NEDO 省エネルギー技術フォーラム 2015 戦略的省エネルギー技術革新プログラム 実用化開発 <未利用熱に対応するAℓ製熱交換器を組み込んだ 高効率ヒートポンプシステムの開発 > 事業実施法人名:ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 住友精密工業株式会社 共同研究先:東京大学 研究開発期間:2013年2月~2015年2月 1.研究開発の背景、目的、目標 1.1.背景、従来の課題 2 未利用熱を熱源とする ヒートポンプシステム 太陽熱 温泉排湯 海水 河川水 下水熱 地下水熱 未利用熱 アルミ熱交 地中熱 ◎省エネ、△コスト ◎熱特性、△耐食性 未利用熱に対応するAℓ製熱交換器を組み込んだ 高効率ヒートポンプシステムを開発 1.研究開発の背景、目的、目標 3 1.2.目的、目標 負荷側循環ポンプ 凡例 圧縮機 水-冷媒熱交換器 SUS製 ・Aℓ製熱交対応多機能型ビル用 マルチ空調システムの開発 ・Aℓ製熱交対応大容量高効率 ヒートポンプチラーの開発 ・Aℓ製熱交換器の自然水に対 する耐食性・耐目詰り性の向上 負荷側循環ポンプ INV 熱源側循環ポンプ 従来システム Aℓ製 ・大容量化 ・循環ポンプ変流量制御対応 ・圧縮機台数制御 ・圧縮機INV制御対応 INV INV INV 制御盤 INV 熱源側循環ポンプ 開発システム 大容量高効率ヒートポンプチラー 冷媒配管 多機能型ビル用マルチ空調システム 2.研究開発体制、研究開発内容 4 2.1.研究開発体制 研究開発責任者 ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 再生可能エネルギー研究所 柴 芳郎 住友精密工業株式会社 共同研究先 国立大学法人 東京大学 2.研究開発体制、研究開発内容 5 2.2.研究開発内容 (1)未利用熱に対応する多機能型ビル用マ ルチシステムの開発 (2)未利用熱に対応する高効率ヒートポンプ チラーの開発 (3)耐食性を有する表面加工の検討 (4)未利用熱に対応するアルミニウム熱交換 器組み込み型高効率ヒートポンプの長期 運転試験 (1)未利用熱に対応する多機能型ビル用マルチシステムの開発6 試作機 (Aℓ熱交対応)の製作 10HP(Aℓ熱交)試作機外形図 COP SCOP 総合 効率 4.85 4.41 冷房 4.42 4.02 暖房 4.87 4.20 3.82 給湯単独 冷房+給湯 8.39 7.63 目標達成 (目標値:4.71) 熱源および給湯 冷温水 ユニット ユニット 10HP(Aℓ熱交)試作機外観 目標値設定:自社従来機比 20%向上 冷温水・給湯機能を持った多機能型ビル用マルチ試作機製作・フィールド試験実施 (2)未利用熱に対応する高効率ヒートポンプチラーの開発 冷却COP 2台 1台 2台 7 1台 9 二号機(アルミ) COP 8 7 6 一号機(SUS) 5 4 0% 25% 50% 75% 100% 負荷率 加熱COP 2台 1台 2台 1台 6 二号機(アルミ) 大容量高効率ヒートポンプチラー (Aℓ熱交)試作機 COP 5 4 一号機(SUS) 3 2 0% 25% 50% 75% 100% IPLV負荷率 試作一号機 試作二号機 (SUS熱交) (Al熱交) 5.50 6.00 目標値(SCOP) 5.76 5.91 計測値(SCOP) 恒温装置 目標ほぼ達成 目標値設定:自社従来機 比20%向上 (3)耐食性を有する表面加工の検討 8 Aℓ製熱交換器犠牲陽極層 (亜鉛拡散処理層)の増大 ・雰囲気ろう付炉 ・適正な温度・時間条件 ・材料の選定 雰囲気ろう付炉 表面からの深さ xμm 腐食進行の延命化 板厚900μm 犠牲陽極層深さ (3)耐食性を有する表面加工の検討 循環耐久試験(水質マップの作成) 循環耐久試験の様子 循環耐久試験装置 ミニコアサンプル(200mm×50mm×50mm)で 耐食性確認 – 表面処理:亜鉛拡散処理深さ200μm – 温度:80℃、期間:3ヶ月 (加速条件として約15年相当) – 腐食試験調整水 (ランゲリア指数、Cuイオン) 9 (3)耐食性を有する表面加工の検討 循環耐久試験結果(水質マップ) 国内でみられる水質領域の68%の範囲で、15年故障率1%以下となった。 10 (4)未利用熱に対応するアルミニウム熱交換器組み込み型 高効率ヒートポンプの長期運転試験 11 ・フィールドにおける水冷チラー開発改造 電動弁ユニット 電動弁ユニット 開発内容 ・循環ポンプ変流量制御 ・モジュール台数制御 ・圧縮機INV制御 INV 負荷側負荷側 循環ポンプ 循環ポンプ 電動弁ユニット 増設 制御改造 INV SUS製 Aℓ製 熱源側 熱源側 INV 循環ポンプ INV 循環ポンプ INV INV INV INV INV Aℓ製 SUS製 制御 制御 INV盤増設 地下水 地下水 INV INV INV 地下水 地下水 INV 熱交換器をアルミニウム合金製とし 更なる効率向上を図ったシステム 地中熱 地中熱 東京大学理想の教育棟 水冷チラー改造部分 適用した開発項目 ・Al製熱交換器適用 ・圧縮機インバータ容量制御 ・熱源水ポンプインバーター温度差制御の連動制御 ・電動弁ユニット台数制御 東京大学理想の教育棟 改造した水冷チラー 東京大学理想の教育棟 (4)未利用熱に対応するアルミニウム熱交換器組み込み型 高効率ヒートポンプの長期運転試験 12 改造前(SUS熱交) SCOP:56.5%向上 (目標値:SCOP 20%向上) 目標達成 改造後(Aℓ熱交) 3.成果、実績、展望等 3.1.成果 Aℓ製熱交換器組み込みの効果も含 み、自社従来型に比べて総合効率20%向 上という目標を達成 さらに、JRAの水質基準を参考とした 水質でAℓ製熱交換器腐食加速試験を実 施し、耐食性と目詰まり性に対し最適 な犠牲陽極を有する構造を見出し、適 用可能な範囲を示す水質マップを作成 13 3.成果、実績、展望等 3.2.実績等 学会発表 4件 ・日本建築学会大会, 関東: 2015 ・6th International Building Physics Conference, Torino, Italy: 2015. ・IEA ECES Greenstock 2015, Beijing, China: 2015 2件 ・Proceedings World Geothermal Congress, Melbourne, Australia: 2015 論文発表 4件 ・Applied Energy 2015 ・Renewable Energy 2016 3件 研究会発表 2件 ・地下熱利用とヒートポンプシステム研究会 2件 14 3.成果、実績、展望等 15 3.3.今後の展望 競合:空気熱源HP、ボイラ 空気熱源省エネ基準: COP 3.07 30,000千円 COP2倍 ランニングコストの 低コスト化 空冷HP 25,000千円 開発地下水HPシステム 20,000千円 開発品: COP 6.01 15,000千円 10,000千円 5,000千円 15年目 14年目 13年目 12年目 11年目 10年目 9年目 8年目 7年目 5年目 4年目 3年目 2年目 1年目 0年目 0千円 6年目 回収年数 約5年 ゼネラルヒートポンプ工業: 水熱源HP ↑ 住友精密工業: Al製熱交換器供給 水熱源ヒートポンプのコストを50%削減 空気熱源HPおよびボイラから水熱源HPへの変更による 低コスト高効率未利用熱利用ヒートポンプシステムをPR 3.成果、実績、展望等 16 3.3.今後の展望 年度 H27年度 H28年度 H29年度 H30年度 H31年度 製品設計(改良) 生産体制の確立 メンテナンス体制の 確立 運転データの蓄積と その分析 製造・販売 ◇続行/中断を判断 プロトタイプの導入検証 SUS製熱交換器組込 Al製熱交換器組込 収益発生 環境省ETV(環境技術実証事業)実証 従来システムへの展開 多機能ビル用マルチ・大容量ヒートポンプの販売 3.成果、実績、展望等 3.3.今後の展望 17 ・プロトタイプの導入検証 岐阜県T社の地下水熱源ヒートポンプを対象として、従来使用していたSUS 製熱交換器を、Aℓ熱交換器に置き換えて平成27年2月より試験を行ってい る。 冷媒 ZQ ゼ ネラ ル 室内機 循環水(不凍液) 浸透枡へ 室外機 地下水熱利用ビル用マルチ 空調システム(冷房68kW、暖房73kW) 岐阜フィールドにおけるAℓ熱交換器 (水-水熱交換器)の設置状況 Aℓ熱交換器 (水-水熱交換器) Aℓ熱交換器(水-水) 既設井戸 最大揚水量222L/min モニター募集中 3.成果、実績、展望等 3.4.原油換算省エネ効果 2020年時点: 2.74万kL/年(累計:7.20万kL ) 2030年時点: 15.7万kL/年(累計:91.3万kL ) 18
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