2.7.3.2.1.3.3 有効性に関する結果 <主要評価項目> 投与開始時からの LSAS 総スコアの差(Delta LSAS 総スコア)のエンドポイントでの 変 化 量 を 有 効 性 ITT 集 団 に つ い て LOCF デ ー タ を 用 い て 解 析 し た 結 果 は , 表 2.7.3.2.1.3.3-1(5.3.5.1.4 S3108 試験 PANEL7.4 より改変)に示したとおり,フルボキサ ミン群では -36.1,プラセボ群では -27.3 で,ANOVA によるフルボキサミン群とプラセ ボ群の比較において,LSAS 総スコアはフルボキサミン群にて有意に減少した(p=0.020)。 表 2.7.3.2.1.3.3-1 投与群 マレイン酸 フルボキサミン (n=146) b) 症例数 平均値 (標準誤差) 中央値 最小値,最大値 LOCF における Delta LSAS 総スコア(S3108 試験) 2週 126 -9.8 (1.4) -7 -94, 17 観察時期 a) 6週 8週 126 126 4週 126 10 週 126 -18.9 (1.8) -24.7 (2.2) -31.3 (2.6) -32.6 (2.5) -15 -91, 22 -25 -112, 22 -27 -127, 22 -31 -128, 33 エンドポイント 126 -36.1 (2.7) -33 -129, 29 95% 信頼区間 [-12.5, -7.1] [-22.4, -15.4] [-29.0, -20.4] [-36.4, -26.2] [-37.5, -27.7] [-41.4, -30.8] プラセボ (n=148) 症例数 b) 平均値 (標準誤差) 中央値 最小値,最大値 95% 信頼区間 148 -8.8 (1.2) -6 -64, 30 148 148 148 148 -14.2 (1.6) -19.3 (1.9) -22.4 (2.2) -25.5 (2.4) -11 -104, 29 -16 -110, 20 -16 -133, 26 -20 -133, 23 148 -27.3 (2.4) -24 -133, 29 [-11.2, -6.4] [-17.3, -11.1] [-23.0, -15.6] [-26.7, -18.1] [-30.2, -20.8] [-32.0, -22.6] 0.618 0.029* 0.066 0.007** 0.017* 0.020* p 値 c) *: p < 0.050 **: p < 0.010 a) エンドポイントは投与 12 週又は投与中止時 b) 服薬後に評価データの存在するものを採用した。なお,ベースラインは ITT(有効性)全症例を対象としてい る。 c) p 値は LSAS 総スコアの開始前からの変化量(ランク化)に対する薬剤群と施設を因子とした分散分析による マレイン酸フルボキサミン群とプラセボ群の群間差 40 また,主要評価項目に関する追加解析として有効性 ITT 集団における各来院時の Delta LSAS 総スコアについて LOCF データを用いて解析した。その結果,投与 4,8,10,12 週後において,両群間に有意差が認められた(p=0.029,0.007,0.017,0.020)(図 2.7.3.2.1.3.3-1(5.3.5.1.4 S3108 試験 PLOT 7.1 より改変))。 0 * p<0.050 ** p<0.010 Delta LSAS 総スコア -10 * -20 ** -30 * * -40 平均値±S.E. -50 0 0週 1 2週 2 4週 3 6週 4 8週 5 10週 612週 7 観察期間 マレイン酸フルボキサミン(F) プラセボ(P) 症例数 ベースライン 2週 4 週 6 週 8 週 10 週 12 週 マレイン酸フルボキサミン 146 126 126 126 126 126 126 プラセボ 148 148 148 148 148 148 148 観察数** マレイン酸フルボキサミン 146 126 111 107 95 91 90 プラセボ 148 148 138 132 125 113 108 * :2 週以降は服薬後に評価データの存在する症例を LOCF データとして採用した。 **:観察数の減少の理由は以下のとおり。 欠測の理由 2 週 4 週 6 週 8 週 10 週 12 週 マレイン酸 最終服薬日から 3 日以上経過している フルボキサミン ためデータ不採用 14 7 1 4 1 3 評価データの欠測(測定していない) 6 6 2 6 7 3 投与中止例 0 22 36 41 47 50 最終服薬日から 3 日以上経過している プラセボ ためデータ不採用 0 5 3 1 2 1 評価データの欠測(測定していない) 0 3 5 5 10 9 投与中止例 0 2 8 17 23 30 備考:投与中止時に評価データがない場合は,評価データの欠測に含め,その後の来院日は投与中止 例として取り扱った。 LOCF* 注: p 値は LSAS 総スコアの開始前からの変化量(ランク化)に対する薬剤群と施設を因子とした分散分析に よるマレイン酸フルボキサミン群とプラセボ群の群間差 図 2.7.3.2.1.3.3-1 LOCF における Delta LSAS 総スコアの推移(S3108 試験) 41 <副次的評価項目> CGI Global Improvement スコアの LOCF における解析の結果を図 2.7.3.2.1.3.3-2 (5.3.5.1.4 S3108 試験 PLOT 7.7 より改変)に示した。投与 4,8,10,12 週後において, 両群間に有意差が認められた(p=0.031,0.003,0.028,0.026) (5.3.5.1.4 S3108 試験 PANEL 7.13)。 CGI Global Improvement スコア 4.0 * p<0.050 ** p<0.010 3.5 * 3.0 ** * 2.5 * 平均値±S.E. 2.0 00週 2週 1 4週2 6週 3 8週4 10週 5 12週 6 7 観察期間 マレイン酸フルボキサミン(F) プラセボ(P) 症例数 ベースライン 2週 4 週 6 週 8 週 10 週 12 週 マレイン酸フルボキサミン 146 125 125 125 125 125 125 プラセボ 148 148 148 148 148 148 148 観察数** マレイン酸フルボキサミン 146 125 110 107 95 91 90 プラセボ 148 148 138 133 126 114 108 * :2 週以降は服薬後に評価データの存在する症例を LOCF データとして採用した。 **:観察数の減少の理由は以下のとおり。 欠測の理由 2 週 4 週 6 週 8 週 10 週 12 週 マレイン酸 最終服薬日から 3 日以上経過している フルボキサミン ためデータ不採用 14 7 1 4 1 3 評価データの欠測(測定していない) 7 7 2 6 7 3 投与中止例 0 22 36 41 47 50 最終服薬日から 3 日以上経過している プラセボ ためデータ不採用 0 5 3 1 2 1 評価データの欠測(測定していない) 0 3 4 4 9 9 投与中止例 0 2 8 17 23 30 備考:投与中止時に評価データがない場合は,評価データの欠測に含め,その後の来院日は投与中止 例として取り扱った。 LOCF* 注: p 値は CGI Global Improvement スコアの観察値(ランク化)に対する薬剤群と施設を因子とした分散分析に よるマレイン酸フルボキサミン群とプラセボ群の群間差 図 2.7.3.2.1.3.3-2 LOCF における CGI Global Improvement スコアの推移(S3108 試験) 42 また,ベースラインからの SDS 総スコアの差(Delta SDS)に関する解析結果を図 2.7.3.2.1.3.3-3 に示した(5.3.5.1.4 S3108 試験 PLOT 7.5 より改変)。 LOCF における解析 の結果,投与 8, 12 週後において両群間に有意差が認められた(p=0.021,0.036) (5.3.5.1.4 S3108 試験 PANEL 7.10) 。 0 * p<0.050 -1 -2 -3 Delta SDS -4 -5 -6 * -7 * -8 -9 平均値±S.E. -10 -11 0 0週 1 2週 2 4週 3 6週 48週 5 10週 6 12週 7 観察期間 マレイン酸フルボキサミン(F) プラセボ(P) 症例数 ベースライン 2 週 4 週 6 週 8 週 10 週 12 週 マレイン酸フルボキサミン 146 124 124 124 124 124 124 プラセボ 148 148 148 148 148 148 148 観察数** マレイン酸フルボキサミン 146 124 110 105 93 89 88 プラセボ 148 148 138 133 126 114 107 * :2 週以降は服薬後に評価データの存在する症例を LOCF データとして採用した。 **:観察数の減少の理由は以下のとおり。 欠測の理由 2 週 4 週 6 週 8 週 10 週 12 週 マレイン酸 最終服薬日から 3 日以上経過しているためデ フルボキサミン ータ不採用 14 7 1 4 1 3 投与前値がないため,LOCF 評価データ欠測 2 1 2 2 2 2 評価データの欠測(測定していない) 6 6 2 6 7 3 投与中止例 0 22 36 41 47 50 最終服薬日から 3 日以上経過しているためデ プラセボ ータ不採用 0 5 3 1 2 1 評価データの欠測(測定していない) 0 3 4 4 9 10 投与中止例 0 2 8 17 23 30 備考:投与中止時に評価データがない場合は,評価データの欠測に含め,その後の来院日は投与中止 例として取り扱った。 LOCF* 注: p 値は SDS 総スコアの開始前からの変化量(ランク化)に対する薬剤群と施設を因子とした分散分析による マレイン酸フルボキサミン群とプラセボ群の群間差 図 2.7.3.2.1.3.3-3 LOCF における Delta SDS 総スコアの推移(S3108 試験) 43 その他の副次的評価項目として実施した CGI severity of illness,PGI improvement の結 果を表 2.7.3.2.1.3.3-2,表 2.7.3.2.1.3.3-3 に示した(5.2.5.1.4 S3108 試験,PANEL 7.7 より 改変,PANEL 7.16 より改変)。 表 2.7.3.2.1.3.3-2 LOCF データを用いた CGI severity of illness スコアの変化量(S3108 試験) 投与群 マレイン酸 フルボキサミン (n=146) b) 症例数 平均値 (標準誤差) 中央値 最小値,最大値 95%信頼区間 プラセボ (n=148) 症例数 b) 平均値 (標準誤差) 中央値 最小値,最大値 95%信頼区間 観察時期 a) 6週 8週 124 124 2週 124 4週 124 10 週 124 エンドポイント -0.3 (0.1) -0.7 (0.1) -0.9 (0.1) -1.3 (0.1) -1.3 (0.1) -1.5 (0.1) 0 -2, 1 -1 -3, 1 -1 -3, 1 -1 -5, 1 -1 -5, 1 -1 -5 , 1 [-0.5, -0.1] 148 [-0.9, -0.5] [-1.1, -0.7] [-1.5, -1.1] [-1.5, -1.1] [-1.7, -1.3] 148 148 148 148 148 -0.1 (0.1) -0.3 (0.1) -0.7 (0.1) -0.8 (0.1) -1.0 (0.1) -1.0 (0.1) 0 -2, 2 0 -3, 2 0 -4, 2 -1 -5, 2 -1 -5, 2 -1 -5, 2 [-0.3, 0.1] [-0.5, -0.1] [-0.9, -0.5] [-1.0, -0.6] [-1.2, -0.8] [-1.2, -0.8] 124 0.042* 0.002** 0.060 0.005** 0.095 0.022* p 値 c) *:p<0.050 **: p< 0.010 a) エンドポイントは投与 12 週又は投与中止時 b) 服薬後に評価データの存在するものを採用した。ベースラインは ITT(有効性)全症例を対象としている。 c) p 値は CGI severity of illness スコアの開始前からの変化量(ランク化)に対する薬剤群と施設を因子とした分 散分析によるマレイン酸フルボキサミン群とプラセボ群の群間差 表 2.7.3.2.1.3.3-3 LOCF データを用いた PGI improvement スコア(S3108 試験) 投与群 マレイン酸 フルボキサミン (n=146) 症例数 b) 平均値 (標準誤差) 中央値 最小値,最大値 95%信頼区間 プラセボ (n=148) 症例数 b) 平均値 (標準誤差) 中央値 最小値,最大値 95%信頼区間 観察時期 a) 6週 8週 126 126 2週 126 4週 126 10 週 126 エンドポイント 3.5 (0.1) 3.1 (0.1) 3.0 (0.1) 2.7 (0.1) 2.7 (0.1) 2.6 (0.1) 3 1, 5 3 1, 6 3 1, 6 3 1, 6 3 1, 6 2 1, 6 [3.3, 3.7] 148 [2.9, 3.3] [2.8, 3.2] [2.5, 2.9] [2.5, 2.9] [2.4, 2.8] 148 148 148 148 148 3.6 (0.1) 3.3 (0.1) 3.1 (0.1) 3.1 (0.1) 3.0 (0.1) 3.0 (0.1) 4 2, 7 3 1, 7 3 1, 7 3 1, 7 3 1, 7 3 1, 7 [3.4, 3.8] [3.1, 3.5] [2.9, 3.3] [2.9, 3.3] [2.8, 3.2] [2.8, 3.2] 126 0.155 0.128 0.252 0.010** 0.088 0.051 p 値 c) *:p<0.050 **: p< 0.010 a) エンドポイントは投与 12 週又は投与中止時 b) 服薬後に評価データの存在するものを採用した。ベースラインは ITT(有効性)全症例を対象としている。 c) p 値は PGI improvement スコアの観察値(ランク化)に対する薬剤群と施設を因子とした分散分析によるマレイ ン酸フルボキサミン群とプラセボ群の群間差 44 2.7.3.2.2 2.7.3.2.2.1 有効性検証試験 J3113 試験(資料:5.3.5.1.1) 2.7.3.2.2.1.1 試験計画の概略 <目的> 主要目的:社会不安障害患者に対するフルボキサミンの有効性を,プラセボを対照に二重 盲検並行群間比較試験により検証する。 副次目的:フルボキサミンの安全性,フルボキサミン群を 150 mg/日投与グループ及び 300 mg/日投与グループに分けた場合それぞれのプラセボに対する有効性及び安全性を検討す る。 <対象> DSM-IV 300.23 社会不安障害の診断基準に合致する患者。 <選択・除外基準> 選択基準: 1) 治験薬投与前 6 ヵ月間に 4 つ以上の社会的状況又は行為をするという状況に恐怖が向 けられている全般性社会不安障害患者。 2) 恐怖の対象となる状況の内 2 つが社会的状況である全般性社会不安障害患者。 3) 患者選択時の Liebowitz Social Anxiety Scale 日本語版(以下,LSAS-J)のスコア合計が 60 点以上である患者。 4) 年齢満 18 歳以上 65 歳未満,性別不問。 5) 外来患者。 6) 本治験の目的,方法,意義などについて十分な説明を受け,自由意思により本人から 文書同意取得可能な患者。 除外基準: 1) 過去 6 ヵ月間に,下記の精神医学診断(DSM-IV)と判断された患者。 -大うつ病性障害 -気分変調性障害 -パニック障害(過去 6 ヵ月間に予期されないパニック発作を 2 回以上経験している 患者) 2) 脳の器質的障害,精神分裂病及びその他の精神病性障害,双極性障害の患者及びこれ ら既往のある患者。 3) 治験開始前 30 日間に社会不安障害の治療のために認知行動療法を行った患者。 4) 治験開始前 2 週間以内に SSRI,SNRI,ベンゾジアゼピンを含む向精神薬による治療経 験のある患者。 5) フルボキサミンに対し過敏症の既往のある患者。 6) てんかん等の痙攣性疾患又はこれら既往のある患者。 45 7) 妊婦,妊娠の可能性のある女性及び授乳中の患者。 8) チオリダジン,テルフェナジン,アステミゾール,シサプリドを服用している患者。 9) モノアミン酸化酵素阻害薬(塩酸セレギリンを含む)を服用している患者。 10) 薬物依存症あるいはアルコール依存症の患者。 11) 過量服薬の既往があるなど,自殺傾向が著しい患者。 12) 臨床的に重大な自己免疫系,心血管系,血液系,神経系,内分泌系,肝,腎及び消化 器系の疾患のある患者。 13) 他の治験薬の最終投与から 6 ヵ月以上経過していない患者。 14) セロトニン症候群の既往のある患者。 15) その他治験責任医師又は治験分担医師が不適当と判断した患者。 <被験薬,対照薬,投与方法> 被験薬:フルボキサミン 25 mg 錠,投与方法は,1 日 2 回(朝食後及び就寝前)経口投与と した。 対照薬:プラセボ錠:1 日 2 回(朝食後及び就寝前)経口投与 投与量:フルボキサミン群は 50 mg/日から開始し,1 週間毎に 50 mg/日ずつ増量し,投与開 始 3 週目の投与量を維持するグループ(150 mg/日投与グループ)と 4 週目以降更に増量す るグループ(300 mg/日投与グループ)の 2 グループとした。150 mg/日投与グループは 4 週 目以降プラセボを追加投与,300 mg/日投与グループは 4 週目以降 6 週目まで 1 週間毎に 50 mg/日ずつ 300 mg/日まで増量した。 <治療期間> 10 週間 300mg/日 (300mg/日投与 グループ ) 250mg/日 200mg/日 150mg/日 (150mg/日投与 グループ ) 100mg/日 50mg/日 (プラセボ群 ) 0W 1W 2W 300mg/日 投与グループ 4W 5W 6W 10W 強 制増量期 投与グループ 150mg/日 3W 固 定期 (50~ 300mg/日) 強 制増量期 (300mg/日、完全固定期) 投 与量維持期 (50~150mg/日 ) 固定 期 (150mg/日、プラセボ追加期) プラセボ群 (150mg/日、完全固定期) プラセボ 期 3W 46 6W 10W
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