主題「子どもの良さや可能性を伸ばす特別活動」 ~学校の特色を生かし

主題「子どもの良さや可能性を伸ばす特別活動」
~学校の特色を生かした児童会活動~
邑楽町立中野小学校
千木良
昌計
1
はじめに
本校は、全校児童数454名、学級数19学級(普通学級17・特別支援学級2)の学
校である。
特 別 活 動 は 、「 児 童 会 活 動 」 や 「 縦 割 り 活 動 」 を 重 視 し た 活 動 が 多 く 計 画 さ れ て お り 、
異 学 年 交 流 を 多 く 取 り 入 れ て い る の が 本 校 の 特 徴 で あ る 。「 運 動 会 」「 全 校 縦 割 り 遠 足 」 を
縦割り活動のメイン行事とし、朝の活動・異学年との交流活動など、様々な場面で6年生
を中心とした活動が行われている。
児童の実態としては、活発で素直な児童が多く、意欲的に活動に取り組む姿が多く見ら
れる。しかし、自主的に何かに取り組もうとする姿勢はあまり見られず、例年の活動内容
をそのまま児童に行わせている活動が多い。また、あいさつや校内のきまりなどが徹底し
ておらず、全校の児童が意識して行動しているとは言い難い。
そ こ で 、こ の 現 状 を 変 え る べ く 、改 善 策 と し て 児 童 会 活 動 の 充 実 が 必 要 で あ る と 考 え た 。
すなわち、自主的・実践的な活動に取り組み、社会性・自己有用感を育む取組を行うこと
とした。
そこで、本校では児童会活動の充実に向けて主に以下2つの点について検討し、取り組
んでいる。
①委員会活動について
本 校 の 委 員 会 活 動 の 現 状 か ら 、「 こ ん な 委 員 会 が 必 要 な の で は な い か 。」「 委 員 会 に よ
っ て 、 仕 事 に 偏 り が あ る の で は な い か 。」「 や ら さ れ て い る 仕 事 が 多 い の で な い か 。」 と
い っ た こ と が 課 題 と な っ て い た 。 そ こ で 、「 委 員 会 活 動 の 改 善 」「 委 員 会 活 動 の 内 容 の 見
直 し と 分 担 」「 目 的 意 識 を 持 た せ 、 児 童 の 思 い や ア イ デ ア を 生 か す 指 導 」 の 3 点 が 必 要
であると考えた。
②学校の実態・特色に応じた活動について
学 校 の 実 態 や 特 色 か ら 、「 今 ま で 行 っ て き た 取 組 を 精 選 し た り 、 よ り よ い も の に し て
い く べ き で は な い か 。」「 子 ど も た ち の 力 で 学 校 を よ り よ い も の に し て い く べ き で は な い
か 。」 と い っ た こ と が 課 題 と な っ て い た 。 そ こ で 、「 活 動 内 容 の 改 善 」「 楽 し く 豊 か な 学
校生活をつくりたいという課題意識の育成」の2点が必要であると考えた。
これらのことを踏まえ、ここでは、一部ではあるが、本校の主な実践を6つ紹介する。
2 実践の概要
(1 )児 童 集 会
今年から集会委員会を新設し、様々な集会を企画・運営さ
せることにした。他の委員会や学年に集会を任せるときもあ
るが、基本的には集会委員会が児童集会を担当している。集
会 委 員 会 で は 、「 み ん な に い い 感 想 を 持 っ て も ら え る よ う な
集会をつくろう」というめあてを持ち、日々の活動に励んで
いる。集会までの基本的な流れは、話し合いの時間、集会の
準備や会場の飾り付け、本番の集会といった流れで行ってい
る。
この一連の流れの中で一番大切にしているのは、目的意識
を持たせ、児童の思いやアイデアを生かすことである。こち
らがあれこれ口を出し、考えを押しつけるのではなく、子ど
もたちの力で児童集会を作り上げるようにしている。
【1年生を迎える会】
〈主な集会内容〉
①1年生を迎える会
集会委員会が主体となって、各学年の歓迎の言葉・プレゼントの贈呈・中野小クイズ・
合唱などをし、1年生を歓迎した。
② 各 委 員 会 の 発 表 (給 食 委 員 会 の 発 表 ・ 図 書 委 員 会 の 発 表 ・ 保 健 委 員 会 の 発 表 )
給食委員会では、劇を行い、栄養素について説明をして毎日
の食事の大切さを呼びかけた。図書委員会では、校内読書週間
に合わせて、劇をして読書の啓発を行った。保健委員会では、
劇を行い、風邪やインフルエンザの予防を呼びかけた。
③七夕集会・豆まき集会
七夕集会と豆まき集会は、毎年交互に行っている。日本の
伝統行事の意味や由来を知り、願い事を書いたり、豆まき(鬼
退治)を行ったりすることにより、伝統文化を大切にしよう
とする心を育てている。
【七夕集会】
-1-
④音楽集会
音楽集会では、3年生から6年生までの児童が合唱や合奏の発表をしたり、マーチング
クラブの児童が発表をしたりしている。また、各学年の発表の後には、全校で合唱をし、
音楽の楽しさを味わわせている。
⑤冬休みの過ごし方
集 会 委 員 会 で 企 画 ・ 運 営 を し た 。「 ダ ラ ダ ラ 過 ご さ ず 、 し っ か り 宿 題 を し よ う 」「 不 審 者
に 気 を 付 け よ う 」「 お 金 の 無 駄 遣 い を し な い よ う に し よ う 」 と い っ た 内 容 を 劇 や ク イ ズ に
にして児童に呼びかけをした。
⑥なわとび集会
体育委員会や長縄大会出場者が主体となって、華麗な技や難
易度の高い技を披露し、縄跳びの魅力や体力づくりの大切さを
伝えている。また、各学年の代表者に、全校の前で演技や勝負
をさせ、縄跳びに対する意欲を持たせるようにしている。
(2 )エ コ キ ャ ッ プ 回 収 活 動
エコキャップ回収の目的やエコキャップの役立て方などを児
童集会と配布物・ポスターで呼びかけ、回収についての説明を
行った。回収ボックスを校内4箇所に設置し、エコキャップを
常 時 回 収 し て い る 。 JRC 委 員 会 が 、 回 収 ボ ッ ク ス の 点 検 ・ キ ャ
ッ プ の シ ール は がし ・ 業者 に搬 送 ・エ コ キャ ップ 寄 贈の 報 告会 【エコキャップ寄贈の報告会】
を行った。
(3 )や ま び こ (あ い さ つ 一 声 )運 動
や ま び こ (あ い さ つ 一 声 )運 動 で は 、 毎 月 1 6 日 に 委 員 会 ご と に 当 番 を 決 め 、 地 域 の 方 や
P T A の 方 と 一 緒 に 校 門 や 昇 降 口 に 立 ち 、 あ い さ つ 運 動 を 行 っ て い る 。「 明 る く 元 気 に あ
いさつをしよう」といった内容の啓発用のポスターや横断幕を作り、あいさつ運動に励ん
でいる。
(4 ) ろ う か 歩 こ う 運 動
代表委員会の提案で「ろうか歩こう運動」として、校舎内での呼びかけやポスターづく
り を 行 っ た 。 校 舎 内 で の 呼 び か け で は 、 校 舎 内 5 カ 所 の 廊 下 に 立 ち 、「 ろ う か 歩 こ う 運 動 」
と い う 襷 を 掛 け 、「 ろ う か は 歩 こ う 」 な ど と 書 か れ た プ ラ カ ー ド を 持 っ て 活 動 を し て い る 。
(5 ) い じ め 対 策 推 進 事 業 に 関 す る 取 組
本校では、主に児童会本部と代表委員会の児童が主体となって活動している。
〈1学期〉
まず始めに、代表委員会が「ぐんまの小・中・高生23万人アンケート」の結果を分析
し 、 い じ め の な い 学 校 を つ く る た め に 「 自 分 た ち に で き る こ と 」 を 話 し 合 っ た 。「 問 題 が
起 き て も 友 達 に 相 談 で き な い 」「 友 達 ど う し 相 談 で き る 関 係 が で き て い な い 」 と い う 分 析
か ら 、「 仲 間 を 信 じ 、 輝 け 中 野 小 」 と い う 児 童 会 ス ロ ー ガ ン を 掲 げ 、 活 動 し て い く こ と に
した。次に、全校児童に、いじめをなくすために自分にできることを「いじめ0宣言」と
して紙に書いてもらうことにした。ただの紙に書くのではなく、中野小のシンボルのイチ
ョウの木の葉っぱの形をした紙に書き、それをイチョウの木の形をした台紙に貼って、ク
ラ ス ご と に 「 友 情 の 木 」 を 作 っ て も ら う よ う に お 願 い に 回 っ た 。 さ ら に 、「 み ん な が 仲 良
く な れ る よ う な 絆 が 深 ま る 集 会 を や っ て み た い 」 と い う 思 い か ら 、「 友 達 の 輪 を つ く ろ う
集会」を企画・運営した。この集会の内容としては、中野小の子の様子やアンケートの結
果から考え出された児童会スローガンの発表。各クラス代表
者の「いじめ0宣言」の発表。児童会長から友情の証である
「中野小 きずな認定証」の贈呈。友達を思いやる気持ちが
歌詞につまっている「いちょうの木のように」の全校合唱。
この歌は、中野小学校の第二の校歌と言われるくらいみんな
が大好きな歌である。そして、友達の輪を広げ、みんなが仲
良くなれる「なかよしじゃんけん列車」などが主な内容であ
る。集会後には、各クラスの「友情の木」を子どもたちが一
番通る廊下に掲示し、いつもみんなに見てもらえるようにし
た 。 さ ら に 、「 絆 チ ェ ッ ク カ ー ド 」 と し て 、 自 分 の い じ め 0 宣
言や普段の生活の振り返りを毎月行ってもらうことにした。 【友達の輪をつくろう集会】
〈2学期〉
12月の中野小人権週間に合わせ、代表委員会で活動内容について話し合いを行った。
話 し 合 い の 結 果 、「 ぐ ん ま の 小 ・ 中 ・ 高 生 2 3 万 人 ア ン ケ ー ト 」 の 実 施 、 人 権 週 間 用 の 「 絆
チェックカード」の実施、人権集会の実施をすることになった。人権集会では、人権作文
を発表してもらったり、学校生活に関する劇を行ったりした。劇の内容は、いじめ防止サ
-2-
ミットで提案された「いじめ防止宣言」に関する劇を行った。
(6 )縦 割 り 活 動
全校児童を4つの団に分けている。さらに1つの団を5班に分けて編成している。これ
を基本に運動会・持久走大会・全校縦割り遠足・団対抗綱引き大会などの行事を行う。
①縦割り遊び
学年の枠を越えてレクリエーションなどをすることにより、友達の輪を広げ、心の触
れ合いを図っている。また、高学年の児童に異学年交流の計画や運営をさせることによ
り、自分たちの力で作り出したり、やり遂げたりすることの素晴らしさを体験させてい
る。活動は、毎月第1金曜日の朝行事の時間に行っている。
②全校縦割り遠足
縦割り班ごとに、学校周辺の中野沼、ガバ沼、多々良沼
公園などを回り、班で協力して白鳥を観察しながらオリエ
ンテーリングを行う。事前に班長会議を開き、リーダーに
活動の意義を把握させる。当日は、午前9時に学校をスタ
ートし、班長を中心にしながら約10㎞のコースを歩く。
③ 縦 割 り 団 対 抗 行 事 (運 動 会 ・ 持 久 走 大 会 ・ 綱 引 き 大 会 )
縦割り団対抗行事として、9月に運動会、11月に持久
走大会、2月に綱引き大会を行っている。この3つの行事
を通して、団ごとの結束を強くしている。
【全校縦割り遠足】
3 まとめ
(1 )成 果
・代表委員会で話し合われたことが、実際の活動として全校へ広がっていったことで、
代表委員会の意義を代表委員会メンバーが自覚することができた。
・取り組む内容が明確だったため、全校児童が目的意識を持って活動に参加できた。特
に、エコキャップ回収の啓発をすることで、多くの回収をすることができた。
(2 )課 題
・学校の現状を考えた問題点の解決方法を児童主体で行うことが困難であった。そのた
めの働きかけやサポートの工夫が必要である。また、代表委員会で提案できるように
するための事前の投げかけや内容確認の時間を確保していく必要がある。さらに、活
動内容を振り返り、次の活動に生かすことも必要である。
・各委員会について、常時活動が中心になりがちであった。そのため、さらに児童の思
いを受け止め、自主的・実践的な活動に繋げる指導の工夫が必要である。また、全職
員が児童会活動の充実に向けて取り組んでいくことも必要である。
-3-