PDF版 - 三井住友アセットマネジメント

2015年12月22日
(No.2,353)
〈マーケットレポートNo.4,577〉
2015年の振り返り(アジア・オセアニアリート市場)
米国の利上げ、中国の景気減速を乗り越え底堅い推移
全体として6%上昇
米利上げと中国経済を材料に上下
■2015年のアジア・オセアニアリート市場は、全体とし
て 前 年 末比 +6.2 % の 上昇 とな り ま し た ( 12 月
21日まで、現地通貨ベース)。グローバルリート指
数の同+2.2%を上回るパフォーマンスとなりました。
■年明けは、欧州で金融緩和策が強化される期待が
高まるなど、世界的に緩和的な金融環境が継続す
る見通しが強まり、アジア・オセアニアリート市場を下
支えしました。年半ば以降は、米国の利上げ観測と
中国の景気減速懸念などから世界同時株安となり、
リート市場も下落しました。年後半は米国の利上げ
ペースが緩やかになる見通しに加え、中国の政策期
待の高まりからリスク回避の動きが後退、リート市場
も上昇しました。
オーストラリアがけん引
商業施設リートが好調
アジア・オセアニアリート指数と米国10年国債利回り
(ポイント)
(%)
115
2.7
アジア・オセアニアリート指数(左軸)
米国10年国債利回り(右軸)
110
2.4
105
2.1
100
1.8
95
14/12
(ポイント)
120
15/2
15/4
15/6
15/8
国・地域別のリート指数の推移
15/10
1.5
15/12
(年/月)
110
100
香港
■国・地域別には、金融緩和期待が残るオーストラリア 90
シンガポール
オーストラリア
が同+12.5%と全体をけん引しました。香港はほぼ
アジア・オセアニア
80
横ばい、シンガポールは同▲6.1%でした。
14/12
15/2
15/4
15/6
15/8
15/10 15/12
■アジア・オセアニア地域は、中国経済の影響度が比
(年/月)
較的大きいため、リート市場も一時大きく下落する (注)データ期間は2014年12月31日~2015年12月21日。アジア・
オセアニアリート指数はS&Pアジア・パシフィック指数の日本を除く、
局面もありました。しかし、リートの収益好調が確認さ
配当込み、現地通貨ベース。国・地域別指数もS&P指数による配
れるにつれ、底堅い動きが戻りました。業態別では、
当込み、現地通貨ベース。2014年12月末を100として指数化。
いずれの市場でも商業施設の好調が目立ちました。 (出所)FactSet、Bloomberg L.P.のデータを基に三井住友アセット
マネジメント作成
米国の緩やかな利上げの影響は限定的、増益・増配が下支え
■12月16日、米国は政策金利を9年半ぶりに引き上 ■原油価格の動向など市場が不安定化する要素も
げました。国債利回りの上昇はリート価格の下押し
依然残っていますが、アジアの高い経済成長を背景
要因ですが、景気拡大と物価上昇が緩やかとなる
として、増益・増配期待が比較的高いうえ、相対的
見通しから利上げは極めて緩やかなペースとなり、国
な配当利回りの高さなどが引き続きアジア・オセアニ
債利回りの上昇も緩やかなものとなる見込みです。
アリート市場のサポート要因となることが期待されま
利上げのリート市場への影響は限定的となりそうです。 す。
2015年12月17日 FOMC声明、緩やかな利上げを明示
2015年12月 8日 主要国のリート市場の最近の動向(11月)
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