1 選挙の基本原則 [PDFファイル/351KB]

1 選挙の基本原則
選挙の基本原則ってなに?
選挙が公正に行われるよう、憲法には選挙に関する基本原則が次のように定められています。
(1)普通選挙
普通選挙とは、財産や納税額、性別などによって選挙権に差別を設けない制度をいいま
す。一定の年齢に達すると、すべての国民に選挙権が与えられます。
憲法第15条第3項は「公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
」
と規定しています。
(2)平等選挙
平等選挙とは、一人ひとりの選挙権の内容を平等にすることをいいます。性別や社会的
身分などで差別されることなく、平等に一人一票の選挙権があります。
憲法第14条第1項は「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社
会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」と規
定しています。
(3)秘密投票
秘密投票とは、誰がどの候補者や政党に投票したかわからないように、有権者の投票の
自由を担保するものです。
憲法第15条第4項は「すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。
選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問われない。
」と規定しています。
(4)自由選挙
自由選挙とは、誰にも干渉されず、自分の判断で自由に投票できることをいいます。
憲法第21条第1項は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを
保障する。
」と規定しています。
(5)直接選挙
直接選挙とは、有権者が自分たちの代表を直接選ぶ選挙のことをいいます。
憲法第93条第2項は「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の
吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
」と規定しています。
“有権者”
になるということは…
私たちの生活は、道路や公園の整備、福祉、教育、医療など、すべて政治と深く関わっ
ています。また、私たちは、誰もが安心して、楽しく生活をしたいと考えています。その
思いを実らせるためには、異なる考え方に基づく様々な意見を調整し、まとめる必要があ
ります。
そこで、現在は、私たちが選挙で選んだ代表者によって政治が進められています。
選挙とは、このような政治に参加する手段の一つであり、間接民主制をとる現在の政治
の仕組みでは最も重要な手段です。
有権者となるということは、選挙等を通じてこのような政治の過程に参加
する権利を得ると同時に、政治の働きを通して世の中をより良くしていく責
任を負うことでもあります。