記 者 発 表 資 料 平成 28 年1月 12 日 (公財)横浜市緑の協会 金 沢 動 物 園 金沢動物園のコアラ「テル」の袋(育児のう)の中で 育っていた赤ちゃんが死亡しました 金沢動物園のコアラ(メス、7才、愛称:テル)が平成 27 年8月9日(日)に出産し、袋(育 児のう)の中で成育中だった赤ちゃんが、平成 28 年1月7日(木)午前3時頃に死亡しました のでお知らせします。 なお、赤ちゃんの誕生は、母親「テル」の袋から体を出す2月中旬に公表する予定でした。 1 死亡したコアラについて (1) 性 別 オス (2) 生年月日 平成 27 年8月9日(日) (5か月齢) (3) 死亡日時 平成 28 年1月7日(水) 午前3時頃 (4) 飼育期間 151 日 (5) 死亡時体重 103 グラム ▲人工哺育の様子(母親の袋に見たてた袋を使用) 経緯 平成 28 年1月5日(火)に母親「テル」がリンパ腫(※)を発症し体調を崩したため、展示 を見合わせ、「テル」の治療を開始しました。その後、赤ちゃんの動きが鈍くなってきたため、 同日夕方から人工哺育とし、飼育係員が 24 時間体制で哺乳を行う等、できる限りの注意を払っ ていましたが、7日(木)午前3時頃に死亡を確認しました。 この赤ちゃんは5か月齢のコアラの標準体重の半分程度しかなく、成長の過程でも発育不良で あったと推察されます。また、解剖では病変が見られなかったことから、母親の体調不良による 採乳不良や人工哺育による大きな環境変化に対応できず衰弱した結果、死亡したものと考えます。 2 3 母親「テル」の現状について 現在、採食が確認できており、必要な処置を施しながら注意深く経過観察しています。 ※リンパ腫について リンパ腫は、リンパ系細胞の腫瘍で、リンパ球の異常増殖が認められる。 近年の研究で、コアラのリンパ腫では、レトロウイルスというウイルスが発症に関連していると 考えられている。野生個体においても、ほとんどのコアラがウイルスを保有しており、日和見(ひ よりみ)的に発症する。 金沢動物園 指定管理者:(公財)横浜市緑の協会 お問合せ先 金沢動物園 園長 原 久美子 ℡045-783-9400 【参考資料】 1 コアラについて 和 名 学 名 英 名 分 類 コアラ Phascolarctos cinereus Koala 双前歯目(有袋目)コアラ科 オーストラリア大陸東部(クィーンズランド州南東部からニューサウスウェー 分 布 ルズ州東部、ビクトリア州から南オーストラリア州南東部に分布)。標高 600 m以下のユーカリ林に生息。 生 態 食性は特異的で、数十種類のユーカリに限られる。繁殖期を除き、樹上で単独 生活をする。 当園のコアラは、分布域が北方系のもの。小型で、体長 65cm、体重約 7 ㎏。体 毛は灰色から灰白色。(分布域の南部のものは大型で、体長は約 80cm、体重約 形 態 15 ㎏にもなる。)あご・胸・四肢の内側は白色、鼻鏡(びきょう:鼻先の毛の ない部分)は大きくて裸出する。メスには、後方に開放する育児嚢(いくじの う:お腹にある袋)がある。 野生での状況 国内飼育頭数 当園の飼育頭数 生まれた子の 両親 40~50 万頭とされているが詳細は不明。保護団体によっては数万頭という報告 もあるが、数十万頭の存在は確実とされる。 8園館 47 頭(内訳 オス 16 頭、メス 25 頭、不明 6 頭) (平成 26 年 12 月末時点) 5頭 オス1頭 メス4頭 (平成 28 年 1 月 1 日時点) (父親)愛称:ユウキ 2010 年 (母親)愛称:テル 2008 年 11 月 20 日誕生(7才) テルの出産実績 3産目 当園の繁殖実績 26 頭目 9 月 7 日誕生(5才) 2 金沢動物園について ◆入 園 料:一般 500 円、高校生・中人 300 円、小・中学生 200 円、小学生未満無料 (毎週土曜日高校生以下無料) ※よこはま動物園・金沢動物園共通年間パスポート 18 歳以上 2,000 円 ◆開園時間:9:30~16:30(入園は 16:00 まで) ◆休 園 日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日) ◆交 通:京浜急行「金沢文庫」駅下車、西口バス乗場 1 番でバスに乗車 ①「野村住宅センター」行きバス「夏山坂上」下車徒歩 6 分 ②急行「金沢動物園」行きバスで 10 分(土・日・祝のみ) ◆U R L:http://www2.kanazawa-zoo.org ◆住 所:横浜市金沢区釜利谷東 5-15-1 ◆問合せ先:045-783-9100 2
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