地域政策論 第2回 総論 第1講 地方政府とは 総論 第1講 地方政府とは • 1.政府の根拠 社会契約説 2.地方自治の意義 3.日本の地方自治 4.地方自治の歴史 5.世界の地方自治 6.地方政府の仕組み 社会契約説 • T.ホッブズ 1588~1679 『リヴァイアサン』 J.ロック 1632~1704 『市民政府論』 J.J.ルソー 1712~1778 『社会契約論』 「地方自治は民主主義の学校である」 • A.トクビル 「アメリカのデモクラシー」 1835 • J.ブライス 「近代民主主義」 1921 • 日本国憲法 (昭和二十一年十一月三日憲法) 第八章 地方自治 第九十二条 地方公共団体の組織及び運営 に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、 法律でこれを定める。 地方自治の本旨 住民自治 その地方の住民の意思と責任に基づいて 地方行政を処理する原則 団体自治 国から独立した一定の地域の団体が、 その権限と責任で地域の行政を処理する原則 補完性の原則 なるべく身近な場で問題解決を図る原則 • 第九十三条 地方公共団体には、法律の定 めるところにより、その議事機関として議会を 設置する。 2 地方公共団体の長、その議会の議員及 び法律の定めるその他の吏員は、その地方 公共団体の住民が、直接これを選挙する。 第九十四条 地方公共団体は、その財産を 管理し、事務を処理し、及び行政を執行する 権能を有し、法律の範囲内で条例を制定する ことができる。 住民自治の制度 • (1)住民の直接選挙による首長と議会の議 員の選出(二元代表制) • (2)議会の設置と町村総会による代行 • (3)直接請求制度 • (4)情報公開と監査制度 • (5)住民投票制度 団体自治の制度 • • • • • • (1) 事務配分の原則 (2) 自主立法権 (3) 自主行財政権 (4)組織編成権 (5) 地方政府の国政参与 (6) 国と地方の係争処理 • 第九十五条 一の地方公共団体のみに適用 される特別法は、法律の定めるところにより、 その地方公共団体の住民の投票においてそ の過半数の同意を得なければ、国会は、これ を制定することができない 地方自治の歴史概観 ○戦後改革 英米型 • • • • • 公選知事 直接民主制度 市町村長公選 警察、教育の地方移管 国税地方税分離 ○逆コース • • • • • サンフランシスコ講和条約1951 東京都特別区長公選制廃止1952 自治体警察廃止→都道府県警察1954 教育委員会公選制廃止1956 地方交付税制度1954 ← 地方財政平衡交付金 • 能率 → 昭和の大合併 新制中学校 8000人程度 ○地域開発 • 所得倍増計画1960 • • 全国総合開発 新産業都市 • 省庁出先機関の整備、各種公団設立 ○革新自治体 • 抵抗 • 先導 環境政策 福祉医療政策 • 革新 シビルミニマム ○実務型知事時代 • 官僚出身知事 • 公共事業の積極展開 プラザ合意1985 ○地方分権へ • 無党派・改革派知事 • 地方制度改革 三位一体改革 行財政改革 NPM、PPP 第2期分権改革 • 地方分権改革推進委員会 2007 • 第1次勧告(080528) ①重点行政分野の抜本的な見直し ②都道府県から市町村への権限移譲 ③国庫補助取得財産の処分制限の見直し • ・第2次勧告(081208) ①国の出先機関の見直し ②義務付け、枠付けの見直し ・第3次勧告(091007) ①義務付け、枠付けの見直しの具体的な措置 ②国と地方の協議の場の法制化 ・第4次勧告 ①地方財政権の強化 地域主権戦略会議 • 2009年11月17日付閣議決定に基づき内閣府 に設置 地方主権推進一括法2011 • 新たな地方財源秩序の構築 • 法令による義務付け・枠付けの縮減、法令へ の条例上書き権 • 事務事業と権限の移譲 • 地方自治制度の再編成 • 地域の自主性及び自立性を高めるための改 革の推進を図るための関係法律の整備に関 する法律 5.世界の地方自治 • 地方自治 統一された主権国家の成立で概念化・制度化 ◎英米型・・分権分離型 • 行動活動量は少ないが自律性は高い アメリカ(271百万人) 合衆国 州(50) 市(シティ) /町(バラー・タウン) /村(ビレッジ) 町村は地域で法人化 (チャーター)。 州の下部機構(カウンティ) がサービス補完。 約1億人が自治体 のない地域に住 む。 自治体の半数が 人口1000人以下 イギリス(59百万人) 。 連合王国(United Kingdom)(4) (パリッシュ) 県(カウンティ) 数十人-1,2万人 市(ディストリクト) 200-1,000人が中心 (自然にできあがっ 大都市圏を除く地方圏に た村落) パリッシュ(Parish,Town Council,Community Council などと呼ばれる)。 大都市圏では区(バラー)が県と 市を兼ねる。 県と市の統合自治体も生まれ ている。 ◎ヨーロッパ大陸型・・集権融合型 • 行動活動量は多いが自律性は低い ドイツ (82百万人) 連邦 州(16) 郡(323)/特別市(117) 市町村(13,854) (市町村) -200 1,018 -500 2,680 -1,000 2,529 -2,000 2,307 -3,000 1,202 -5,000 1,295 -1万 1,288 地方自治制度は州が制定。 -2万 853 およそ3千人以下の自治体 -5万 493 では、 -10万 106 小連合(行政共同体)を形成。 20万- 83 フランス (590百万人) (海外領土220万人) 。 国 州(re´gion)(26) 県(de´partement) 市町村(commune)(35,565) 多様な広域行政組織制度を 設定。 (コミューン) 約9割が2,000人未満 30万人以上は5市 • 日本(明治維新以降) プロイセンの制度 • 戦後、アメリカの制度で改革 Mini-Report • 講義の内容を踏まえつつ、 「地方分権」の必要性を あなたなりに説明してください。
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