血液透析患者におけるクエン酸第二鉄の使用経験

血液透析患者における
クエン酸第二鉄水
水和物の使用経験
(医)徳洲会 大垣徳洲会病院 透析セン
ンタ
ンター
○中川 紀子
野口 享秀
旭 恵次
中野 路子
清
清水
慎太郎
坂口 耕一郎
久富 俊宏
目的
透析患者においてCKD‐MBD
D治療が予後に与える影
響は大きい。
響は大きい
今回、新
今回、新しい高リン血症治療
高リ
症治療
療薬 ある、ク
療薬である、クエン酸第
酸第
二鉄水和物(以下クエン酸第
第二鉄と略す)を使用
し、その有用性と鉄代謝にお
おける影響を検討した。
対象と
と方法
<対象>
P=6.0㎎/dL以上、フェリチン=100
0ng/mL以下、Hb=12.0g/dL以下を
満たす27名であり クエン酸第二鉄
満たす27名であり、クエン酸第二鉄
鉄の有用性について検討した。
鉄の有用性について検討した
平均透析歴5.4年、平均年齢70.2歳
歳、男性21名、女性6名
当院ではJSDTのガイドラインにより
補正Ca:8.4~10.0㎎/dL
P:3.5~6.0mg/dL
3
6 0 /d
Hb:10.0~12.0g/dLでコントロールし
している。
クエン酸第二鉄開始時と投与10ヶ月後までの
高リン血症治療薬
薬の平均投与量
クエン酸第二鉄開始前か
から10ヶ月までの経過
n=27
補 CaとP
補正
C とP
10
9
ns
90
9.0
89
8.9
8
**
7
6.4
6
51
5.1
補Ca
5
P
4
3
2
1
**P<0.01
0
開始前
3ヵ月
5ヶ月
7ヶ月
10ヶ月
クエン酸第二鉄開始前か
から10ヶ月までの経過
フェリチンとヘ
ヘモグロビン
120
12
**
100
105 7
105.7
11 8
11.8
11.6
11.6
80
20
フェリチン
11.4
60
40
n=27
11.1
54.7
27 0
27.0
11.2
TSAT
11
Hb
30.6
10.8
10.6
**P<0.01
0
10.4
開始前
3ヵ月
5ヶ月
7ヶ月
10ヶ月
ク ン酸第二鉄開始前か
クエン酸第二鉄開始前か
から10ヶ月までの経過
薬剤
**
1600
23.6
25
**
1400
1222.2
1200
1000
20
15
800
200
リオナ
ネスプ
600
400
n=27
83
8.3
240.7
フ ジン
フェジン
5
0.3
0
0
開始前
10
3ヵ月
5ヶ月
7ヶ月
10ヶ月
0
**P<0.01
症例1
79歳 男性 原疾患:慢性糸
糸球体腎炎 透析歴:2.8年
200
14
180
160
11.9
12
10.9
160.5
10
140
120
8
ネス
100
6
80
60
4
40
40
20
20
22 3
22.3
2
5
0
0
11
月
12
月
1月
2月
3
月
4
月
5月
6月
7
月
8月
フェ
Hb
症例2
69歳男性 原疾患:糖尿病性腎症 透析歴:11.9年
300
16
252.3 14
250
12.2
12
200
10
150
8
ネス
フェ
6
100
4
40
50
2
20
0
0
10
月
11
月
12
月
1
月
2
月
3
月
4
月
5
月
6
月
7
月
Hb
症例3
71歳 男性 原疾患:糖尿病
病性腎症 透析歴:6.7年
20
3
300
250.1
18
2
250
16
14
2
200
12
1
150
11.1
9.5
10
ネ
フ
8
1
100
6
60
4
50
40
40
28
2
10
0
0
11
月
12
月
1
月
2
月
3
月
4
月
5
月
6
月
7
月
8
月
H
結果
クエン酸第二鉄の投与により
①血清P値を平均1 3
①血清P値を平均1.3mg/dL低下
/dL低下
下させた。
下させた
②
②フェリチン値を54.7ng/mL→105
g
5.7ng/mLと有意に増加させた。
g
③ヘモグロビンは11.1g/dL→11.6
6g/dLと増加した。
④鉄剤を投与することなく ダルベ
④鉄剤を投与することなく、ダルベ
ベポエチンアルフ の27名の
ベポエチンアルファの27名の
平均投与量は10カ月後には23.6μg/W→8.7μg/Wへと63.1%減
量することが出来た。
考察
クエン酸第二鉄は血清P値を有
有意に低下させ、フェリチンは
有意に上昇させた また エリス
有意に上昇させた。また、エリス
スロポエチン製剤の減量も期
待できる。クエン酸第二鉄を透析患者に投与することによ
り 血清P値を低下させ ダルベ
り、血清P値を低下させ、ダルベ
ベポエチンアルファの投与量を
減少させることができた。
ク ン酸第 鉄により常に鉄が
クエン酸第二鉄により常に鉄が
が十分に存在する状態を維持
でき、ダルベポエチンアルファの
の造血作用が有効に働いた結
果と考える。
果と考える
日本透析
析医学会
CO I 開示
筆頭発表者名
名: 中川 紀子
演題発表に関連し、開示すべきCO
演題発表に関連し
開示すべきCO
O I 関係にある
企業などはありません。