魔法科高校の一般人 ID:71489

魔法科高校の一般人
存戸
︻注意事項︼
このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にPDF化したもので
す。
小説の作者、
﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作品を引用の範囲を
超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁じます。
︻あらすじ︼
ある国語の先生に出された課題を提出し、第一高校に通うことになった五反田 彩
音。
彼はその課題を元に一つの論文を仕上げ、一般人である自分も魔法が使える事に。
家庭構成はサラリーマンの父、塾の講師をしている母と姉弟である。なのになぜ魔法
の道を歩むことになったのか...
そんな一般人の平凡じゃない高校生活
目 次 設定、及び本作中における謎の解消 はじめに
プロローグ │││││││││
入学編
入学編 Ⅰ │││││││││
入学編Ⅱ ││││││││││
入学編Ⅲ ││││││││││
入学編Ⅳ ││││││││││
入学編Ⅴ ││││││││││
入学編Ⅵ ││││││││││
入学編Ⅶ ││││││││││
入学編Ⅷ ││││││││││
入学編Ⅸ ││││││││││
入学編Ⅹ ││││││││││
入学編Ⅺ ││││││││││
夏休み編︵前︶
夏休み編Ⅰ │││││││││
夏休み編Ⅱ │││││││││
九校戦編
九校戦編Ⅰ │││││││││
九校戦編 Ⅱ ││││││││
九校戦 Ⅲ │││││││││
69
85
125 111 97
162 150
205 187 168
15
25 19
29
36
47
55
1
│
オー
ル
めんなさい
イ
ド
ス
ド
個別情報体のデータを術式として取り込む、何秒おきに、その情報を破棄することで膨
エ
己 が 存 在 し て い る と い う 事 象 を 中 心 と し、そ の 周 辺 の 範 囲︵変 数 で 調 整 可 能︶の
開発者:彩音
全事象観測予測理解術
ロー
魔法に関しての理論は私は齧った程度ですのでクオリティーの程は察してくださいご
この中にはストーリー後半に出てくる魔法が多々あります。ご注意ください。また、
オリジナル魔法
設定、及び本作中における謎の解消
1
設定、及び本作中における謎の解消
2
ン
ス
トー
ル
大なデータで脳の負担を和らげる。
イ
改変済事象変数化術
開発者:彩音
改変された事象、つまり魔法が発動した痕跡からそれを術式及び数式、変数で読み取
る。この魔法は発動してなくても読み取ることは可能ではあるが、達也のようなタイム
ラグ無しで理解できるような早さではない。
また、発動してなくても読み取る場合のプロセスは
魔法を使ったというその事象を概念とし、そこから読み取る。
さらにこの魔法は術者がその読み取った魔法を知っている場合、自動的に脳内からそ
の知識をサーチし、術名までわかるようになっている優れもの
収束・発散魔法﹁ロスト・エレクトロ﹂
開発者:彩音
設定した空気中の範囲内から指定の元素︵これは変数であらゆる元素に変更化。︶を収
束させ、その原子の内部にある電子を電離させて電気を発生させる。
3
集める元素によっては爆発を引き起こす事も可能。︵水素etc︶
インデックスに載るのであれば殺傷性Bランク
しかし、元素の種類を変えるならば変数の変更やら色々しないといけないので、CA
Dで発動する場合、汎用性を求めるなら困難を伴う。
また、元素を物質として指定することで例えば小麦粉を一定数量空間に集め、それ+
さらにロスト・エレクトロをマルチキャストするなら粉塵爆発も起こせる。
脳内刻印術
開発者 彩音
洗脳技術の応用で脳内に直接魔法式を記憶している。
フラッシュ・キャストとの違う点は、
フラッシュ・キャスト↓術式全てを脳内に洗脳技術で刻み込み、脳内で全て変数、座
標、その他全てを行う。
脳内刻印術↓発動に最低限のデータを洗脳技術の応用で暗記させ、変数、座標その他
設定は詠唱、もしくは何かしら媒体となる物が必要。
領域干渉魔法﹁グラビティ﹂
設定、及び本作中における謎の解消
4
開発者:未定
設定した領域に上方向から真下に圧力を加える。
その圧力の加え方は、
その領域上の空気を一つの塊として定義し、それを硬化魔法のように座標を固定す
る。その座標を降下させるというもの。
精霊魔法﹁散落怒涛﹂
領域干渉魔法﹁グラビティ﹂が上から押さえつける形の魔法になるが、この魔法は下
から吸い付ける形である。
発動プロセスは、
使役する精霊を地脈付近に配置する。その使役する精霊とその対象を﹃縁﹄︵後に言
及︶で結びつける。そして、対象の霊気をその縁を頼りに取り込み、地脈に流し込む。 霊気を取られた術者は柔道でいう﹃落ちる﹄感覚に入る。
実際に人を押さえつける訳ではない為、術を解いても襲われる心配がないが、グラビ
ティよりも設定できるエリアが狭い上、地脈を理解しそこに精霊を送り込まなければな
らない。
発動には困難を伴う
この世界における﹃縁﹄について 縁とは、本来精霊と精霊が使う情報ネットワーク事である
これは実際に検証され、縁の存在は確認された。
が、精霊本体には意識があるとは未確認である、情報の共有が行われているというの
は考えにくい。
彩深曰く、
〝その情報から新しい精霊が生まれて、精霊の性質を左右するのではないか、また、精
霊は元々霊子粒子から成る物で実体を為さない。実体を持たぬが故、その独立情報体を
分解、縁を通じて送りこみ、再構築するという形で精霊は移動しているのではないか〟
とのこと。また、これから考え出される理論は
アニメやら小説やらで幹比古クンが使ってたようなものです。
開発者:各流派におけるポピュラーな精霊魔法
精霊魔法﹁悪意根絶﹂
﹁精霊式粒子化転送原理﹂で、現在彩音が研究している途中である
5
設定、及び本作中における謎の解消
6
精霊魔法﹁感情伝播﹂
悪意根絶の万能型。しかし、悪意根絶は悪意だけを読み取るが、これは感情そのもの
を読み取るため、強い感情を持たれた場合、術者が対応できなかったら強い反動︵その
感情に自分も染まる︶が起こる。
こ や ま だ
小山田家
今でも国家機密なので詳しいことはごく一部の人間にしか知らされていないが、御伽
噺の産物であった﹃仙人﹄を人工的に作り出すにはというものである。
当時は今ほど科学も進展しておらず、その仙人の作り出し方というのは拷問紛いの負
荷をかけたり、谷から突き落とす等の実験、今で言う﹃火事場の馬鹿力﹄を引き出す様
なものである。
数多くの犠牲が出たが実験は成功に終わる。
しかし、その力は強大であり、銃もない当時、殺されることもなく彼らは戦に出るこ
となく一般人としてその生涯をおえた。
7
本作品における龍脈
精霊の拠り所とするのが地脈ならば、人の意識が拠り所とするのは龍脈という説。
精霊に意識がある事は証明されておらず、龍脈の存在自体人の意識が干渉するもので
あるだけで拠り所とはまだ証明されていない。
龍愁脈﹃龍脈爆心﹄
呼吸を特別な物︵山にいる時のような息苦しさを保つ︶にして意識を研ぎ澄まし、龍
脈に意識をアクセスし、底から龍脈の力を得て自身の強化、物の移動、熱エネルギーの
増幅、減衰、龍脈の力は多種多様に及び、治癒魔法さえ凌駕することもできる。が、強
エ ク ス ト ラ
い力を短時間加える物なので、一般的な治癒魔法よりは持続効果は薄い
紙一族
紙︵霞三︶一族であり、 数字落ちである。
三の一族と同じくマルチキャストを得意とし、
彼らの生み出した複合魔法﹃イビルブラッド﹄と複合補足魔法﹃画竜点睛﹄は強大な
かみ しゅんせい
力故に禁忌とされ、数字の剥奪に至る。
紙 俊睛はその禁忌の技の継承者
設定、及び本作中における謎の解消
8
複合魔法﹃イビルブラッド﹄
この魔法は対人魔法である。
己の血を体内をより速いスピードで循環させ、殴れば追撃と言わんばかりに己の皮膚
から血の極細の刃︵糸︶がが飛び出す︵殴らなくても出せる︶収束魔法の複合で鉄を集
め、強度を高め、硬化魔法で座標を固定させ、刃物の形を取ったりもできる。︵jojo
のバオーの腕についたりしてる刃を参照︶長時間の使用は禁物
複合補足魔法﹃画竜点睛﹄
画竜点睛の文字通り、完成させるために物事︵この場合は改変する事象︶を追加する
魔法である。この事象を術者の意思によって変更できるのが一番の強み。
例えば﹃イビルブラッド﹄で敵を攻撃した、そして血で追撃した。
この事象に色々︵この場合はイビルブラッドで出した糸から更に分岐させるように糸
を発生させる︶補足をするのだ。
最後の仕上げという意味での追い討ち。ということでこの名前が付けられたが、汎用
性が高いためにトドメにもなんにでも使われる。
が、欠点がないわけではない。干渉能力が低いため︵といっても他の魔法よりすこし
9
エ
イ
ド
ス
控えめなくらいである︶、
また、個別情報体には復元しようとする力が働ため、基本的に事前に魔法をかけた対
象が、魔法をかけた直後の不安定な時︵FAE理論ことフリー・アフター・エグゼキュー
丶
丶
ション、Free After Executionと同じ原理︶にかけることしかで
きない。故に複合補足魔法である
ご た ん だ さ い お ん
オリ主及びオリキャラ紹介
五反田彩音
好物、いちご。
好きな分野 化学
嫌いな分野 数学
甘いものが好き。
雫に気がある。
魔法演算領域を持たない為、脳内に魔法を洗脳技術の応用で記憶し、それを引き出し、
想子を駆使できるようになる術を﹁唱える。﹂
設定、及び本作中における謎の解消
10
詠唱魔法+フラッシュ・キャストのようなもの
髪の毛はぴょんぴょんはねている。本人はよく寝る体質なので寝癖とよく間違えら
れる
顔立ちは女っぽく、髪の毛をストレートにするならば女と見間違える。
ごたんだけいたろう
五反田圭太郎
彩音の父、熊本県に位置するところに住在。普通のサラリーマン。
ただ、昔、大富豪の北山潮と同期であったりと色々ある。
趣味はサッカー。
好きなものは、やはりイチゴ。
ご た ん だ さ い み
五反田彩深
彩音の姉。人前だと21世紀前半の若者の喋り方をするが、弟や家族を前にすると普
通の言葉を使い、暖かく、そして優しい。彼女は天才である。
達也と同等レベルに。
体育の教師として一高に赴任してきたが、その身体能力は教師とは思えぬ素晴らしさ
である。アスリートレベル。︵跳び箱10段を踏み台なしで手をつかずに飛ぶレベル︶
11
弟の魔法開発をちょくちょく、手伝ったりするが、彼女は圧倒的に天才で、魔法につ
いて知らなくてもその術程度なら作れてしまう。が、本人はその頭脳の良さを使うのは
嫌がり、ヒントしか出さない
こ や ま だ ま さ き
小山田 雅
熊本に産まれる。彩音と同じ小,中学を卒業。
彩音に基本的な魔法のノウハウや精霊魔法をを教えたのは彼である。
こ や ま だ
趣味、アニソン、アニメ鑑賞。読書⋮etc
エ ク ス ト ラ
小山田一族の本家であり、
﹃龍脈爆心﹄の使い手。古式魔法師の母を持ち、幻影なども得
意とする。
かみ しゅんせい
紙 俊睛
紙は霞三であり、数字落ちである。
複合魔法﹃イビルブラッド﹄と複合補足魔法﹃画竜点睛﹄の正式な継承者であり、成
績も上位である。
彼の父、紙 俊盛は﹃画竜点睛﹄は継承しておらず、その継承ルーツは祖父からであ
設定、及び本作中における謎の解消
12
る。
作者も疑問に思ったりする事とかココに纏めておく
ネタバレ注意
13
Q,なぜ熊本住在なのに一高に通ったか
Q,どうやって彩深は司 一の情報を手に入れた
A,確率論。
Q,彩深はどうやって小野遥を見つけたか
る前に関節技を決めて拷問まがいのことをしたというのが実際の出来事である
というのが本人曰く。しかし、実際は隠形を見抜いた瞬間、自分の気配を感じ取られ
情報を吐かせた。
に勝利を収めた司波達也の同格の五反田の姉だぞ﹂と嘘八百︵本人曰く︶を並べて脅し、
を見破り、
﹁私は体育の教師をしているくらいには体術に自信があるの﹂とか﹁服部刑部
A,学校を探索し、いろいろ調べており、壬生紗耶香をマークした際、小野遥の隠形
?
家の一つである 百山だとか。故にその百山が務めている学校。一高へ通うことに。
ももやま
A,彩音の論文は非人道的な技術があり、ある特定の人物にしかみせられなかった、百
?
投資などの分野で基礎論として使われる。 もともとサイコロ賭博といったギャンブルの研究として始まったが、現在でも保険や
確率論とは偶然現象に対して数学的なモデルを与え、解析する数学の一分野である。
?
設定、及び本作中における謎の解消
14
By,Wikipedia
なお、確率の計算を問題とする分野を指して﹁確率論﹂と呼ぶ用例も見られるが、本
作では取り扱わない。
彩深は確率論で出せる範囲なら予知的なことはできる...そんなレベルの天才
はじめに
俺が入学するまでの流れはこうだ。
ごく普通の一般人なのだ
BS魔法師でもない。
魔法演算領域は存在しない。
ナ ン バー ズ
んで、ついでに言うが俺には魔法師が持つと言われる
いうのは元々土地の大きさを表す単位だからな。
五反田とは昔駅の名前になってたりするぐらい有名な土地の名前なだけだ。反田と
俺の名前は五反田 彩音だ。五が付いているが数字付きではない。
ここで色々俺は弁明しておこう。
一般人である俺が入学している。
本来魔法師のみ通う高校に今
なぜか国立魔法大学付属第一高等学校、
俺は困惑している
プロローグ
15
中学の時、国語の先生が﹁君たちはそろそろ受験だ﹂と小論文の練習...になるかは
俺は理解出来ないが、なにかしらテーマを作り研究し、それを論文にしろと言われた。
本来これは理科の分野なのでは...と思いつつ真面目に取り組んだ。
そのテーマは
∼一般人にとっての想子及び霊子∼
このテーマ、要するに一般人でもこれを扱えるようになったのたら、またそれには何
が要るのか。だ。
さいおん
魔法師でもない俺がどうしてこんなテーマに取り組んだか。それは簡単だ。
名前が彩音だからだ
こ ん な 面 白 く も な い こ ん な 理 由 で 取 り 組 ん だ せ い で 波 乱 の 人 生 が 待 っ て い る と
は....
ある中学、3学期、先生に呼び出された。
俺は地元の進学校に進学し、普通に父のようにサラリーマンになる予定であった。
が、
﹁3│2組五反田です。﹂
プロローグ
16
ここでそんな予定が崩れるとは知る由もなく、
進路相談室へと入っていく。
この先生は誰だ...
﹂
?
おそらく、﹁五﹂反田のことを言ってるのであろう
なぜあなたのような魔法師の家がそんな論文を
﹁その魔法師以外でも魔法を使えるようにするという考え方自体は気に入りましたが、
たとは。
驚いた。ただ、興味本位で書いただけの論文が校長、ましてや国立の。に知られてい
ませんね...﹂
﹁あなたの息子の論文は見させてもらいました...が、とても中学生のレベルではあり
憶は一切ないんだけど
...確かに俺は進路希望調査には国立の高校を記入したが魔法科高校とは書いた記
﹁初めまして五反田君。私は国立魔法大学付属第一高等学校校長、百山と申します﹂
ももやま
いつもはニコニコして優しく対応してくれる女教師だったのだが。
?
というか俺は確実に進学するために頻繁に進路相談室には訪れてはいたのだが。
なぜか父も居た。
﹁入りたまえ、五反田君﹂
17
ナ ン バー ズ
父とハモった。
﹁﹁数字付き じゃ/では、ないです﹂﹂
プロローグ
18
入学編
ことはない。
て﹁状態の定義﹂を改変し作用を発生させるものでしかなく、事象そのものを作り出す
ちょっとここで解説をいれよう。そもそも魔法は事象に付随している情報体に対し
だ。
⋮正直、魔法演算領域を持たない俺の魔法の使い方はちょっとした裏技のようなもの
かなり緊張している
試験当日
いな感じらしい。
最悪退学︾という手段を選んだ、通ってる限り校長からお金もらえるしね。奨学金みた
︽一度入学して通用しないと校長に実感させてもう文句を言わせない状態にして転校、
父と相談した結果、
うーん、どうしよう。
入学編 Ⅰ
19
入学編 Ⅰ
20
よーするに、手を触れずに物を浮かせる様なもんだ。
ついでに補足するが魔法師、人間、関係なく人体には想子が保有されている。
俺が提出した論文は、
この想子を魔法師は魔法演算領域で加工して魔法という状態の定義を改変する出力
となるのであれば、魔法演算の代わりとなるものであれば魔法を使えるのではないか。
というもの。
だから俺は洗脳技術の応用...といっても暗記するようなものだが、魔法式を頭にイ
ンストールし、それ+俺の想子を使用する数式、その速度や規模、強度、設定する変数
を︽唱える︾のだ。詠唱の様なものだが、これには魔法演算領域を必要とはしないので
ある。
洗脳技術を使うのであまり好評価ではなく、世には知れ渡らなかった。
そもそも一般人が魔法を使う機会がないそうだ。
実技試験はCADを操作して
稼動してない機会という状態を改変する
スイッチを入れるようなもの。である。
この試験から
21
処理速度
演算規模
干渉強度
これらが試される。
これから行う実技のために脳内にそれ専用の術式を頭に叩き込まないといけない。
しかし、普通はその術式はCADで管理されており、その術式は非公開である。試験
なのであたりまえだ。
だから俺は
前の生徒が起こした状態の改変を︽読み込んだ︾
イ
ン
ス
トー
ル
これだけ俺が使える固有魔法、
改変済事象変数化術
術式を読み取るのではなく、その改変された事象から物事を読み取る。これは魔法と
いうより推理に近いであろう。その事変を読み取り、それを更に変数、術式にして、頭
に記憶してある術式と一致するか確かめる。
こうすることで術式まで読み取ることができるのだが、これは術者の知識が重要とな
る。
あたりまえだがこの試験の術式に一致する術はない。だが、読み取ることさえできれ
ばいい。
後はそれを頭に叩き込むだけだ。
というか前の生徒、かなり...速い、これが普通なのか
かいう名前だったか。
きっと上位にくい込む人間なのは確信した。
4月
有り得ない。たしか北山と
裏技である。というかチート。CADを介さない分速く唱える事ができるのだ。
無事に入学できた。そして一科生になった。俺の場合ちょっとした
?
俺に似た術を使っていた男を。
そして思い返していた。
することもないのでベンチに座っていた
すべきほどの実力ではないと判断し、暇になった。
あの北山とか光井、司波の3人とかあたりは見ていて桁外れだったが、他は特に言及
他の生徒を観察するべく25分前に来たのだが、暇なのだ。
﹁さて、なにして過ごそうか﹂
入学編 Ⅰ
22
すごく違和感を感じた。
あの桁外れの司波の双子なんだろうか
﹂
子だと二科生だろう。
が、手を抜いたのか一旦その術式を破棄して新しくその術式を構築していた。あの様
俺のように脳から術式を発動しかけていた
男の方は俺に似たものを使っていたがあれは驚いた。
?
.......
.....
..
Wake Me Up
Wake Me Up...﹄
!
﹃Wake Me Up
!
と思い、いまのうちに眠気を解消するために就寝することを、決意する。
噂をすればなんとやら、その司波の声が聞こえてきた。が、入学式で寝るのはまずい
﹁納得できません
!
23
アラームがなった。入学式10分前だ。
早速、式場へと向かうことにした。
ベンチで寝ていたが、横になっていたわけじゃないので別段どこも痛まなかったのだ
が、
﹁うわぁ...﹂
何故か心が痛む。
式場は前半分が一科生、後ろ半分が二科生ときれいに分かれていた。
本当は1番後ろでのんびりしておきたかったのだが。
無理に逆らうつもりは無かったので適当に空いてる席に座った。
﹂
さて、そろそろ始まるかなという時に
と声をかけられた
﹁お隣、空いてますか
入学編 Ⅰ
24
?
入学編Ⅱ
﹁お隣、空いてますか
と失笑された
﹂
﹁二人は幼なじみなんですね﹂
と揃ってツッコミを入れた
﹁ほのか/雫 でいいですよ﹂
﹁俺は五反田 彩音。光井さんと北山さん、よろしく﹂
とほのかに釣られて自己紹介をした。
﹁私は北山雫﹂
﹁ありがとうございます、私、光井ほのかって言います﹂
えてくれた。
寝ぼけているのか、寝ていたのか。その男子生徒は大きなあくびしたことを詫びて答
﹁....ふぁぁ...失礼...空いてますよ﹂ で空いてるのはここぐらいである。
とほのかが尋ねる。5分前に来たのだが、意外と席が埋まっており、2つの席が並ん
?
25
﹁五反田さんはなんで敬語なの
﹂
五反田さんずっと敬語しか喋ってない
?
五反田さん
﹂
﹁うーん、タメ口の方がいいのかな︵作者の声︶﹂
﹁メタいよ
....
..
!
とまた立ってしまう
ピョン♪
と、五反田君は手櫛をかけたが、
﹁ごめん、この髪型、治らないんだ...﹂
一応、式典である、その髪型で出るのは本人のためにもならないと思ったのだが
﹁あの。寝癖ついてますよ﹂
よく見ると五反田さん、見ると所々髪の毛が跳ねている。
!
...凄い
かる。
人形みたいな癖毛なのだ。しかも髪質はサラサラしてると手櫛を、かけることからわ
!
﹁水で濡らしてもワックスかけてもすぐ戻るんだ...﹂
入学編Ⅱ
26
つい触ってみたくなるが彼は男子、初対面だ。これは失礼だと己に喝を入れた。
﹂
﹂
そしてなんだかんだあって司波さんが新入生代表挨拶をし、無事に入学式を終えた。
......
..
雫と同じだよ
IDの交付が終わり、
﹁やった
﹁俺もAだったよ﹂
﹁やったね、あ、五反田さん、クラスは
!
別にボッチスキルがあるわけではないのだが、入学式で前例の端っこに座っており、
とカウンセラーの言葉が終わり、下校することとなる。
﹁...では、みなさん仲良くしてくださいねー﹂
彩音視点
..
.....
試験から察するに﹁く﹂﹁け﹂の苗字はいないので五反田さんの前の席であろう。
と、五反田さんとはおなじクラスになったらしい。
?
!
27
隣がほのかしか居なかったため、ほのかと、その連れの雫といっしょに校内を回ってい
た。
﹂
?
そういえば順位が張り出されてたな、見てないけど
﹁そういえば、五反田さんって成績上位でしたよね
と雫。
﹁この人、2位だったよ﹂
....え
俺が....
?
ここで俺はこのままでは不味いと思い本当のことを告げる。
と言われた。
﹁あ、見てなかったんですね、凄いですよ、司波さんと僅差だったんですよー﹂
顔に出てたのだろうか、
?
﹁実は...俺、魔法師じゃないんだよね﹂
入学編Ⅱ
28
入学編Ⅲ
雫は今日の放課後のことを思い出していた。
﹁...五反田さん﹂
がなくなるのではないか。
る。彼の実験は成功なのだ。彼の魔法があれば、魔法師、人間の区別がなくなり、差別
しかし、彼の論文は理解出来た。彼の功績は確で、2位という成績まで叩き出してい
という感覚がイマイチ理解出来ていなかった。
彼女は裕福な家庭に生まれ、困ったことは何も無い、故に彼のお金の為に学校に通う
雫は1人部屋で呟く。
﹁この方法は洗脳技術の応用だ。人道的に良くないものが多い...かぁ...﹂
雫はこの言葉を思い出していた
﹃俺、魔法師じゃないんだよね﹄
29
......
...
俺は魔法師ではない。
ひょんなことから魔法を使えることにはなったが、魔法演算領域ができたわけではな
いのだ。
そのことを伝えると雫とほのかはイマイチ理解出来てなさそうであった。
たしかにあの理屈めちゃくちゃだもんな︵作者の声︶
﹂
﹁...という訳で魔法を使えることには使えるが、俺は一応一般人なんだ。母は塾の講
師、父は一介のサラリーマン。﹂
﹁うそ...でも魔法使えるなら魔法師じゃないの
たしかに雫のそういう見方もある。
?
司波さんも同じように囲まれていた...が、司波さんはきっとその美貌もあるからだ
んなのかは分からないがみんなに群がられた。
その説明を一通り終え、学校も一回りして教室に戻ってくると2位になったからかな
誤解ない様に言うけど魔法師が人間じゃないって言ってるわけじゃないから﹂
﹁でもね、演算領域があるわけじゃないからみんなと同じようにできないんだ....あ、
入学編Ⅲ
30
31
ろう。
教室は新学期特有の騒々しさを放っていた。
ぶっちゃけると俺は人ごみが嫌いなので抜け出した。この後特に何もすることもな
いし履修登録も済ませていたしな。
お、いちごオレだ
好物のいちごオレの自販機を見つけその味を堪能して居ると、俺と似た感じの術を
使っていた男を見つけた。
司波達也だ。
やはりあいつは二科生なんだな。
ス
トー
ル
しかし、実践ならあの男が強そうだ。
ン
俺は
イ
改変済事象変数化術を使い彼を分析した。
人間は想子を保有している。事象を読み取るということは残留想子を読み取ること
も行う。つまり、今、達也の中を読み込んだ...のだが、その筋肉質までは読み取り、そ
の内部、神経を読み込もうとしたのだがなぜか無効化された。
彼に興味がわいたので話しかけてみる。
﹁お、初めましてかな。司波さん﹂
よく俺の名前...って俺の名前は張り出されてたな
﹁初めましてだな。五反田。﹂
﹁お前、脳内に魔法式を埋め込んでるだろ﹂
初見で達也には見抜かれていた。
﹂
なにやらちょっとしたヤバイ空気になりつつある時
﹁あ、達也くん、いたいた...って、この人誰
﹁五反田だ。新入生2位だ。﹂
代わりに達也が言う。
?
それから生徒会の人たちが来たりだのなんだのがあって家に帰る。
..
.....
1位も来ました。
﹁あ、お兄様﹂
入学編Ⅲ
32
33
俺の住んでたところは旧熊本県に存在する。が、百山校長からのご指名なのでいまは
一高付近に一人暮らしをしている。
そこで俺は、1つ電報が入ってることに気づく。
四葉家からだった。
.....
達也視点
あの時、五反田は俺というイデアにアクセスしていた、その魔法は俺の精霊の目を
持ってしても読み取ることが出来なかった...彼は何者だ。フラッシュ・キャストとい
う四葉秘匿の技術と同格のものを使っていたが...
と、一人思いふける達也。もしや五反田が四葉の差し向けた者だと思い警戒するか否
かを思っている。
深
雪
仮にあいつが四葉の仕向けた刺客だとするならば迂闊に調べて警戒されていると知
奴が四葉の者なら確実に黒羽によって情報統制が行われている...直接
られるのはまずい、なによりも最愛の妹を第一に守らなければ...
どうする
聞き出すしかないか...
?
ヒント
しかしエリカ達が合流したので聞き出せなかったのだった...
しかし、あいつが四葉の者なら真夜がなんらかの連絡を入れるはずなので結論にはた
どり着けなかった。
達也さん。あなたから掛けてくるなんて珍しいですね﹄
...叔母上に連絡するか...
﹃もしもし
?
彩音視点
...
......
﹁叔母上、俺は今日、フラッシュ・キャストと酷似した魔法を使う者を発見しました。﹂
入学編Ⅲ
34
﹁その技術は秘匿にするように...かぁ、人道的な問題を解決すれば魔法師と人間の差
別がなくなると思ってたのになぁ﹂
俺は十師族、しかもあの四葉家に勝てる自信はない。
あ、そういえば
達也が忠告される原因となった人物とは知る由もない
﹁達也も忠告されてるのかな...﹂
35
P....P..PPPPPPPPPPP
....ん
ン
ス
トー
ル
は出てるのでは。しかしこんな早朝に誰だ...
?
ケートのような物に魔法を作用させている...しかしすごい速度だ。毎時30k以上
こちらへ一歩二歩と。2人居るな...これは走っているのか、もう一人はローラース
改変済事象変数化術を使った。
イ
俺は何らかの音を聞きとり
?
スタッ...スタッ...
二度寝して起きれなくなるのもいけないので体を動かしに外に出る
...早く起きすぎたな。
0
アラーム音で目が覚める。そこはなにもない殺風景な部屋。時刻を見ると現在4:3
!!!
入学編Ⅳ
入学編Ⅳ
36
ソレ はこちらに気づいたのか急に方向を変えた。
﹂
本当ですか
お兄様
!?
﹂
!?
つけていたのだから。
ン
ス
トー
ル
驚くも無理はない、俺たちは師匠から貰った人よけ︵鬼門遁甲のようなもの︶を身に
﹁っ
!?
﹁深雪、こちらに誰か感づいた。﹂
早朝、入学したことを報告するために師匠の元に向かっていたのだが。
達也視点
....
..............
かけた。
俺 は 脳 内 か ら 自 己 加 速 術 式 と 改変済事象変数化術 を マ ル チ キ ャ ス ト し て ソ レ を 追 い
イ
動と言ったら泥棒くらいしか思い浮かばなかった。
寝ぼけていたのか︵恐らく寝ぼけていなくても︶魔法の無断使用、なおかつ高速な移
﹁...泥棒かっ
!?
37
エレメンタルサイト
達也は精 霊 の 目を使ってその対象を確認した。
...あれは、五反田
無理もない。かれこれ40分走っているのだ。
行してるのだ。︵歌いながら走ってるようなもの︶
しかし、彼らについて行くスピードを維持するためにずっと魔法式を詠唱しながら走
普段運動はしないがそこまで運動音痴ではない。
﹁はぁ....はぁ...﹂
彩音視点
...
.............
﹁仕方ない。深雪、逃げるぞ﹂
しかもこちらへ迫ってきている。
?
彼は追跡を諦めた...追跡は。
﹁...っ、無理だ...﹂
入学編Ⅳ
38
彼は1つ札を取り出した。
う、詠唱して。
五反田はその呼び覚ます術式と精霊を喚起する喚起魔法をマルチキャストした。そ
神から、地脈からその霊子を呼び覚ます。
るため、普通の魔法師には扱えない。なら古式魔法士はどうするか。想子を活用し、精
普通、古式魔法士は想子より、霊子を使う、しかし、精神に霊子は存在すると言われ
生命ヘト導ク覇者ノ煌メキヨ、我ガ声ニ耳ヲ傾ケタマエ
﹁詠唱、 開始﹂
そして札に色々書き込み始める。
﹁変数定義終了、オーバートップクリアマインド.....﹂
ある。
CADには数字やらアルファベットを並べて魔法を使う。現代魔法に置ける術式で
ugmt.....﹂
﹁.....7758069.758858445806,#OpensPace///C
39
精霊魔法﹁悪意根絶﹂
霊子は精神からくるものである。故に人の感情を見分けることができる。それをつ
かって悪意を探知したのである...が、その2人はみつからなかった。
泥棒ではないことがわかった...が、それは今までの苦労が無駄になったという事実
である、
一体誰だったんだろう、それは疑問に思うが悪意がないのなら自分から首を突っ込む
必要はない。
と思いこのことを忘れるように務めた
が、
レ
ポー
ト
.............
結局間に合ったのは間に合ったのだが、朝ご飯を抜く羽目になった。
粒子化転送をここで完成させるか...まぁいい、さっさと帰ろう﹂
テ
﹁遅 刻 は ほ ぼ 確 定...い や、全 力 で 走 れ ば ま だ 間 に 合 う...そ れ と も 今 研 究 し て る
入学編Ⅳ
40
....
雫視点
﹁うぅ....やっとご飯...﹂
五反田さん。一緒に食べる
後ろの席で誰かが死んでいる。
﹁大丈夫
?
?
意外とおしゃれなのを頼んでいた。
ノーラでもいい﹂
﹂
﹁うーん。カレーは気分じゃないんだ...コーンフレークとかないのかなフルーツグラ
﹁えーとね、カレーとかたくさん売ってるよ﹂
食べ盛りなのかな。五反田さん。
﹁うー、ここには何が売ってるんだ
﹂
深雪も誘おうとしたが森崎やら煩い男子に囲まれていたので3人で行くことに
﹁これからほのかと食堂いくけど、五反田さんも決定ね。あとは....﹂
そもそもの顔立ちが女っぽいので可愛かった。
ぶぅ...っと頬を膨らませる五反田さん。
﹁あー、ありがとう...朝ご飯食べ損ねただけからまだ平気...﹂
?
41
....前言撤回。可愛らしいであった。
その皿に乗るのはイチゴ。イチゴ。そしてイチゴ。その上にまんべんなくかけられ
甘
党
た砂糖...
五反田って二つ名でいいんじゃないかなもう
私は和食セット、ほのかは洋食セット、一人はイチゴという違和感丸出しである。
それぞれが好物を食べる余韻に浸っている時、なにやら騒がしい声が聞こえて来る。
お互い様である。
かっこよくてでも可愛くて...って、何言ってんだ俺....
雫、和食セットをちょびちょび食べてて小動物みたいでかわいいけどどこかクールで
時を同じくして五反田も。
雫は無意識に五反田の事を意識していた。
は身長高くて顔つきはキリッと...
五反田さんは...なんというか人形のようというかマスコットというかそれにして
だ。
聞いて呆れる、森崎とは関わらないでおこうという決意をした。うるさい男子は嫌い
﹁深雪さん、そんな二科生なんかと食べないで僕たちと食べようよ﹂
入学編Ⅳ
42
食事は達也さんが席を立ってそのざわめきは収まり、無事食事を終えた。
...........
...
彩音視点
放課後。俺たちは一緒に下校することとなっていたため、校門へと近づいていた。...
が、
パシッ
なにかを棒で叩いたような音がし、なにやら罵声が。
!
..........
﹁﹁私も行 きます/くよ﹂﹂
﹁ごめん、ちょっとあっちの様子見に行くよ﹂
43
....
﹂
現場に来てみると森崎が二科生に何かを言っていた。恐らく食事の時のを引きずっ
てるのであろう。
ン
かった。
ス
トー
ル
俺は雫やほのかまで巻き込まれると面倒だし、なにより目の前の差別やらが許せな
た応用の魔法、発動は簡単だ。
彼は一科生。威力は計り知れない。名前は仰々しいが、基礎単一系魔法のちょっとし
重力を操る魔法...ではなく上方向からの力を加えるだけなのだが。
領域干渉魔法、﹁グラビティ﹂である。
改変済事象変数化術を使って後でわかったが、使おうとした魔法は
イ
た。
CADを落とされ、呆然としている森崎の後ろの男子生徒は魔法を発動しようとし
﹁二科生の分際で
!
ロスト・エレクトロは、一定空間の窒素︵元素の種類は改変可、今回は窒素︶を収束
収束・発散系魔法﹁ロスト・エレクトロ﹂
﹁収束せよ、汝らの雷を持って敵を討て﹂
入学編Ⅳ
44
させ、その電子を発散させてちょっとしたスパークを起こす。
一科生としてのプライドはないのかっ
﹂
が、スパークなんて直撃させたら何が起こるかわからないので収束だけして窒息させ
て魔法を中断させた。
閃光魔法の術式の構築を終え、発動のプロセスへと以降する。
俺は直感で思う
きっと、達也にはほのかの魔法が見えていた。
なかった。
達也は一瞬ほのかを見たが他の男子生徒に向けて手を突き出していた様には反応し
!
それによって跪く男子生徒を見て森崎が
﹁お、お前ら
﹂
!
ほのかが閃光魔法を発動しようとした。
﹁駄目っ
落としていたCADを手にとろうとする。
と。これで挑発に乗らないはずはなく、
﹁お前こそ、人間としてプライドはねぇのかよ。﹂
!
45
その時である
﹂
﹂
想子の塊がぶつけられた。
﹁きゃっ
!?
!
と、彼女の付けている風紀委員と生徒会、それぞれの証を見て思う
やれやれ、面倒な事になった。
﹁やめなさい
入学編Ⅳ
46
入学編Ⅴ
た。﹂
なんと、即興でこんな嘘をでっち上げたというのか。...すげぇ
?
﹁﹁ただの閃光魔法 です/ですよ﹂....威力もかなり抑えられてました﹂
﹁そこの女子生徒が攻撃性の魔法を発動しようとしてたのはなんだ
﹂
と見学させてもらおうとしたのですが、あまりに真に迫っていたのでつい手が出まし
﹁わるふざけが過ぎました。森崎一門のクイックドロウは有名ですので、後学のために
司波達也だ。
なっ...
﹁すみません﹂
乗り越えないと...
俺が魔法を使ったことでほのか達に迷惑をかけてしまった...ここはなんとか俺が
やっちまった、俺は人生TOP3に入るレベルで後悔した。
﹁風紀委員の渡辺摩利だ、事情を聞きます。全員ついてきなさい﹂
47
司波達也とハモった。
﹂
バレた。バラしたくなかったが...達也も気づいていたのなら俺は口にださなくて
﹁ほぅ...君達は魔法式を読み取ることができるそうだな﹂
よかったじゃん...
﹁名前を聞いておこう﹂
﹁1年E組 司波達也です﹂
﹁1年A組 五反田彩音です﹂
﹁...覚えておこう﹂
.............
...
﹁森崎謝っとけよ、下手すると退学だったんだぜ
?
入学編Ⅴ
48
司波達也
﹂
﹂
!
を捨てゼリフに去って行った。
﹁...チッ、僕はお前を認めないからな
﹁はぁ...﹂
え
と雫
﹁せっかくだし、達也さんと一緒に帰らない
...
.............
とちょっと興奮気味のほのか
﹁え
!?
﹁じゃぁ、深雪さんのCADを調整してるのは達也さんなんですか
﹂
わ、私は達也さんがいいなら是非
?
?
級者。というか弄るどころじゃない。作れる。俺は確信していた。
﹂
達也もCADいじれるのか...深雪さんのCAD見るだけでわかる。こいつかなり上
こいつ
﹁ええ、お兄様におまかせするのが一番ですもの。﹂
?
!
!
49
﹁少しアレンジしてるだけだよ﹂
この嘘つきめ...
だぞ
﹂
﹂
﹁それに、五反田だって特殊なCADを使ってるだろう
五反田さんCADつかってたの
そんなことないです。
﹁え
と雫。
五反田も俺以上に詳しいはず
?
みんな魔法を使えるようになるん
かし、使ってもないCADを、なぜコイツには見抜かれたのだ
﹂
﹁え、五反田君は一般人なの.. それって凄くない
だよ
!?
?
俺はCADは基本的に必要ない。なぜなら脳内から基本的に直接唱えるからだ。し
領がいらないのでかなり小さめだ。500円玉ぐらいに。
俺のCADは凄い小型だ。基本的に術式を口で唱えるからそのインストールする要
俺は魔法師ではない。これを1から説明した。
﹁俺はたしかに特殊な物を使ってるけど...あー、これオフレコで頼むんだが...﹂
?
?
?
!
!?
あまり世に出なかった。﹂
﹁あー、それは俺も思ったが、洗脳技術の応用やらで非人道的なんだ。そのせいで論文は
入学編Ⅴ
50
﹁あと、最近だけど秘匿にするようにとお達しが来たからね...﹂
﹁でもCADとか理解できるんだね、五反田君、ワタシのも見てくれない
達也君もさ、﹂
俺にも手に負えないよ。刻印型はまだ勉強中だから﹂
﹁無理。それは特殊だからな。﹂
と達也
﹁それ、刻印型でしょう
﹁それCADだったんですか
﹂
﹁へぇ⋮見ただけでホウキってわかったんだ﹂
?
﹁でも、それ燃費が悪いんだろう
よくガス欠になんないな﹂
名前分からない...さ...サイタマ君だっけ
?
美月さん、というらしい
﹁普通の反応をありがとう、美月﹂
?
﹁一般人はいないんですかねこの学校﹂
俺も少しは武術に通じてるからわかる。
﹁それ、秘奥の部類じゃなかったっけ﹂
んなに消耗しないのよ兜割りとかと同じで﹂
﹁お、さすが得意分野、でもあともう一歩ね、打ち抜く瞬間だけ想子を流してあげればそ
?
と眼鏡の人が
?
51
と美月
﹁魔法科高校に一般人はい...るじゃん。あ、でも色々規格外﹂
間に合わない
..........
くっ、イチゴスペシャル︵山崎パン︶を加えて学校へと向かう。
完全に油断していた、こんなに寝るとは思ってもなかった...
!
昨日どっと疲れて、早起きしないことを心がけたら時刻は既に7:00。急がないと
やばい
...
.............
﹁ちょっとー、酷くないですか雫さん...﹂
入学編Ⅴ
52
た
...
っ
く、 ど
う
し
て
こ
ん
な
に
遅
れ
た
ん
だ
よ
﹂
!
﹁っはふ、ほうしへほんなほふれふんふぁほ
そう嘆きながら走る。
ふと、声をかけられる。
﹁あ、五反田さん﹂
雫さんだ
少し間を置き︵飲み込むために︶
﹁あ、おはよう、雫、ほのか﹂
やはりこのふたりはセットらしい。
﹂
﹁早いよね五反田さん。﹂
﹁え
え
嘘でしょ
?
﹁学校、9:30からだよ始まるのは﹂
?
?
!
53
﹂
そうだ、今日は朝から先生達が会議するやらなんやらで遅く始まるのか
﹂
﹁そうなのか...もう、始まると思って急いできたよ...﹂
﹁朝ご飯またあんまりたべてないでしょう
?
?
﹁これから雫の家に行くの、五反田さんも一緒に食べない
入学編Ⅴ
54
なんで雫の顔が目の前にあるのだ...
.............
...
雫視点
?
えーと、たしか、抹茶を飲んで....倒れて...
どうしてこうなった。
何故だ。
入学編Ⅵ
55
朝、ほのかを北山家に迎える為に移動していたのだが、
何らかののパンを咥えて走っている五反田さんを見かけた。彼は....そう、昨日の
お昼ご飯の前のような顔をしていた。つまりお腹が減っているのだろう、
という訳で彼も誘うことにした。
﹁ただいま﹂
﹁お邪魔します﹂
...
.............
こう。
彼はきっと頑なに否定するのであろうから、その技術の完成を密かに楽しみにしてお
本当なら航が魔法を使えるようにする事をお願いするつもりだったのだが。
癖なんだろうか...
五反田さんって人前だとすごい硬い敬語つかうよね
﹁失礼します﹂
入学編Ⅵ
56
私は五反田さんに、何か食べれない物はないか
﹁﹁﹁いただきます﹂﹂﹂
五反田
﹁苦いもの以外なら何でも食べれるよ﹂
甘党め
?
﹁﹁え
﹂﹂
﹁だ....大丈夫...飲み干したから...﹂パタッ
と問うと
まさかここまで苦味に耐性がないとは思いもしなかった
プルプル震えて耐えていた
﹁....﹂
...
.............
イタズラとして彼にとびっきりの抹茶を用意した
?
57
﹂
つ
も
これはチャンスよ
い
﹂
の
﹂
抹茶を飲んで倒れる人だなんて初めて見た...
﹁雫
﹂
﹂
おもむろに制服を脱がせられた。
﹁す、好きだなんて...たしかに可愛いけど...ひやぁ
な...
﹂
﹁まったく、雫が五反田さんの事を好きだって気づいてないと思ったの
﹁え、ちょ、ほほ、ほのか
なぜその発想になったのか
﹁ッ
﹁雫、五反田さんに色じかけをするのよ
あぁ、 恋する乙女モードだ
﹁ほ、ほのか
!
制服を没収され、下着とワンピースになってしまった
.............
!?
!?
﹂
?
?
!
?
!
!?
﹁じゃ、私は忘れ物を取りに帰えるね∼﹂
入学編Ⅵ
58
...
10分くらい経った。
彼はまだ寝ている。
いや、気絶してるのか
?
﹂
これは起こさないと、なにやらアレルギーで倒れたのかもしれない。
﹁...っ
五反田さん
五反田さん
!
﹂
!
そ、そうだ、気を失った時は頭を高くしないと...
ひ...膝枕...
手櫛をかけてあげると彼の寝顔は綻ぶ。猫みたいだ、
勇気を振り絞って行動に出てみる
﹁髪を撫でるくらいなら...﹂
顔を近づけてたことに今更ながら恥じらいを感じて顔を真っ赤にした...
すー、すー、という心地よく寝ているのはわかった。
反応はない...ただ、顔を近づけて揺すってたので、
!?
恐る恐る話しかけるが何も返事はない
﹁五反田さん⋮
?
59
そういった適当な理由をつけ、彼女は彼の頭を持ち上げ
膝の上に置く。
ドキドキしている、当たり前だ。
﹁....かわいい﹂
....私の部屋に私と彼で二人っきり....
どうしたらいいのだろう、彼女は困惑する。
﹁そうだ、彼はまだ何も食べてない...いちごの匂いで起きるかな....﹂
そういって、前屈みになって手を伸ばす、イチゴを台から取り、彼の鼻の前に近づけ
てみる
顔を近づけて額どうしで体温を図ろうとしたその時である
本当に大丈夫なのだろうか、彼はまだ眠っている。
と、そのイチゴを私の口へ放り込む
﹁流石に反応はしないかぁ﹂
入学編Ⅵ
60
....﹂
!?
言葉から察するに俺は膝枕かなにかされてたっぽいな
?
抹茶程度で倒れて俺は女の子に迷惑をかけた。不甲斐ない。
﹁うん、こっちこそごめん。せっかく抹茶を出してもらったのに....﹂
なにか色々慌てて弁明している。
﹁さっきは体温を測ろうとしただけで....﹂
頭を載せていたような形跡のある物はなかった。
....ん
﹁き...気絶したから頭の位置を高くしようとしてただけだし...﹂
顔を真っ赤に染めた彼女がいた。いつの間にかワンピースへと着替えている。
彩音視点。
...
.............
﹁ッ
﹁...んっ...﹂
61
そ の あ と、帰 っ て き た ほ の か に 散 々 い じ ら れ、学 校 で も ヒ ソ ヒ ソ と そ の 話 は 流 れ
る....
............
...
それから3人で登校する事となった。
登校途中、俺は七草先輩に声かけられた。
﹁あら、彩音君、おはよーう﹂
出
来
事
是非生徒会室に来て欲しいの﹂
なんだこのハイテンションっぷりは
の
?
.............
断る理由もないので向かうことにした
昨日の放課後の事だろう
あ
﹁今日、昼空いてる
入学編Ⅵ
62
...
雫視点
なんだ...
﹁あら、彩音君、おはよーう﹂
しかも名前呼び...そうとしか思えない...
もしかして会長は五反田さんに気があるのか...
語尾に♡が付いてもおかしくないレベルだった。
?
彩音視点
...
.............
気になったが、彼女はそんなことをしないと信じるしかなかった
ントを仕掛けるのか。
昼、生徒会室へと連行されるのであろう、いったいどんなラブラブイチャイチャイベ
?
63
あ ぁ...昼 は 雫 と 食 べ た か っ た な ぁ、雫 の 家 の 料 理 は 美 味 し い か ら 是 非 と も 明 日
も...あんまり人のお世話になるのはいけないとは思うが、あの料理は完璧だった、抹
茶は想定外だったが...
その願いは後に実現するとは思いもしなかった
コンコン、
そう言ってドアを開けると司波兄弟が揃っていた。
﹁1年A組、五反田です﹂
﹁お、これで揃ったな﹂
と渡辺さん
は、はぁ、一体何を言われるのか
﹁彩音さん、ぜひ座って頂戴﹂
恐らく昨日やらかしたからだろう
﹁深雪さん、彩音さん、あなた達2名を生徒会役員として任命します﹂
入学編Ⅵ
64
はい
ボクガ生徒会
?
﹂
?
﹁百山校長先生からの指示よ﹂
さいですか
?
入りはいけないと思います。俺は普通の魔法師のように魔法を使えません。﹂
﹁百山先生から全部聞いてますね
なら話は早いです。魔法師でもない一般人が生徒会
個人情報ダダ漏れじゃないですかヤダー
﹁なぜそれを
委員長と被った。
﹁魔法師じゃない。﹂ んですよね﹂
﹁俺は
いつもの説明をしようとした
﹁自分はちょっと特殊な人間でして...﹂
俺は恐る恐る手を挙げ自己主張する。
?
エ
?
﹁あの∼...﹂
65
彼、筋肉凄そうですし﹂
そうなのか、たしかに今いるメンバー皆一科生だ。
﹁じゃ、風紀委員はどうなんです
﹁﹁﹁﹁.........﹂﹂﹂﹂
﹂
﹁大丈夫だ、きっと雑務をこなすだけで済むさ、魔法を駆使するのは本来、私達風紀委員
﹂
だからな。それに、魔法師かどうかならそこの深雪さんもいるだろう
ぐ、反論出来ない...
結局俺は委員会へと入る事に
﹁...なら、﹂
と徐に深雪さんが発言する
皆、顔を見合わせる
﹁皆さん、兄の成績をご存知ですか
﹂
!
﹁ごめんなさい、深雪さん、生徒会は一科生だけで構成されるの...﹂
﹁魔法力を問わないなら兄も生徒会入りを...
たしか、筆記のテストだけずば抜けていたとか。
?
俺は何気なく思ったことを言ってみた
?
やべ、なんかまずいことを言ったか
?
入学編Ⅵ
66
?
﹁それよ
﹂
い、委員長
﹁たしかに、風紀委員は一科生か二科生かは問わない
良く言ったぞ
俺はそんなつもりはありません﹂
たしかに。ごめんな俺の身勝手な発言で
と、ここで昼休みの終わりを告げる前の予鈴が鳴った
﹁では、この事は放課後に﹂
.............
...
生徒会入りはしたのはいいが...
彩音君
也で3席も1年生が占めるし、よって空く席は1つのみ、二人共は誘えない。
﹂
雫達との一緒に昼ごはんを食べる予定は今後少なくなりそうだ...俺、深雪さん、達
!
?
﹁ちょっとまってください
!
!
!!!
は、はぁ、できれば苗字で呼んで欲しいな、想子と被るし
!
67
そのことを雫達に伝えると、
雫と一緒じゃなくて﹂
﹁私はエリカたちと食べちゃうから五反田さんは雫と食べてきて♪﹂
﹁ほのかはそれでもいいの
!
そんな事を密かに耳打ちしてたなんて知る由もない
無理だよ︶﹂
﹁いいのいいの♪︵雫、チャンスは作ったからね︶﹂
?
﹁え...あぁ、うぅ..︵ちょ、まってよ
入学編Ⅵ
68
入学編Ⅶ
....気まずい
放課後。俺らは生徒会室を目指していた。深雪さんとは同じクラスなので、一緒に行
くことにした
....が。
司波達也が明らかに俺を恨んでる。
当たり前だ。俺のせいで厄介な仕事をやらなければならないから...
﹁.........すまん。司波﹂
﹁気にするな、あと、俺のことは達也でいい。﹂
﹁すまん。達也...余計なこと言ったから...﹂
﹂
気にするなと言われたら余計罪悪感もっちゃうじゃないか ...俺が悪いのは承知
してるけどさ...
﹁お兄様が風紀委員へ入る件なら私は賛成ですよ
?
!
69
﹁でも...ごめん。﹂
その後数分沈黙を保ち、生徒会室へとついた。
﹁一年E組司波達也です﹂
﹁一年A組司波深雪です﹂
﹁一年A組五反田彩音です﹂
﹁入りたまえ﹂
﹁揃ったな、では改めて、司波達也君。君には風紀委員への加入を命ずる。﹂
と風紀委員長。...命ずるって確定してんのか
ドンマイ、達也
﹁お断りします。﹂
キッパリ言いおった...
達也に恨みがあるわけではないのでここは黙っておくが。
いや、これは嘘だろう。
﹁俺は二科生です。魔法の行使も優れてはいません。﹂
?
﹁委員長、俺は副委員長としてそこの二科生の風紀委員加入に反対します﹂
入学編Ⅶ
70
誰
この人。副委員長
?
にしては差別意識が高そうだ...
?
もう一人って。ならそれは間違えだ。俺のは発動されてなくてもわか
?
﹁なんだと...
基礎単一系の魔法でさえ、アルファベットや数式の羅列で何十万とあ
それを読み取るだなんて....﹂
!
済まされていた生徒たちの大きな抑止力となる﹂
﹂
そう思えばそうだな。ただ、本人の意志はどこへ
﹁俺の意志はどうなるんですか
せやな。達也。
﹂
しかも二科生が取りしまえるわけがない
兄は決して負けたりはしません
﹁そうだ、本人も拒否している
﹁お言葉ですが
...多分そうだな
!
!
?
!
あ、言っちゃったよこの妹、ブラコンなの
?
!
﹂
﹁普通はできない。だからこそこの稀有なスキルは今まで発動してないが為に軽い罪で
いな、直接暗記して唱えるのとはちがうもんな。
羅列を暗記するのは実際簡単だ。だが、魔法師である彼らにはCADがある。俺みた
るんだぞ
?
不可能だ。
るが、俺の場合結構なタイムラグが生じる。達也みたいにリアルタイムで読み取るのは
俺のことか
﹁彼...いや、もう一人いるが、司波達也は発動中の魔法を読み取ることが出来る﹂
71
﹁司波さん、身贔屓も程々に、目が曇ってしまいます﹂
あ、やっちまったなこの副委員長
﹁ 深雪 ﹂...はい。取り乱してしまい申し訳ありません﹂
﹁服部先輩。俺と模擬戦しませんか
あーあ、
﹂
渡辺先輩の合図から2秒程度で服部先輩︵と言うらしい︶は気絶した。
一瞬だった。
...
.............
俺は校門で待ってくれている雫達に﹁遅れる﹂と一言残した。
?
達也は深雪を宥めると副委員長に向かって歩き出す。
﹁っ
!
﹁....勝者、司波達也﹂
入学編Ⅶ
72
イ
ン
俺と深雪さんを除いて全員唖然としていた。
おい委員長。
ス
﹂
﹂
トー
ル
﹂
いや、俺は前もってその筋肉やらを改変済事象変数化術で知っていたので俺は辛うじ
て平然としていられた。
﹂
今の動きは、予め事故加速術式を展開していたのか
おい、俺はそんな
﹁五反田もこれぐらいは動けるんじゃないのか
?
﹁実技、筆記共に2位の彩音君ならきっとできますよ﹂
﹁なんで俺が戦わなければならないんですか
﹁俺を風紀委員へ推したのはおまえだろう﹂
ここでそのツケが回ってくるか....
?
?
踵を返す達也に
﹁待て
彩音君には今のが見えていたのか
﹁筋肉だけですね。今のは。﹂
﹁
!?
﹁見えていませんよ。ただ、魔法を使った痕跡がないので。﹂
?
!
73
.............
...
達也視点
嘘だ。五反田は俺が移動〝する寸前〟移動する先を見つめていた。あれは偶然では
ない。いや、見えてはいないのだろうが、完全なる先読み、これが自称一般人なのか。
﹂
?
彩音視点
...
............
さて、今回の模擬戦でどれだけおまえの情報を盗めるか...
﹁五反田もこれぐらいは動けるんじゃないのか
入学編Ⅶ
74
ったく、冗談じゃない、こいつ、異常なプレッシャーを放ってる...
仕方なく俺は普段使わないCADを取り出した。
...では、始めっ
さっき、達也のCADに興味を示していた中条さんからの視線がすごい。
﹁ルールはさっきと同じだ。では、両者、準備はいいか
﹂
!
て波の直撃を避ける。
﹁....﹂
﹂
無論、達也もこれで終わる気など無かった。
﹁っ
俺は霊子を活性化させる術を唱えた。
同時に喚起魔法で精霊を喚起する。
イ
ン
ス
トー
俺は出来れば無傷で帰りたい。雫達に心配はかけたくないからな。
!
精霊魔法﹁感情伝播﹂
く、直感で判断し、霊子を使う精霊魔法で攻めることにした。
恐 ら く、達 也 は 魔 法 を 無 効 化 さ せ る こ と が で き る と 改変済事象変数化術 す る こ と な
ル
達也は、先程の服部先輩に使った波の合成を使ってきたその波を俺は少し体をずらし
?
75
霊子は精神にあるとされる。故に感情の起伏がはげしければそれだけ活性化する。
﹂
俺は霊子を達也の内部に入れこんだ。これでいつ攻めてくるかは分か....
!?
.............
...俺は〝普通に〟間合いを詰めた
俺かあの手術を受けてなけれはば負けていただろう。
確実に俺の体に何かを仕掛けた。霊子は精神。感情から来るもの。....危なかったな。
こいつは精霊魔法を使うのか、俺は霊子を感じることはできないが、こいつならほぼ
達也視点
...
.............
達也は、感情もなく距離を詰めてきた。何者だこいつは。
﹁っ
入学編Ⅶ
76
77
...
彩音
くっ、こいつはエグい、
防戦一方だ。
実際、彩音はかなり押されていた。
イ
ン
ス
トー
ル
幸い被弾こそしてないものの、こちらは一切手が出せない状況である。
しかし、読めない。改変済事象変数化術を使ってしても達也の精神を読み取れない。
こいつには衝動がないのでは
精霊魔法﹁精神起伏﹂
深雪視点
...
.............
がない。やはり、こいつは精神になんらかの欠陥をもってる。
達也の体内に送った精霊や霊子を活性化させ、精神を乱そうとする....が、何も反応
?
入学編Ⅶ
78
お兄様の中に霊子が送り込まれていくのが見える。
恐らく、お兄様の精神を調べられている...
こいつは強い...
いつも、兄が勝つと信じて止まない彼女はこの時ばかりはなにかの違和感を感じてい
た
.............
...
彩音視点
やはり、やはり
!
膨大なデータが彼の頭に入ってくる。
その刹那、
俺はそのCADを手に持ち、前に翳した。
仕方ない。CADを、使おう。
実戦経験は無いが、脳内刻印術に辛うじて助けられている。
!
79
オー
ン
ル
ス
ロー
トー
ル
ド
全事象観測予測理解術
イ
オー
ル
ロー
ド
改変済事象変数化術 と は、そ の 改 変 さ れ た 事 象 を 一 対 象 と し て 読 み 取 る、が、
エ
イ
ド
ス
全事象観測予測理解術は違う。その範囲を〝己が存在する〟という、事象を元にその範
囲を個別情報体として定義して読み込みを行う
そして、数ある未来を映し出す。
この未来は術者によって異なり、その術者の頭脳に左右されるだろう...
その結果、俺は一手先がほぼ、確定する状況下で戦った。
.............
...
達也は焦っていた。急に動きが変わったのだ。彼は今まで防戦一方。しかし、
今では完全に達也の攻撃を読んでいる
達也は仕方なくフラッシュ・キャストを使用し、拳から振動単一系魔法を発動し、徐々
にダメージを蓄積させる作戦へと出る。
.............
...
雫視点
遅い。
かれこれ20分待ったが、これは何かに巻き込まれてそうだった。
不安に思い生徒指導室を訪れるとそこは無人である。そして、保健室から出てくる服
部先輩に居場所を聞き出した。
﹂
その扉をあけると達也さんと五反田さんが凄い攻防を繰り広げていた
﹁失礼します∼﹂
﹁お、お前達はなぜここに
?
入学編Ⅶ
80
.............
...
彩音視点
﹂﹂
﹂
風紀委員長に問われた。仕方ないだろう。なんの役員でもないのだから。
﹂
﹁五反田さんを迎えに来ましたが、これはどういう状況なのですか
﹁なんで達也さんと五反田さんが...
?
そのほのかの疑問な私も思っていた。
﹁あぁ、それはな....﹁危ないっ
え
!!!
その瞬間。その雷のような物がこちらへと飛来していた
?
?
81
﹂
!
オー
ル
まだ間に合うっ
.............
ロー
ド
〝ファランクス〟を唱えた
俺は脳内刻印術から
!
オー
ル
ロー
ド
俺は全事象観測予測理解術を使い、その熱量、電力、抵抗をすべて理解した。
まない。
森崎の連れに、食らわせたものとは比にならないレベルで放っていたのでただでは済
収束・発散魔法﹁ロスト・エレクトロ﹂を放っていた。
ない。雫達がくるのは想定外だった。しかし、既に雫達の居る方へ俺は
俺は全力で叫んだ、いくら全事象観測予測理解術でも部屋全体でしか範囲を設定して
﹁危ない
入学編Ⅶ
82
...
ナ ン バー ズ
﹂
雫や、ほのかは無事だった...が、所々壁や床が焦げている。
﹁五反田さん....あなた数字付きなの
なれてる。この質問には
﹁違いますよ。俺は一般人です﹂
事実を述べた
術式は完全に十文字家と一致していたのだ。故に俺はこの研究成果を誰にも告げて
壁を立てれば防げるのではないのかと思いついてしまった。
ある日。俺は耐熱装甲のような魔法壁の研究をしていた。それで、俺は連続して魔法
﹁俺はその術式を真似してしまいました。﹂
そうだ、秘匿すべき物だ。
﹁だけど、あの魔法は...十文字家の...﹂
?
83
はいなかったのだ。
もしコピーできたなんてバレたら消されるからな...十文字家に...
というか本家の者がこの学校にいるのか。恐ろしや
そのこと話すとみんなにこう告げた
俺は眠ってしまった
意識も遠のいて....
そう言い終え、帰ろうとすると何故か足が動かない、
﹁バレると色々まずいので十文字さんにもないしょにしてください﹂
入学編Ⅶ
84
入学編Ⅷ
﹂
達也視点
﹁彩音君
﹁え
なぜ
﹂
?
しかし、何者だこいつは
を迎えたのだろう。
その疲労が蓄積し、さらにファランクスという高等魔法を使用したことによって限界
た。
俺は拳から振動系単一魔法を発動して、そのリズムを崩して揺さぶっていたと伝え
人はある一定のリズムを刻んで生きている。
?
﹁大丈夫ですよ、七草先輩、彼は眠ってます。﹂
!?
85
﹁はぁ....にしても、本当に君は二科生なのか
﹂
?
みんな心に思っていたことを摩利は言葉にした
.............
...
﹂
彩音視点
﹁....っ
!?
ここはどこだ
というかなんで雫が
?
?
﹁お、起きた。おはよう彩音さん﹂
入学編Ⅷ
86
オー
ル
ロー
ド
....どうやら、俺は眠っていたらしい。
頭 が 痛 い...全事象観測予測理解術 の 反 動 だ。膨 大 な デ ー タ を 脳 内 に 送 り 込 む た め
にその情報量をアースみたいにどこかに流さないとパンクする。が、その時は達也のス
﹂
ピードに追いつこうとその作業は行えなかった。故にその反動が今来ている。
﹁どのくらい眠ってた
雫に問う
けることで俺の開発した技術に劣等感を持つ。
別に魔法師最強やらなんやら、目指すつもりはないが同系統の技術を使う達也には負
ポツリと呟く。
﹁...結局、達也には負けちゃったかぁ...﹂
う。
うーん、帰宅部の俺はスタミナがない。あの運動はあとで確実に筋肉痛になるだろ
﹁いいよ、そもそもあの電気飛ばしたの俺なんだから...﹂
あぁ、ファランクスの時か。
﹁1時間ぐらいだよ。...ありがとう、守ってくれて﹂
?
87
﹂
﹁でも、拮抗してたよ、すごいよ彩音さん﹂
﹁ありがと、でもなんで名前呼び
いいとおもうんだ、可愛らしいし。﹂
?
﹂
?
﹁そういえば、ほのかは
﹂
?
まぁ、いいよ雫なら、なんて恥ずかしくて言えなかった
﹁きにしない、きにしない。﹂
﹁いいのはいいんだけど想子と被らないか
ちょ、結構気にしているところを突かれた
﹁あら、いけない
?
で、
...
.............
ういっす、まだ頭に鈍痛が残るが気にしてはいけない。
﹁ほのかは先に帰ってるよ、私たちも帰ろうか、彩音さん﹂
入学編Ⅷ
88
どうして
﹁なぜ雫の家に泊まるのだ
﹂
俺、普通の人間がこんな大富豪の家に、ましてや女の子の。泊まっていいのか
﹁ふふーん、彩音さんとお勉強会だからだよ﹂
神様。バチ当たらないよね
﹂
?
いっことはなんだったのか
ねぇ
基 本 的 に は こ う い う 感 じ で 俺 が 雫 に 教 え る ワ ン ツ ー マ ン タ イ プ に な っ た。教 え あ
﹁ここってどういうこと...
﹁よって、魔法とは状態を改変し....﹂
たしかに雫の家に帰ってるだなんて一言も言ってなかったな....
家にいるんだろうけど。
...しかも雫と二人っきりで教えあいっこだ。ほのかはどうしたほのかは。きっと
?
?
?
89
﹁っていう課題があるから今は飛行魔法は実現できない...ってのが教科書の内容なん
だが、俺個人は...﹂
﹄
興味がわいたので俺も加勢しよう。
ろう。
㌧㌧と、刻みよく良いリズムが聞こえてくる。ハウスキーパーが料理をしているのだ
ふぅ、もう3時間たったのか、勉強疲れたなぁ、
﹁ありがとう、彩音さん。﹂
﹁おっと、時間か、ご飯だよ雫。お疲れ様でした。﹂
﹃PPPPPPPPPPP
!!!!!
.............
俺は料理が好きだ。ハウスキーパーさんのお手伝いをおこなう。
﹁手伝いますよ﹂
入学編Ⅷ
90
...
雫視点
﹁﹁﹁﹁﹁いただきます﹂﹂﹂﹂﹂
私、航、母、父、そして彩音さんでご飯を食べた。
彩音さん
﹂
甘党の作った味噌汁だ。砂糖の塊が入ってそうで怖いな....
美味しい、
いや、甘くない、深みとコクのある、
いつもの家で食べるダシじゃない
すごく美味しい
﹁これ、本当に彩音さんが作ったの...
!?
91
私だけじゃない、家族みんな驚いてる
﹁料理はすきだからね、母がそういうの得意でさ、受け継いだんだ。﹂
そして、あまりの絶品具合にみんなさっさと完食してしまった。
お父さんが彩音さんに興味を持ったらしい
﹁雫、彩音君とお話がしたいんだが。﹂
.............
...
彩音視点
﹁すみません今日は泊めていただいて﹂
感じた。
大富豪となるとすごい陰険そうな人を思い浮かべるがこの人はすごく少年っぽさを
﹁なに、気にすることはないさ、雫と仲良くしてもらってるからな﹂
入学編Ⅷ
92
﹁さて、話は変わるが、君、お父さんの名前は五反田 圭太郎というのだろう
なぜ父の名前を
﹂
?
﹂
これから
﹁私がまだ駆け出しだった頃、一緒に営業やってたものだよ、まだ元気にしてるか
﹂
?
!
﹁はい、父が喜んで一高に送り出してくれました﹂
﹂
あいつらしいな、あいつの息子なら君も私の息子のようなものだ
も是非遊びに来てくれよ
﹁ははは
﹁すっきりしたー。﹂
...
.............
しかし、大富豪と知り合いとはねぇ...
すごい竹を割ったような性格の人だ。
!
!
お風呂まで貸してもらった。なんと心が広いのかこの家のみんなは。
﹁誰....
え
?
?
93
﹁ちょっとー
....
酷くない
雫﹂
?
なんか言ったか
?
︵....可愛い︶ボソッ
﹁ん
﹂
俺はちょっと髪の毛をいつもの感じに戻した
あ、そうだ、髪の毛のことだ。
?
﹂
!
﹂
雫、今絶対よからぬこと考えてるな...
それは困る
﹁邪な事考えてると勉強厳しくするよ
.............
!
?
?
るため、雨に濡れるとよく女に間違えられたりはする。
んはねる。水で濡らしてもものの20分で元通りだ。顔立ちはよく女っぽいと言われ
余談だが、俺の髪の毛は重力に逆らう物質でもついてるのかしらないが、ぴょんぴょ
?
﹁やめて
入学編Ⅷ
94
....
雫視点
髪、ストレートになるとほぼ女の娘じゃない、彩音さん...
﹂
勉強して20分、彼の髪がいつの間にか元に戻っていた。
﹁よし、20分経ったし、今日はこれでおしまい
ふぅ...つかれた...メロン大福たべよ...
雫は、横になる彼の隣に寝転んだ。背中が触れ合う。きっと彼はちょっとやそっと
勝手に寝た罰なんだから
しかたないなぁ、ハウスキーパーを呼んで、彼をベットへと移動させた。
ている。
メロン大福を食べて、部屋に戻ってきたら彼は机に突っ伏せていた。どうやら爆睡し
!
95
入学編Ⅷ
96
じゃ起きはしない、これぐらいしても気づかれはしない。
そう思って背中に彼の温もりを感じながら彼女も睡魔に誘われて行った
入学編Ⅸ
....っ....
....
?
私は小さく呟く。
﹁なんで
﹂
目の前に彼の顔があった。
隣から寝息が聞こえてくる。
﹁ー....すー....﹂
97
入学編Ⅸ
98
彼の腕は私の頭の下に。
もう一つの腕は私の背中に抱き寄せるような形に添えてある。
こんな、
ちょ、....卑怯...
彼女は状況を理解して、その一瞬にして意識が覚醒した。
というかなんでまだ寝てるの彩音さん...
それよりも。だ。
抱き寄せるように手を背中に回されているので身動きができない。起きようにもこ
の状況を手放すのは惜しい。
いや、しかし誰かが起こしにでもきてこの状況を見られたなら恥ずかしくて死んでし
まう。
彼の首筋に息を吹きかける。
﹁...んん...﹂
彼は擽ったい感覚に悶えている。
しかしそれでもまだ起きない。
そこで。
﹂
彼の鼻をつまんだ。
!?
言葉にならない。
﹁......っ∼
﹂
不意に抱き寄せられる。
その際、体が強ばったのか。
体が暴れる。
﹁むぐっ
!?
99
﹁きゅぅ....﹂
彼女の頭は嬉しさと恥ずかしさでオーバーフローを起こした
.............
...
彩音視点
﹁ごめん。﹂
俺はどうやら机で寝てる間にベットに移動させられていたらしい。
︶
そして、いつの間にか彼女を抱いていた...らしい。
﹁....バカ﹂
︵決して夜の営みとかそういうのじゃないからな
入学編Ⅸ
100
!
起きた時、彼女を強く抱き締めていたあの感覚がまだ離れない。
やばい、すごいドキドキしてる。
﹁あ、あの、雫...﹂
え
﹁責任...取ってよね﹂
俺は寝ているあいだに野獣になっていたのか
?
﹁俺は。雫の事が、好きだ﹂
...つまり了承ということだろう。
彼女は嫌がらず、向こうも抱きしめてきてくれた。
俺は照れる彼女が可愛くて抱きしめた。
それって...つまり...
﹁責任...とってよね...﹂
よかった、俺はまだ理性を保っていたらしい。しかし、それよりもだ。
﹁ここまで私を誑かしてくれたの。もう、ドキドキ止まらないじゃない...プイ﹂
!?
101
カッ
プ
.............
...
ほのか視点
バ
﹁おはよー雫。﹂
ル
朝、雫と彩音さんが二人ニコニコしながら私と合流した。
深雪と達也さん以上に、腹立つバカップルが成立したことは空気で一瞬にして読み
取ってしまった
﹁ちょっと、なにイチャイチャしてるのよ雫達﹂
彩音視点
...
.............
3回死んで永遠に、幸せになってください
﹁﹁そんなことないよ﹂﹂
入学編Ⅸ
102
実は、雫に告白した後、学校ではこの関係があまりバレないようにしようと二人で考
えていたのだが。
俺は今。
﹁とぼけるなよ
空気はあった
﹂
お前達が成立したのはもう空気でわかってたし、その前日からそんな
﹂
.............
マジですか。
!
...
.............
この彩音と雫の成立は瞬く間に学校中に知れ渡ったのは言うまでもないだろう
バ カッ プ ル
?
?
﹁な、なんのこと
A組の男子生徒数人に詰め寄られていた
﹁おはよう、早速だが、リア充は死んでくれ﹂
103
達也視点
さっそく、今日から風紀委員としての仕事が入っているので俺は本部を訪れていた
﹁...だ。そうそう、これからあのバカ騒ぎの1週間がやってくる﹂
その部活に誘うため、またはその部員を確保し、他の部活に取られないようにするた
﹁新入部員勧誘週間...でしたか。﹂
めにCADの携帯許可が降りる。
そのため、ハメをはずす1週間として認知されている
彩音視点
...
.............
﹁そうだ、君たちには今日からそのパトロールに加わってもらう﹂
入学編Ⅸ
104
俺は生徒会という立場にいるため部活には入らないことにした。そして、部活には興
味が無いため黙々と生徒会室で作業をこなしていた。
.............
...
ふぅ、上出来上出来。
俺は集中して分け与えられた分以上の仕事を淡々とこなし、気がつけば全員分終わら
せていた。
生徒会室は黙々とご機嫌斜めな彼女が原因の絶対零度に等しいほど冷たい空気に覆
その3倍はあろう物を俺の2倍ぐらいのスピードで仕上げていた。
﹁はは...深雪さんには負けますよ...﹂
委員長に褒められた。が、喜ぶ気にはなれない。
﹁彩音君...すごいですね﹂
105
入学編Ⅸ
106
われていた。
あぁ、達也が心配でたまらないのか....
絶対にトラブルを起こすなよ達也....
.............
...
だろうと思った
あの司波達也がやらかさない訳がない
聞いた話によれば達也は二年生、しかも一科生の剣術部、さらに関東チャンピオン桐
原武明が使う殺傷性ランクB魔法相手に素手で勝利したらしい
達也は今その報告の為に部活連に呼び出されている
107
ブ
ラ
コ
ン
丶
丶
丶
丶
丶
丶
レ
ギュ
あぁ、深雪さんがますますご機嫌斜めに...
.............
...
並み居るって、複数人
あいつ二科生だったから。もしかして...
ラー
彩音は達也が二科生故に上級生のプライドを逆撫でしてしまい、トラブルに巻き込ま
俺の時はルールが有ったから負
それ以降、彼は魔法を使わず並み居る魔法競技者を連覇した謎の一年生。
として有名人となっていた。
魔法を使ってないのに上級生を倒してるのか...
けなかっただけか...
まてよ
俺は達也には絶対喧嘩を売ることをしないと誓った
ん
?
1:1ならまだしも、数人相手にしたというのか
?
?
?
?
入学編Ⅸ
108
れている可能性を考えた。
悪い予感ほど当たるもので、
雫達を待っている途中︵雫達はもう入る部活を決めたらしい︶達也が何者かに攻撃を
仕掛けられていることに気づく。
まずいな。こんなのが日常茶飯事なのか。
俺は流石に達也がこのままだとノイローゼを起こしかねないと判断し、
精霊魔法﹁悪意根絶﹂を発動した。
その上級生が、悪意をもって
走る
しかし、俺はすべてその精霊を介してみていた。
視覚同調だ。
同調は俺は1つまでしか使えない。そして古式魔法師でもない俺はその精霊を送れ
る範囲は狭いが、視覚だけあれば十分、そしてここは学校だ。範囲が狭くても人が逃走
する範囲内ならなんとかなる。
....見つけたぞ。
今こいつくらいだ。別に遠ざけても問題は無かった。
学校中に悪意はそこらかしこに有るのは有るが、悪意と敵意を持ち合わせているのは
から見ると他の悪意と被り、見つけにくくなる。
念には念を入れ、俺は精霊をその上級生から遠ざけ、遠くから悪意を見つける。遠く
まり、オシャレか霊子放射光過敏症だろう。
遠くから肉眼で見ていた時だが、その上級生はメガネを掛けていたのは分かった。つ
雑念を払拭する。
が追いつけなかったがな。︶
︵いつかの謎の逃走していた二人は論外みたいなスピードで走っていたから範囲の定義
109
入学編Ⅸ
110
俺はこれからこの上級生を監視することにした。
入学編Ⅹ
おかえりー
﹂
監視を初めて3日目。
彩音宅
﹁....お
なぜ
姉さん﹂
﹁もーう、忘れちゃった
﹁何の用だい
﹂
!
彼は2人姉弟である。
?
?
!
111
私こっちに転勤になったのよ﹂
東 京 方 面
?
しかし、姉は地元の学校の教職員へ就職したはずである。
お父さんから聞いてない
どうした。家が火事にでもなったのか
﹁あれー
?
.............
...
レ
ポー
ト
さいみ
?
姉は天才だ。
﹂
﹁あぁ、今はこの粒子化転送を研究してるのさ。﹂
テ
﹁でさー、彩音はまだ魔法の研究をしてるの
﹂
こうして我が姉 五反田 彩深が同居することとなる。
聞いてない。絶対に聞いてない。あの親父ぜったい連絡し忘れてるだろ
?
﹁へー、きちんとやってるじゃん、どれどれ
入学編Ⅹ
112
?
113
勉強してもない、ましてや俺みたいに実際に魔法を使っている訳じゃない。
でも見れば理解している...
本当の天才は彼女だ。
そういえば昔、パソコンを買い与えられた時、プログラムを書き換えてどの最新機器
よりも処理能力の高いパソコンを自作していたな。
だが、その天才、全知全能とでも言おうか、その彼女はその有り余る才能を周りに知
られたならば
憎悪、嫌悪、妬み、確実に彼女を襲う感情を理解している。
能ある鷹は爪を隠すというが、彼女は爪では足りないのだ。その存在、彩深という存
在自体を隠蔽してるのに等しい。
彼女の頭脳の良さを知るのは俺と父と母。家族のみだ。
.............
...
いってら∼﹂
﹁いってきまーす。﹂
...
.............
が、
られていたのだ
あぁ、いつもの感覚だ。俺は起きるのが苦手だ。いつも姉に起こされ、こうして見送
﹁うっす
!
になりました...みんなーっ
嘘だろ
ビシバシ鍛えるぞぉー
姉さんに教えられる体験は初めてである。
!
﹂
﹁みなさん、始めまして、五反田 彩深といいます。今日から体育の授業を受け持つこと
入学編Ⅹ
114
!
雫。言いたいことはなんとなくわかるけど。﹂
ツンツン
﹁なに
司 甲は2科生を集めて、本校の一科生による二科生への差別、それに対して燻って
あの日の犯人は司 甲である。
俺は監視をして3日︵今日を含むと4日だが︶でいろんなデータを得た
...
.............
事だが
ないだろう。よく聞かれる質問の1つだ。他によく聞かれる質問とは五反田の﹃五﹄の
姉さんがあんな口調︵無論わざと作っているもの︶だからか、歳の差もあるから仕方
﹁俺の姉であってるよ﹂
﹁彩音さん、あの人って...﹂
?
115
いるその潜在勢力を利用しようとしている。
その有志は皆リストバンドをしている。
そのリストバンドは赤と青のラインで縁取られた白のリストバンド。
つまるところ
反魔法国際政治団体﹁ブランシュ﹂の傘下、﹁エガリテ﹂の証である。
まさか、あの人を尾行したらその団体を取り仕切っている人物だったとは。恐ろし
い。
ここまでは調べられはしたが、あとは報道規制が厳しく俺には限界だった。
さて、今は昼休みだ。本来なら生徒会室に行くところだが。
そして調査を依頼した
万能型姉に司 甲とその他諸々調べた事を話をした
﹁姉さん﹂
入学編Ⅹ
116
﹂
﹁わかったわ。放課後までにはなんとか調べてみるわ...でも、どうしてそんなことに
首を突っ込もうとしてるの
放課後までには調べ終わるのか。強すぎじゃないか姉さん
?
新入部員勧誘週間での被害報告書や今年度の予算、その他諸々の処理だ。
皆作業に集中する。
﹃カタカタカタカタカタカタカタカタカタ.....﹄
...
.............
には不向きだ。一般人だからな。
られる危険性が高い。姉に任せるのが一番である。姉が来るまでは尾行してたけど俺
恐らく司 甲は霊子放射光過敏症だ。俺の知覚魔法は大概が精霊魔法である為見破
ただ、言及されるのも面倒なのでそう言い残して生徒会室へと向かった。
どうせ隠しといても姉のことだきっと明日までには雫のことはバレる
﹁んーとね、恋人の幼馴染の為さ﹂
117
作業が一段落ついたので、
﹁会長、ちょっと耳に入れたい事が﹂
耳に入れたい事。って﹂
会長の耳にも司 甲の事を入れることにした
﹁なぁに
﹂
?
これは秘密にして欲しいのだけど...﹂
ことに偽造しておいた。一人で探っていたなんて知られたら何言われるかわからん。
ついでに、その見た犯人がリストバンドをしていた。という事実を4日前に確認した
俺が4日前に見た事〝だけ〟話した
﹁....どうしてそう思うの
﹁本校には何らかの組織が活動しています。﹂
?
?
.............
ことによって俺は知っててもおかしくない状況を手に入れ、これで活動しやすくなる。
普通は知らないことを知ってたらおかしいもんな。こうやって委員長に教えられる
こうして、俺はブランシュを調べるきっかけを得た。
﹁そう...彩音君
入学編Ⅹ
118
...
﹁ちょいと裏の事情を知っている教職員を脅したのよ♪﹂
どうやって調べたか。姉さんに問うと
というかなんでその人の家系まで調べちゃったのこの人。怖すぎ
を行うこと。
いつ、誰が、放送室を占拠すること、また、近い時期にテロリストを引っさげてテロ
その本拠地、
している
司 甲の義理の兄、司 一がブランシュのリーダーであり、俗に言う﹃裏﹄の仕事も
姉から持ち込まれた情報は
﹁さて、こんなもんよ﹂
119
入学編Ⅹ
120
さて、この情報を会長の耳に入れるべきか否か。
姉はヒントまでしかだしてくれない。十分すぎるヒントだが。基本的に姉は自らは
裏でしか活動しないのだ。
俺は決意する。
恐らく、
達也も二科生なので奴らの勧誘を受けている↓
生徒会長は恐らく最初からブランシュのことを知っていた=達也に声をかけるとは
すでに予測済み↓達也はあっち側に染まったかどうかを会長に確認する↓達也から接
触してきた生徒を教えてもらい、達也が汚染されているなら俺も達也経由で向こう側に
潜入する
要するにスパイ活動をするつもりである。
.............
...
何だい
雫﹂
﹁ねぇ彩音さん...
﹁
?
﹂
?
﹁何か...危ない事、考えてない
?
﹁なんでそう思うの
よね...
﹂
﹂
﹂
﹁きっと疲れてるんだよ...姉さんとか姉さんのせいで...﹂
雫視点
...
.............
﹁きっと疲れてるんだよ...姉さんとか姉さんのせいで...﹂
?
?
本当のことを言うべきか...
いや、彼女を危険な目に合わせる訳にはいかない。
﹁だって、朝ごはんをウチで食べさせてあげても元気がないもん...彩音さん、大丈夫だ
?
...なにか雫に情報を漏らしたっけ
?
121
入学編Ⅹ
122
いや、違う。彩音さんのお姉さんは私に話しかけてきてくれた。そんな人のいい彩音
さんを困らせるような人間には思えなかった。
私も弟がいるからわかるのだが、迷惑をかけたときは無意識に理解してしまうもの
だ。しかし彩音さんのお姉さんはそんな顔してなかった。
しかし、嘘をいう理由がわからないので深く問い詰めることができなかった。
.............
...
彩音視点
雫は絶対に巻き込んではいけない。危険な目に合わせてはいけない...たしかに付
き合いは浅いかも知れないが、本当に心から好きな女性なのだ。
できるだけノーリスクに。そう考えるならやはり俺が向こうに潜入し、そのテロの実
行する日にちやらなんやらの情報を聞き出すだけだろう。
.............
...
放課後
俺は、生徒会長から達也が向こうに染まらなかったことを聞いた。
そして、接触してきたとされる壬生 紗耶香と接触した。
だから是非、俺もその活動に加えさせてください
すまんな、西城君。君の名前勝手に借りたよ。
﹁俺は、2科生に友人を持っています。﹂
﹁そんなのはおかしいですよ
!
み。戦力がほしい。と言ったところか。
﹂
結局、難なく加入できた。おそらく俺が1科生だからだろう。集めたのは2科生の
!
123
入学編Ⅹ
124
そう考えると生徒もテロに参加する可能性が高くなった。
厄介な....
入学編Ⅺ
俺は、今ブランシュの傘下であるエガリテに加入した。
が、一科生である俺がなぜ入ったのかと興味を司一に持たれたらしい。
僕た
厄介な。俺はマークされているっぽいな。だが、彼の情報を集めるには絶好のチャン
スだ。
.............
...
本拠地にて
﹁やぁ、君が五反田君かぁ、いやいや、あえて嬉しいなぁ。君は一般人だからかな
ちの様な組織に興味を持ってくれたのは。﹂
こいつが司 一か。つか、俺が一般人だとバレてる。
絶対になにか仕掛けてやがる。
?
125
﹁ねぇ、五反田君。君は実力行使は得意かね
﹂
﹂
﹂
?
?
﹁嗜み程度ですが....しかし、何をするつもりなのですか
彼は徐にサングラスを取り外す。
これで君も私の仲間だ
刹那。彼の目が光る
﹁ハハハハハ
.............
...
﹂
!
ハウリング寸前の大音声が学校中のスピーカーから飛び出した。
﹁全校生徒の皆さん
!
!
﹁...失礼しました。全校生徒の皆さん、我々は学内の差別を撤廃する有志です﹂
俺は呆れてその二科生の代わりに放送を流す。
﹁おい、ちょっと変われ﹂
入学編Ⅺ
126
ボリュームの位置がわからないので、代わりに控えめの声で喋る。
.............
﹁僕たちは生徒会と部活連に対し、対等な立場における交渉を要求します。﹂
...
扉の前には恐らく生徒会、部活連が待機している。俺たちはここで引きこもっている
のが現状である。
さて、どうするか、
......
どう行動するか決めかねている時、有志の先輩の端末からコールを告げる音が。
あなた馬鹿にしてるのっ
!
﹁みんな
...
?
生徒会が交渉に応じてくれるそうよ
﹂
!
?
.............
!
........わかったわ。﹂
え え、わ か っ た わ、....今 な の ....そ う 言 っ て 私 達 を 拘 束 す る つ も り で し ょ う
﹁もしもし...うん。放送室に...お気を毒にって
!?
127
﹂
その後、その先輩を除く俺達は突入してきた生徒会やらによって拘束された。
﹁だましたのね..
が...﹂
.............
...
﹂
だから
他のヤツらが鬱陶しいんだよ
お
最近一緒に帰ってくれないって思ってたけど...
さて、これであらかたの予定は決まった。
﹁彩音さんっ
﹁あ、雫...﹂
﹁なんでこんなことをしたの...
﹂
!
こんなことをしてたのっ
﹂
!
!
﹁まったく、一科生がこの有志に加わってるとは思わなかったよ...しかも生徒会役員
ている。
そんな抗議が聞こえてきたが、俺は気にも留めず俺を拘束している渡辺先輩と話をし
!
まえら一科生全員なぁ
!!
!
!?
!!
!
﹁俺は一科生なんかのプライドなんてない
入学編Ⅺ
128
俺は怒鳴る。
﹂
!
...
.............
﹁我々一科生は人間として恥ずかしくないのですか、私は....﹂
俺はその代表の一人としてその壇上に上がる。
俺たちは拘束を解かれ、後日、講堂で討論会が開かれることとなる。
...
.............
彼女はその場に立ち尽くして連行されていく彩音を見送ることしか出来なかった。
﹁....っ...どうして...っ、どうして
129
雫視点
る。
!!
の事は好きだったのか
ははは....私って本当にバカ...
一昨日の事を思う限り向こうは本当に好きとは思ってなかったと取れる....
?
出会ってそんなに時間も経ってないはずなのにどうして付き合ったのか。本当に彼
それに気づけなかった私。
彩音さんがそんな事を思っていただなんて....
...おまえら一科生全員なぁ
....
彼の話が頭に入ってこない...あの日言われたあの言葉がずっとリフレインしてい
﹁我々一科生は....﹂
入学編Ⅺ
130
.............
...
彩音視点
﹁よって、私たちはこの意識を変えなければなりません
その講義の途中、
突如として
爆発
轟音、振動。
会場がどよめく、
丶
﹁なっ.....﹂
丶
丶
丶
丶
それを真後ろにいた風紀委員によって拘束される。
丶
﹂
席に居た一部の有志が立ち上がり、暴れようとするが、
!
131
彼らは一瞬にして昏倒させられた。
.............
...
時は戻る。
放送室にて
が...﹂
﹁まったく、一科生がこの有志に加わってるとは思わなかったよ...しかも生徒会役員
﹁ははは....﹂
俺は起き上がろうとし、渡辺先輩にタックルされた
彼女は服部を倒した達也と張り合うぐらい強いと彼を認知していたため、全力で、し
かも魔法をつかってタックルしたのだが、あっさり倒れたことに驚いた。
全力でタックルしたため、顔が近くにある。
﹁先輩、講義の時、他の有志メンバーは暴れます。また、それを利用してテロを起こそう
入学編Ⅺ
132
133
としている連中がいます。﹂
おれは耳打ちをした。
そしてすべての計画を彼女に話す。
.............
...
更に時は戻る。
本拠地にて
オー
ル
ロー
ド
俺は、なにか払拭しきれない不安を感じ、全事象観測予測理解術を使っていたため、何
を起こるかを予測、理解していた。
....意識干渉型系統外魔法、﹁邪眼﹂か。
俺は脳内刻印術を活用し、
基礎単一系収束魔法で司 一の目から光が発生する瞬間その光の点滅パターンを変
えて無効化させた。
そして、俺は洗脳されているという設定の元、そいつらに演技を続けた。
.............
....
達也視点
委員長︵達也にとっての委員長は摩利︶に全てを聞かされていたが、わからなかった。
そう、奴らの目的である。司 一は馬鹿ではない。そう目的まで話すほどバカじゃな
いのだ。故にいくら催眠術をかけている彩音にも︵かかってないのだが︶真の目的まで
深雪に害が及ばない内になんとかこれを収める方法は
はつたえていない。襲撃するとしか伝えていないのだ。
どう動くべきか
﹂
?
?
突如、声をかけられた。
﹁司波達也君ですね
入学編Ⅺ
134
﹂
達也君。五反田先生ですよ∼ちょーっと教えたい事があるからこっちに来て
たしか、彼女は...
﹂
ね...小野先生もね
﹁はーい
﹁ひぃ
?
?
だが、小野先生と五反田先生は何者だ...
奴らの狙いは図書館。そしてその機密文献を狙っていることを知った。
...
.............
いったい何があったのか
!
.............
俺は深雪と図書館に居る奴らを殲滅しに出かけた
う。
だとするとこのデータのソースは小野先生か。いや、この判断はあとでするとしよ
卒業しているとしかデータは出なかった。
五反田彩音のことを調べた時に彩深のことも調べているのだが、優秀な成績で学校を
?
135
入学編Ⅺ
136
...
彩音視点
俺は陽動であるこちらを鎮めることにした。姉さんに達也を向かわせるように依頼
してるから向こうは大丈夫だろう。
テロリストが数名、陽動であるこちら側に突入しにくる。
俺は、予め精霊を待機させておいたため、俗に言う﹁出オチ﹂という形でテロリスト
を排除する。
精霊魔法﹁散落怒涛﹂
領域干渉魔法﹁グラビディ﹂の精霊魔法verのような物だ。
この魔法によってテロリストを屈服させる。
丶
丶
丶
丶
この時。1人だけ二科生の方からの視線が俺を見ていたのは気づくことはなかった。
しかし、2度目の襲撃は予測していなかった。 もう一波テロリストが掛け詰めてくる。仕方なく手ぶらでテロリストに駆け寄る。
己の指を噛み切り、その血で術を書く。
137
基礎単一系収束・発散魔法をマルチキャストし、己の血から鉄分を取り出す。
そこから硬化魔法を発動し、その鉄片︵といっても血は少ないため、一つ一つは砂よ
りも小さい︶を地面との座標を固定して中に浮かせる。
更にもうひとつ精霊魔法を発動する。
精霊魔法﹁雷童子﹂
それによって発生した電気を各鉄片に走らせる。
そして、精霊魔法﹁悪意根絶﹂によって敵意と悪意を持つ物にその鉄片を降り注ぐ。
ふぅ、やっと片付いたか...
.............
...
雫視点
どうしよう、ほのかとはぐれてしまった。外に出るのは危険と判断し、残ろうとして
いたのだが、他の出口から出ようとする他の人たちの人並みに揉まれてしまったのだ。
そして雫は女。CADの携帯許可を持っていない。
入学編Ⅺ
138
テロリストは彼女を人質にしようと詰め寄っていたのだ。
あぁ...どうしよう...
その刹那、
上から一閃
雷が降りた。
....彩音さん...
達也に向こうに行かせたが、彼は高校生。返り討ちにあってないか不安になり俺は図
彩音視点
....
.............
そこそこ遠目に見える彼の姿。
?
139
書館へ使役する精霊を送りその精霊に視覚を同調させた。
なんだと...
さて、これで見られる心配は無くなった。では、テロリストを殲滅するとしよう
その精霊を消した
霊から見ているであろう彩音に機密の魔法を見せないために
ただ、精霊自体は想子から出来ている独立情報体である。俺は扉を開ける時にその精
俺は霊子は感じることは出来ない
達也視点
...
.............
そしてその精霊の存在が消え去っていた
らを見た。
機密文献を漁っている彼らのいる部屋の前にいる彼らを見ていたのだが、達也がこち
?
入学編Ⅺ
140
.............
...
彩音視点。
俺は今起きたことが信じられない。
ン
丶
丶
ス
丶
トー
丶
丶
丶
ル
丶
丶
丶
丶
イ
ン
ス
トー
ル
精霊を消されたという事象からその原因を探ろうとはしたが...その事象おろか痕
イ
跡すらなくなっていたのだ。
丶
俺の改変済事象変数化術を持ってしても解析ができない。
まるで最初から存在しなかったように。
俺 は 向 こ う に 潜 入 し て い た の だ。テ ロ リ ス ト の 能 力 な ん ぞ 改変済事象変数化術 で 把
握していたがこのようなことを起こせるような人物をしらない。つまり、
深雪さんか達也のどちらかだろう。
近くに達也のクラスメイトが居たが彼らはそんな事出来るような人物ではないのは
既に調査済み...いや、一般人の俺が調べたんだ。きっと調べ漏らしがあるのだろう。
早々に司波兄妹の仕業にするのはよくない。
おれはそう割り切って戦力になりそうな人物を集めた
.............
...
そして、有志の先輩達が司 一によってマインドコントロールされているということ
を皆に告げた。
俺たちのした事は犯罪行為の助長だろう。今後の人生に影響がでるが幸い俺は一般
人でむしろ裏で暗躍した係だ。
俺の仲間として演技をしていたといえば無罪が通る...
﹁危険だ
プラン
学生の域を超えている
﹂
!
﹂
?
﹁と言うことで、達也、本拠地はここだ。﹂
﹁な...﹂
﹁みなさん、壬生先輩や俺を犯罪の助長として刑務所送りにするつもりですかね﹂
あーあ、どうにも俺の予定は崩れ去ったようだ。
!
﹁その表現は妥当ではありませんね。叩き潰すんですよ﹂
﹁...達也君、まさか、彼らと一戦交えるつもりなの
﹁さて、問題は奴らが今どこにいるかということですね﹂
141
そうして俺の端末から指向性通信で映し出したのは
学校の近くの街の外れにある丘陵地帯に建てられたバイオ燃料の廃工場である。
﹁助かる。﹂
だがな、お前ら、相手はテロリストだ。下手をすれば命に関わる。誰もお前らに命を賭
﹁待て、確かに警察の介入は好ましくない。しかもこのまま放置するのも不本意である。
けろとは言わん﹂
一人で行くつもりかこいつ。
﹁大丈夫です。最初から委員会や部活連の力を借りようとは思っていませんので﹂
﹁なら、俺も行かせてもらうぜ、当事者だしな。﹂
﹁俺たちも行くぜ﹂
と達也のクラスメイトも。実際こいつらも強そうだ。
﹂
わぁお、太っ腹。部活連の人
﹁なら俺が車を出そう﹂
十文字君も行くの
?
?
﹁十師族に名を連ねる十文字家の者としてこれは当然の勤めだ﹂
あ、この人があの十文字家の人なのか...
﹁えっ
入学編Ⅺ
142
﹁....じゃあ﹂
﹁七草、お前はダメだ。﹂
﹁真由美。この状況下で生徒会長が居なくなるのは拙い﹂
﹁...了解よ。だけど、それだったら摩利、貴女も駄目よ
﹂
!
残党がまだ校内に残っている
と言う事を校内に残っているかもしれない残党を捜索していた時に一緒創作してい
彩音さんは演技をしていた
﹁雫ちゃんの彼氏、大活躍だったらしいじゃん﹂
雫視点
...
.............
あれ、たしか彼は剣術部の...
﹁俺も行かせてもらいます
どうやら行くメンバーは確定したようだ。
という上級生のやりとり。
かも知れないんだから。風紀委員長に抜けられたら困るわ﹂
?
143
た部活の先輩に聞かされた。
﹂
あれは演技だったんだ...よかった...
?
あの人は本当にバカなんだから...っ
.............
そして、そして、二度とこんなことさせないように...
帰ってきたらたっぷりお説教してあげるんだから
!!
しかし意識すればするほど涙がとめどなく溢れてくる
私はいつの間にか泣いていたらしい。
あれ...
﹁雫ちゃん、どうしたの
入学編Ⅺ
144
...
彩音視点
輩、五反田は裏から回ってくれ。﹂
ふぅ、仕切っちゃってるよこの人。なに 慣れてるの
やったことないぜこんな作戦決め
.............
...
こういうの。俺ゲームでしか
?
。この人化け物かよ...
?
この完璧な布陣で俺らは敵を殲滅していった。
ブレードで敵をなぎ倒す。
俺が後方支援、十文字先輩がファランクスでガード。桐原先輩が先陣を切って高周波
たからな
本家はこうなのか...ヤバイな、なんの消費も感じさせない。俺なんて使った後倒れ
俺は片手で息をするようにファランクスを行使する十文字先輩を見た。
?
﹁俺と深雪で正面から。エリカ、レオ。二人は逃げた奴らを頼む。桐原先輩、十文字先
145
.............
...
どうする
2方向へと分かれている。これは一体どうしたものか。
分かれ道だ。
俺は裏から入ったことはないのでこんなことがあるなんて知らなかった。
?
霊子放射光過敏症だった場合、警戒されるのは嫌だしあまり使いたくないんだが...
仕 方 な い。司 甲 は 霊 子 放 射 光 過 敏 症 だ。司 一 も サ ン グ ラ ス を 掛 け て い た。奴 も
行きどまりに当たる。
...しかしこの道はハズレだな。
俺はロスト・エレクトロで敵を麻痺させていく。
...
.............
どうやら十文字先輩と俺が組むらしい。
﹁俺が五反田と組む。1年生一人じゃ心配だからな。﹂
入学編Ⅺ
146
精霊を行使して工場内を見回る。
桐原先輩を呼び戻して奴のいる部屋へ向かう
﹁こっちです。﹂
.............
...
バタッ...
ふぅ、これで裏口にいるテロリストはこいつが最後だ。その事を皆に告げる。
そして目的の部屋まで迫った。が、やはり扉がある。
部屋の中に送ったはずの精霊だが、何らかの魔法によって妨害されていて視覚を同調
丶
やるじゃねぇか司波兄。それでコイツは
﹂
させることができなかったのでやむを得ず、桐原先輩が高周波ブレードを使い突入す
る。
丶
?
そこで見たのは 無傷でただ無表情で佇む達也と怯えきった司 一だ。
丶
﹁よぉ司波兄。これをやったのはお前か
﹁それがブランシュのリーダー、司 一です。﹂
?
147
﹂
人扱いしてないよこの人コワイ
﹁こいつが...
壬生を誑かしやがったのは
桐原先輩、なんか因縁でもあるのか
﹁こいつか
帰ってくるや否や、雫に抱きつかれた
...
.............
﹂
の怪我人は深雪さんが氷漬けにした氷像だけだった。
その後腕を切り落としたが、十文字先輩によって傷口を焼いて防がれたのでそれ以外
!! ?
?
そういう、理由か...
!
俺に抱きついて泣いている彼女を抱きしめる
どうやら俺は彼女にすごい迷惑をかけていた様だ。
﹁もう...っ、ひっく...心配させないでよぉ...﹂
入学編Ⅺ
148
あぁ、ごめんよ。本当に...
その日、ほのかと雫と俺でいつもの様に帰った。
そして雫とほのかとで勉強を教え合う
...うぁあああああああん
そして、二人っきりになったとき俺はこう言う
﹁...ただいま。雫﹂
....心配したんだからねっ
﹂
!!
﹁おかえりっ...
やっと、日常へと戻ってこれた
彼女は泣いていた。
!
俺はこの日常が続くことを祈った
!
149
夏休み編︵前︶
.............
いなかった
何も変わりのない何時もの日常...はこの後崩れるなどその時の俺は微塵も思って
く予定だった。普通に話してじゃれあって、
さて、今日は終業式で早く学校が終わった為に、俺は今雫たちと下校し、雫の家に行
夏休みが始まる
学生なら誰もが期待と羨望を抱くつかの間の休息...
早いことに時は過ぎ去り、今は8月。
四月の騒動から、俺たちは何もなく、平穏な日々を過ごしていた。
夏休み編Ⅰ
夏休み編Ⅰ
150
151
ももやま
...
百山視点
あれからもう、1年か....
私はつい昨日のように思い出すあの日のことを思い返していた
1年前 夏
私は現在この高校の校長を務めている。
そして、百家の一つだ。
ある日、私の旧友からの電話が掛かってきた。
.............
...
﹄
電話の相手、私の旧友である 近藤 孝俊だ。
たかとし
﹁もしもし、この歳になってその名前で呼ばれるとは思わなかったよ近藤さん﹂
もーちゃんとは私のことだ。いやはや恥ずかしい
﹃もしもし、もーちゃん
?
何の用だ
お前から私にかけてくるだなんて珍しいじゃないか﹂
現在、国語の教師をしている。こんな喋り方だが評判のいい教師だ。
﹁それで
?
だったが。
しかし、その魔法師でも理解出来ないような論文とは...
?
との事だ。近藤も魔法師の端くれだ。...才能は残念ながら自他ともに認める劣等生
﹃俺にはまったく理解出来ないような魔法に関してのレポートを作り上げた輩がいる﹄
目的としては自分の意見を作り上げる力をつけて欲しかったらしいのだが。
彼は小論文の練習の一環として生徒に研究レポートを書かせたらしい。
﹃あぁ、もーちゃんに相談したいことがあるんだ。実は...﹄
?
ポートを送るから後で目を通して感想を聞かせてくれないかい
﹄
﹃ごめんねぇ、忙しい中に。俺はどうしてももーちゃんに相談したかったんだ。そのレ
夏休み編Ⅰ
152
?
153
まさかそれが後に報道が規制される程、魔法師社会の地盤を揺るぎかねないレポート
とは知る由もない。
.............
...
彩音視点
俺は混乱している。
なんで、俺は今、国際魔法教会支部に居るのだ
現実から目を背けるかのように必死に一時間ほど前の出来事を思い返す。
そうだ、雫の母が俺をここに連れてきたのだ。えーと...その理由は...えーと...
俺はただ普通に雫たちと帰っていた筈だったのだが。
?
.............
ももやま
...
百山視点
一年前、夏の終わり
こう書かれたレポートを持って私は国際魔法協会支部へと訪れる
﹃∼一般人にとっての想子及び霊子∼﹄
このレポートは危険だ。私はそう一早く判断した
.............
...
国際魔法協会支部in会議室
魔法技能師開発第五研究所では物質の形状に鑑賞する魔法を研究している。流体制
﹁百山君。では、これは中学3年の、五の一族が取り組んでるということですかね﹂
夏休み編Ⅰ
154
御が主体だが、個体の形状干渉にも成功している。﹁バハムート﹂
﹁アビス﹂の二つの戦
略的魔法を開発した有名な一族である
ナ ン バー ズ
﹁﹁数字付き じゃ/では、ないです﹂﹂
2月。
彩音の通う中学in進路相談室
...
.............
厄介事に巻き込まれたのはもう既に分かっていた
論私達もそのサポートをする。安心したまえ﹂
﹁...彼には君の務めている学校に進学してもらって監視を行う。この形式を取る。無
るがしかねない物です。どう対処しますか。﹂
はもう五の一族と見て間違いないと思っています。彼のレポートは今の社会地盤を揺
﹁五反田という五の一族を私は知らないですが、魔法に関してここまで研究していると
155
なんだと
私達は盛大に勘違いしていた...
のレポートはすごいということでしょう、我が子に誇りに思いますよ﹂
まずい、ここからこちらへ進学する流れになるかもしれな
﹂
﹁ということは貴校にこの子を通わせても問題は無いということですか﹂
ナ ン バー ズ
...悪い予感ほど当たるものだな。
ナ ン バー ズ
?
には国立に確実に合格させたいと思っております。な、彩音﹂
我が家は家計が火の車という程ではありませんが、裕福ではありません。ぜひとも息子
わ ざ い ら し て る と い う こ と は 息 子 は 国 立 に い け る 可 能 性 が 高 い と い う こ と で す よ ね。
?
﹁はぁ、しかし、数字付きではないのでしょう
貴方がわざ
﹁いえいえ、ですが、魔法の第一人者ともいえるあなたが目を通されるということは息子
﹁失礼しました...すみません。私の勘違いでお呼びしてしまって﹂
だ。私がここで彼を魔法科高校へ進学させなければ何も起こりはしない...はずだ。
私は考えた。彼はまだ中学生だ。この理論を実現させるには財力も何も無い一般人
?
﹁はい。しかし、貴校には数字付きのみが通ってる訳ではありませんよね
夏休み編Ⅰ
156
﹁父さんまた勝手に決めつけて...でも、俺...自分も同じ考えです。﹂
はぁ、仕方ない。私が監視するしかないようだ
俺は雫とほのかとで、いつもの様に勉強会を開いていた。
彩音視点
...
.............
かったのではないのか。
も し か し た ら 彼 は 私 達 が 余 計 な 事 を し な け れ ば あ れ 以 上 魔 法 の 道 を 歩 む こ と は な
が︶して。だ。
レポート段階では理論上に過ぎなかった物を実用レベルに︵本人の頭脳もあるのだ
らだ︶で発表した。
その後、彼はそのレポートを纏め、論文として正式に小さな討論会︵彼は一般人だか
﹁では、私達からお金を出しましょう、ぜひ我が校にいらしください﹂
157
が、雫の母、紅音さんから呼ばれた。
﹁ちょっと雫、彩音君を借りるわね﹂
.............
...
国際魔法協会支部にて
﹁あの、なんで俺は呼ばれたんですか...
の人間がいったい何の用だろうか。
﹂
はぁ、俺の論文を知っているという事はきっと上層部の人間だろう。しかし、上層部
﹁君が書いたこの∼一般人にとっての想子及び霊子∼という論文についてだ﹂
?
そして君は一般人でも魔法を使える技術を会得した。
?
何を言っているんだこの人は。
しかし、君のその実績は一般人と魔法師の境目がなくなってしまうのだ﹂
﹁君は魔法師ではないのだろう
夏休み編Ⅰ
158
﹁それじゃ困るのだよ我々は。よく考えてみたまえ、君がこの論文を利用して差別を撤
廃しようとしてるのは理解した。だが、それでは魔法師が魔法師である意味がなくな
る﹂
理
性
俺はいつものリミッターが外れていた
﹁しかし、貴方達は知らない....﹂
そういう事なのだ。しかし、
﹁それで悪の根源とされる魔法師が問い詰められ...ですか。﹂
法を暴走させるだろう。すると治安は悪くなり犯罪も多くなるだろう。﹂
になるとどうなる。皆が魔法を使えるのならば、きっとそれを使ってみよう、と皆は魔
般人を守ったりと利益があるから我々は存在してこれた。しかし、皆魔法を使えるよう
﹁我々魔法師は人間ではないのだよ。ヒトの形をした生物だ。今までは魔法が使え、一
れだけではない
なぜ俺の論文が世に出なかったか。たしかに洗脳技術の応用もあるだろう。だが、そ
薄々気づいてはいた。
﹁どういうことですか﹂
159
﹁魔法が使えるだけで人の形をした生物だ
魔法師が悪の根源とされるだ
﹂
恋
それ
魔法師だって皆生きています
?
どうしてもそれをわかってあげないんですか
!
あぁ、知ってたよ、こんな低能共が蔓延ってることは
感情を持っています
!
もします
!
?
﹁そんなの貴方達上層部が恐れてどうするんですか
!
い程度の人間が、なにを﹂
で諦める程度の人間が上に立つから魔法師達の環境が廃れるんですよ、それをわからな
!
何に対してか
?
俺は久しぶりにブチギレたのだ。
あぁ、俺は感情に任せてしまった。
紅音さんが言う
﹁....彩音君、もう...いいのよ...﹂
夏休み編Ⅰ
160
魔法師の仲間
魔法師を
雫 達を人として扱われてない事に。
まだ言いたいことは有るのだが紅音さんが止めに入ってくれたので仕方なく退く。
変えてみせる﹂
°
こうして俺の忙しい夏休みが始まった
ない。いつかそんな考えを180
﹁....失礼しました。ですが、これだけは言っておきます。俺は貴方達を絶対に信用し
161
時は戻り、九校戦後
...
.............
俺は軽々と魔法協会支部であの発言をしたことを後悔していた
...どうしよう
俺はつい感情に任せて大見得切ってしまった。
...やっちまった。
夏休み編Ⅱ
夏休み編Ⅱ
162
163
ももやま
百山視点
彼は何者だ。
私は彼を九校戦へ出場させ、その技術によってもたらされる戦闘力、頭脳を把握する
任を任せられている。
丶
丶
丶
丶
だが、彼は異常である。何が一般人だ。なにが魔法師ではないか。
丶
あんなことがおこってしまったからには彼を一般人として見ることは私はできなかっ
た
.............
...
時を同じくして
彩音視点
テ
レ
ポー
ト
さて、どうするか。俺は開発段階の魔法の粒子化転送の更なる応用編を使ってしまっ
たのだ。
注目を浴びて仕方ないことをした...はずなのだが。
俺は今、一人のクラスメイトに詰め寄られていた
.............
...
時は戻り、夏休み
﹁はぁ...﹂
俺は一人家で悩んでいた。
姉に相談しようとも思ったが、彼女は学校で、体育が赤点の生徒と地獄の補講を行っ
ているのため不在である。
﹁...なにか打開策を﹂
夏休み編Ⅱ
164
165
俺はいったい何の為に学んできたのか
に力を借りるか
発表...
待てよ、たしか...
何か大きな事を発表できればな....
売ったのだ。どうにかしなければという焦りの方が大きかった。
位
俺は悩む。仲間の為に。といえば聞こえはいいだろうが、俺は上の人達に堂々と油を
一
テストは2位だからと自惚れていた。達也
?
いや、私情に他人を巻き込むのは論外だろう...しかし一人では...
?
そこで、俺は生徒会と連絡を取り
俺は、夏休み明けに行われる全国高校生魔法学論文コンペティションを思い出した
?
論文を手伝える事となるのだが
またそれは別のお話︵横浜事変編に続く︶
.............
...
雫視点
またか。四月の時も彩音さんは一人で抱え込み、解決しようとした。私達は足でまと
﹁...という事なの。雫。彩音君はきっと雫達の為に...﹂
﹂
?
いというのか....
﹁お母さん、私達は彩音さんにしてあげれることはないの
紅音視点
...
.............
﹁....ある事には...あるわ。﹂
夏休み編Ⅱ
166
ある。
彼に娘を信用させる方法が。
それは
﹁夏休み、彼を別荘に誘ってみたらどうかしら
んて野暮なことはしないわ。﹂
﹁な、なんで﹂
夏休み編前。完
もちろん年頃の男女2人で行かせるな
そう、行動するのは早いに越したことは無い。考えるのはそれからだ。
こでじっくり話し合ってらっしゃい﹂
﹁雫、男の子って、女と二人っきりで話す時こそ腹括って潔く本当のことを話すのよ。そ
?
167
九校戦編
九校戦編Ⅰ
小山田視点
こやまだ まさき
﹁くくく...九校戦か...﹂
俺、小山田雅は呟く
﹁恐らく彩音も参加してくるだろう...最高にハイッてやつだ
﹂
ではない。︵九校戦を戦という辺あまり否定できない気もするが︶
ここで弁明しておこう。彼は21世紀に学生に蔓延した俗称中二病を患っている訳
?
送されたアニメをかなり好んでいる者をオタクという。
﹂
現代彼らはオタクとは呼ばれない。現代におけるオタクは雅の様な21世紀前半に放
21世紀後半である今、萌えだのなんだののアニメを見るものは少なくない。しかし
!
﹁しかし...戦いに巻き込まれるのは我が一族の運命なのか...
九校戦編Ⅰ
168
169
こ や ま だ
お や ま だ
戦については、彼の名字に由来がある。
彼の名字、小山田は一般的には小山田という。
これらの謎を紐解く為、
時は︵ユリウス暦︶1090年代まで遡る。
.............
...
ある兵士が極秘で開発されていた。
今でも国家機密なので詳しいことはごく一部の人間にしか知らされていないが、御伽
噺の産物であった﹃仙人﹄を人工的に作り出すにはというものである。
当時は今ほど科学も進展しておらず、その仙人の作り出し方というのは拷問紛いの負
荷をかけたり、谷から突き落とす等の実験、今で言う﹃火事場の馬鹿力﹄を引き出す様
なものである。
数多くの犠牲が出たが実験は成功に終わる。
しかし、その力は強大であり、銃もない当時、殺されることもなく彼らは戦に出るこ
となく一般人としてその生涯をおえた。
そして
二つの勢力は当然としてこの戦いに勝利したい訳で。
︵ユリウス暦︶1150年代、源氏と平家の戦いが幕を開ける
必然だったのか。ある資料を見つける
﹃小サキ者、山ヤ田ヲ滅ス﹄
当時、仙人をつくり出す計画。
闇に屠られた筈の計画。
強大な力故の監視だったのだろう。その資料がこのされていた。
そこには
なぜかこの計画は途中で途絶えており、今もその真相は定かではない。
密かに実験されているとも知らず。
彼らは普通に一般人として生活していたのだ。
﹃彼ラハ子ヲ成シタリ﹄
九校戦編Ⅰ
170
171
平家は彼らの子孫を見つける。
これで平家が圧倒的有利かと思えば
子は一人ではなかった。
これも何かの運命なのか、
源頼朝が東国に流罪となった時、一緒に東国へ行ったのもまた彼らの子孫であった。
平家の方は力の強大さ故に頑なに使おうとせず、最終的に、自らがその子孫であるこ
とを知らない子孫の力によって源氏の方に軍杯があがる。
その際、彼らは監視されている時の名前以外はなく、戦が終わった時、西に残った小
お や ま だ
山田は こやまだ 。東は おやまだに分かれたという。
こ や ま だ
しかし、軍杯のあがった小山田はその戦で強大な力を持て余し、その反動でその力を
失ったそうだ
今ではその力を持つのは小山田一族であり、その中でも限られた者だけという。
.............
...
そして彼、雅。
その力を完全に...とはいかないが...受け継いでいる。
その力とは﹃龍脈爆心﹄である。
精霊の拠り所となる地脈とは違い、人間のその意識が拠り所となる︵まだ仮説にすぎ
ない︶のが龍脈である。
小山田一族は特別な呼吸法でそこから力を得る。
とは知る由もない
そのせいで何百年と戦から逃れていた小山田一族の彼を戦いに巻き込むことになる
た
彩音もまた、熊本の出身であり、彼とは同じ地域に住んでいたため、顔見知りであっ
その魔法科高校とは、九州︵熊本︶にある第九校である。
母が古式とはいえ魔法師であるため彼も魔法科高校に通っている。
父は密かに監視を受け続けている人間、小山田 信敏である。
こ や ま だ の ぶ と し
彼の母は幻術の使い手古式魔法師、伊賀 邑美である。
い が さ と み
恐らく特別な呼吸法という部分で21世紀前半のアニメに惹かれているのだろう。
︵魔法とは一切関係ない。が技術的には古式魔法として扱われる︶
九校戦編Ⅰ
172
.............
...
俺がですか
彩音視点
﹁九校戦
﹂
?
﹁ふふふ、彩音君、貴方は先生達にも結構注目されているのよ
はぁ...目立ち過ぎたか。
﹂
?
権を犯しても良いというわけではない。
21世紀前半のような人権侵害問題は今は認識の改良によってなくなっているが人
﹁はぁ...別に良いですけど人権ってないんですかね﹂
いかしら。﹂
よ。まぁ、成績が1位の深雪さんに次いで彩音君が指名されるのは当たり前なんじゃな
の会議で既に決まったことです。ちなみに発案者は彩音君のお姉さん、彩深先生です
﹁そうよ、深雪さんと一緒に1年生を代表する者として君を指名します。これは学校内
?
173
春の一件は外に情報はほとんど漏れていない。もちろん生徒にも。真相を知るのは
先生達だけだから春の一件を評価するのは先生しか居ないのだが。
姉さん﹂
委員長、絶対他人事だと思ってやがる...
﹁じゃあ、というわけで彩音君。がんばってね﹂
.............
...
彩音宅
﹁って聞いたんだけど指名しんだって
?
﹂
ふふふふ。あ、そうそう、明日の体育のレッグボールは他の
?
クラスと合同でやらせるから、負けたら承知しないわよ
?
﹁あらー、なんの事かしら
達也視点
...
.............
﹁話をそらすなー﹂
九校戦編Ⅰ
174
俺は深雪と一緒に師匠の元に向かっていた。
︶歓迎を受けた後。
俺の修行ではない、深雪が九校戦に出ることは既に内定していたのでその練習の為で
ある
師匠の熱い︵
﹂
?
丶
丶
丶
丶
丶
丶
丶
丶
﹂
?
﹁違うわ、私が公安のスパイである事は事実だけどカウンセラーは偽装じゃないわよ...
いありませんね
﹁...それで、小野先生はカウンセラーに偽装した公安の潜入スパイという理解で間違
...
.............
俺が声をかけた後に気配が出てきた。
丶
それに俺は声をかけた。いや、
降って湧いたかの様な人の気配。
﹁誰だ
?
175
遙クンが僕に聞きに来るとは...任務とは関係ない事なのかね
と、先生、今日は聞きたいこともあって来たのですが...﹂
﹁はて
﹂
?
.............
...
のスパイにまでなる人物の隠形を見破るとは
彩音は一般人。姉である彩深も一般人である。その一般人がBS魔法師、しかも公安
信じられない。これが達也の抱いた感想だ。
﹁フム...五反田か、五反田という数字付きは居ないのだが...﹂
ナ ン バー ズ
﹁はい、私の気配に感づいたという女が...﹂
の疑問は達也も思っていた
師匠は直接俗世に関わろうとはしないことは師匠の教え子なら知ってるだろう。こ
?
...
.............
分からないね...僕としても放置できない出来事だし、調べてみるよ﹂
﹁...弟君の論文なら読ませてもらったよ。しかし、その彩音君の姉さんの事は僕にも
九校戦編Ⅰ
176
次の日
彩音視点
﹁うへぇ...﹂
森崎
そして我が弟君
確かに。昨日姉が言っていたな、体育は合同でやるとかなんとか
一回戦、A組vsE組である。
注目すべきお互いのメンバーはっ
彩音
﹄
!
﹄
これまで数々の点を上げてきた野性の力っ
西城レオっ
になっている姉が熱い実況を送ってます。︵現実逃避気味に︶
!
﹁なんでよにりよって...﹂
﹃さーて
外面
.............
...
!
!
いつもの
﹃対するE組のメンバー
そういえば吉田とやらは筆記は3位だったな
して司波達也、吉田幹比古の頭脳メンバー二人
!
!
はぁ、やるか...達也を全力で避ける立ち回りで。
!!
そ
!
!
177
﹁このっ
﹂
﹁るっさい
﹂
ても反発力の強いボールで行う競技︶でドリブルなんて無謀すぎる
バカかこいつは、まだ達也の事を認めてないのか。だからといってレッグボール︵と
﹁やめろ森崎、そいつに突っ込んでいってどうする。連携しようぜ﹂
!!
雫宅にて
時は戻り、朝
...
.............
...負けるわけには行かないんだよなぁ
こいつは使い物にならないな...
!
﹁私とほのかで賭けをしたの。どっちが勝つかって﹂
﹁で、達也さんと彩音さんが戦う事になったら、絶対勝ってね。﹂
九校戦編Ⅰ
178
﹂
はぁ...負けてくださいと言うならそれは八百長︵ちょっと違うと思うが︶だが今は
逆に勝てと言われてる。
﹁あー...忍術使いの弟子にどう勝てと...
.............
...
はぁ、
﹁おうさ、なんてたって、この体育で九校戦のモノリスに出れるか決まるんだからな。﹂
成績も森崎に匹敵するレベルで高水準だ。
1│A組、紙 俊睛だ。
かみ しゅんせい
﹁仕方ない、やるぞ、紙。﹂
もちろんその中に雫達の姿もある訳で。
見るとA組とE組の女子達が群れを成してこちらを見ている
?
179
なんだと
今聞き捨てならない事を聞いたような
.............
圧倒的にE組が攻めの陣形で攻めてくる。
後ろにレオ。
中盤に達也
前線に吉田とその他E組の人
対してE組
こうだ。
森崎。中盤とゴール前の中途半端な位置にいるのが他のクラスメイト
ゴール前に紙︵ゴールキックのため︶、中盤の左に俺、右で中盤より少し前にいるのが
さて、今の布陣は、
俺はパスを貰う。
!
...
﹂
知らないことを祈るしかない。
雫 はこの事を知っているのだろうか。
大の九校戦好き
?
﹁こっちだ、俊睛
九校戦編Ⅰ
180
このままではA組は負ける。それだけは避けねばならない。
俺がボールを持ってキープしていると達也がボール取りに来る。
﹃壁パス﹄
め生まれた技術が
丶
丶
丶
室内サッカーでは狭さ故にスローイン︵セットプレイの一種︶が存在しない。そのた
....甘いな、達也。
送る。
上空にあるボールだと達也は流石に足だけでは反応できず︵頭もハンド扱い︶、達也見
反発力のあるボールは勢いよく壁と壁の間を飛び回る。
ロントで。
そ こ で 俺 は 壁 目 掛 け て 全力で 蹴 っ た。パ ス で は な い。シ ュ ー ト の レ ベ ル だ。イ ン フ
ないが︶
そしていまこのレッグボール。室内サッカーと似たような状況だ。︵ドリブルはでき
現在サッカーができる場所は少なく、室内でのサッカーが常識となっていた。
俺もサッカーは熟知してる訳で。
父は21世紀前半に流行ったスポーツ、サッカーの大ファンだ。もちろんその影響で
﹁...魅せプ︵魅せるプレイ︶が役に立つ時が来るとは﹂
181
九校戦編Ⅰ
182
一人ワン・ツーとも言われる、この技術。レッグボールでやるとインターセプトはか
なり困難なものとなる。が、反発力の強さ故に壁と壁の間を往復して長い時間降りてこ
なくなる。
そして現在。ボールは徐々にスピードが早くなっている︵壁には反発力を増強する素
材 が 用 い ら れ て い る 為︶。基 本 的 に こ う い う 時 は セ ッ ト プ レ イ に し て 仕 切 り 直 す の だ
が。
俺は一目散に前に走り抜ける。
そして、バク転の要領で足を上に、頭を下に。そしてボールの勢いを保ったままで。
サッカーで言うオーバーヘッドキックである。
その要領で蹴り飛ばしたボールはゴールに向かって。
得点を意味するブザーが鳴った。
.............
...
その後、試合は5│6で敗北に終わる。内2点は俺、他2点は紙、1点が森崎の得点
である。
E組は物量で攻めている節があり、防御に回っていた人が多いため、こちらには得点
のだ。多分い
があまり生まれず、最終的に達也達のコンビネーションの前に破り去った
これで終わりかと思っていた。
熱中していたので忘れていた。
むーっと顔を膨らませ御機嫌斜めな彼女がいる。
﹁クラスメイトのせいとはいえ負けたんだね彩音さん﹂
俺に非はないのだ。本当に。いや、本当だからね
﹁ご、ごめん...でも2点決めたし...﹂
...
.............
じられて遊ばれただけだろうが。
俺の好きは彼女に伝わるのにこの思いは伝わってくれなかった...
?
?
奇遇..
いや、図ったのだろうが、女子もまたA組vsE組であった。
の場所に向かう。勿論俺もそれを観戦しに一緒に行った
次に女子はクラウドボールがあるらしく、雫は俺を散々いじった後、クラウドボール
?
183
達也も深雪さんを見にこっちに観戦に来ている。吉田さんも一緒か、何やら話してい
るので俺も混ざることにした。
﹁よ、達也。お疲れ様﹂
﹁彩音か。なんだあのバク転紛いの物は。凄かったな﹂
のは初めてか。初めまして。﹂
﹁E組の連携がすごかったさ...吉田さんもすごい活躍だったよ。そういえば会話する
﹁いや、五反田さんはすごいよ。...と、僕も自己紹介がまだったね。僕は吉田幹比古。
苗字で呼ばれるのは好きじゃない、出来れば幹比古で呼んで欲しいな。﹂
﹂
﹁いいよ、俺も彩音でいいさ。というか今筆記試験1位と2位と3位が揃ったな。何か
テストに向けて魔法の会話でもするか
俺が冗談混じりに話す
﹁はは、僕は生憎古式魔法しか使えないから魔法の話されてもね...﹂
?
﹂
君はたしか精霊魔法を使ってた気が...﹂
まだいいじゃないか、俺は古式魔法師ではないが一般人だ。魔法自体あまりつ
かえないぞ
﹁はは
?
レてるか
あー、見られてたか。たしかに四月は精霊魔法で暴れまくったからその道の人にはバ
?
!
﹁嘘...だよね
九校戦編Ⅰ
184
﹁あー、それはな﹂
俺は説明した。︵実は四葉に秘匿にするように言われたのはその技術の内容なのでそ
の様な術があること自体はお咎めはない...ハズ︶
まぁ圧勝であった。
利であった。
クラウドボール。A組vsE組は雫&深雪ペア︵このペアは先生の指定︶のA組の勝
...
.............
を打ち切って雫を見ていた。
っと、世間話してる場合じゃない、きちんと雫を見てあげないとな。俺はそれで会話
りすぎる。
そもそも理解するのは術のサポートがあるからで俺一人で理解するのは時間がかか
﹁なんでも、ってことはないけどね。﹂ ﹁へぇ...君は頭で理解すれば何でも魔法が使えるんだね。﹂
185
九校戦編Ⅰ
186
ラケットを投げつけて反応できなかったボールを無理やり押し返す等、雫も活躍とい
うか魅せプをしていた。
というか今更なんだが、ほのかと雫はいったいなにを賭けたのだろうか....
?
九校戦編 Ⅱ
合同体育の日。朝
雫視点
﹂
﹂
なるほど。先生が生徒に情報を漏らすの色々まずいと思うが。
﹂
彩音さんが来る前、私とほのかはいつもの様に食事を摂っていた。そして食べ終わ
そういえば今日って合同体育だよ
り、雫の部屋にて
﹁雫
﹁え、そうなの
ほのかがテンション高めに話しかけてくる。
!
﹁昨日、偶然五反田先生と出くわしてその事を聞いたのよ﹂
どこからその情報を
?
たのだが。
四月に彩音さんと達也さんは一戦交えていた。たしかその時は決着がつかなくなっ
﹁そこでなんだけど...達也さんと彩音さんが戦ったら...雫はどうなると思う
?
!
187
﹁彩音さんが勝つ。﹂
ここは彼女として譲れない部分がある
﹁ふーん...じゃあ、私は達也さんに一票ね
﹁...じゃあほのか。賭けをしよう﹂
私は悪戯な笑みを浮かべた。
﹂
!
....い い よ、た だ、1 つ。私 が 勝 っ た ら 雫。彩 音 さ ん に 夜 這 い を か け な さ
﹁ほのかが負けたら達也さんにトライするの﹂
﹂
﹁え え っ
いっ
の
!
か
!?
その日の放課後
...
.............
こうして彼女たちの賭けが行われた。
恋する乙女は興奮している ▼ ︵ポケモン風に︶
ほ
﹁え﹂
九校戦編 Ⅱ
188
﹁チームとしては達也さんが勝ったけど、彩音さんの方が得点多いから。達也さんと彩
﹂
音さんの賭けであってチームには賭けてないから﹂
﹁ひどいよ雫っ
﹂
?
﹁ナイスアイデア
.............
...
彩音視点
﹂
彩音さん、ありがと
﹂
!
!
明らかにチェックメイトであった。
!
﹁ちょ、彩音さん、それは困るよ
当然、夜這いが掛かってるだなんて言えるわけもなくて。
物じゃないんだけど....
思いがけない所からその攻撃は来た。
るのは...
﹁あの...じゃ、2人何を賭けてたのか知らないけど、お互いの賭けた物をお互い交換す
無茶苦茶な屁理屈で夜這いを避けようと試みる
!
189
僕は彩音
今日は金曜日
明日は特に用事もないし、雫のおうちにお泊まりな
!
やぁ
の
!
俺は雫に正座をさせられていた。
﹁...ごめんなさい...﹂
なんでこんなにハイテンションかって
!
貞
操
﹁ところで...何を賭けてたの
﹂
こんな中で俺はテンションあげてないとやってられない。
﹁なにか大切な物を賭けてたならお互い交換すればいいかなと思って...﹂
?
!
?
...
.............
女性経験が雫以外に皆無である彩音には知る由もない
なんで大切な物って言うのに顔を赤らめるのだろう。
﹁...大切な物﹂
九校戦編 Ⅱ
190
月曜日
二限目、体育
E組
﹄
!
参加者を決めます
﹄
紙 俊睛
!
森崎 駿
!
姉さんいつにも増してテンション高いな
﹄
この3名が個人技賞です
そして
!
!
五反田 彩音
!
総合成績もまた彼らです
﹃...1│A
!
!
﹃個人技賞、この個人技賞とチームプレーの総合で九校戦の新人戦、モノリス・コードの
二科生に賞を取られたことを悔やんでいるのか拍手は決して大きくはなかった。
パチパチパチパチ
そりゃそうだろう。頭脳派二人抱えてるならそうなる。
﹃それでは、チームプレー賞
!
191
﹁﹁﹁パチパチパチパチパチパチ﹂﹂﹂
グ ラ ウ ン ド の そ こ ら か し こ か ら 拍 手 が 聞 こ え る。俺 は 呆 れ 果 て て い た。チ ー ム プ
レーで負けて個人技で勝ってるだなんて恥ずかしくないのか
とりあえずモノリスコードに出場できたのは嬉しいのは嬉しい。
.............
...
昼休み
生徒会室にて
いつもの様に食事を済ませていたのだが
委員長がボヤく。
﹁...選手以上に問題があるのはエンジニアよ...﹂
﹂
?
﹁無理です。私の技能では中条さんたちの足を引っ張るだけかと﹂
リンちゃんとは市原先輩のことであるらしい
﹁ねぇリンちゃん、やっぱり、エンジニアやってくれない
九校戦編 Ⅱ
192
なぬ
両立しろと
....﹂
?
﹂
きっと期待できますよ﹂
トドメの一言。
!
委員長、達也を指名しろ
﹁盲点だったわ...
うっし
!
﹁深 雪 さ ん の C A D は 達 也 が 調 整 し て い る ら し い で す し。彼 の 豊 富 な 知 識 か ら す る と
﹁ほえ
恨めしそうにこちらを睨んでいる...ごめんよ
生徒会室から出ようとしていた達也を俺は指名した。
﹁...俺より達也の方がいい気がしますが﹂
死ぬぞ俺。なんとしてもそれは避けたい
?
﹁確かに出来ないでもないですが、俺はモノリスコードに既に内定とかしてますし...﹂
達也と戦った時たしかCAD使ったな。見られたのはその時か
﹁特殊なCADをつかってたので、調整ならできるかと...﹂
?
﹁...だったら、五反田くんがいいんじゃないでしょうか﹂
193
!
﹁一年生がチームに加わるのは過去に前例がないのでは
ふふふ...達也よ
﹁何でも最初は初めてよ﹂
﹁前例は覆す為にあるんだ﹂
ましてや二科生が。﹂
?
なら彩音君もサポートとして一緒に君加わってもらう。﹂
と委員長と渡辺先輩に口を揃えられては達也でも反論できまい。
﹁一人で心配か
はい
﹁え...あの﹂
?
俺の反論は虚しく深雪さんの発言によって阻まれた
...
.............
た
﹂
こうして俺と達也の技術スタッフ入り︵俺はメンバーとしても出るのだが︶が決定し
?
?
﹁私は九校戦でもお兄様にCADを調整して頂きたいのですが...ダメでしょうか
九校戦編 Ⅱ
194
騒がしく色々な事を終えて。
深雪さんと俺、市原先輩と七草先輩とでデスクワークをしていた。
そして中条先輩と達也がじゃれあっていた。
え、何に思い悩んでいるのか
なのだが...
?
この加重系統の技術的三大難関は入試でも出されて、その課題はクリアしているはず
たしか中条先輩は成績上位者であったはずだ。
俺はデスクワークに意識を傾けたままその話を少し聞いていた。
?
﹁実は﹃加重系統の技術的三大難問﹄に関するレポートなんです...﹂
...
.............
に没頭しようとした。
なんだ、ほのかのように人格が突然変わるような現象は既に慣れていた為、俺は作業
﹁あぁ、憧れのシルバー様...﹂
195
﹁...他の二つはわかったんですけど、汎用的飛行魔法がなぜ実現できないかが説明で
きないんです...﹂
それは俺もよく思っていた事だ。が、上級生の話に下級生が入るのもなんだか申し訳
﹂
1位だし﹂
ないし、なにより俺には無関係の話である。そう思い作業に没頭していたのだが。
はい
﹁...彩音君と達也君はどう思う
﹁なぜ俺に、聞いたんですか...達也なら分かるんじゃないか
?
﹂
?
ドスにはその魔法式が残っているからです。﹂
上に留まります。対抗魔法やらで先に発動し魔法を打ち消してもそれは表面上で、エイ
﹁...終了条件が充足されてない魔法式は自然消滅、まぁ時間が経つまで対象エイドス
ただ、上級生にはそれがわからなかったらしい
﹁...どこが間違っているの
ほれみろ、こいつは分かってる
す﹂
﹁お ま え も 2 位 だ か ら だ ろ う...そ の イ ギ リ ス の 実 験 は 基 本 的 な 考 え が 間 違 っ て い ま
?
?
むしろ何故わからない。
﹁...彩音君までわかってるじゃない。﹂
九校戦編 Ⅱ
196
あぁ、そうか、普通これは無理として定義されている物だからできるようにしようと
は考えないのか。
しかしその反論内容は実に幼稚な物で
当然皆、達也のメンバー入りに反対していた。
がでるのは当たり前である。
が、一年生、それも一人は二科生となればメンバーの最終調整で俺達を外すという案
題免除、その他科目の一律A判定が確定する。
試合で活躍すればその分成績に反映され、メンバーに選ばれただけでも長期休暇&課
放課後、部活連本部で開かれた九校戦準備会合は、嫌な空気に包まれていた。
...
.............
...続きを話したかったがちょうど昼休みの終わりを告げるブザーが鳴った。
達也も真剣な眼差しで俺の話を聞いていた。
現できるのではないでしょうかね。魔法師の負担が大きそうですが。﹂
﹁私個人の考えですが、マルチキャストではなく連続で魔法を発動すれば飛行魔法は実
197
﹁二科生に務まらない﹂
の一点張りである
風紀委員としての実績のある彼は結構有名人らしく、好意的な意見がなかった訳では
なく。むしろ多い方ではあった。
烏合の衆とはこの事だな...
﹂
?
と巻き込んだ張本人であるオレは他人事の様に思っていた
︶は皆を一瞬にして黙らせた
﹁要するに...司波の技術が分からないのが不安。という事だろう
十文字先輩である。
その発するオーラ︵
単純明瞭とはまさにこの事である。 ﹁...たしかにそれが一番いいがどうやって
?
んできているのだろう。
豪快だなぁこの人。渡辺先輩の質問に一切動じず答えた。こういう場数はかなり踏
﹁今から調整をさせればいい﹂
﹂
﹁そうであるなら実際に確かめてみるのが一番だろう﹂
?
﹁いえ、その役目、俺にやらせてください。﹂
﹁なんなら俺が実験台になるが﹂
九校戦編 Ⅱ
198
そういって自ら進んで実験台になるのは
ン
ス
トー
ル
四月に達也とやりあった桐原先輩であった。
イ
.............
...
凄かった。
俺がいつも改変済事象変数化術で読み取る数式。それを全て手動で叩き込んでいた。
皆はキーボードオンリーの入力であったためそちらに目が行っていた様だが。
ほぅ..意外である。彼は二科生に対して良いイメージを持っていなかったはずなの
﹁一年生だとか前例がないとかそんなことにこだわってる場合ではありません。﹂
意外にもここで発言したのはあの服部副委員長であった。
が﹂
も関わらず使用者に違いを感じさせなかった技術は高く評価されるべきかと思います
﹁桐原個人が所有するCADは競技用のものよりハイスペックです。スペックが違うに
呆気に取られてつい口走ったが幸いその声は届かなかった。
﹁...素人かよ﹂
﹁...一応の技術は有るようですが、当校の代表とする程のレベルとは思えません﹂
199
だが。
﹁服部の指摘はもっともなものだと俺も思う。俺も司波のチーム入りを支持する﹂
こうして達也は内定した。
この流れ四月でも見たぞー
﹁ありがとうございます。... そして、もう一人チェックするべきではありませんか
﹂
と達也
あれー
?
俺はCADを取り出した。
ん。﹂
﹁俺 の 調 整 方 法 は 特 殊 で す し あ ま り 人 に 見 せ た く な い ん で す け ど ね...仕 方 あ り ま せ
わ、渡辺先輩ぃ...
う﹂
﹁おお、そうだな。彩音君の調整技能も見ておかねばならんな。では私が実験台になろ
?
?
の援助を受けて調整をする。
その場がどよめいた。あたりまえだ。普通は機会を使って半自動化されたシステム
﹁俺の場合は機械を使いません﹂
九校戦編 Ⅱ
200
イ
ン
ス
トー
ル
達也だってすべて手動とはいえ機械を使っていた。
CADから改変済事象変数化術を唱えた。
ン
ス
トー
ル
法
の
記
録
本来何十億とある数式を5分で書き終わるのは不可能だろう。なので彩音はそれら
この作業は5分程度で終了した。
そして得た情報を数式、変数として変換まで行い、それを紙に移していく。
改変済事象変数化術を使い渡辺先輩のCADから読み取る。
イ
ADのプログラムだ。
が、俺は魔法式︵御伽噺に出てくる様な円形の物ではない︶を書くわけではない。C
子を特別な方法で混ぜ込んである。
このペンは普通のペンとは異なる。魔法式を書く為のペンである。要するに想子粒
いつも携帯しているペンも取り出す。
そしていつでも精霊魔法が使えるようにと持っていた紙を取り出す。
俺は短い単語を次々に唱え、数式を呟き始める。
﹁オーバークリアトップマインド、変数を定義。マギグラム補足。スタート。﹂
魔
そう言って俺は渡辺先輩のブレスレット型の汎用型CADを受け取る。
﹁渡辺先輩。CADを貸してください。﹂
201
を省略して書き込んでいた。
イ
ン
ス
トー
ル
そして、競技用のCADにその数式をを流し込む。
そして改変済事象変数化術をもう一度発動させる。
イ
ン
ス
トー
ル
読 み 取 る と い う こ と は そ の 個 別 情 報 体 に ア ク セ ス し な け れ ば な ら な い。彩 音 は
改変済事象変数化術の要領で競技用のCADにアクセスし、省略していた部分を補い、
効率化を行う
.............
...
達也視点
最初に抱いた感想だが。
あくまでそれは調整の面だ。
通の調整と同じレベルである。
この一言に尽きるだろう。調整の面で言うのならば俺の技術までには及ばないが普
﹃規格外﹄
九校戦編 Ⅱ
202
精霊の目で何が起きているのか確認したが、見るからに魔法式の構築速度も効率化さ
れている。俺と同等のレベルに
...流石に真似はできないがな...
.............
...
彩音視点
の一つだろうが。
渡辺先輩のCADの術式には無駄が多かったので削る所が多かったというのも要因
ふぅ、よかった。
﹁....前のよりかなり、いや、低スペックのCADとは思えない...﹂
が、俺のやった事を理解できるのは術を施したCADを使う渡辺先輩だけだろう。
掛かった時間は10分程度である。
﹁終わりました﹂
203
他の人たちは何が起きているのか全く理解しておらず、反論しようにも理解していな
いため、反論すら出てこなかった。
こうして俺も﹁一応﹂技術スタッフ入りを果たした
できればわからないので結構ですとか言われたかった。
﹁俺も何が起きたかわからんが...渡辺がそういうなら信用に値するだろう。﹂
九校戦編 Ⅱ
204
よって、誰に聞いてもわからないとの返答が。
タッフと選手は掛け持ちしていない。
技術スタッフ、選手、それぞれ選ばれた人達は普通、複数の競技を掛け持ちしてもス
ぞれ制服も違う。
九校戦発足式は選ばれた種目、スタッフ等、種類によってそれぞれ整列をする。それ
そして目の前に置かれた二つの制服。
俺は技術スタッフにも選ばれた。モノリス・コードにも内定しているのだ。
どっち側に立てばいいんだ...
九校戦発足式の日。
九校戦 Ⅲ
205
散々悩んだ結果。俺は独断でモノリス・コードの方に立つことに結局決意した。︵技
術スタッフとして分類されているがあくまでサポートなわけだし。︶
馬
達
﹂
そんなことを思いつつ登校し、俺は雫達と教室に入ると。
次
と雫の冷徹なツッコミ。相変わらず容赦がない
﹁普通はサポートにも入らない﹂
﹁あくまでサポートだけどもね。﹂
...あんにゃろう
﹁技術スタッフになったってお前の姉さんから聞いたよ。﹂
ったく、こいつらの情報ソースはどこだよ本当に。
野
﹁よっ、彩音。お前は技術スタッフにもなったのか
?
﹁そうなのかな...俺の調整は変則的だし、選ばれる理由がなぁ...﹂
と、ほのかと一緒にクスクス雫は笑っている。
﹁彩音さんは謙虚になりすぎなの。﹂
﹂
?
と、紙さんが。殺気というものを身をもって知った気がする。
﹁いちゃつくなリア充。滅ぼすぞ
九校戦 Ⅲ
206
う
る
さ
い
日
あぁ、今日は賑やかな日になりそうだ
と現実逃避気味に思うのであった。
.............
...
﹂﹂
時は戻り、メンバー入りが決定した日。
﹁﹁ええっ
﹂
?
雫は大好きな九校戦について語り始めた。もはやこの状態になると止まらないこと
﹁そう、九校戦でそういった快挙を残すということは....﹂
﹁え、そうなの
﹁...私が知る限り初めてだよ、彩音さん。これはとても名誉な事だよ。﹂
俺がこう言うと、雫は凄く顔を綻ばせて。
﹁そうだよ、メンバーであってスタッフだ。﹂
﹁...聞き間違えじゃなければ彩音さんは﹂
ほのかと雫は口を揃えてこういった。
!?
207
は既に知っているのできちんと聞く。︵聞き逃したりでもしたらもう一回リピートされ
るからね。︶
こうして、15分程度、軽く︵雫にとってはだが︶語り終えた後、いつもの勉強会を
していた。
.............
...
その同時刻。
達也視点
﹃聞くところによると特尉、今夏の九校戦には君も参加するそうだな﹄
聞くだけ無駄なのでその情報源を問い詰めてみよう。という興味を心の中でねじふ
達也のメンバー入りが確定したのはほんの三時間前程度なのだ。
るべきだろう。
回答をするのに少しの間を要したが、この場合﹁少し﹂で済まされたことを称賛され
﹁...はい。﹂
九校戦 Ⅲ
208
せた。
﹂
﹃壬生に調べさせた。既に面識はあるだろう
?
丶
丶
頭
﹄
竜 ]の下部構成員ではないかとのことだ。目的は不明だが、追加情報が入
りしだい連絡しよう。﹄
[ 無
No Head Dragon
﹃壬生の話では国際犯罪シンジゲート。
也の裏の顔を知る人物...紗耶香の父に会っていた。
丶
四月の事件の後、被害者である紗耶香の退院の際に見送りに行ったのだが、そこで達
﹁第一高校二年生、壬生紗耶香の御父君ですか﹂
?
﹁国際犯罪シンジゲートと仰いましたが
たかが高校...いや、一高は国立であり現時点で優秀な才能の持ち主が沢山いる。
軍の敷地に侵入だと....
期的に見て九校戦が狙いなのは確実だろう。﹄
成員らしき東アジア人の姿が近隣で何度も目撃されている。去年はなかった事だが、時
﹃実に嘆かわしい事だが、不法侵入の形跡が発覚した。また、国際犯罪シンジゲートの構
階級でもなく偽名でもなく本名で呼ぶとはただ事ではないのだろう。
也。﹄
﹃会 場 は 富 士 演 習 場 南 東 エ リ ア。こ れ は ま ぁ、例 年 の こ と だ が...気 を つ け ろ よ。達
209
.............
....
その後、達也は自分がよく篭っているラボ︵自宅の地下を改造しただけだが。︶である
研究をしていた。
現できるのではないでしょうかね。魔法師の負担が大きそうですが。﹄
﹃私個人の考えですが、マルチキャストではなく連続で魔法を発動すれば飛行魔法は実
同級生の言っていた言葉を思い返して、ある事に気づく。
︶熱くなっていた
?
.............
そして、ついに三大難関の一つをクリアするのであった。
年頃の男子らしく︵
を機械で管理すれば...﹂
﹁たしかにマルチキャストではなく連続起動で細かな規模で行えば....であれば座標
九校戦 Ⅲ
210
...
時は戻り。
二科生
九校戦発足式は無事に
なっていたのです。
終わった。
文化系の部活に所属しているのは私だけなので最近は私一人で帰りを待つのが多く
さんはもちろんのこと、西城君とエリカちゃんも運動部として駆り出されていました。
発足式が終わり、メンバーはそれぞれの協議が決まり、深雪さんと達也さんと五反田
美月視点
...
.............
達也という異分子が居る為、達也の名前が呼ばれた時はかなり空気が変わったが。
?
﹂
そしていつもの通り私は校門付近で暇を潰していたのですが、
﹁....
?
211
丶
丶
丶
丶
丶
見慣れない想子と霊子の波動を感じていた。
戸惑いは一秒。
メガネを外した。その刹那
﹂
!?
...
俺は違和感を感じた。
?
彩音視点
同時刻
...
.............
違和感を感じた美月はその発生源へと波動を頼りに足を踏み入れる
しかもそれはいつにもまして強く。
メガネでいつもはじいていた波動が目に入ってくる。
﹁....っ
九校戦 Ⅲ
212
213
俺は技術スタッフと選手をかけ持ちすることとなったので二つの場所を往来してい
た。
イ
ン
ス
トー
ル
他の選手などもきちんとしているか監視するという生徒会としての役目もあるため、
移 動 の 際 に 改変済事象変数化術 を 使 っ て 様 々 な 場 所 か ら 使 用 す る 魔 法 で き ち ん と 練 習
しているかを探っていたのだが
明らかにおかしい魔法があった。
人払いの領域魔法。俺の知らない術式だ。悪意根絶を使って確認したが悪意はない。
だが見られていけないから人払いをしているのだろう。
そして精霊の喚起魔法まで発動していた。
精霊の万能さは俺もしみじみ思い知ってるので、仕方なくその現場に向かうことにし
た。
.............
...
その道中、
﹁...これは
﹂
と、なにか呟いている達也。
達也は首を横に振る。
﹁お、達也じゃないか。達也か
この人払いの領域魔法を使ってるのは。﹂
そうだよな、精霊の喚起魔法なんて達也は古式魔法師ではないし使えないもんな
﹁俺はこんな術は使えない、この術者を探していた所だ。﹂
?
?
と判断し、達也と一緒にその術者のところを目指す。
﹂
!?
と、なにやら聞き覚えのある声の悲鳴が聞こえてきた
﹁きゃっ
九校戦 Ⅲ
214