(原案)【基本構想編1】(pdfファイル:863KB)

第1部 基本構想編
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第1章 計画策定の基本情報
1 計画策定の趣旨
現在、日本、そして群馬県も既に本格的な人口減少社会を迎えており、今後も人口の減少と人
口構成の大きな変化が見込まれています。
また、人口減少という大きな流れとともに、国際社会の中での競争の激化、巨大災害の切迫、
地球環境問題、ICTの絶え間ない進歩など、時代は大きく動いています。
こうした時代の大きなうねりの中で、先人から受け継いできた限りない可能性をしっかりと活
かし、群馬の未来を創生していくことが求められています。
このため、人口減少対策を土台に据えた県政運営の羅針盤として、第 15 次群馬県総合計画を
策定しました。
2 計画の役割
(1)県政運営の基本方針
本計画は、県政全体の目的・方向を示す基本方針(羅針盤)であり、組織や職員の意思決定・
行動の指針としての役割を有しています。
(2)市町村・県民との協力・連携の指針
また、本計画は、県政のビジョンを対外的に説明するツールであるとともに、市町村や県民と
の協力・連携の指針としての役割も有しています。
3 計画の期間
本計画は、平成 28(2016)年度から平成 31(2019)年度までの4か年計画とします。
4 計画の構成
本計画は、「基本構想」と「基本計画」の2部構成となっています。
「基本構想」では、長期(およそ 50 年)を見据えた人口の将来展望を示しつつ、10 年先を展
望した基本理念及び計画期間(平成 28∼31 年度)における基本目標と施策展開の方向を示しま
す。
「基本計画」では、基本理念として掲げる将来の方向を実現するため、3つの基本目標を柱と
した計画期間内に取り組む政策、地域別施策展開及び分野別計画体系を示します。
なお、計画内容を着実に推進するため、年度ごとに目標・指標を中心とした進行管理を行うと
ともに、必要な計画内容の見直しを行い、進化する計画とします。
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<計画の構成>
第1部 基本構想 編
群馬の歩み
県民ニーズ
群馬の可能性
本県を取り巻く時代の流れ(人口減少と人口構成の変化等)
人口の将来展望
基本理念
限りない可能性を大きくはばたかせ、群馬の未来を創生する
∼「魅力あふれる群馬」の実現∼
群馬の未来を創生する3つの視点
群馬で暮らし始めたくなる
群馬で家族を増やしたくなる
群馬に住み続けたくなる
基本目標Ⅰ
基本目標Ⅱ
地域を支え、経済・社会活動を
支える人づくり
基本目標Ⅲ
誰もが安全で安心できる
暮らしづくり
恵まれた立地条件を活かした
産業活力の向上・社会基盤づくり
第2部 基本計画 編
政策
3つの基本目標と施策展開の方向に基づき、部局横断で取り組む政策パッケージ
1 群馬の未来を担う
子ども・若者の育成
2 群馬の飛躍と地域の安心を
支える職業人材の育成
3 交流・移住・定着促進
4 家族の理想実現
5 多様な人材の活躍応援
6 安全な暮らし実現
7 医療・福祉連携による
優しいぐんま推進
8 優れた群馬の環境の
保全・継承
9 地域住民がともに
助け合う「地域力」強化
10 群馬の未来を見据えた
経済・雇用戦略の展開
11 群馬の産業の強みを
活かす戦略
12 豊かな文化・魅力を
活かしたイメージアップ
13 群馬の未来を支える
社会基盤づくり
施策の展開
地域別施策展開
県内11地域において、県と市町村が連携して取り組む施策展開の方向性
●前橋
●吾妻
●北群馬渋川 ●佐波伊勢崎 ●高崎・安中 ●多野藤岡 ●甘楽富岡
●利根沼田
●太田
●桐生・みどり ●邑楽館林
分野別計画体系
各分野の施策を推進するための個別計画の体系
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5 計画策定の基本姿勢
(1)県民視点・現場主義に立つ
県政の主役は県民であることを基本に、県民アンケートなどの意識調査、市町村との意
見交換、議会での議論など、さまざまな場を通じて現場の声をお聴きして策定しました。
(2)人口減少対策を土台に据える
本格的な人口減少社会を迎えている中、その対策を県政のあらゆる分野に影響を及ぼす
最重要課題として捉え、群馬の明るい未来を創生していくため、人口減少対策を土台に据
え、群馬県版総合戦略と一体的に検討して策定しました。
(3)前例にとらわれず、県政改革を推進する
厳しい財政状況や激しい時代の変化が続くと予想される中、前例にとらわれず、マネジ
メントサイクルを構築し、県政改革を進めるという視点で策定しました。
(4)群馬の強み・可能性を活かす
先人が遺してくれた本県の強み・可能性を、県民すべてが再認識し、これを積極的に活
かすことを重視して策定しました。
(5)市町村・県民との役割分担を意識する
地方分権や地方自治の充実の視点から、市町村や県民との新たな役割分担を意識して策
定しました。
(6)分かりやすさと実効性を高める
総合計画が示す県政運営の基本方針を広く認知してもらうため、分かりやすい計画書づ
くりを心がけるとともに、進捗状況の管理などを工夫し、計画の実効性確保に努めて策定
しました。
4
5
第2章 群馬の可能性と時代の流れ
1 群馬の歩み
私たちが住む群馬県は、関東平野の北西部、日本のほぼ中央に位置しています。
本県は、豊かな自然環境、さまざまな農林畜産物、数多くの温泉に恵まれ、古代から近代に
至る豊富な歴史文化遺産を有し、また高度なものづくり技術を蓄積しながら発展してきました。
群
馬
の
自
県内には、上毛三山(赤城山、榛名山、
妙義山)をはじめとする山々や、利根川な
どの雄大な自然が、太古の昔から存在して
います。
豊かな水環境やそれらにはぐくまれた動
植物は、古代の人々にとって大きな資源で
あり、日々の暮らしや文化を支えていまし
た。
然
利根川は「坂東太郎」と呼ばれ、江戸時
代には上州と江戸を結ぶ通運の大動脈とし
て重要な役割を果たしました。
また、中山道・日光例幣使街道・三国街
道・足尾銅山街道が縦横に走り、人やモノ
の行き交う地として大きな役割を果たしま
した。
一方、自然現象では浅間山が大きな噴火
を起こし、多くの人命が失われました。
や
交
通
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原始
群
馬
の
文
化
や
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・ 古代
・
旧石器時代の日本列島にヒトが生活して
いたことを実証する石器が、岩宿遺跡で発
見されました。
また、古墳時代は、多くの古墳が築かれ、
古代東国の中心地であったことがうかがわ
れます。
また、高崎市に所在する古代の石碑であ
る「上野三碑(多胡碑、山上碑、金井沢碑)」、
前橋市の山王廃寺跡等、上野国の文化度の
高さを示す歴史文化遺産が数多く残されて
います。
中世 ・ 近世
奈良・平安時代には、上野国は最も国力
が高いとされる「大国」に位置付けられ、
織物が税として納められていました。
戦国時代には、太田市の金山城や高崎市
の箕輪城等、大規模な城が造られました。
江戸時代には学問・文化活動が盛んにな
りました。また、祭礼や村芝居が庶民の娯
楽として親しまれ、農村歌舞伎や人形浄瑠
璃が各地で行われていました。
生
活
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明治以降、製糸・織物業の発達とともに
輸送手段である鉄道交通の整備が進み、高
崎駅と上野駅をつなぐ路線や、前橋・伊勢
崎、桐生を結ぶ路線が開通しました。
また、群馬の鉄道交通には、鉄道幹線の
要として、当時の技術の粋を集めたアプト
式鉄道や、ループ式トンネルなどが導入さ
れました。昭和初期、日本最大の航空機生
産工場へと発展した「中島飛行機」は、日
本の最先端技術を大きく前進させました。
現代では、関越自動車道・東北自動車道・
上信越自動車道・北関東自動車道や、上越・
北陸新幹線の整備により、首都圏と東北、
信越、北陸、中京圏を結ぶ高速道路・新幹
線網の結節点として拠点性が高まっていま
す。
また、尾瀬、渡良瀬遊水地、芳ヶ平湿地
群がラムサール条約湿地に登録され、学校
教育・レクリエーション等に活用されてい
ます。
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近代
・
近世から発達してきた養蚕業などを背景
に、明治5(1872)年、日本で最初の官営製
糸場である「富岡製糸場」が設立されまし
た。これには、「かかあ天下」で名高い働
き者の女性たちの存在が欠かせないもので
した。
また、大正から昭和にかけ活躍した萩原
朔太郎をはじめ、明治以降多くの文化人が
輩出されました。
現代
戦後間もない頃結成された群馬交響楽団
は、現在も県民に質の高い音楽を提供して
います。また、群馬の自然・史跡・偉人等
について詠み込んだ「上毛かるた」が昭和
22(1947)年に作られ、現在でも県民に親し
まれています。
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2 群馬の可能性
群馬県は、古くからこの地に与えられた恵みや資源、先人たちの絶え間ない努力によって培わ
れてきた資源を有しています。この優れた潜在力を新たな「群馬の可能性」として積極的に活か
していくことが重要です。ここでは、本県の特徴的な可能性の一部を紹介します。
(1)日本を東西南北に結ぶ高速交通ネットワークの結節性
❏ “東京から 100km 圏”の地理的アドバンテージ
我が国の経済活動の中心であり、巨大市場を形成する東京から 100km 圏に位置しており、地
理的条件に恵まれた立地条件です。
❏ 日本の中央に位置する交通の結節点
本県は、古くから、東京圏、信越地方、東北地方、中京圏を結ぶ広域的な交流の要衝としてさ
まざまな交通が発達してきました。
近年では、北関東自動車道の全線開通や圏央道の延伸、さらには北陸新幹線が金沢まで延伸さ
れるなど、東西南北を十字に貫く高速道路や新幹線の整備が進み、全国でも有数の結節性を備
えています。
今後も進展し続ける高速交通ネットワークの整備により、本県の潜在力や優位性が一層高まる
ことが期待されます。
❏ 群馬がはばたくための7つの交通軸構想
高速交通ネットワークの効果を県内すべての地域に行き渡らせ、それぞれの地域の特性が存分
に発揮される「7つの交通軸」の整備・強化により、県民の日常生活や経済・社会活動を支え
ています。
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(2)多様で豊かな自然と快適で住みやすい風土
❏ 貴重な自然の宝庫
本県には、県のシンボルである上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)のほか、谷川岳や尾瀬な
ど国内でも屈指の景勝地を有する国立・国定公園や、ラムサール条約登録湿地である尾瀬、渡
良瀬遊水地、芳ヶ平湿地群があるなど、豊かな自然生態系に恵まれています。
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❏ 多彩で魅力的な温泉
全国にその名が轟く、草津、伊香保、水上、四万をはじめ、100 を超える名湯・秘湯に恵まれ
ています。
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❏ 豊富な資源
流域面積日本一である利根川の水源県であるとともに、多くのダ
ムを有し、豊富な水資源に恵まれていることから、本県は首都圏
の水がめとして重要な役割を果たしています。
本県の森林面積は関東圏で最も多く、豊かな森林資源を有していま
す。また、その多くが木材として利用可能な林齢 41 年生以上の森
林であることから、今後の利活用が期待されます。
本県は、年間の日照時間が全国上位で、豊富な水資源、豊かな森
林資源を保有しており、再生可能エネルギーを活用した発電等に
適した条件を備えています。
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❏ 自然災害の少なさ
これまでに台風などの風水害、雪害、大規模な地震の発生が比
較的少ないことから、県民の多くが「自然災害の少なさ」を強
みと感じており、今後も積極的に活用すべきと考えています。
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(3)世界に誇れる歴史と文化
❏ 絹の国ぐんま
平成 26(2014)年「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界遺産に登録され、同年に富岡製糸場の繰
糸所、東置繭所、西置繭所が国宝に指定されました。また、日本遺産「かかあ天下−ぐんまの絹
物語−」や県内各地に残るぐんま絹遺産など、国内外に誇る絹遺産が数多く存在しています。
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❏ 古代東国文化の中心
本県は古代から東国文化の中心地として脈々と築き上げてきた歴史と多彩な文化に富んだ地域
です。古代東国文化の隆盛をしのばせる古墳群、
さまざまな伝説を持つ由緒ある神社仏閣など、
歴史的な文化遺産や文化財が数多く存在します。
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東国文化:現在の関東地方とその周辺を含む東日本が「東国」と呼ばれ、大和政権や律令政府が東国を治めるため
の拠点として群馬が重視された古墳時代から平安時代にかけての文化を指す言葉として使っています。
❏ 地域に根ざした特有の文化
本県の冬の長い日照時間、からっ風、水はけのよい土壌などは小麦の栽培に適した環境である
ため、小麦粉を使った食文化、すなわち「粉食文化」が根付いています。
地方交響楽団の草分けとして長い歴史を持つ「群馬交響楽団」
、群馬の歴史や営みを凝縮した
「上毛かるた」など、地域に根ざした文化資産が広く県民に親しまれています。
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群馬交響楽団:昭和 20(1945)年、高崎市民オーケストラとして誕生しました。終戦直後の社会を音楽で明るくしよう
と、音楽家達が集まり楽団を結成したもので、地方オーケストラとしては最も古い歴史を誇ります。昭和
22(1947)年から、小・中学校を訪問して生演奏を聴かせる移動音楽教室が始まり、延べ 600 万人
もの小・中学生が鑑賞しています。現在は、県内すべての子ども達が、中学校卒業までに3回、授業
で群馬交響楽団の演奏を聴くことができます。
上毛かるた:昭和 22(1947)年に作られた「上毛かるた」の札には、上毛三山をはじめとした県内の自然や温泉、歴史
上の人物や地域の産業など群馬県の特徴が詠み込まれており、時代を越えて県民に親しまれてきました。
今でも県内の各地域、各市町村で毎年「上毛かるた」大会が開かれ、県大会も行われています。
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(4)多様で高度な産業集積
❏ ものづくり立県
日本の近代化を支えた絹産業から輸送用機器や食料品、電気機器などの製造業に至るまで、長
い年月を通じて継承されてきた高度な産業技術の集積があり、
「ものづくり立県」として発展
しています。
熟練の技が光る多数の伝統工芸品があり、絹織物、だるま、こけしなどが有名です。
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❏ 多彩な農林畜産物
豊富な水資源や長い日照時間、標高 10m の平坦地から 1,400m の高冷地までの標高差のある
耕地等の環境に恵まれ、年間を通じて新鮮な農林畜産物が生産され、野菜や果物、きのこ、米
麦、牛肉、豚肉、乳製品、淡水魚など多彩な食材の供給源です。
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❏ 医療・ヘルスケア産業拠点の形成
平成 25(2013)年に国から地域指定を受けた「群馬がん治療技術地域活性化総合特区」と平成
26(2014)年に全国に先駆けて設立した「群馬県次世代ヘルスケア産業協議会」を通じて、県
内の中小企業による医療・ヘルスケア産業分野への新規参入を促進する取組をスタートさせた
ことにより、県内に医療・ヘルスケア産業への期待が高まっています。
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トピックス
群馬県は、さまざまな分野について特徴ある事業に取り組み、大きな成果を挙げて
います。ここでは、それらの取組の一部を紹介します。
尾瀬学校の推進
群馬県の子どもたちが一度は尾瀬を訪れて、質の高い自然体験を通し
て、自然の美しさ、厳しさ、守ることの大切さを学び、ひいては地球
環境の保全への関心やふるさとを愛する心をはぐくもうと、平成 20
年度から県内の小中学生を対象とした
「尾瀬学校」
を実施しています。
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我が国を代表する美しい風景と貴重な生態系を有する尾瀬の素晴らし
い自然を体験するとともに、尾瀬の自然を守る取組を学んでいます。
中学校卒業までの子どもの医療費無料化
子育て世帯の経済的負担を軽減するとともに、子どもたちが、県内の
どこに住んでいても、安心して必要な医療が受けられるよう、市町村
と協力して中学校卒業までの子どもの医療費の助成を行っています。
中学校卒業まで入院・通院を問わず、また所得制限や受診時の自己負
担がない、全国トップレベルの手厚い制度を実現しています。
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特別支援学校を県内全域に設置
県内すべての子どもたちが等しく教育を受けることのできる環境を整
備するため、特別支援学校を県内全域に設置しました。
障害のある子どもたちが、一人ひとりの教育ニーズに応じて学び続け、
生きがいを持って自立して生活できるよう、特別支援学校高等部の教
育環境整備や、就労支援の充実に向けて取り組んでいます。
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ドクターヘリの運航
救急医療体制の充実のため、平成 21(2009)年から、前橋赤十字病院
を基地病院として、ドクターヘリを運航しています。
救急現場などで医師による治療がいち早く始められ、また、必要によ
りヘリコプター機内で治療を続けながら短い時間で病院に患者を搬送
できるため、救命率の向上や後遺障害の軽減に成果を挙げています。
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高度・専門医療の提供
平成 25(2013)年、国の「総合特区制度」を活用して、
「群馬がん治療
技術地域活性化総合特区(がん特区)」の指定を受けました。
また、群馬大学との共同事業として、重粒子線治療施設を平成 22
(2010)年に整備(国内には5か所のみ)し、県民に世界最先端のがん
治療を提供しています。さらに、さまざまな県民ニーズに対応するた
め、県や大学、病院、企業などが連携し、がん医療をはじめとする高
度・専門医療を提供しています。
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ぐんま緑の県民税による水源地域の森林整備
県民・事業者の協力の下、県民共有の財産である大切な森林を守り、
育て、次世代に引き継いでいくため、
「ぐんま緑の県民税(通称)
」を
平成 26(2014)年から導入しました。
ぐんま緑の県民税では、国庫補助の対象にならない条件不利地森林な
どの整備のほか、市町村提案型事業として、住宅や道路周辺の里山・
平地林、竹林など、身近な森林の整備にも活用しています。
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また、森林ボランティア活動や森林環境教育も推進しています。
世界遺産・日本遺産・ぐんま絹遺産の保存・活用
平成 26(2014)年に「富岡製糸場と絹産業遺産群」が世界文化遺産に
登録されました。世界遺産としての価値をより多くの人に知っていた
だき、継承への意識醸成を図るため、県内外で積極的な広報活動を行
っています。
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また、日本遺産「かかあ天下−ぐんまの絹物語−」や、
「ぐんま絹遺
産」の貴重な絹に関する「たからもの」を、地域振興、観光、文化的
事業に活用しています。
古代東国文化の活用・発信
本県は、古代東国文化の中心地であり、東日本最大の古墳大国でした。
また、上野三碑は古代における本県の高い文化を象徴するものとして、
世界記憶遺産の国内候補に決定されました。
これらをはじめとする、本県が誇る歴史文化遺産の調査研究を進め、
県民の再認識を促すとともに、東国文化=群馬というイメージを全国
に発信・定着させるための取組を進めています。
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7つの交通軸構想による幹線道路の整備
県央軸、東毛軸、西毛軸、吾妻軸、三国軸、尾瀬軸、渡良瀬軸の「7
つの交通軸」の整備・強化を進めています。
「7つの交通軸構想」に
よる道路整備は、企業誘致による雇用創出や、観光客の増加、三次救
急医療機関までの所要時間の短縮など、
県民生活の向上や産業経済の
発展に貢献しています。
また、災害発生時の救急搬送や物資の輸送などにも大きな役割を担っ
ています。
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3 県民ニーズ
計画策定・推進の基本姿勢として掲げた「県民視点・現場主義に立つ」ため、県民ニーズを把
握することを目的に、延べ約2万人を対象に計6回のアンケート調査を実施しました。
ここでは、その中から、「住みやすさ」や「愛着」、「定住意向」、「就職先の地域」、「結
婚意向」など、その一部を紹介します。
なお、各アンケート調査の主な結果は巻末資料編に掲載しています。
アンケート名
対象者
県民選好度調査
満 20 歳以上の県民
3,000 人
県民アンケート
満 20 歳以上の県民
3,080 人
若年女性アンケート
県内在住、または本県出身で県外在住の 20∼30 代女性
1,000 人
大学生・短大生アンケート
県内在住か在学の大学生、本県出身の県外大学生
高校生アンケート
県内在学の高校2年生
少子化対策意識調査
県内在住の 20∼30 代男女、子育て中の保護者等
773 人
1,285 人
12,543 人
(1)「群馬県の住みやすさ」及び「群馬県への愛着」 (県民アンケートより)
「群馬県の住みやすさ」及び「群馬県への愛着」を5段階で聞きました。
群馬県が住みやすいと感じている人の割合や、群馬県に愛着を持っている人の割合は、ともに
8割以上を占め、非常に高いことがわかりました。
群馬県の住みやすさ
あまり住みやすくない
とても住みにくい
3.8%
どちらとも
いえない
群馬県への愛着
0.7%
1.6% 無回答
あまり感じていない
まったく感じていない
3.1%
9.6%
どちらとも
いえない
とても
住みやすい
0.5%
1.3% 無回答
9.9%
強く感じている
32.3%
36.8%
まあまあ
住みやすい
まあまあ
感じている
52.1%
48.3%
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(2)県民生活に関わる満足度・重要度 (県民選好度調査より)
県民生活に関わる項目について、満足度・重要度を5段階で聞き、その結果を数値化して傾向
を比較したものです。
「福祉」、
「産業・労働」の分野で重要度が高く、満足度が低い傾向にあります。
一方で、「環境」分野は、満足度・重要度ともに高い傾向にあります。
県民生活に関わる満足度・重要度
高
い
救急医療
犯罪防止
地域医療
社会性の育成
自然災害への備え
水・空気・自然環境
小・中学校教育
消防・防災体制
高度・専門医療
少子化対策・子育て環境
交通安全
雇用対策
障害者福祉
高校教育 食品安全・消費者保護
高齢者福祉
資源リサイクル
生活の利便性
疾病予防・健康づくり
全体
県内産業の活力
温暖化対策
公共交通機関
地域力
産業人材の育成
地域のにぎわい
高齢者の社会参加
幹線道路の整備・接続
街路・居住環境
群馬のイメージアップ
重
要
度
男女共同参画
生涯学習
郷土への誇り
大学の地域貢献
余暇活動
高速通信・I CT
国際的な経済活動
低
い
●
■
◆
▲
○
□
◇
△
市民活動
教育
健康・医療
福祉
安全
環境
くらし・文化
産業・労働
社会基盤づくり
低い
低い
満足度
満足度
15
高い
高い
(3)高校生の定住意向と進学・就職希望地域 (高校生アンケートより)
進学・就職希望地域として、主な都県とその他国内外地域について聞きました。また、将来的
な定住意向について、4段階で聞きました。
群馬県内を考えている人の割合は、進学・就職と定住ともに 45%以上とほぼ半数を占め、さ
らに 35%の人が将来的に群馬に戻って住みたいと答えており、81%の人が群馬への定住意向
を持っています。
高校生の定住意向と進学・就職希望地域
群馬県内
東京都
埼玉県
その他国内
その他海外
決めていない
希望はない
無回答
0.8%
進学・就職
希望地域
46.1%
0%
20%
40%
14.5%
定住意向
19.3%
当分は住み続けたい
13.4%
60%
31.0%
ずっと住み続けたい
5.4%
1.2%
9.0% 4.8%
80%
100%
35.2%
18.9%
一度は県外に出ても将来は群馬県に戻って住みたい
住みたくない
0.5%
無回答
(4)大学生の就職希望地域 (大学生・短大生アンケートより)
就職希望地域について、4段階で聞きました。
県内出身者(県内・県外大学)は、群馬県を希望する人の割合が 75%と高く、一方で、県外
出身者は、11%と低くなっています。
大学生の就職希望地域
0%
10%
20%
40%
50%
43.5%
県内出身
県外出身
30%
4.1%
6.8%
60%
70%
80%
31.2%
25.7%
14.7%
90%
100%
9.5% 1.4%
59.3%
3.8%
群馬県内 どちらかといえば群馬県内 どちらかといえば群馬県以外の地域 群馬県以外の地域 無回答
(5)若年女性の定住意向 (若年女性アンケートより)
今後群馬に住み続けたいか(戻りたいか)
、3段階で聞きました。
県外在住者で群馬に戻りたい人の割合は 22%と低く、一方で、県内在住者は 65%の人が群馬
に住み続けたいと考えています。
若年女性の定住意向
0%
県外在住者
県内在住者
20%
40%
22.0%
60%
80%
37.2%
住み続けたい(戻りたい)
40.8%
11.4%
65.0%
住み続けたくない(戻りたくない)
16
100%
23.6%
わからない
(6)結婚意向 (少子化対策意識調査より)
未婚者に将来の結婚に関する意向を4段階で聞きました。
全体で約8割の人が結婚したいと考えており、20 代後半でその割合が最も高くなっています。
結婚意向
0%
全体
20∼24歳
25∼29歳
30∼34歳
35∼39歳
10%
20%
30%
40%
24.9%
50%
60%
70%
80%
90%
53.8%
18.3%
17.6%
59.5%
59.7%
23.6%
39.2%
いずれは結婚したい
2.0%
12.2% 2.9%
47.2%
35.4%
なるべく早く結婚したい
3.3% 0.4%
20.3%
25.2%
27.0%
100%
15.2%
結婚はしてもしなくてもかまわない
2.2%
7.6%
結婚はしたくない
2.5%
無回答
(7)群馬県に期待する姿(県民、高校生、大学生・短大生、若年女性の各アンケートより)
10 年後の群馬県に期待する姿について、3つまでの複数回答で聞きました。
「医療や福祉が充実した『安心』できる群馬県」及び「犯罪や災害の少ない『安全』な群馬県」
を選んだ人が多く、安全・安心な県に大きな期待が寄せられています。
0%
群馬県に期待する姿
10%
20%
30%
40%
33.2%
34.2%
医療や福祉が充実した「安心」できる群馬県
犯罪や災害の少ない「安全」な群馬県
39.6%
62.7%
52.0%
58.9%
62.9%
51.3%
41.9%
37.1%
33.9%
27.1%
23.3%
23.3%
22.9%
「自然環境」を大切にし、活かす群馬県
「人づくり」を大切にした未来を担う人が育つ群馬県
25.4%
10.9%
18.2%
11.3%
人と企業が活発に行動する「活力」のある群馬県
24.7%
20.8%
25.1%
24.6%
無回答
70%
27.2%
温泉や景観を活かした「観光」が盛んな群馬県
多様な「文化」が生きる群馬県
60%
30.2%
24.3%
21.5%
16.8%
人々が助け合い「支え合う」、地域の絆が強い群馬県
「技術力」で産業をリードする群馬県
50%
9.0%
7.0%
7.6%
5.8%
5.4%
10.7%
13.2%
10.2%
4.6%
2.2%
6.3%
0.0%
17
県民
高校生
大学生
若年女性