夏休み課題図書 30116004 伊東祐二 ・超巨大地震に迫る-日本列島で何が起きているのか 大木聖子・纐纈一樹 著 ・地球は火山がつくった-地球科学入門 鎌田浩毅 著 超巨大地震に迫る-日本列島で何が起きているの か 序章 ドキュメント3・11 1章 超巨大地震はどのように起きたのか 2章 巨大津波はどのように発生したのか 3章 引き起こされた様々な現象 4章 地震の科学の限界、そしてこれから 5章 防災-正しく恐れる 終章 シミュレーション西日本大震災 序章 ドキュメント 3・11 ・3月11日14時46分、地震研では 東京都にある東京大学地震研究所でも、1分以上 も強い揺れが続いた。 筆者「ただの宮城県沖地震じゃない!」 地震の揺れは、約6分間かけて日本列島全域に伝 播し、宮城県で震度7、東京で震度5弱、北海道南 部で震度4、大阪で震度3、九州南部でも震度1を 記録した。 さらに、津波により被害が拡大し、死者と行方不明 者の合計は、日本の津波災害史上最悪のものに。 1章 のか 超巨大地震はどのように起きた 地震の原因 江戸時代の日本では・・・鯰 古代ギリシア時代から、地下の火山爆発、石炭・石油・ 硫黄などの可燃性物質の爆発的燃焼、地下空洞の陥落、 熱せられた地下水の蒸気圧による岩石の破壊、マグマの 急激な運動などの様々な説。 20世紀頃に原因が解明 岩盤に蓄積されたひずみを解消する ために断層運動が起こる。 (弾性反発説) 地震とは断層運動のこと。 プレート境界で起きる地震 地球の表面は、数十枚の硬い岩盤(プレート)で くまなく覆われている。 プレートは、それぞれが様々な方向へ動いている。 プレート同士の境界では、2つのプレートが別々 の方向へ押し合ったりすれ違ったりする力が働く。 ひずみがたまっていき、ひずみがある限界を超え ると岩盤はプレートに沿って急激にずれ動く。(地 震の発生) 「プレート境界地震」 マグニチュード・・・地震が発するエネルギーの大き さを表す 気象庁マグニチュード 気象庁の発表するマグニチュード。マグニチュードの値 が8に近づくと頭打ちになることが知られている。 ローカルマグニチュード 1930年代半ばに、リヒターが震源から100㎞地点 におかれたウッドアンダーソン式地震計で記録された最 大振幅の桁数の常用対数をとったもの。 東北地方太平洋沖地震のマグニチュードが、7.9、8. 4、8.8、9.0と変化したのは、気象庁マグニ チュードが頭打ちになり、モーメントマグニチュードで 計算しなおしたため。 2章 巨大津波はどのように発生したのか 津波発生のメカニズム 地震によって海洋プレートと大陸 プレートがずれ動く。 海底地殻変動によって海水が押し 上げられ、海面が高くなる。 隆起した海水面は重力によって、 周囲の高さと同じになろうとして崩 れる。 巨大津波の威力と被害 50cmの津波・・・人が立っていることができない 1mの津波・・・木造家屋が部分的に破壊 2mの津波・・・木造家屋の全面破壊 3mの津波・・・歩行者用信号機を超える高さの水の壁が奥 行数㎞ から数百㎞にわたって押し寄せる。(大 津波警報) 宮古市の田老地区では、「万里の長城」と誇られてきた防 波堤が遡上高25mを超える津波に乗り越えられ、甚大な被 害をもたらした。 3章 引き起こされた様々な現 象 1.日本列島の地殻変動 東北地方太平洋沖地震によって、東北地方北部は南東方向に、 東北地方南部から中部・関東地方は東方向に変位した。変位量 は太平洋側で数m、日本海側で1m程度。観測された最大変位 は宮城県石巻市の約5.3mである。また、上下方向の変位で は、東北から関東の太平洋側の広い地域で数十cm沈降した。 2.余震と誘発地震 東北地方太平洋沖地震の発生から約20分後に岩手県沖でM 7.4、30分後に茨城県沖でM7.7、40分後に日本海溝 の東側でM7.5の地震が立て続けに発生。その後にも長野県 北部でM6.7、静岡県東部でM6.4など、1カ月間にM7 クラスの地震が多く発生した。 3.活発化した火山活動 東北地方太平洋沖地震発生後、浅間山や富士山、箱根山、伊 豆大島、阿蘇山など北海道から九州までの20の火山の活動が 活発化した。 5章 防災-正しく恐 れる 自分の命を守るためには、防災教育が必要 地震防災教育において意識すること 1.なぜ地震が発生するのか、なぜ地震の発生は被害を生むのか、と いう因果関係を説くこと。 2.瞬間的に判断できるように訓練を積むこと。 ・防災教育が活きた事例 1.岩手県釜石市の小中学校 小学生1927人、中学生999人が通学していたが、適切な対応 行動をとったことで学校の管理下にあった生徒・児童には犠牲者が1 人も出なかった。 2.緊急地震速報を活用した避難訓練 東京都板橋区高島第一小学校では、緊急地震速報を使った避難訓練 を学校生活のさまざまな場面で行って児童や教師の瞬時の判断力を養 い、東北地方太平洋沖地震が起きた時も、冷静に行動した。 終章 シミュレーション西日本大 震災 西日本では、南海地震、東南海地震、想定東海地震の3つの 巨大地震が想定されている。 西日本大震災の被害想定 高知・徳島・和歌山・三重・愛知・静岡の6県では、震度6 強以上が観測される地域が存在。震度5強のエリアは、大阪、 香川、徳島のほぼ全域、兵庫、岡山の瀬戸内海沿岸部。建物の 全壊被害は約30万8000棟と見積もられている。人的被害 は5700名の見積もり。 高知・徳島・和歌山・三重・愛知・静岡の6県の沿岸部では 5m以上の津波が予測されている。津波の被害想定は、全壊家 屋数4万2000棟、人的被害2300~4300名。ただし、 堤防が機能しなかったり、住民の避難意識が低かったりすると、 被害者の数は増加する。 各自が地震が起きたとき、的確に避難行動をとれるように 地球は火山がつくった-地球科学入門 Ⅰ火山弾に追いかけられる! Ⅱ噴火の仕組み Ⅲ噴火のさまざまなすがた Ⅳ火山がつくってきた動く大地 Ⅴ新しい地球の見方-プルーム・テクトニクス Ⅱ噴火の仕組み 火山には、地下深くに「マグマだまり」がある。 (a)マグマだまりに圧力が加わり、マグマ が絞り出されて噴火する。 (b)マグマだまりの下から別のマグマが 供給されて上へ出て噴火する。 (c)マグマだまりの中で、マグマに溶けて いる水が泡立つことによりマグマがあふれ 出して噴火する。 高温のマグマが泡立ちを起こす マグマだまりの下から、新たに高温の マグマが入って、噴火が始まるモデル。 (a)熱いマグマが、マグマだまりの下から 入ってくる。 (b)マグマだまりの中がかき回されて、対 流がおこる。 (c)マグマだまりの中で、マグマに溶けて いる水が泡立ち、噴火が始まる。 地震が泡立ちを起こす マグマだまりがゆすられて、噴火が 始まるモデル (a)地震でマグマだまりがゆすられて、 割れ目ができる。 (b)マグマだまりの圧力が下がり、マグ マに溶けている水が泡立ち始める。 (c)泡がマグマを押し上げ、噴火が始まる。 結晶が泡立ちを起こす 結晶ができることにより噴火が始まる モデル (a)マグマだまりに結晶ができはじめる (b)結晶がマグマだまりの下の方に沈 み、溶岩に溶けている水が泡立ち始 める。 (c)泡がマグマを押し上げ噴火が始まる。 Ⅲ噴火のさまざまなすがた 江戸時代の浅間山の噴火・・・めまぐるしく変化する3つの事象が 起きた (1)5月9日から始まった噴火は、8月2日に急にはげしくなり、舞い 上がった軽石が空から大量に降ってきた。 (2)次の日には、高温の軽石と火山灰が高速で流れくだり、浅間山のふ もとの野原を焼き尽くしてしまった。 (3)その後、溶岩がゆっくりと流れだし、溶岩は数十メートルもの厚さ になり、噴火はおわりに近づいていった。 (1)マグマが地下から勢いよく吹き出し、その噴出力で軽石や火山灰が 空高く放り上げられる。さらに、高温の軽石や火山灰は、周りの空気 を暖め上昇していく。 (2)火砕流と呼ばれる現象。火口から噴き出してすぐの軽石や火山灰や 火山ガスはいずれも高温のままで、火口からあふれ出す。 (3)溶岩流と呼ばれる現象。マグマが液体のまま流れ出たもので、火砕 流と比べるとスピードはずっと遅い。マグマが冷えて固まり、厚さ数 十メートルの溶岩ができる。 Ⅴ新しい地球の見方-プルーム・テクトニク ス プルーム・テクトニクス-超巨大な火山活動を説明するための考え 方 プルームとは、マントル物質からなる巨大なかたまりが、ゆっくりと 立ち上ったもので、英語で「もくもくと上がる煙」という意味。 プルームはマントルの下部から上がってきたと考えられており、プ レート運動にかかわるマントルの上部だけでなく、マントル全体の動 きが関係している。 プルーム・テクトニクスの考え方は、それまで地球表面の動きしか見 ていなかった地球科学を大きく変えた。 地表のプレート運動に地下深部のプルーム運動が加わることによって、 初めて地球の持続的な動きが理解できるようになった。 プルーム・テクトニクスの研究は始まったばかりである。様々 な仮説を立てそれを検証していき、その過程でまた新たな発見 がある。このような未知の問題を解き明かすのは、読者である 若い皆さんである。
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