DR 対策とシステムの拡張性を、「Microsoft Azure

株式会社レコチョク
DR 対策とシステムの拡張性を、
「Microsoft Azure Site Recovery」と
「StorSimple 」のハイブリッド クラウド構成で実現。メンテナンス性に
優れ高レスポンスなシステムを従来より 36% 削減したコストにて運用
スマートフォンやフィーチャーフォン、PC などあらゆるデバイスへ向けて、さまざまな音楽配信
ソリューション概要
○プロファイル
音楽配信のリーディング カンパニーとして、
スマー
トフォンやフィーチャーフォン、PC などさまざま
なデバイスへ向け、音楽配信を中心としたコン
テンツ サービスを展開する株式会社レコチョク。
近年では、音楽配信のノウハウを生かした各種企
業とのパートナーシップによる協業サービスも展
開し、幅広い事業展開を行っています。
○導入製品とサービス
・Microsoft Azure Site Recovery
・StorSimple
・System Center
○パートナー企業
なし
○導入メリット
・ハイブリッド クラウド構成により、即時対応が
できるメンテナンス性と、社員の業務を円滑に
する高レスポンスを実現
・地理的な冗長化によって DR 対策の水準が向
上。これらのメリットがあるシステムを、従来
よりも 36% 削減したコストで運用
・Azure をベースにしたクラウドを構築したこと
で、今後の社内システムの拡張性を確保
○ユーザー コメント
「Azure の利用は今回が初めてでしたが、Azure
をベースにしたクラウドを構築したことで、Azure
や日本マイクロソフトが提供するほかのさまざま
なサービスを利用しやすくなりました。たとえば
今後、モバイル デバイスや情報セキュリティ対
策への対応が必要になってきますが、そこへの
Enterprise Mobility Suite の採用も検討できま
す。Office 365 や Active Directory などと連携
し、クラウドとオンプレミスをまたがったより便
利なモバイル デバイス管理、ユーザー管理ができ
るようになるのではと考えています」
株式会社レコチョク
プラットフォーム推進部 社内 IT グループ
グループ長
戸丸 鉄平 氏
サービスを展開する株式会社レコチョク。同社では、クラウド活用を会社の IT 戦略における重要
項目に掲げ、2014 年から 2015 年にかけてサービス基盤と社内システムのクラウド化を推進しま
した。社内システム特有の要件に対し、コスト、可用性と信頼性の両立、運用工数削減、以上の
点を評価し採用したのが、仮想マシンの保護やレプリケーションを自動化する障害復旧サービス
Microsoft Azure Site Recovery と、Azure のクラウド統合型ストレージ StorSimple です。
導入の背景とねらい
社内システムのクラウド移行に際し、コストと可用性の最適化が課題に
国内の音楽配信サービスを牽引するリーディング カンパニーである株式会社レコチョク ( 以下、レ
コチョク )。同社ではクラウド活用を IT 戦略における重要項目に掲げ、2014 年から 2015 年にか
けて、音楽配信を中心としたサービスの提供基盤をクラウドに移行する取り組みが進められまし
た。最新 J-POP、洋楽、ロック、K-POP、クラシック、JAZZ などあらゆるジャンルの楽曲やアル
バムをダウンロードできる「レコチョク」や定額制聴き放題のサービス「レコチョク Best 」などの、
主力サービスのクラウド移行を進めているといいます。
これまでデータセンターでのハウジングにてサービス基盤と社内システムの運用を行っていた同社
ですが、クラウド移行の主な目的は、
「ビジネス環境の変化への柔軟な対応」「自然災害発生時の
サービス継続」「コスト削減」にありました。サービスの提供基盤をクラウドへ移行するのと並行
し、社内システムの移行先について検討フェーズに入ったのは、2014 年の 6 月。社内システムを
担当する株式会社レコチョク プラットフォーム推進部 社内 IT グループ グループ長 戸丸 鉄平 氏は、
当時の状況について次のように振り返ります。
「サービス基盤をパブリック クラウドに全面移行することが社内で決定し、同居していた社内シス
テムについても、移行先についての検討がはじまりました。約 5 年前にデータセンターに設置し
たサーバー機器が、保守期限を迎えるタイミングでしたので、移設だけではなくさまざまな角度
から可能性を探ったのを覚えています。オンプレミスでの運用、パブリック クラウドへの全面移
行など、あらゆる選択
肢について議論したう
えで、Azure を中心に
したハイブリッド クラ
ウド構成をメインに検
討を進めました 」( 戸丸
氏 )。
レコチョクの社内シス
テムには、決裁ワーク
フローや勤怠管理、会
計、ファイル サーバー
といった各業務アプリ
ケーションのほか、資
産管理、システム運用
株式会社レコチョク
株式会社レコチョク
線負荷が大幅に軽減されるというメリットもありました 」( 戸丸 氏 )。
もう 1 つは、災害復旧に向けた「より信頼性の高いシステムの構築」です。
従来のデータセンターでは、機器の冗長化までにとどまっており、デー
タセンター自体の冗長化までは実施していなかったといいます。
「事務
所で稼動予定のサーバー群を Azure 上にレプリケーションさせるしくみ
が実装できれば Azure と事務所の地理的冗長構成が実現できると考え、
さまざまな手法を模索していました。また、Azure 内においてもデータ
株式会社レコチョク
プラットフォーム推進部
社内 IT グループ
藤川 大 氏
株式会社レコチョク
プラットフォーム推進部
社内 IT グループ
グループ長
戸丸 鉄平 氏
が多重保護されるので、災害時復旧めどが立っていない状況でも冗長構
成となり、高い信頼性が見込めます」( 戸丸 氏 )。
ハイブリッド クラウドの構成で検討を進めていた 2014 年 9 月に、仮
想マシンの 保 護やレプリケーションを自動 化する障害 復旧サービス
管理、セキュリティ管理などの各種ツールがあります。これらのシステ
ムは、主にパッケージ ソフトを利用し、物理環境の Windows Server
「Microsoft Azure Site Recovery 」が新サービスとして発表されました。
藤川 氏は当時の状況をこう振り返ります。
上で動作していました。Azure を中心としたハイブリッド クラウド構成
で検討を進めたねらいについて、株式会社レコチョク プラットフォーム
推進部 社内 IT グループ 藤川 大 氏は、こう説明します。
「Azure Site Recovery を利用すると、オンプレミスに社内システムを設
置しておき、なんらかの障害が発生した場合には、Azure 上に自動レプ
リケーションされたシステムをただちに起動して事業を継続させること
「Windows Server との親 和性を考えると、クラウド サービスとして
ができます。コストを抑えた効率的な災害対策が可能になり、まさに我々
Azure を使うことは自然な流れでした。物理環境から仮想環境への移
が求めていたものでした。Azure は国内では東日本と西日本の 2 つの
行がスムーズに進められますし、既存のパッケージをそのまま利用する
リージョンから選択ができますので、オンプレミスは東京の本社に、DR
ことができます。また、メールやコラボレーションの基盤として Office
対策は Azure の西日本データセンターにと、地理的に冗長化を行うこ
365 を既に利用しており、日本マイクロソフトのクラウド サービスや、
ともできます。『これだ 』という感じで、一気に話が進みました 」( 藤川
サポートに対する信頼感もありました。社内システムは事業を行ううえ
氏 )。
で重要な基盤となりますので信頼性が高く、サポートが充実しているこ
とは大きなポイントでした。しかし、重要な基盤ゆえに、即時対応可能
同年の 12 月には、移行先のシステムに関する概ねの構成が決定。しか
なメンテナンス性や、実ユーザー目線でのレスポンス面を考慮すると、
しそこで、データ面でも課題が浮上したといいます。
「オンプレミスの
システムすべてをクラウドにおくという選択には懸念があったのです」
Windows Server で稼働する Hyper-V 上に、すべてのシステムを仮想
( 藤川 氏 )。
化して統合。それらのバックアップ システムを、Azure Site Recovery
を使って Azure 上に構築するというハイブリッド クラウド構成で概ね決
システム概要と導入の経緯、構築
定しました。しかし 2015 年 1 月から実際の構築作業に入ったのですが、
ハイブリッド クラウド構成が実現した、コストと可用性の
両立と、信頼性高い DR 対策
オンプレミスのストレージについて、主にデータ面で課題が残ったので
クラウド サービスとして Azure を採用する方向で検討を進めたものの、
戸丸 氏は、データ面での課題を、次のように説明します。
「ユーザーの
す」( 藤川 氏 )。
全面クラウド化については、前述の点を含め 2 つ課題があったといいま
扱うデータ量が日増しに増えていく状況で、
『もっと容量がほしい 』
と日々
す。
要求を受ける状況でした。またこれまでは、データセンターに設置した
1 つは、用途ごとのシステムにおける、コストと可用性の最適化です。
経由となり『もっと速くアクセスできるようにしてほしい 』という声も上
ストレージ装置をファイル サーバーとしていたため、アクセスが WAN
「サービスを無停止で稼動させる設計が理想ではありますが、社内シス
がっていました 」( 戸丸 氏 )。
テムにおいては活用されることの少ない冗長構成に倍以上の投資を行う
のは適切かと疑問を持ちました。そこで、社内システムは無停止よりも
レコチョクでは、このデータ面の課題解決を模索していたのですが、そ
復旧時間に着目し、全体で見た SLA を担保する考え方にたどり着きま
の中で出会ったのが、日本マイクロソフトの提供する「StorSimple 」だっ
した。常時稼働するものは事務所に設置したプライベート クラウドで安
たといいます。
価に運用し、利用するかわからない DR のしくみは従量課金であるクラ
ウドへ配置することにより、コストと可用性を両立できるめどが立ちま
StorSimple は、SSD と HDD のハイブリッドによるアプライアンス型
した。また、思わぬ収穫として、サーバーが事務所に配置されるので回
ストレージ製品。それと同時に、Azure ストレージ サービスなどと自
株式会社レコチョク
オンプレミス DC
本社 ( 東京 )
西日本
仮想サーバー
レプリケーション
調整・復旧計画
Windows Server & Hyper-V
System Center
Virtual Machine
Manager
復旧サービス
Azure Site Recovery
Fail over & Fail back
Azure 仮想マシン
レプリケーション
トラフィック
Azure ストレージ
仮想マシン / ワークロード
決裁ワークフローシステム 会計システム
勤怠管理システム
ファイル サーバー
資産管理
システム運用管理などの各種ツール
サイト間 VPN 接続
Azure 仮想ネットワーク
Azure Site Recovery による災害対策のしくみ
導入の効果
SCSI ブロック
アクセス
クラウドストレージ
プロトコル
5 年間のトータル コストは 36% も削減。社内ユーザーか
らのクレームは皆無に
導入の成果として、まずトータル コストの大幅な削減が挙げられます。
Azure Site Recovery と StorSimple による構成の最終決定に際し、レ
ファイル
サーバ
StorSimple
アプライアンス
クラウド統合ストレージ StorSimple のしくみ
動的に連携するクラウド統合型ストレージでもあります。藤川 氏は、
コチョクではコスト試算を行いましたが、それによると、従来のデータ
センターをリプレースして引き続き 5 年間運用した場合と、Azure Site
Recovery と StorSimple を使ったハイブリッド クラウド構成を 5 年間
運用した場合では、トータルで 36% ものコスト削減効果があったとい
います。
「削減された 36% のコストの中で特に大きいのは、データセンターの
StorSimple のメリットをこう説明します。「StorSimple を利用すると、
ラック費用と回線費用です。ハイブリッド クラウド構成ではデータセン
頻繁にアクセスするデータはローカルのディスクに、古くて頻度の少な
ターから撤退し、渋谷のオフィス内に物理サーバー 3 台設置することで、
いデータはクラウドに、といったように、自動で保存場所を最適化して
仮想基盤上に各業務システムを統合。公開サーバーのグローバル IP に
くれるのです。よく使う重たいデータはローカル ディスクに置いてレス
かかっていた費用も、Azure で代替することで削減しました。また、物
ポンス速度を上げたいわけですが、すべてのデータをローカル ディスク
理サーバーの台数を減らすことができたことで、各種ソフトウェアと OS
におくにはコストがかかりすぎます。そこで、あまり使わないものにつ
のライセンス費用を圧縮できたことも大きいです。現在は業務システム
いては安価なクラウドのストレージに押し出して必要な時にアクセスで
ごとに仮想マシンを稼働させ、System Center で集中管理しています」
きるようにしておく。データをローカル ディスクにおくのかクラウド ス
( 戸丸 氏 )。
トレージにおくのかは自動で行ってくれますから管理は不要ですし、ユー
ザーも 1 つのファイル サーバーとして見えていますからその存在を気に
運用管理の手間を削減できたことも大きく、特に障害発生時における工
することはまったくありません」( 藤川 氏 )。
数削減効果は大きいと藤川 氏は語ります。
「障害発生時は、Azure Site
Recovery で管理画面から簡単にシステムを切り替えて障害復旧を行う
Azure Site Recovery と StorSimple の導入にあたっては、早期導入支
ことができますので、工数を大きく削減できています。機器の障害も、
援プログラムとハンズオン トレーニングを活用。この日本マイクロソフ
これまではデータセンターまで赴いていたのですが、現在は実機がある
トの導入支援を受け、目立ったトラブルもなく、2015 年 5 月までに基
社内でメンテナンスを行うことができる点も大きいです。実はレコチョ
盤部分の構築が完了。6 月からは順次移行、各業務システムの運用がス
クでは、ハイブリッド クラウドでの運用開始後、システムの切り替えを
タートしており、技術支援によりスムーズに導入できたことを高く評価し
すでに経験しています。というのも、サーバーを設置しているオフィスは、
ていると、戸丸 氏と藤川 氏は口をそろえます。
法定点検のために年 1 回、全フロアが計画停電します。システム構築後
株式会社レコチョク
にちょうど停電が予定されていたのですが、Azure Site Recovery のお
軟に拡張することができ、ニーズに合わせてサイジングを行うことがで
かげで、停電時には簡単に Azure 上でシステムを稼働させることができ、
きます。
復旧時には Azure 上で更新されたデータを保持したままオンプレミス
環境のシステムに切り替わり、再稼働するのを確認できました。システ
また、今回構築したハイブリッド クラウド環境を基盤として、これまで
ムのリカバリがこんなに簡単にできることに、感動すら覚えました 」( 藤
には無かった新しいシステムの提供も予定しているといいます。
「Azure
川 氏 )。
の利用は今回が初めてでしたが、Azure をベースにしたクラウドを構
築したことで、Azure や日本マイクロソフトが提供するほかのさまざま
導入時には想定していなかった面でも、メリットが生まれていると藤川
なサービスを利用しやすくなりました。たとえば今後、モバイル デバ
氏は続けます。
「Azure 上で起動したサーバーに切り替わる際に、ネット
イスや情報セキュリティ対策への対応が必要になってきますが、そこ
ワーク設定が自動的に行われるのが地味ながら便利です。IP アドレスは
への Enterprise Mobility Suite の採用も検討できます。Office 365 や
Azure 上の IP レンジに自動的に変更されますが、DNS は自動的に引き
Active Directory などと連携し、クラウドとオンプレミスをまたがった
継がれますので、ユーザーはシステムが切り替わったことにまったく気づ
より便利なモバイル デバイス管理、ユーザー管理ができるようになるの
きません。すべての社内システムについてこのようなサービスレベルで
ではと考えています」( 戸丸 氏 )。
の提供が可能になった点は社員の利便性に大きく貢献していると思いま
す」( 藤川 氏 )。
携帯電話向け音楽配信の開始以降、常に先進的で付加価値の高いサー
ビスを展開し、新しい音楽文化の創造に貢献したレコチョク。創立から
当初構想していたレスポンス面の成果も大きく表れています。ハイブリッ
15 年を迎え、CI ( コーポレート アイデンティティ )「人と音楽の新しい
ド クラウド構成の導入により、これまでの WAN 経由によるストレージ
関係をデザインする。」に基づき、現在は次世代の日本の音楽マーケット
アクセスが、ローカルでのアクセスに変わりました。StorSimple 自体が
創造に向け、定額制音楽配信サービス、車載用サービスや店舗向け音
SSD と HDD を効率的に使ってアクセス性能を高めているため、従来に
楽配信事業など、B to B 事業にも積極的に取り組んでいます。今回新た
くらべてアクセス性能は格段に向上することとなり、戸丸 氏は「『スピー
に構築したインフラ環境を支えに、レコチョクのチャレンジはこれから
ドがでない 』『レスポンスが悪い 』など、頻繁にあったファイル アクセ
も続いていきます。
スに対するクレームは、新たな運用の開始後には一切来なくなりました。
インフラ提供者としては、クレームがないというのは、これ以上ない最
高の評価だと考えています」と胸を張ります。
今後の展望
構築したクラウド環境を活用し、ユーザー ニーズにあわ
せたシステムの拡張を目指す
レコチョクでは 2015 年 11 月までに、11 あった業務システムのうち 9
つのシステムについて移行が完了し、年内にすべてのシステムの運用が
開始される予定です。データの移行についても、9 月までに完了しており、
今後は StorSimple や Azure で提供されるサービスを用いて、
「拡張性」
をテーマに活用を進めていきたいと語ります。たとえば、データについ
ては、ユーザー利用による保存容量が増えた場合でも StorSimple で柔
導入についてのお問い合わせ
本ケース スタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/
本ケース スタディに記載された情報は制作当時 (2015 年 12 月 ) のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
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