オンプレミスの基幹システムをvCloud Airによる クラウド環境

CONSTRUCTION
オンプレミスの基幹システムを vCloud Air による
クラウド環境へ移行し、可用性・拡張性に優れ、
ハードウェアや
OS のライフサイクルに依存しない未来の IT 基盤を確立
課題
「トンネルの熊谷」
という愛称で親しまれ、建設工事の調査、企画から設計、施工、
監理、さらには総合エンジニアリングやコンサルティングに至るまで幅広いビジネ
• 仮想サーバ環境におけるハードウェアと
OS の保守サポートが終了
スを展開する株式会社熊谷組。オンプレミス環境で稼働する基幹システムの仮想
• IT のライフサイクルに合わせて発生する
サーバや OS の保守サポート終了を迎えた同社では、オンプレミスから vCloud
更新作業などの運用負荷の高さ
• オンプレミス環境の更新において発生す
る追加ラックなどのコスト
ソリューション
VMware vCloud Air によるクラウド
サービスを採用することで、
ハードウェアや
OS のライフサイクルに依存しない安定的
な IT 基盤を実現。システムの可用性を向
上するとともに TCO を削減
導入効果
• システム規模拡大の中でも以前と変わら
ない安定運用を実現
• システム拡張や OS のアップグレードが
より容易に
• ハードウェアに関わる障害や運用負荷を
排除
• オンプレミス環境によるシステム継続に
比べ 50% を超えるコスト削減を実現
Air によるクラウド環境への移行を決断。ハードウェアや OS のライフサイクルに
依存せず、変化するビジネス環境において優れた可用性・拡張性を備えたシステ
ム基盤を実現しました。
仮想サーバや OS のサポート終了を機に
次世代 IT インフラの検討に着手
世代を超えて多くの人に受け継がれていく社
会基盤の創造を使命に、明治 31 年の創業から
一貫して、
「誠実な営業」
「誠実な施工」
「誠実な
フォロー」
を実践する株式会社熊谷組。その技
• VMware vCloud Air Dedicated
Cloud
スへの移行を決断します。
Windows 2000 など古い OS にも
対応する vCloud Air のアドバンテージ
クラウドサービスの具体的な選定について、
術力はトンネル、道路、駅舎から国内外におけ
候補となった 3つのサービスの比較検討を行っ
る超高層ビルに至るまで、幅広いフィールドで
た結果、同社は最終的に VMware vCloud
高く評価され、
近年ではリニア中央新幹線の山
Air の採用を決定しました。その理由について、
梨県での実験線の施工にも携わっています。
グローバルで展開されるビジネスを支える IT 基
盤として、2010 年からオンプレミスで VMware
の仮想化環境を利用してきた同社では、
ハード
ウェアのリース終了を機に、
次世代の IT インフラ
の具体的な検討を開始しました。経営企画本部
経営企画部 IT 企画グループ 部長の鴫原功氏
は、
当時の状況を次のように話します。
導入環境
う更新作業の排除を目的に、クラウドサービ
「仮想サーバ環境のハードウェアがサポート終
了となり、同様にサーバ OS として使用してい
た Windows 2000、Windows 2003 もサ
ポート終了を迎えました。既存の環境の更新
鴫原氏は次のように話します。
「最も大きな評価ポイントは、vCloud Air が
幅広いサーバ OS に対応している点です。サー
バ OS を提供しているベンダーのサービスは
同社の OS しか対応せず、もう 1 つのサービス
も Windows 2000 のような古い OS には対
応していません。既存システムの活用が前提
であった今回のプロジェクトをサポートできる
唯一のクラウドサービスが vCloud Air だった
のです。さらに、使用していた Oracle データ
ベースのライセンス持ち込みが可能である点
も、vCloud Air のメリットでした」
というアプローチもありましたが、当時はデー
こうして 2015 年の 3月から 4月にかけて実施さ
タセンターのリソースが限界の状態で、単純
れたトライアルにおいて、会 計システムと
に更新を行う場合でも、新たなラックスペース
Windows 2000 上の業務システムの安定稼
働を確認した同社では、
新たな IT 基盤となるク
ラウドサービスとして、vCloud Air の採用を正
を確保するなどの対応が必要でした」
また、熊谷組グループの IT 運用全般を支援す
るシーイーエヌソリューションズ株式会社 ア
式に決定し、
移行プロジェクトをスタートします。
ウトソーシング部 主任の亀田栄一氏も、
「特
に古い OS に関しては対応できないハードウェ
アやデバイスも増え、管理負担が年々増加して
いたことも改善課題でした」
と話します。
こうした状況を踏まえ、サーバ環境の更新は
行わないという基本的な指針を打ち出した同
社では、安定的な IT 環境の実現と可用性の向
上、さらにはハードウェアライフサイクルに伴
株式会社熊谷組
経営企画本部 経営企画部
IT 企画グループ 部長
鴫原 功 氏
CONSTRUCTION
「当初は 47 だった VM がすでに 54 に
拡大していますが、トラブルは一切発
生しておらず、安定稼働を続けていま
す。これは拡張性に優れ、OS などの
アップグレードも容易なクラウドなら
ではのメリットだと思います」
株式会社熊谷組
鴫原 功 氏
2 つの移行手段を組み合わせて
4 テラバイトのデータを短期移行
プへバックアップを行うためにデータセンター
を訪問していましたが、今後はこうした作業は
移行プロジェクトは、1 回目が 7 月の海の日の
連休、2 回目が 8 月の夏季休暇という 2 つの
不要になります」
と話します。
もしクラウド環境を選択しなかったらという質
フェーズに分けて実施されました。移行期間
問に対し、鴫原氏は
「オンプレミス環境の更新
の短縮に向けた工夫について、亀田氏は「オン
というアプローチをとった場合、OS やシステ
プレミスにある 47 のすべての仮想マシンを対
ムのアップグレード作業用の環境も必要とな
象とした今回のプロジェクトでは、4 テラバイ
るため、確実にもう 1 カ所データセンターを借
トを超えるデータを移行しなければなりませ
りて、
リプレース作業の場所を確保する必要が
ん。そこで、移行作業を最小限のダウンタイム
ありました。今回の選択と比較して、
1.5 倍程度
で実施するために、2 つの手段を用いることに
のコストが必要だったでしょう」
と話します。
し ま し た 。通 常 の V M は O V F( O p e n
Virtualization Format)形式でのエクスポー
ト/ インポートという従来の方法で移行し、
プ
シーイーエヌソリューションズ
株式会社
アウトソーシング部 主任
亀田 栄一 氏
ライオリティが高い VM や膨大なデータにつ
いては、バックアップツールである Acronis
Backup を使用するという方法です。短期間
で無事にカットオーバーを迎えることができ
カスタマープロフィール
たのも、
この 2 つの移行手段がうまく機能した
明治 31 年の創業以来、いつの時代にも「お客
からだと思います」
と話します。
様に感動を。」をスローガンに掲げ、
「誠実な
営業」
「誠実な施工」
「誠実なフォロー」を実践
する建設業界の老舗。トンネル、ダム、道路、
駅舎から、国内外における超高層ビルに至る
まで多くの作品を手掛ける高い技術力は、海
外からも高く評価されている。代表的な作品
BCP 対策の強化に向けて
バックアップ環境の整備を計画
今後の展望について、鴫原氏は 1 つの課題とし
て BCP 対策を挙げ、次のように話します。
「現在、
BCP を担保するためのバックアップ方法
として、2 つの案を検討しています。1つは、
デー
タセンター事業者の環境に DR サイトを構築し、
バックアップデータを確保するという案。もう1
2015 年 9 月のカットオーバーから間もないク
つは、
別のクラウドサービスをファイルサーバと
ラウドベースの新システムですが、すでに
して使用してバックアップを行うというものです。
vCloud Air の明確な導入効果が現れ始めて
この課題についてはすでに具体的な検討が進
います。
められており、
年内の実施を考えています」
「10月現在、トラブルは一切発生しておらず、安
最後に鴫原氏は、
「今回のクラウド環境への
定稼働を続けています。当初は 47 だった VM
移行で実感したのは、環境が変わったことを
ですが、OS のアップグレードの作業も始まり、
ユーザーがまったく気付かなかった点です。
すでに 54 に拡大しています。これは拡張性に
実際にサーバ環境が変わり、サービス数が増
を受賞した東京都新庁舎都議会議事堂、
ドバ
優れ、OS などのアップグレードも容易なクラウ
えているにもかかわらず、パフォーマンスの劣
イのブルジュ・ハリーファに次ぐ世界 2 番目の
ドならではのメリットだと思います」
(鴫原氏)
には、国内の新宿野村ビルディング、日本最
大規模のロックフィルダムの徳山ダム、映画
「黒部の太陽」で有名な大町トンネル、BCS 賞
高さの台北 101、香港の街に建つ中国銀行タ
ワーなど。
同様に亀田氏も、
「物理環境でネックとなって
いたハードウェアの障害を意識しないで済む、
化も見られず、安定稼働が実現できたこと、そ
して今後の拡張や可用性の確保が容易になっ
た点を大きく評価しています」
すなわちシステム運用の負荷軽減も大きな効
誠実な営業、誠実な施工、誠実なフォローを
果です。オンプレミスではハードも含めた監
実践する熊谷組にとって、日々の業務を支援
視が必要でしたが、クラウドではこのような対
する vCloud Air のクラウド環境は、もはや必
応が不要です。また、以前は BCP 対策でテー
要不可欠なシステム基盤となっています。
社内環境
vCloud Air
(オンプレミス環境)
87vCPU, 179GB Mem
HDD:9.64TB
Dedicated Cloud
・土木原価管理
・建築原価管理
・COMPANY
・BI ツール
・ETL ツール
・Active Directory
・IT 資産管理
などのシステム
ダウンタイムを考慮し
2つの手段で移行
①OVF 形式でのエクスポート/
インポート
②バックアップツール
「Acronis Backup」の使用
VMware vSphere
OS は主に
Windows 2000、
2003、2008
Direct Connect
新規またはアップグレード
本社
支店
支店
営業所
営業所 グループ会社
図:2 つの手段を使った vCloud Air への移行で、
ダウンタイムを最小化
ヴイエムウェア株式会社 〒 105-0013 東京都港区浜松町 1-30-5 浜松町スクエア 13F URL:www.vmware.com/jp
Copyright © 2015 VMware, Inc. All rights reserved. Protected by U.S. and international copyright and intellectual property laws.
VMware および VMware ロゴは VMware, Inc. の商標です。他のすべての社名および製品名はそれぞれの企業の商標です。 Item No. CS_KUMAGAI_JPQ415
10/15