NEWS RELEASE 2016年01月14日 【格付維持/方向性変更】 南アフリカ共和国 外貨建発行体格付: BBB+ [格付の方向性:安定的 → ネガティブ] 自国通貨建発行体格付: A- [格付の方向性:安定的 → ネガティブ] 外貨建短期債務: a-2 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。 【格付理由】 R&Iは、国家レベルでの政策群の枠組みに加え、財務省・中央銀行が財政・金融の安定を担保している 政策運営環境をこれまで高く評価してきた。しかし、近年は政治的思惑の濃い人事などを通じ、政策運 営の信頼性が全体的に低下しているとの懸念を拭えない。経済成長が鈍化する中、ビジネス環境の停滞 が長引けば、今後の経済成長に関して、もう少し保守的に評価せざるを得なくなる。こうした状況を踏 まえ、外貨建及び自国通貨建発行体格付は維持したものの、格付の方向性をネガティブに変更した。本 格的な成長力の底上げに向け、各省庁や関連機関の効率性が向上し、民間セクターの潜在力が発揮でき る経済環境が整うとの確信を持てなければ、格下げする公算が大きい。 度重なるストライキや電力供給制限など不安定なビジネス環境が重荷となり、経済成長率は低迷して いる。回復が期待された2015年も、過去最長のプラチナ鉱山ストなどに悩まされた2014年とほぼ同水準 の実質国内総生産(GDP)成長率にとどまったもようだ。景気低迷で需要面からの物価上昇圧力は弱い が、電力料金の値上げや大規模な干ばつに伴う食料価格の上昇、為替減価の影響は必至だ。2016年第1四 半期には再び目標圏外への上昇が見込まれている。こうした物価見通しをもとに、中央銀行は予防的に 政策金利を相次いで引き上げ、2015年末時点で6.25%としている。内需は消費・投資ともに停滞気味 で、実質GDP成長率は2016年にも3年連続の1%台となる公算が大きい。為替の減価や欧州経済の回復が輸 出の伸びを支えているが、世界経済の動向を踏まえると見通しは楽観できない。 経常収支は赤字が続く。主要因は対外配当・利子支払いがかさむ所得収支の赤字で、2013-2014年は 貿易赤字の拡大も影響し、経常収支の赤字はGDP比でそれぞれ5.8%、5.4%へ拡大した。欧州経済の回復 やランド安が輸出数量にじわりと効いてきているが、交易条件の低下が痛手となり、貿易収支の大きな 改善は望めない。非居住者による国債保有のシェアは高まっており、所得収支の赤字も高止まりしよ う。経常収支赤字に関する政府の見通しはGDP比4%台の推移。資金調達面では大きな支障は出ていない が、新興国市場のボラティリティーが大きくなっている中で、高水準の経常収支赤字は投資家のリスク 認識面で明らかなマイナスであり、注意が必要だ。 民間部門を合わせた総対外債務は、2015年9月末時点で1345億ドル、GDP比で40%強の水準。借り手別 では、政府・国営企業といった公的部門のシェアが再び高まっている。全体の50%以上がランド建て で、過去と比べ為替変動の影響は緩和されている。金を含む準備金は十分に短期対外債務をカバーして おり、対外流動性に関する懸念は小さい。 2015年12月に突如起きたネネ財務大臣の解任劇は国内外で大きな驚きをもって受け止められた。手堅 い財政運営を行ってきた財務大臣を交代させ、政策の一貫性に不透明感が生じることは、経済の安定運 営という観点から大きなマイナスだ。 元財務大臣であるゴーダン氏が復職したことで、当面、財務省が保持してきた財政規律が損なわれる 懸念は後退した。ネネ氏の指揮下で公表された2015年の中期財政政策報告(MTBPS)は経済成長と財政負 担のバランスを熟慮したものとして評価している。2016年予算もそうした方針を引き継ぐと思われる が、まずはその中身とメッセージに注目している。 R&Iは、効率的な財務省・中央銀行の存在のみならず、司法や報道機関の牽制機能などを含め、南アフ リカの成熟した国家制度を評価してきたが、主要な国営企業や国家機関における政治的色彩の濃い人事 などを通じ、政策運営の信頼性が全体的に低下してきているとの懸念は拭えない。過去20年にわたって 最も効率的で透明性が高い機関であった財務省に、政策的合理性に疑問がある措置が及んだことは大き な問題であるとみている。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 【格付対象】 発行者:南アフリカ共和国 名称 格付 格付の方向性 外貨建発行体格付 BBB+(維持) 安定的 → ネガティブ 自国通貨建発行体格付 A-(維持) 安定的 → ネガティブ 名称 格付 外貨建短期債務 a-2(維持) ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 信用格付に関わる事項 信用格付業者 登録番号 株式会社格付投資情報センター 金融庁長官(格付)第6号 直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。 主任格付アナリスト 関口 健爾 信用格付の付与について 代表して責任を有する者 神林 尚 信用格付を付与した日 2016年01月07日 主要な格付方法 ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16] 上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して います。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html 評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html 格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html 格付関係者 南アフリカ共和国 注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。 利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料 品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ れている資料であること。 情報提供者 格付関係者 信用格付の前提、意義及び限界 R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定 通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等 の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見 を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の 表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い かなる保証もしていません。 R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの 情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格 付を保留したり、取り下げたりすることがあります。 利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が 高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり ます。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス本部 TEL.03-3276-3511 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-3276-3438 株式 会社 格付投資情報センター 〒103-0027東京都中央区日本橋1-4-1 日本橋一丁目三井ビルディング http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc.
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