ゼッタイ。(中学生用テキスト)

=福岡県学校薬剤師会作成=
薬物乱用はダメ。ゼッタイ。(中学生用テキスト)
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(高校生用テキスト)
1.薬物乱用とは何ですか?
薬物乱用とは、
① 医薬品を医療の目的以外に不正に使用すること、
② シンナーや覚せい剤などの禁止薬物を不正に使用すること、
です。
2.正しい薬の使用法を知っていますか?
(1)年齢に応じて、1日に使う回数(用法)と1回に使う量(用量)がきちんと決められています。
(例) 次の量を、食後なるべく30分以内に、水またはお湯でかまずに服用すること。
年
齢
成人(15才以上)
8才以上15才未満
3才以上8才未満
1回量(用量)
4 錠
2 錠
1 錠
服用回数(用法)
1日3回
1日3回
1日3回
(2)必ず、薬の説明書(添付文書)を読んでから、服用しましょう。
食 前 ・・・ 食事前の30分以内
食 後 ・・・ 食後30分以内
食 間 ・・・ 前の食事から2∼3時間後(食事の途中ではありません)
就寝前 ・・・ 寝る30分から1時間前くらい
(3)薬はコップ1杯の水かぬるま湯で飲みましょう。
牛乳、お茶、コーヒー、ジュースなどと一緒に飲むと、薬の効果が弱くなったり、強くなったり、副作用が現れる
ことがあります。
3.乱用される薬物にはどんなものがありますか?
(1)シンナー
(2)覚せい剤
(4)コカイン
(5)大
麻
(3)MDMA
(6)マジックマッシュルーム
(警視庁ホームページより)
※薬物は色々な別名(隠語)で呼ばれていますが、すべて乱用薬物です。
覚せい剤・・・スピード、エス、シャブ
シンナー・・・アンパン、純トロ
大麻・・・チョコ、ハッパ、ハッシシュ
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4.薬物を乱用するとどうなりますか?
(文部科学省パンフレット「No!といえる勇気を持とう」より)
5.脱法ドラッグとは何ですか?
店頭やインターネットなどで、芳香剤、ビデオクリーナー、観賞用標本、試薬などと称して販売されている薬物のこ
とです。
“合法ドラッグ”とも呼ばれていますが、決して合法などではなく、法律をすり抜けているだけで、その成分は覚せい
剤や麻薬と非常によく似たものも多く、身体に有害でとても危険な薬物です。
マジックマッシュルームも、最初は脱法ドラッグとして乱用されて
いましたが、錯乱や中毒による死亡事故が相次いだため、2002年
から規制されています。
(厚生労働省ホームページより)
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6.福岡県の薬物乱用の状況は?
少年への薬物汚染が依然として深刻な状況です。
平成17年のシンナー等の乱用により検挙補導された少年は451人で、前年に比べ174人減少したものの、6年連
続で全国第1位となるなど依然として高水準にあります。
平成17年の覚せい剤の乱用により検挙補導された少年は37人で、前年に比べ4人増加し、全国第3位と、シンナ
ー同様高水準にあります。
(福岡県警察ホームページより)
= = = 薬物乱用Q&A = = =
<Q−1>
<A−1>
<Q−2>
<A−2>
<Q−3>
<A−3>
一度だけなら大丈夫だと聞きましたが、本当ですか?
絶対にそんなことはありません!
薬物は一度使っただけでも「乱用」になり、依存症になってしまう危険があります。
一度だけなら大丈夫、という軽い気持ちから後戻りできなくなり、一度でも死んでしまうことがあります。
また、法律でも禁止されていて、一度だけでも罰せられます。
ダイエットや勉強に良いと聞きましたが、本当ですか?
答えはNo!です。
覚せい剤を使用すると、一時的に食欲が低下したり、眠気が減少するすることがありますが、依存症に
なり、必ず健康を害します。
薬物はダイエットや勉強に良いということは絶対にありません。
薬を1回に2倍量飲んだら、早く良くなりますか?
薬は、1日に使う回数(用法)と1回に使う量(用量)がきちんと決められており、この決められた用法・
用量で、最も効果が現れるようになっています。
1回に2倍量飲んだ場合、早く良くなるどころか、副作用が現れることがありますので、薬は用法・用
量を正しく守って、服用しましょう。
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<Q−4>
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<Q−5>
<A−5>
<Q−6>
<A−6>
<Q−7>
<A−7>
<Q−8>
<A−8>
薬を決められた時間に飲み忘れたら、どうすればいいですか?
飲み忘れたからといって、2回分の量を1度に飲んではいけません。
飲み忘れた場合は、保護者や医師、薬剤師に相談しましょう。
親が病院でもらった(薬局で調剤してもらった)薬を、飲んでもいいですか?
病院でもらったり、薬局で調剤してもらった薬(医療用医薬品)は、お医者さんがその患者さんの症状
や状態に合わせて処方した専用の薬です。
症状や体調は人によって違うので、親が病院でもらった薬は、飲んではいけません。
また、自分が病院でもらった薬も、他人にあげてもいけません。
脱法ドラッグは他の薬物より危険性が少ない聞きましたが、本当ですか?
脱法ドラッグ=危険性が少ない、というのは大きな間違いです。
”脱法ドラッグ”や”合法ドラッグ”という言葉に加え、覚せい剤や麻薬に比べて”危険”、”怖い”という
イメージが希薄なこともあり、軽い気持ちで安易に使用されています。
脱法ドラッグは、覚せい剤や麻薬の化学構造の一部を変えたものが多く、巧みに法規制を逃れてい
ますが、他の薬物と同様に身体に有害で非常に危険な薬物です。
実際に脱法ドラッグを使用して、意識不明となり死亡した事件や、幻覚により自殺や殺人を起こした
事件も発生しています。
薬物を勧められたら、どうすればいいですか?
きっぱり『いやだ!』と断りましょう!
「友達がやっているから」、「友達に嫌われるから」と思っても、はっきり勇気を持って「薬物はNo!」と
断りましょう。
友達からどんなに誘われても、自分の体、自分の一生を大切にしましょう。
日頃から、危険な場所には近づかない、危険を感じたらすぐに逃げることが大切です。
少しでも危険を感じたら「きっぱり断る勇気」、「すぐに逃げる勇気」を持ちましょう。
薬物のことで、困ったり、助けて欲しいときは、どうすればいいですか?
学校の担任や保健室の先生、保護者、警察や保健所などに相談しましょう。
薬物を使用している友達のことや、薬物を勧められた場合には、一人で悩まず、きちんと助けを求める
ことが大切です。
薬物乱用防止や正しい薬の使い方について、もっと知りたいときは下記のホームページへ・・・
◆ 福岡県学校薬剤師会
http://www.fk-gakuyaku.jp/
◆ 麻薬・覚せい剤乱用防止センター http://www.dapc.or.jp/
◆ 日本学校保健会
http://www.hokenkai.or.jp/
◆ 日本製薬工業協会
http://www.jpma.or.jp/junior/index.html
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