TPP協定大筋合意の 農業への影響と対応方向

TPP協定大筋合意の
農業への影響と対応方向
新潟県知事と農林漁業六団体との懇談会
平成27年12月22日(火)
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Ⅰ TPP協定の概要と本県農業への影響
1 主な農産物の大筋合意の概要
2 本県農業への影響
Ⅱ 国の政策大綱の概要(農林水産関連)
Ⅲ 政策大綱にかかる県内関係者と県の受け止め
Ⅳ 本県の主な対応方向
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Ⅰ TPP協定の概要と本県農業への影響
1 主な農産物の大筋合意の概要
品
目
大筋合意の内容
(農林水産省公表資料の内容)
<参考>
本県の生産状況
○ 現行の関税 341円/kgは維持
○ 無関税の輸入枠(SBS方式)を設定
<米国> 発効時から3年目まで5万トン⇒13年目以降は7万トン
<豪州>
〃
0.6万トン⇒
〃 0.84万トン
○ 既存のミニマムアクセス米の枠内でも、実質的に米国産の優遇につな
がる措置を導入 (6万トン)
収穫量:65.7万トン
(H26)
産出額:1,499億円
(H25)
牛
肉
○ 現行の関税率 38.5%を発効時に 27.5% ⇒ 16年目以降は9%
(セーフガードは4年間発動がなければ廃止)
飼養数:11.0千頭
(H27.2現在・肉用牛)
産出額: 24億円
(H25・肉用牛)
豚
肉
【安い豚肉】
○ 現行の関税 482円/kgを発効時に 125円/kg ⇒ 10年目以降は 50円/kg
(セーフガードは5年目から11年目まで措置)
【高い豚肉】
○ 現行の関税率4.3%を発効時に2.2% ⇒ 10年で撤廃
(セーフガードは11年目まで措置)
飼養数:192.4千頭
(H27.2現在・豚)
産出額: 155億円
(H25・豚)
米
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Ⅰ TPP協定の概要と本県農業への影響
2 本県農業への影響
品目
米
懸念される本県農業への影響
◆ 米国、豪州産の低価格米が主食用として流通することで、業務用米等の価格が低下し、
コシヒカリ等の価格にも影響
◆ 備蓄運営で、保管期間後の非主食用として放出量が増加することで、非主食用米生産
の需要量が圧縮され、国内の非主食用米生産の取組に影響
牛肉
◆ 米国、豪州産の安価な牛肉の流通量が増加することで、品質的に競合する乳用種等を
中心に国産牛肉価格等が下落
豚肉
◆ 輸入品と国産品に品質的に大きな差がないため、輸入豚肉価格まで国産豚肉価格が下
落
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Ⅱ 国の政策大綱の概要(農林水産関連)
○ 生産者の持つ可能性と潜在力をいかんなく発揮できる環境を整えることで、次の世代に対しても日本
の豊かな食や美しく活力ある地域を引き渡していく
①生産者の不安の払拭
②成長産業化に取り組む生産者がその力を最大限発揮
農林水産業・農山漁村の維持発展に貢献している生産者の不
安を払拭し、希望を持って経営できるようにする。
輸入品からの国内市場の奪還、輸出力の強化、マーケティング
力の強化、生産現場の体質強化・生産性の向上、付加価値の向
上など、成長産業化に取り組む生産者を応援する。
③夢と希望の持てる農政新時代を創造
未来の農林水産業・食料政策のイメージを明確にし、生産力の努力では対応できない分野の環境を整備。
経営安定・安定供給のための備え
生産者の不安を払拭するため
〔米〕
政府備蓄米の運営の見直し
・備蓄期間の見直し(5年⇒3年)
・国別枠の輸入量に相当する国産米を
政府が備蓄米として買入れ
〔牛肉・豚肉、乳製品〕
経営安定対策の充実 等
・対策の法制化(牛・豚)
・補填率引上げ(牛・豚:8割⇒9割)
・国負担水準の引上げ(豚:1/2⇒3/4)
攻めの農林水産業への転換
検討の継続項目
成長産業化に取り組む生産者が
その力を最大限発揮するため
夢と希望の持てる農政新時代を
創造するため
・次世代を担う経営感覚に優れた担い手
の育成
・農政新時代に必要な人材力を強化する
システムの整備
・畜産・酪農収益力強化総合プロジェクト
の推進
・生産者の所得向上につながる生産資材
価格形成の仕組みの見直し
・高品質な我が国農林水産物の輸出等需
要フロンティアの開拓
・合板・製材の国際競争力の強化
・規制改革・税制改正
・生産者が有利な条件で安定取引を行うこ
とができる流通・加工の業界構造の確立
・戦略的輸出体制の整備
〔資料出典〕 TPP政府対策本部提供資料 「総合的なTPP関連政策大綱に関する資料(参考資料)」から抜粋、加筆
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Ⅲ 政策大綱にかかる県内関係者と県の受け止め
県の受け止め
関係団体等の声
<米>
<米>
○ 安い輸入米の流入が、国内の米価に影響す
る可能性
○ 備蓄運営により主食用米への影響回避が図られるが、輸入
米の流通量増加や備蓄保管後の放出による影響等が不明
○ 備蓄米の放出による飼料用米生産への影響
を懸念
・ 国別枠により低価格の輸入米が主食用として流通することで、国産米
の価格等にどの程度影響するか
・ 備蓄保管後に飼料用米等として放出される量が増加することで、非主
食用米生産にどの程度影響するか
○ 農地集積の加速や若い担い手の育成支援に
期待
○ 目新しい情報がない、具体策が見えない
○ 国内消費量が毎年減る中で、この対策で十分
か不安
<牛肉・豚肉、乳製品>
<牛肉・豚肉、乳製品>
○ 経営安定対策に係る本県の要望は概ね反映
○ 体質強化が不十分な畜産農家へのセーフティーネットの検
討が必要
○ 経営安定対策の拡充は、牛・豚ともに評価
<体質強化対策 等>
○ 経営安定対策以外は具体策が見えず効果が
不明
○ 対策の項目としては、本県の要望の大半は反映されたが具
体的な対策の内容が不明
県の
対応
○ 大綱に示した各種制度の内容について、早期に明確化するよう引き続き国に要請
○ 今後も、本県への想定される影響を踏まえ、国の対策に現場の声が十分反映されるよう、
時期を失することなく、県として必要な対応に取り組み
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Ⅳ 本県の主な対応方向
水田フル活用による
農業者の所得確保
畜産振興
輸出の促進
<目的>
<目的>
<目的>
○ 主食用米の需給環境の
改善に向けた飼料用米等
非主食用米への誘導
○ 地域資源を活用した魅
力ある畜産業の実現によ
り、安全・安心な畜産物を
提供
○ 海外需要の積極的な取
り込みによる県産農産物
の販路拡大
<今後の方向>
○ 収入面で有利な多収性
品種の導入拡大
○ 小規模農業者も取り組み
やすい環境整備(共同利用
施設の活用)
〇 畜産農家の利用拡大に
向けた飼料用米の地域内
流通体制の構築
<今後の方向>
<今後の方向>
○ 規模拡大、生産コストの
削減等による経営体質の
強化
○ 新潟の食文化や新潟米
の食味・品質等の情報発
信などにより販路を拡大
○ 果実や畜産物などにつ
いても、意欲的な産地等と
ともに商流構築に向け取
組を推進
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