資料（PDF 235KB）

2015/12/25
東京都新宿区本塩町 22-8
TEL: 03-5919-9341
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画：国内主要 112 行の第２四半期決算（中間期）預金・貸出金等実態調査
貸出金は前期比 4.3％増の 486 兆円
～預金利息額 13.6％増加で利ざや減少～
はじめに
2014 年は、東京都民銀行と八千代銀行の経営統合に伴う「東京 TY フィナンシャルグループ」が誕生。
また、九州では肥後銀行と鹿児島銀行が、首都圏では横浜銀行と東日本銀行が経営統合に向けて基本合
意したことが明らかになった。15 年は常陽銀行と足利ホールディングスの経営統合が発表され、引き続
き全国の地方銀行を中心とした店舗網の再編（統廃合、都市部への店舗展開）と合併、業務連携などの
動きに注目が集まる。
帝国データバンクは、国内主要 112 行（大手銀行 7 行、地方銀行 64 行、第二地方銀行 41 行）の 2015
年 9 月末（９月中間期）の預金（譲渡性預金含まず）、貸出金、預金利息（支出）、貸出金利息（収入）
の推移について調査・比較した。
※ 大手銀行７行は、三菱東京 UFJ 銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、埼玉りそな銀行、新生銀行、あお
ぞら銀行（みずほコーポレート銀行は、2013 年 7 月 1 日付でみずほ銀行と合併）
※ 各数値は各行の 2015 年 9 月中間期の決算短信（単体ベース）に記載されている数値を採用
調査結果
① 2015 年 9 月末の国内主要 112 行の預金は 663 兆 2999 億 900 万円となり、2014 年 9 月末比で 31
兆 7943 億 2100 万円増加（5.0％増）
。大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の 3 業態すべてで増加し、
大手銀行（23 兆 2466 億 6900 万円増、7.0％増）の増加が目立った。
② 預金者に対して支払った預金利息は、2015 年 9 月中間期（2015 年 4 月～9 月）で 2713 億 9800 万
円となり、2014 年 9 月中間期（2014 年 4 月～9 月）比で 325 億 1800 万円増加（13.6％増）
。大手
銀行（24.0％増）
、地方銀行（1.5％増）で増加した一方、第二地方銀行（11.3％減）で減少した。
③ 貸出金は 486 兆 6845 億 2400 万円となり、2014 年 9 月末比で 20 兆 1425 億 8800 万円増加（4.3％
増）
。3 業態すべてで増加した。
④ 融資先から受け取った貸出金利息は、2015 年 9 月中間期で 3 兆 1292 億 6900 万円となり、2014 年
9 月中間期比で 567 億 2900 万円減少（1.8％減）
。3 業態すべてで減少した。
⑤ 2015 年 9 月中間期の利ざや（貸出金利息－預金利息）は、2 兆 8578 億 7100 万円となり、2014 年
9 月中間期比で 892 億 4700 万円減少（3.0％減）
。3 業態すべてで減少した。
⑥ 地方銀行と第二地方銀行を対象とした地域別（本店所在地別）動向では、預金、貸出金ともに 9 地
域すべてで増加。預金は「東北」
（4.0％増）
、貸出金は「九州」
（5.3％増）の増加が目立った。
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1
2015/12/25
主要 112 行の第２四半期決算預金・貸出金等実態調査
１．預金は 663 兆 2999 億円、貸出金は 486 兆 6845 億円でともに増加
2015 年 9 月末時点の国内主要 112 行の預金（譲渡性預金含まず）は 663 兆 2999 億 900 万円となり、
2014 年 9 月末比で 31 兆 7943 億 2100 万円増加（5.0％増）し、大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の
3 業態すべてで増加。大手銀行（23 兆 2466 億 6900 万円増、7.0％増）の増加率が最も高く、増加分の
7 割強を占めた。
貸出金は 486 兆 6845 億 2400 万円となり、2014 年 9 月末比で 20 兆 1425 億 8800 万円増加（4.3％
増）し、3 業態すべてで増加した。預金と同様、大手銀行（12 兆 1067 億 3400 万円増、4.9％増）の増
加率が最も高く、増加分の約 6 割を占めている。
また、預金に対して貸出金が占める割合は、73.4％＜大手銀行（72.1％）
、地方銀行（74.7％）
、第二
地方銀行（75.4％）＞となり、大手銀行（1.4 ポイント減）で低下した一方、地方銀行（0.4 ポイント増）
、
第二地方銀行（0.9 ポイント増）で上昇した。
2014年9月
中間期
預　金
貸出金
貸出金／預金
主要112行
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預　金
貸出金
貸出金／預金
大手銀行
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預　金
貸出金
貸出金／預金
地方銀行
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預　金
貸出金
貸出金／預金
第二地方
銀行
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
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631,505,588
466,541,936
73.9%
238,880
3,185,998
2,947,118
333,103,664
244,807,805
73.5%
144,306
1,594,994
1,450,688
235,776,913
175,087,845
74.3%
66,712
1,210,771
1,144,059
62,625,011
46,646,286
74.5%
27,862
380,233
352,371
2015年9月
中間期
663,299,909
486,684,524
73.4%
271,398
3,129,269
2,857,871
356,350,333
256,914,539
72.1%
179,004
1,585,672
1,406,668
243,045,550
181,607,664
74.7%
67,681
1,180,028
1,112,347
63,904,026
48,162,321
75.4%
24,713
363,569
338,856
2014年9月中間期比増減
増減額
増減比（％）
31,794,321
20,142,588
5.0
4.3
32,518
▲ 56,729
▲ 89,247
23,246,669
12,106,734
13.6
▲ 1.8
▲ 3.0
7.0
4.9
34,698
▲ 9,322
▲ 44,020
7,268,637
6,519,819
24.0
▲ 0.6
▲ 3.0
3.1
3.7
969
▲ 30,743
▲ 31,712
1,279,015
1,516,035
1.5
▲ 2.5
▲ 2.8
2.0
3.3
▲ 3,149
▲ 16,664
▲ 13,515
▲ 11.3
▲ 4.4
▲ 3.8
（単位：百万円）
2
2015/12/25
主要 112 行の第２四半期決算預金・貸出金等実態調査
２．３業態すべてで利ざやが悪化
預金者に対して支払った預金利息は、2015 年 9 月中間期（2015 年 4 月～9 月）で 2713 億 9800 万円
となり、2014 年 9 月中間期（2014 年 4 月～9 月）比で 325 億 1800 万円増加（13.6％増）
。大手銀行（346
億 9800 万円増、24.0％増）
、地方銀行（9 億 6900 万円増、1.5％増）で増加した一方、第二地方銀行（31
億 4900 万円減、11.3％減）で減少した。
融資先から受け取った貸出金利息は、2015 年 9 月中間期で 3 兆 1292 億 6900 万円となり、2014 年 9
月中間期比で 567 億 2900 万円減少（1.8％減）
。大手銀行（93 億 2200 万円減、0.6％減）
、地方銀行（307
億 4300 万円減、2.5％減）
、第二地方銀行（166 億 6400 万円減、4.4％減）の 3 業態すべてで減少した。
また、2015 年 9 月中間期の利ざや（貸出金利息－預金利息）は、2014 年 9 月中間期比で大手銀行（440
億 2000 万円減、3.0％減）
、地方銀行（317 億 1200 万円減、2.8％減）
、第二地方銀行（135 億 1500 万
円減、3.8％減）と 3 業態すべてで悪化した。
2014年9月末（9月中間期）→2015年9月末（9月中間期）の増減率
預金
預金利息
貸出金
貸出金利息
大手銀行
7.0
24.0
4.9
▲ 0.6
地方銀行
3.1
1.5
3.7
▲ 2.5
第二地方銀行
2.0
▲ 11.3
3.3
▲ 4.4
３．９地域すべてで貸出金利息、利ざや減少で資金運用に課題
地方銀行および第二地方銀行（105 行）を対象とした地域別（本店所在地別）の動向をみると、預金
および貸出金ともに 2014 年 9 月中間期比で 9 地域すべてで増加した。
預金の増加率は、
「東北」
（4.0％増）が最大、
「北陸」
「近畿」
（各 1.6％増）が最少となった。
「東北」
「中部」
「四国」
「九州」の 4 地域は、預金、預金利息ともに増加したが、
「北海道」
「関東」
「北陸」
「近
畿」
「中国」の 5 地域では預金が増加したものの預金利息は減少した。
貸出金の増加率は「九州」
（5.3％増）が最大、
「北陸」
（1.6％増）が最少となった。9 地域すべてで貸
出金は増加したものの、9 地域すべてで貸出金利息は減少。利ざや（貸出金利息－預金利息）も 9 地域
すべてで減少している。
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2015/12/25
主要 112 行の第２四半期決算預金・貸出金等実態調査
2014年9月
中間期
預金
貸出金
北海道
（2行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
東　北
（15行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
関　東
（16行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
北　陸
（9行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
中　部
（16行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
11,281,776
8,606,254
1,690
58,883
57,193
30,361,548
19,830,012
8,556
132,905
124,349
65,753,767
51,326,182
18,527
364,320
345,793
20,237,056
14,716,806
4,414
97,045
92,631
52,307,607
38,723,992
17,996
282,451
264,455
2015年9月
中間期
11,638,036
8,777,235
1,573
56,645
55,072
31,565,656
20,601,334
8,904
128,145
119,241
67,468,382
53,269,879
17,256
351,895
334,639
20,555,101
14,956,391
4,282
93,035
88,753
54,003,212
39,857,254
18,762
277,583
258,821
2014年9月中間期比増減
増減額
356,260
170,981
▲ 117
▲ 2,238
▲ 2,121
1,204,108
771,322
348
▲ 4,760
▲ 5,108
1,714,615
1,943,697
▲ 1,271
▲ 12,425
▲ 11,154
318,045
239,585
▲ 132
▲ 4,010
▲ 3,878
1,695,605
1,133,262
766
▲ 4,868
▲ 5,634
2014年9月期 2015年9月期
中間期
中間期
増減比（％）
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
3.2
2.0
6.9
3.8
3.7
4.0
3.9
4.1
3.6
4.1
2.6
3.8
6.9
3.4
3.2
1.6
1.6
3.0
4.1
4.2
3.2
2.9
4.3
1.7
2.1
預金
貸出金
近　畿
（9行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
中　国
（9行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
四　国
（8行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
貸出金
九　州
（21行）
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
預金
地銀
第二地銀
（105行）
合計
貸出金
預金利息
貸出金利息
貸出金利息-預金利息
30,673,918 31,178,736
22,992,650 23,583,125
13,560
11,848
168,949
157,762
155,389
145,914
26,386,421 27,124,320
18,764,997 19,689,155
10,487
10,319
128,653
126,147
118,166
115,828
18,753,881 19,335,843
13,584,942 14,072,478
6,835
6,851
106,259
102,346
99,424
95,495
42,645,950 44,080,290
33,188,296 34,963,134
12,509
12,599
251,530
250,039
239,021
237,440
298,401,924 306,949,576
221,734,131 229,769,985
94,574
92,394
1,590,995
1,543,597
1,496,421
1,451,203
2014年9月中間期比増減
増減額
504,818
590,475
▲ 1,712
▲ 11,187
▲ 9,475
737,899
924,158
▲ 168
▲ 2,506
▲ 2,338
581,962
487,536
16
▲ 3,913
▲ 3,929
1,434,340
1,774,838
90
▲ 1,491
▲ 1,581
8,547,652
8,035,854
▲ 2,180
▲ 47,398
▲ 45,218
増減比（％）
1.6
2.6
▲ 12.6
▲ 6.6
▲ 6.1
2.8
4.9
▲ 1.6
▲ 1.9
▲ 2.0
3.1
3.6
0.2
▲ 3.7
▲ 4.0
3.4
5.3
0.7
▲ 0.6
▲ 0.7
2.9
3.6
▲ 2.3
▲ 3.0
▲ 3.0
（単位：百万円）
まとめ
今回の調査で大手銀行、地方銀行、第二地方銀行の 3 業態すべてにおいて預金、貸出金が増加したも
のの、預金利息の負担増大と貸出金利息の収入減少から利ざや幅が減少する傾向がみられた。
今後も地方銀行、第二地方銀行を中心とする金融再編が続くことが予想されるなか、顧客獲得・維持
のための金利をはじめとする競争激化が進むことで利ざや幅縮小の傾向はさらに強まり、それが要因と
なって再編を加速化させる可能性がある。
【内容に関する問い合わせ先】
（株）帝国データバンク東京支社情報部阿部・綴木
TEL 03-5919-9341
FAX 03-5919-9348
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