第 163 回企業経営動向調査 概 況

第 163 回企業経営動向調査
調
査
要
領
(1)調査対象企業社数
466 社(回答企業社数 357 社、回答率 76.6%)
(2)調査時点
平成 27 年 11 月中旬~12 月上旬
(3)調査対象期間
実績
:平成 27 年 10-12 月期(平成 27 年 7-9 月期対比)
見通し:平成 28 年 1- 3 月期(平成 27 年 10-12 月期対比)
(注)
本文中にある「D.I.値」は「Diffusion
Index」の略で、前期と比較した企
業の業況判断等の方向性を指標化したものである。この指標は水準を表すものではない。
算式は有効回答企業社数の合計を 100%として「良い」「増加」「上昇した」などとする企
業の割合(%)から、「悪い」「減少」「下落した」などとする企業の割合(%)を差し引
いた数値である。
概
況
1.平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の業況判断 D.I.(「良い」-「悪い」)は、+7
と前回調査+5 から「良い」超幅が 2 ポイント拡大した。景気は踊り場にあるものの、
緩やかな回復基調が持続していることを背景として、企業の業況判断も改善傾向に
あると見られる。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の業況判断見通し D.I.は、+4 と「良くなる」超
幅を縮小する見通しとなった。新興国経済の減速を中心とした世界経済の先行き不
透明感に対する企業マインドの慎重な姿勢が背景にあると見られる。
2.業種別では、「製造業」は、+9 と前回調査+7 から「良い」超幅が 2 ポイント拡大し
た。平成 28 年 1-3 月期の業況判断見通し D.I.は、+2 と「良くなる」超幅を縮小す
る見通しとなった。
「非製造業」は、+6 と前回調査+3 から「良い」超幅が 3 ポイント
拡大した。平成 28 年 1-3 月期の業況判断見通し D.I.は、+5 と「良くなる」超幅を
縮小する見通しとなった。(図1、表1)
3.各種判断項目では、「仕入価格」D.I.は、+4 と前回調査+15 から「上昇した」超幅
を縮小した。平成 28 年 1-3 月期の見通しは、+5 と「上昇する」超幅を拡大する見通
しとなっている。また、「販売価格」D.I.は、▲3 と前回調査+2 から「下落した」超へ
転じた。平成 28 年 1-3 月期の見通しは、±0 となっている。
1
業況判断
(1)群馬地区
1.平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の業況判断 D.I.(「良い」-「悪い」)は、+10
と前回調査+8 から「良い」超幅が 2 ポイント拡大した。平成 28 年 1-3 月期の「全産業」
の業況判断見通し D.I.は、+3 と「良くなる」超になると見込んでいる。
2.業種別では、
「製造業」は、+11 と前回調査+10 から「良い」超幅を拡大した。米国向
け輸出が好調な輸送用機械関連等により、堅調な水準を維持していることが背景にある
と見られる。具体的に見ると、金属製品(+10)、一般機械(+10)、輸送用機械(+8)、
その他製造(+14)が「良い」超となった。「非製造業」は、+9 と前回調査+6 から「良
い」超幅を拡大した。具体的に見ると、建設(+12)、小売業(+11)サービス(+14)が
「良い」超となり、「卸売」(▲4)が「悪い」超となった。平成 28 年 1-3 月期の見通し
では、「製造業」は+2、「非製造業」は+4 と「良くなる」超になると見込んでいる。
(図 2、表 2)
(2)埼玉地区
1.平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の業況判断 D.I.(「良い」-「悪い」)は、+3 と
前回調査+1 から「良い」超幅が 2 ポイント拡大した。新設住宅着工戸数が前年比プラ
スに転じるなど住宅関連の持ち直し等を背景として、業況判断を底上げしていると見ら
れる。平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の業況判断見通し D.I.は、+5 と「良くなる」
超になると見込んでいる。
2.業種別では、「製造業」は、+4 と前回調査の+3 から「良い」超幅を拡大した。具体的
に見ると、金属製品(+38)、その他製造(+6)が「良い」超となり、輸送用機械(▲28)
が「悪い」超となった。
「非製造業」は、+2 と前回調査±0 から「良い」超幅を拡大し
た。具体的に見ると、建設(+4)が「良い」超となり、サービス(▲5)が「悪い」超と
なった。平成 28 年 1-3 月期の見通しでは、
「製造業」は+1、
「非製造業」は+7 と「良く
なる」超になると見込んでいる。(図 3、表 3)
2
生産・販売
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の生産・販売 D.I.(「増加した」-「減少した」
)
は、+10 と前回調査+4 から「増加した」超幅が 6 ポイント拡大した。業種別では、
「製造
業」が+13、「非製造業」が+6 と「増加した」超となった。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の生産・販売見通し D.I.は、+5 と「増加する」超
となる見通しとなった。
(図 4)
3
仕入価格
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の仕入価格 D.I.(「上昇した」-「下落した」)は、
+4 と前回調査+15 から「上昇した」超幅が 11 ポイント縮小した。業種別では、
「製造業」
は+2 と前回調査+15 から「上昇した」超幅が 13 ポイント縮小した。「非製造業」は+6 と
前回調査+16 から「上昇した」超幅が 10 ポイント縮小した。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の仕入価格見通し D.I.は、+5 と「上昇する」超と
なった。(図 5)
4
販売価格
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の販売価格 D.I.(「上昇した」-「下落した」)は、
▲3 と前回調査+2 から「下落した」超へ転じた。業種別では、「製造業」は▲6 と前回調査
+3 から「下落した」超へ転じた。「非製造業」は▲1 と前回調査+1 から「下落した」超へ
転じた。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の販売価格見通し D.I.は、±0 と保ち合いとなった。
(図 6)
5
在
庫・在庫水準
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の在庫 D.I.(「増加した」-「減少した」)は、+4
と「増加した」超となった。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の在庫見通し D.I.は、±0 と保ち合いとなった。
(図 7)
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の在庫水準 D.I.(「多い」-「少ない」)は、+6
と「多い」超となった。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の在庫水準見通し D.I.は、±0 と保ち合いとなった。
(図 8)
6
資金繰り
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の資金繰り D.I.(「楽である」-「苦しい」)は、
▲2 と「苦しい」超となった。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の資金繰り見通し D.I.は、▲4 と「苦しくなる」超
となった。(図 9)
7
採
算
平成 27 年 10-12 月期の「全産業」の採算 D.I.(「良くなった」-「悪くなった」)は、
▲4 と前回調査▲6 から「悪くなった」超幅を縮小した。
平成 28 年 1-3 月期の「全産業」の採算見通し D.I.は、±0 と保ち合いとなる見通し
となっている。(図 10)
【当面の経営上の課題】
「製造業」の当面の経営上の課題について、トップは「競争激化」で回答企業の 52.6%
となった。2 位は「売上・受注不振」が 37.4%となり、3 位は「収益不振」と「機械設備
の老朽」が 28.7%となった。前回調査では 3 位であった「原材料高」は、円安の影響か
ら高い水準で推移していたが、今回の調査では 6 位となり、経営上の課題とする企業の
割合も 23.4%と大幅に減少した。円安による輸入価格の押し上げ効果が弱まっているこ
とに加え、市場における商品相場の下落が背景にあると見られる。
「非製造業」では、「競争激化」が 65.6%でトップとなった。2 位は「求人難」が 41.9%
となった。「求人難」は 5 期連続で 2 位となっており、依然として経営上の課題の中で大
きな問題となっている。3 位は「売上・受注不振」で 33.3%の割合となった。
表1 業況判断
27年
1-3月
実績
食料品
15
繊維
▲ 40
木材・木製品
▲ 20
窯業・土石
13
金属製品
3
一般機械
27
電気機械
11
輸送用機械
21
その他製造
13
製造業 計
11
建設
20
不動産
▲ 25
卸売
10
小売
5
サービス
6
非製造業 計
10
全産業 計
11
全体
4-6月
実績
13
0
0
25
3
26
▲ 22
11
▲2
6
▲2
▲ 100
0
8
13
4
5
7-9月
10-12月
実績
実績
5
0
17
50
0
0
0
28
▲ 11
23
7
11
0
0
15
▲ 11
20
7
7
9
0
8
▲ 20
20
▲7
▲3
17
7
6
8
3
6
5
7
28年
1-3月
見通し
▲ 10
0
0
28
20
▲6
0
3
▲8
2
14
0
0
5
2
5
4
図1 業況判断
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
10-12
25年1-3
4-6
7-9
10-12
26年1-3
4-6
製造業
7-9
10-12
非製造業
27年1-3
4-6
7-9
10-12
28年1-3
見通し
表2 業況判断
27年
1-3月
実績
食料品
15
窯業・土石
40
金属製品
0
一般機械
11
電気機械
0
輸送用機械
33
その他製造
19
製造業 計
13
建設
17
卸売
5
小売
0
サービス
7
非製造業 計
7
全産業 計
10
群馬県
4-6月
実績
17
40
▲5
42
▲ 40
20
0
7
▲4
0
16
11
5
6
7-9月
10-12月
実績
実績
14
0
0
25
▲ 14
10
0
10
0
0
30
8
21
14
10
11
0
12
▲ 11
▲4
22
11
9
14
6
9
8
10
28年
1-3月
見通し
▲ 13
25
20
▲ 10
0
15
▲9
2
12
5
▲4
3
4
3
図2 群馬県・業況判断
25
20
15
10
5
0
-5
-10
10-12
25年1-3
4-6
7-9
10-12
26年1-3
製造業
4-6
7-9
非製造業
10-12
27年1-3
全産業
4-6
7-9
10-12
28年1-3
見通し
表3 業況判断
27年
1-3月
実績
食料品
20
金属製品
0
一般機械
42
電気機械
33
輸送用機械
0
その他製造
9
製造業 計
6
建設
20
卸売
13
小売
12
サービス
6
非製造業 計
11
全産業 計
9
埼玉県
4-6月
実績
0
27
16
0
▲ 10
0
4
0
0
▲ 16
16
1
2
7-9月
10-12月
実績
実績
0
0
▲ 20
38
16
0
0
0
0
▲ 28
21
6
3
4
▲4
4
0
0
8
0
5
▲5
0
2
1
3
28年
1-3月
見通し
0
15
0
0
▲7
▲6
1
8
▲ 11
23
5
7
5
図3 埼玉県・業況判断
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
10-12
25年1-3
4-6
7-9
10-12
26年1-3
4-6
製造業
7-9
10-12
非製造業
27年1-3
4-6
7-9
10-12
28年1-3
見通し
図4
図5
製造業
生産・販売
製造業
仕入価格
非製造業
非製造業
全産業
全産業
40
25
20
30
15
10
20
5
0
10
-5
-10
0
-15
26年
1-3
25年
1-3
4-6
製造業
-1
9
14
21
14
0
7
非製造業
3
4
16
17
10
-10
8
全産業
1
7
16
19
12
-5
7
7-9 10-12
4-6
28年
7-9 10-12 1-3見
通し
25年
1-3
26年
1-3
27年
1-3
28年
7-9 10-12 1-3見
通し
27年
1-3
4-6
11
7
-5
4
13
4
製造業
10
24
22
22
23
26
24
31
23
16
15
2
4
7
8
-6
4
6
4
非製造業
22
18
31
28
35
31
31
23
19
20
16
6
5
9
7
-6
4
10
5
全産業
17
20
27
25
29
29
27
28
20
17
15
4
5
7-9 10-12
図6
4-6
7-9 10-12
4-6
7-9 10-12
4-6
図7
製造業
販売価格
製造業
在
非製造業
庫
非製造業
全産業
全産業
15
12
10
10
8
6
5
4
0
2
-5
-2
0
-4
-10
25年
1-3
4-6
7-9 10-12
26年
1-3
4-6
製造業
-4
-2
-9
非製造業
-4
4
7
-4
2
-3
0
7
2
8
11
全産業
-4
0
-1
2
1
3
5
5
28年
7-9 10-12 1-3見
通し
-6
27年
1-3
4-6
5
3
-3
3
-6
-3
製造業
6
6
4
1
-1
2
非製造業
4
1
2
-3
0
全産業
4
7-9 10-12
図8
25年
1-3
10-12
26年
1-3
28年
10-12 1-3見
通し
7-9
10-12
27年
1-3
4-6
7-9
6
2
9
2
-2
-2
6
2
-2
3
2
2
-5
-2
2
-1
2
6
2
-3
-1
4
0
4-6
7-9
4-6
11
5
-3
4
6
-3
-5
0
2
-1
0
-2
3
3
2
図9
製造業
在庫水準
製造業
資金繰り
非製造業
非製造業
全産業
全産業
20
6
15
4
10
2
5
0
0
-2
-5
-4
-6
-10
26年
1-3
4-6
5
-2
9
2
2
-2
-1
4
3
-2
4
25年
1-3
4-6
製造業
9
11
7
非製造業
2
3
全産業
6
7
7-9 10-12
28年
7-9 10-12 1-3見
通し
27年
1-3
4-6
3
12
13
6
2
-1
-1
1
3
1
6
2
5
6
5
6
0
全産業
7-9 10-12
4
9
10
製造業
算
非製造業
全産業
5
0
-5
-10
-15
-20
25年
1-3
4-6
7-9 10-12
26年
1-3
4-6
7-9 10-12
27年
1-3
4-6
28年
7-9 10-12 1-3見
通し
製造業
-7
-7
-10
-3
-2
-8
-7
-8
-7
-12
-8
-3
2
非製造業
-14
-5
-5
-4
-10
-16
-5
-8
-2
-7
-5
-5
-1
全産業
-11
-7
-7
-3
-6
-12
-6
-8
-4
-10
-6
-4
0
28年
10-12 1-3見
通し
10-12
26年
1-3
4-6
7-9
10-12
27年
1-3
4-6
7-9
-3
3
5
-1
1
-2
-7
-3
-2
-3
1
-4
2
1
1
-4
0
-3
1
1
-4
-1
0
3
0
0
-3
-4
-3
-1
-2
-4
25年
1-3
4-6
7-9
製造業
-6
-4
非製造業
-2
2
-4
-1
-2
図 10
採
-8
-5
163回 当面の経営上の課題
製 造 業
%
60.0
52.6
50.0
43.5
43.3
40.4
38.9
38.2
40.0
37.4
36.6
33.8
31.7
28.7
30.0
26.1
26.7
28.7
26.8
27.5
23.4
19.9
20.0
17.5
16.6
12.4
12.9
11.8
9.6
10.0
13.4
11.7
10.6
10.8
8.1
10.5
0.0
①
競
争
激
化
③
収
益
不
振
②
売
上
・
受
注
不
振
⑤
求
人
難
④
機
械
設
備
の
老
朽
⑥
原
材
料
高
⑦
販
売
・
経
費
増
4-6月期
70.0
⑨
円
安
⑧
人
件
費
・
高
騰
7-9月期
⑩
海
外
へ
の
販
路
拡
大
10‐12月期
非 製 造 業
%
65.6
60.0
50.0
57.3
46.2
41.9
38.5
40.0
34.3
34.8
33.7
33.3
29.6
30.0
27.4
22.5 21.9
24.3
23.6
21.5
20.219.9
20.0
18.519.4
13.5
16.0
14.5
10.1
10.0
14.0
11.3
13.4
8.3
5.1
7.1
0.0
①
競
争
激
化
②
求
人
難
③
売
上
・
受
注
不
振
④
人
件
費
高
騰
⑤
原
材
料
高
⑥
収
益
不
振
⑦
販
売
・
経
費
増
4-6月期
⑧
機
械
設
備
の
老
朽
7-9月期
⑨
女
性
や
高
齢
者
の
活
用
10-12月期
⑩
事
業
承
継