Title 最近開発された新しい酸化反応および試薬 Author(s) 染井, 正徳

Title
最近開発された新しい酸化反応および試薬
Author(s)
染井, 正徳
Citation
ファルマシア = FURUMASHIA, 16(11): 1109-1116
Issue Date
1980
Type
Journal Article
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/2297/43962
Right
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http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/
する中間体18を経る反応識携が提出されている.
J. Buddrusら(1980)はiodine tris. t( rifluoracetate ),
I (OCOCFs)sを 用いてアルヶγをaーグリコ ー ルのピス
トリフルオロ酢酸エステルへ 酸化 する事に成功してい
る.
化されるという 反応選奴性 を示す事がわかっ た. この
際, 酸化剤 20 は還元されてfluoroiodinane 21 となる.
.
なお生成物であるアルデヒド がカルボγ酸に酸化きれな
いという利点がある.この酸化の反応掛携は図 9 の如く
考えられている.
J. C. Martin ら(1979) は, 化合物19をCFaOFと
。
-20 で処理すると,安定なperiodinane 化合物20が生
成する事を見出した.この20は, T. E. Stevens (1959)
IV. おわりに
紙面の都合により,主として1978年,1979年に報告さ
れた酸化剤 のうちから, 少数を選び簡単な説明を加え
によりアミγをエトリノレへ酸化する試薬として開発され
た.これらの詳細については,文献〈文中に著者と発表
たiodine pentafluoride (IF
5) と比較して,分子内で5
年を記裁〉を参照していただければ幸いである.
員環を形成している事, トリフルオロメチル基がgem­
なお電極酸化,有機化合物による酸化,オゾン酸化,
ジアノレキノレ置換基として存在するとし、う安定化因子が存
一重項酸素による酸化,金属化合物の酸化的付加反応な
在するために加水分解にも耐え,空気中でも取り扱え,
ど興味ある反応が報告されているがすべて省略した.
室温下短時間でアミン,アルコ ー ル類をアルデヒド叉は
金属イオγを中心とした配位化学と,それに起因する
ケトンに酸化する酸化剤となる事がわかった. 20の構造
立体選択性,位置選択性,反応選択性の謎は依然として
から推測されるように,酸化は基質の立体障害作用を受
残されている興味深い 分野 である.特に新 しい 酸化反
けて,1級アミン叉はアルコ ー ルは2級のそれよりも速
応, 還元反応などを開拓せんとするムキの方々にとって
やかに酸化される.叉アミγがアルコ ー ルよりも速く酸
無機化学は無尽蔵の宝庫であるといえよう.
·.
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v。1.
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