基準に関する規則」第四十六
条(緊急時対策所)
新規制基準の項目
適合方針
設置許可基準規則
工場等には、一次冷却系統に係る発
第三十四条と
同じ
電用原子炉施設の損壊その他の異常
が発生した場合に適切な措置をとるた
め、緊急時対策所を原子炉制御室以外
の場所に施設しなければならない。
設置許可基準規則
第 46 条に規定する「緊急時対策所」 び第六十一条と同じ
の機能としては、一次冷却材喪失事故
【解釈】
第三十四条及
等が発生した場合において、関係要員
が必要な期間にわたり滞在でき、原子
炉制御室内の運転員を介さずに事故
状態等を正確にかつ速やかに把握でき
ること。また、発電所内の関係要員に
指示できる通信連絡設備、並びに発電
所外関連箇所と専用であって多様性
を備えた通信回線にて連絡できる通信
連絡設備及びデータを伝送できる設
備を施設しなければならない。
可搬型の酸素濃度計を配備し,室内
の空気の取り込みを一時的に停止し
た場合であっても,室内の酸素濃度が
事故対策のための活動に支障がない範
囲にあることを把握できる設計とす
る。
【解釈】
さらに、酸素濃度計を施設しなけれ
ばならない。酸素濃度計は、設計基準
事故時において、外気から緊急時対策
所への空気の取り込みを一時的に停
止した場合に、事故対策のための活動
に支障がない酸素濃度の範囲にあるこ
とが正確に把握できるものであるこ
と。また、所定の精度を保証するもの
であれば、常設設備、可搬型を問わな
い。
5
2. 緊急時対策所について
2.1
配置
緊急時対策所を設置する基礎地盤は,新第三紀中新世の堆積岩類から成る成
相寺層と貫入岩類から構成される岩盤であり,十分な支持性能を有している。
緊急時対策所は,敷地高さ EL50m の高台に設置し,基準津波(施設護岸最高
地点で EL9.5m)による影響を受けない設計とする。
また,緊急時対策所は中央制御室とは十分離れていること(約 400m),換気
設備及び電源設備が中央制御室とは独立していることから,中央制御室との共
通要因により,同時に機能喪失することはない。
配置図を第 2.1‐1,2 図に示す。
中央制御室
緊急時対策所
第 2.1‐1 図
緊急時対策所の配置図
第 2.1‐2 図
緊急時対策所
6
2.2
建物及び収容人数について
2.2.1 建物
緊急時対策所は,
免震構造を採用した鉄骨鉄筋コンクリート造の建物とし,
緊急時対策所遮蔽と一体となった上部構造,これを支持する免震部材及び下
部構造(基礎)で構成する。
免震部材は,基準地震動による入力に対応可能とするため,大きな変形能
力を有する部材及び振動エネルギーを吸収する部材などをバランスよく配置
する。(第 2.2.1 図)
免震構造の特性上,上部構造に生じる水平地震力は周期が長く静的加力に
近い荷重となることから,上部構造が塑性化して剛性低下した場合、急激に
層間変形が増大する可能性があることを考慮し,主たる剛性部材である耐震
壁は基準地震動による地震力に対しておおむね弾性範囲にとどめ,遮蔽機能
等について機能喪失しないよう設計する。
天然ゴム系積層ゴム
鉛プラグ入り積層ゴム
すべり支承
オイルダンパ
第 2.2.1 図
免震部材配置図
7
2.2.2 収容人数
緊急時対策所は,地上3階建,延べ床面積約 4,900m2 を有する建物である。
緊急時対策本部として約 240m2,緊急時対策本部の支援要員や協力会社要員
の作業スペースとして,約 800m2 を確保する。
緊急時対策所は,災害時において最大 300 名の緊急時対策要員が活動する
ことを想定している。必要な各機能班用の机や設備等を配置しても,活動に
必要な広さを確保する。
なお,緊急時対策所本部は,プルーム通過中においても,重大事故等に対
処するために必要な指示を行う要員及び原子炉格納容器の破損等による工場
等外への放射性物質の拡散を抑制するための対策に必要な要員を収納可能で
あり,必要な広さを有している。
緊急時対策所1階
緊急時対策所2階
第 2.2.2‐1 図
緊急時対策所内配置
8
緊急時対策所3階
注:レイアウトについては,訓練等で有効性を確認し適宜見直していく
第 2.2.2‐2 図
緊急時対策所本部レイアウト
9
2.3 電源設備について
緊急時対策所は,第 2.3 図のとおり,多様な電源から受電できるよう施設す
る。
所内母線の構成は,高圧2母線,低圧2母線で構成し,任意の箇所で故障が
発生したとしても全ての設備電源が喪失しないような構成とする。
また,緊急時の指揮命令の継続に必要な負荷は,両系統から受電可能とし,
電源供給の維持を可能とする。
(1) 通常電源
通常電源は,2号炉の常用高圧母線から受電する。2号炉常用高圧母線の点
検時等には,6.6kV 外部電源線から受電可能とする。
また,緊急時対策所に設置する通信設備は,2号炉の非常用低圧母線から受
電し,無停電電源設備もしくは直流電源設備を介することにより,停電なく切
替可能とする。
(2)
代替電源設備(通常電源から受電できない場合)
外部電源喪失時は,緊急時対策所1階に設置しているプラント設備とは独立
した専用の緊急時対策所ガスタービン発電機が自動起動して,電源供給の維持
を可能とする。
緊急時対策所ガスタービン発電機は,1台で緊急時の指揮命令の継続に必要
な電源容量を有する。また,2台を7日間運転できる燃料を確保する。
さらに,高圧発電機車からも受電可能とするよう,高圧発電機車接続盤を2
面設置する。
第 2.3 図
緊急時対策所
10
単線結線図
2.4 遮蔽設計について
重大事故等時に緊急時対策所にとどまり必要な操作,措置を行う要員が,過
度の被ばくを受けないように適切な厚さのコンクリート遮蔽等を設け,緊急時
対策所換気設備の機能とあいまって,緊急時対策所にとどまる要員の実効線量
が,7日間で 100mSv を超えないようにする。生体遮蔽装置を第 2.4 図に示す。
屋外壁
約 35m
緊急時
約 47m
対策本部
屋外壁
緊急時対策所1階
緊急時対策所2階
緊急時対策所3階
【平面図】
300mm
200mm
約 15m
500mm
200mm
屋外壁
300mm
屋外壁
【断面図】
赤線は,緊急時対策所遮蔽を示す。
第 2.4 図
生体遮蔽装置
11
2.5 被ばく評価について
「実用発電用原子炉に係る重大事故時の制御室及び緊急時対策所の居住性に
係る被ばく評価に関する審査ガイド」(平成 25 年6月 19 日)(以下「審査ガ
イド」という。)に基づき評価を行った。
福島第一原子力発電所事故と同等の事故発生時の,緊急時対策所に居住する
対策要員の実効線量は,7日間で約 53mSv であり「対策要員の実効線量が7日
間で 100mSv を超えないこと」を満足していることを確認した。
評価結果を第 2.5 表に示す。
第 2.5 表
緊急時対策所の対策要員に及ぼす実効線量の内訳
実効線量 (mSv/7日間)
被ばく経路
室内作業時
①原子炉建物内の放射性物質か
らの直接ガンマ線及びスカイ
シャインガンマ線による外部
被ばく
②放射性雲中の放射性物質から
のガンマ線による外部被ばく
(クラウドシャイン)
③地表面に沈着した放射性物質
からのガンマ線による外部被
ばく(グランドシャイン)
④緊急時対策所内へ外気から取
り込まれた放射性物質からの
ガンマ線による外部被ばく及
び放射性物質の吸入摂取によ
る内部被ばく
合計
合計
外部被ばく
吸入摂取に
よる
内部被ばく
約 9.8×10-3
―
約 9.8×10-3
約 8.6
―
約 8.6
約 28
―
約 28
約 16
0
約 16
約 53
0
約 53
ガンマ線に
よる
12
2.6 換気設備について
重大事故等の発生により,大気中に大量の放射性物質が放出された場合にお
いても,緊急時対策所にとどまる要員の居住性を確保するため,緊急時対策所
送風機,緊急時対策所非常用送風機,緊急時対策所排風機,緊急時対策所放管
エリア排風機及び緊急時対策所非常用フィルタ装置を緊急時対策所に設置する。
プルーム通過時の緊急時対策所の対策要員への被ばく防止対策として,緊急
時対策所加圧設備により緊急時対策本部を加圧することにより,緊急時対策本
部内への放射性物質の流入を防止する。
設備概要は以下のとおり。
緊急時対策所送風機
台
数
:2台(予備1)
容
量
:19,550 m3/h/台
緊急時対策所非常用送風機
台
数
:2台(予備1)
容
量
:19,550 m3/h/台
緊急時対策所排風機
台
容
数
量
:2台(予備1)
:9,600 m3/h/台
緊急時対策所放管エリア排風機
台
容
数
量
:2台(予備1)
:1,350 m3/h/台
緊急時対策所非常用フィルタ装置
基
数
:4基(予備1)
よう素除去効率:95%以上(相対湿度 95%以下において)
粒子除去効率 :99.9%以上
緊急時対策所加圧設備
型
式
:空気ボンベ
本
数
:245 本
プルーム通過時の加圧運転時の系統構成を第 2.6 図に示す。
また,事故発生からプルーム発生に対応した換気設備の切替タイムラインを
第 2.6 表に示す。
緊急時対策本部は,隔離時でも酸素濃度計及び二酸化炭素濃度計により,居
住性が維持されていることを確認する。
13
第 2.6 図
第 2.6 表
プルーム通過時の加圧運転
プルーム発生に対応した換気設備の切替タイムライン
(居住性に係る被ばく評価)
14
2.7
汚染持ち込み防止について
緊急時対策所には,プルーム通過後など緊急時対策所の外側が放射性物質に
より汚染したような状況下において,緊急時対策所への汚染の持ち込みを防止
するため,モニタリング,作業服の着替え,除染を行うための区画として,放
管エリアを設ける。
放管エリアの概略を第 2.7 図に示す。
緊急時対策所1階
【人の動き】
:屋外から緊急時対策所へ
:緊急時対策所から屋外へ
:汚染時の動き
第 2.7 図
放管エリア概略図
15
2.8
重大事故等に対処するために必要な情報を把握できる設備について
緊急時において事故状態を把握するために必要なプラントパラメータ等を収
集する緊急時原子力発電所情報伝送システム(以下「SPDS」という)を,
耐震性を有する原子炉建物,廃棄物処理建物及び免震機能を有する緊急時対策
所に設置する。
第 2.8 表のような重大事故等に対処するために必要な情報(炉心冷却や格納
容器の状態)を把握することができるようSPDSのデータを表示できる装置
を緊急時対策所に設置する。
第 2.8 表 SPDSのデータ表示装置にて確認できる主なパラメータ
目的
原子炉の停止確認
対象項目
中性子束
制御棒の挿入状態
炉心冷却の確認
原子炉水位
原子炉圧力
炉水温度
母線電圧
非常用D/G発電機の給電状態
ECCS系運転状況
格納容器の状態確認
格納容器圧力
格納容器温度
トーラス圧力
トーラス温度
格納容器モニタ
格納容器隔離の状態
環境の情報確認
モニタリングポスト
排気筒モニタ
放水口モニタ
気象情報
使用済燃料貯蔵槽の状態確認
燃料プール水位
燃料プール温度
フィルタベント設備の状態確認
スクラバ容器水位
フィルタ装置出口放射線量率
16
緊急時対策所のSPDSデータ表示に係る機能に関しては,原子炉建物等に
設置するSPDS伝送装置も含め,基準地震動による地震力に対して機能を喪
失しない設計とする。
なお,原子炉建物等と緊急時対策所の間のデータ伝送については,有線及び
無線による伝送を行い,多様性を確保している。
緊急時対策所には窓が無いことから,建物外の状況は屋外監視用カメラによ
り,確認する。
周辺の環境線量状況を把握するため,可搬式モニタリングポスト及び可搬式
気象観測装置のデータを緊急時対策所へ伝送し,建物内にて確認できるように
する。
必要な情報を把握するための設備の概要を第 2.8 図に示す。
第 2.8 図
データ伝送設備の概要
17
2.9 通信連絡設備について
発電所内の関係要員に対して必要な指示を行うための通信連絡設備(発電所
内用)及び発電所外の関係箇所へ連絡を行うための通信連絡設備(発電所外用)
を設置する。また,通信連絡設備はそれぞれ多様性を持たせている。
緊急時対策所に設置する通信連絡設備については,基準地震動による地震力
に対し,機能を維持するための措置を講じる。
通信連絡設備の概略を第 2.9 図に示す。
第 2.9 図
緊急時対策所
18
通信連絡設備
概略図
2.10
配備する資機材等の数量及び保管場所について
緊急時対策所には,少なくとも外部からの支援なしに7日間の活動を可能と
するため,資機材等を配備する。
配備する主な資機材等を第 2.10 表,保管場所を第 2.10 図に示す。
第 2.10 表
区分
配備する主な資機材等
品名
数量
単位
備考
放射線
汚染防護服
2,100
着
300 名×7日
管理用
資機材
全面マスク
1,200
個
300 名×4日※
マスク用チャコールフィルタ
2,100
組
300 名×1組(2個)×7日
300
台
300 名
GM汚染サーベイメータ
10
台
予備含む
電離箱サーベイメータ
10
台
予備含む
可搬式エリアモニタ
2
台
予備含む
発電所周辺地図
1
式
-
発電所周辺人口関連データ
1
式
-
主要系統模式図
1
式
-
系統図及びプラント配置図
1
式
-
酸素濃度計
2
台
予備含む
二酸化炭素濃度計
2
台
予備含む
食糧
6,300
食
300 名×3食×7日
飲料水
3,150
L
300 名×1.5L×7日
個人線量計
資料
計器
食糧等
※5日以降は除染で対応
緊急時対策所1階
第 2.10 図
緊急時対策所2階
緊急時対策所3階
配備する資機材等の保管場所
19
2.11
エリアモニタリング設備について
緊急時対策所には緊急時対策所放射線モニタ(常設)を設置し,緊急時対策
本部の線量率を監視,測定する。
また,緊急時対策本部以外は,必要により放射線管理要員が電離箱サーベイ
メータにより線量率を測定する。
緊急時対策所放射線モニタの仕様を第 2.11 表,配置を第 2.11 図に示す。
第 2.11 表
名称
緊急時対策所
放射線モニタ
検出器の種類
仕様
計測範囲
取付箇所
-4
半導体検出器
10 ~1mSv/h
10-1~103mSv/h
緊急時対策所
緊急時対策本部
緊急時対策所2階
第 2.11 図
緊急時対策所放射線モニタの配置図
20
個数
1
1
2.12
事故時に必要な要員について
プルーム通過中においても,重大事故等に対処するために緊急時対策所にと
どまる必要のある要員は,交代要員及び1号炉対応要員を考慮して,第 2.12‐
1,2 図及び第 2.12 表に示すとおり,重大事故等に対処するために必要な指示
を行う要員 46 名と,原子炉格納容器の破損等による発電所外への放射性物質の
拡散を抑制するために必要な要員 29 名の合計の 75 名と想定する。
なお,この要員数を目安として,本部長が緊急時対策所にとどまる要員を判
断する。
21
22
第 2.12‐1 図
緊急時対策所
必要要員の考え方
23
第 2.12‐2 図
緊急時対策所
事故発生からプルーム通過後までの要員の動き
第 2.12 表 重大事故発生時の各体制における緊急時対策所の収容人数
状況
(最低必要人数)
運転員(当直)
緊急時対策
① 事象発生
本部要員
⑤
プルーム
通過後
制御室
9
-
5
5
現場
9
-
-
-
27
合計
38
-
-
放射線管理班
3
1
-
2
運転員(当直)
9
-
9
-
5
5
-
-
本部要員
プルーム
④ 通過直前及び
通過時
対策所
21
② (緊急時対策
本部設置)
8時間後
中央
21
緊急時対策
非常招集から
緊急時
復旧班
警戒体制
③
発電所構内
要員数
6
38
復旧班
21
-
-
21
放射線管理班
3
1
-
2
運転員(当直)
9
-
9
-
緊急時対策
本部要員
46
46
-
-
復旧班
39
-
-
39
放射線管理班
9
1
-
8
運転員(当直)
9
9
-
-
緊急時対策
本部要員
46
46
-
-
復旧班
16
16
-
-
放射線管理班
4
4
-
-
運転員(当直)
9
-
9
-
緊急時対策
本部要員
46
46
-
-
復旧班
16
8
-
8
放射線管理班
4
2
-
2
47
103
75
75
56
75
(注)人数については,今後訓練等を踏まえた検討により変更となる可能性あり。
24