Press Release 2016 年 1 月 14 日 報道関係者各位 ウシオ電機株式会社 株式会社バイオマーカーサイエンス 株式会社プロトセラ ウシオ電機、バイオマーカーサイエンス、プロトセラが共同で 大腸がんと糖尿病の罹患リスク検査サービス事業を開始 ウシオ電機株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 浜島健爾、以下 ウシオ)と、株式会社 バイオマーカーサイエンス(本社:京都府、代表取締役社長 内田景博、以下 バイオマーカーサ イエンス)およびウシオの連結子会社である株式会社プロトセラ(本社:兵庫県、代表取締役社長 田中憲次、以下 プロトセラ)は共同で、大腸がんと糖尿病の罹患リスクを早期に血液で判定する 検査サービスを 2016 年 2 月 1 日より開始いたしますのでお知らせします。 超高齢化社会に突入した日本において、患者数が増加の一途をたどる大腸がんと糖尿病の罹 患リスクを正確に把握し、早期から発症を予防していく医療は非常に重要な役割を担います。 この度の共同事業では、ウシオがプロトセラの製造する『ProtoKey® 大腸がんリスク検査キット』 と『ProtoKey® 糖尿病リスク検査キット』の 2 種類の研究試薬をバイオマーカーサイエンスに販売 し、同社は臨床検査会社や病院、健診機関等の医療機関向けに大腸がんリスク検査と糖尿病リ スク検査サービスを提供してまいります。 二つの成人病リスク検査 大腸がんと糖尿病のリスク検査は少量の血液を検体とする検査で、血液採取後 2~3 週間でリ スクが判明します。 「大腸がんリスク検査」は大腸がん患者に特有の複数個のペプチド(バイオマーカー)からなる 早期発見に有効な組み合わせ(マルチマーカー)を指標とし、大腸がんを極めて早い段階から判 別することが可能です。また、「糖尿病リスク検査」は酸化ストレスを受けることによって生成され る血液中のバイオマーカー(システイン化トランスサイレチン:CysTTR)を測定し、糖尿病や動脈 硬化の発病リスクを数値で把握するものです。 これらの検査で用いる質量分析法は抗体を使用せず、一度の操作で複数のペプチドの測定を 可能にする、再現性と精度の高い測定法です。 ウシオグループおよびバイオマーカーサイエンスは、少子高齢化社会が進行する中、病気によ るこころとからだの変化を早期に捉えて、病気の進行を抑制する予防医療につながるリスク検査 事業を強化し、クオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上と医療費の削減に貢献してまいります。 1 ■大腸がんリスク検査サービスについて: 我が国では、がんによる死亡率が最も高く、女性の部位別死亡数では大腸がんが第一位を占 めます(厚生労働省「平成 26 年人口動態統計」)。プロトセラは京都府公立大学法人京都府立医 科大学(以下 京都府立医科大学)と共同で、独自開発のペプチド解析技術(BLOTCHIP®-MS 法) を用い、血液中から、大腸がんの浸潤や安定化、血管新生等に関連するタンパク質の断片(ペプ チドバイオマーカー)の組み合わせ(マルチマーカー)を発見し、これらのマルチマーカーを用いた 大腸がん研究試薬『ProtoKey® 大腸がんリスク検査キット』を完成させました。この試薬により、少 量の血液から早期大腸がんのリスクを高い確度で判定することが可能になりました。 この検査は自由診療として希望者に実施されます。 ■糖尿病リスク検査サービスについて: 我が国では、糖尿病有病者とその予備群の合計は 2,050 万人と推計されており(厚生労働省 「平成 24 年国民健康・栄養調査」)、その深刻な合併症を予防するためにも早期発見と適切な治 療が求められています。バイオマーカーサイエンスと京都府立医科大学は糖尿病と酸化ストレス の関係に注目、既存の血液検査や遺伝子検査では知ることのできない糖尿病のリスクを示すバ イオマーカーCysTTR を発見、プロトセラが質量分析を用いた測定法を確立し、『ProtoKey® 糖尿 病リスク検査キット』を開発しました。 この検査は自由診療として希望者に実施されます。 ■株式会社バイオマーカーサイエンスについて: ゲノミクスとプロテオミクス技術を用いて疾患予防バイオマーカーの探索と同定に注力し、数々 のバイオマーカーを発見。解析センターでは登録衛生検査所として、特殊研究検査を実施してい ます。 住 所: 京都市左京区田中門前町 103-5 京都パストゥール研究所ビル 4F 資 本 金: 10 百万円 事業内容: 【Ⅰ】特殊研究検査受託事業(登録衛生検査所)、【Ⅱ】臨床試験受託事業、 【Ⅲ】研究開発事業 ■株式会社プロセトラについて: 独自の創薬基盤技術であるペプチド解析技術(BLOTCHIP®-MS 法)と受容体・リガンド探索技 術(MPL 法)による診断用および治療用医薬品の研究開発等を行う、ウシオの連結子会社です。 住 所: 兵庫県尼崎市道意町 7-1-3 尼崎リサーチ・インキュベーションセンター3F 資 本 金 : 50 百万円 事業内容: 【Ⅰ】バイオマーカー事業、【Ⅱ】受容体医薬品事業 ■ウシオ電機株式会社について: 1964 年設立。紫外から可視、赤外域にわたるランプやレーザ、LED などの各種光源および、そ れらを組み込んだ光学・映像装置を製造販売しています。半導体、フラットパネルディスプレイ、電 子部品製造などのエレクトロニクス分野や、デジタルプロジェクタや照明などのビジュアルイメージ ング分野で高シェア製品を数多く有しており、近年は医療や環境などのライフサイエンス分野にも 事業展開しています。 ■本件に関するご質問と画像データのご請求につきましては、下記までお問い合わせください: ウシオ電機株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL. 03-3242-1815 FAX. 03-3245-0589 e-mail: [email protected] http://www.ushio.co.jp/ 2 添付資料 ProtoKey® 大腸がんリスク検査キット(左)および ProtoKey® 糖尿病リスク検査キット(右) 3 参考資料【用語の説明】 1) ペプチド解析技術(BLOTCHIP®-MS 法): 従来のペプチド解析法では質量分析の前に、測定を妨害する除タンパク質操作が必要 でした。しかし除タンパク質操作によって、検体中のペプチドの種類と量が大きく変動す るため、解析結果の信頼性を損なうという重大な問題を残しました。BLOTCHIP®-MS 法 では、検体中のペプチドを電気泳動法によってタンパク質から完全に引き離した後、 BLOTCHIP®へ電気転写し、質量分析計で測定します。その結果、再現性と精度の高い ペプチド解析技術が確立されました。 BLOTCHIP®-MS 法によって発見されるペプチドは、広範囲な疾患に対応した予知診断、 早期診断、個別化医療のコンパニオン診断に必要なバイオマーカーとして、診断用医薬 品並びに医療機器の開発への寄与が期待されます。 2) システイン化トランスサイレチン(CysTTR): トランスサイレチン(TTR)は血液中でビタミンやホルモンを運ぶ重要な役割を果たすタン パク質です。さらに TTR の変化体であるシステイン化トランスサイレチン(CysTTR)は酸 化ストレス(体のサビ)の鋭敏な指標であることが知られています。 ヒトおよび動物試験から、血中の CysTTR の増加が糖尿病リスクの増加に比例すること が証明されました。『ProtoKey® 糖尿病リスク検査キット』によって、CysTTR の大量、高 速測定が可能になり、今後糖尿病を初めとして、様々な疾患リスクを計るためのバイオ マーカーとして注目されます。 4
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