おりおりの山 第75回

おりおりの山 第75回
2016 年 1 月 1 日
作者プロフィール
柚木 文夫氏 千葉県隊友会会員 習志野支部長 桧町陸幕 平成 2 年退官 1958 年防衛大学卒
元防大山岳部監督 現自衛隊山岳連盟会長
奥多摩 大岳山-冬晴れの雪山歩き-
ら し い 。雪 に 輝 く 富 士 山 、丹 沢 、
大 岳 山 (浅 間 尾 根 か ら )
御 坂 山 塊 、大 菩 薩 の 山 々 が 指 呼
の 間 に 並 ぶ 。小 広 い 山 頂 の あ ち
こ ち に 先 客 も 多 い 。風 も 無 く 日
差しが暖
かい。小
大岳山頂
生も雪の
上にマッ
トを拡げ、
お湯を沸
かし、ゆ
っくり景
1 月 半 ば の 冬 晴 れ の 一 日 、奥 多 摩 ・ 大
岳 山 ( 1267 ㍍ ) に 出 か け た 。 御 嶽 駅 か
ら バ ス 、ケ ー ブ ル と 乗 り 継 ぎ 9 時 半 、ケ
ー ブ ル 山 頂 駅 到 着 。早 速 御 嶽 神 社 に 参 拝
し て 登 山 の 無 事 を 祈 る 。途 中 、夏 は 人 混
み で 溢 れ る 参 道 に 人 影 も な く 、コ ン ク リ
ー ト の 路 面 も テ ロ ン テ ロ ン に 凍 り 、恐 る
恐るの歩行であった。
神社境
御嶽神社
内のベン
チでしっ
かり冬山
支度を整
え10時
出発。3
~4㌢雪の積もった山道の方がかえっ
て 滑 る 心 配 も な く 安 心 で あ る 。途 中 奥 ノ
院 回 り 、ロ ッ ク ガ ー デ ン 回 り の 道 を 左 右
に 分 け る が 、今 日 の 長 丁 場 を 考 え 、色 気
を 出 さ ず 直 路 、大 岳 山 へ の 一 般 道 を 急 ぐ 。
御 岳 沢 の ジ グ ザ グ 登 り を 詰 め 、1 1 時 高
岩 山 の 稜 線 に 出 た 後 は 、右 に 尾 根 筋 を 辿
る 。所 々 に 鎖 や 鉄 梯 子 の つ い た 岩 場
が あ り 、氷 結 し た 足 場 に 注 意 し な が
ら慎重に通過する。11時40分、
半ば雪に埋もれた大岳山荘前を通
過 、後 は 最 後 の 急 な 登 り を 一 頑 張 り
し て 1 2 時 5 分 、大 岳 山 頂 に 着 い た 。
山頂から南に開けた展望が素晴
色を眺め
ながらの昼食休憩
をとった。
下 山 は 、奥 多 摩 駅 に 向 か い 鋸 尾 根 を 下
っ た 。1 2 時 4 0 分 山 頂 発 。最 初 は 所 々
に 鎖 の あ る 急 な 岩 場 を 慎 重 に 下 る 。後 は
見通しの効かない杉林の中の長い長い
尾 根 道 下 り 。し か し 尾 根 の 最 後 辺 り に な
っ て 突 如 出 現 し た 、小 規 模 な が ら 連 続 す
る険しい岩稜の登
り降りには驚かさ
れた。これが鋸尾
根の名前の所以か
と妙に納得。とは
いえ、そこここに
鉄梯子や鎖がしっ
かり設けられてお
り安心ではある。
そして最後は、
愛宕神社石段
気 の 遠 く な る 程 長 い 愛 宕 神 社 の 石 段 (1
8 0 段 と か )を 下 り 、 奥 多 摩 駅 到 着 は 午
後 4 時 と な っ た 。電 車 を 待 つ 間 、駅 前 の
ソバ屋の熱カンにしびれた。
大岳山頂からの富士山・三頭山