Drieasyカタログ(日本語)

Drieasy
1.
『どこにでもありそうなマグカップ』
『どこにでもありそうなマグカップ』とは、
どのような形をしているのでしょう。
考えてみると、とても難しいです。
ひとつ言えるのは、
どこにでもあるということは、
どこででも受け入れられる形状をしているということです。
飽きのこないシンプルなもの。
それでいて、よく見ると洗練されている。
Ugadell Design は、
そんなマグカップのカタチを目指しました。
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2.
排水システムで乾き易い
従来の食器は、食洗後の裏底に水が溜まり、
乾燥させても完全には乾きにくく、最終的にその残水を拭きとって
棚にしまうというのが一般的でした。
拭きとるというのはちょっとした動作ですが、とても煩わしいものです。
本製品は裏底に排水口を設置し、
そこに指向性を持った面で水を誘導し、
取っ手を伝い外部に排水します。
これにより裏底に水が残りにくく、マグカップが乾き易くなります。
使いたいときに、カゴから取ったマグカップが乾いているというのは
非常に気持ちの良いことです。
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3.
内底傾斜で乾き易い
裏底が排水システムにより水が溜まりにくく乾き易い説明をしましたが、内底も乾
き易い工夫がされています。従来の円筒マグカップは内底が平らに近く、逆さに置
いたとき、なかなか水滴が落ちませんでした。本製品は、逆さに置いたとき、内底
の中心から側面にかけて面を傾斜させ、かつ、内底と側面との繋ぎ目に丸みを持た
せることで、本体内側の水滴の排水効果を向上させました。これによりマグカップ
内側に水滴が溜まりにくく、内側も乾き易くなります。
4.
風が流れて乾き易い
食洗機使用後、食器の底に残った水が乾ききらない原因の一つに、高台と底部の接合部に
温風が当たりにくいという原因があります。熱での乾燥の効果の方が大きいと思われがち
ですが、湿度の高い食洗機内で乾燥させるには、風通しも重要な点です。本製品の裏底は
形状が流線的になっており、温風が面を伝って全体に流れるので風通しが良く、乾き易い
です。また、風を受ける角度によっては取っ手を伝い、より多くの風を裏底まで届けるこ
とができ、速乾効果を高めます。
5.
重ねても乾き易い
食器洗浄後、裏返してカゴの中に重ねてしまうと、上の食器の水滴が下の食器にか
かってしまい、下の食器が乾かないことがありました。本製品は、マグカップを重
ねたとしても隙間が出来るので上の食器の水滴も排水し、重ねても乾き易いです。
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6.
収納し易い
マグカップの取っ手は熱い飲み物を入れたときでも持つことができるとい
う長所がありますが、かさばって収納(食洗機セット)しにくいという短所
もあります。本製品は取っ手と本体との接合部分を薄くすることで取っ手
の幅を縮小させ、同等サイズのマグカップの中でも、幅狭な取っ手になっ
ています。もちろん持ちやすさも追求した上です。少しの差ではあります
が、これによりマグカップに小回りが利き、収納し易くなります。
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7.
持ったときの安定感
特に女性やお子さんは、マグカップを持ったときにグラグラしてしまい、
中身をこぼしそうになった経験があるかと思います。それは、通常取っ手
の外側は丸く、支える部分が安定しにくいからだと思います。本製品の取
っ手は、下方の支える部分に溝を入れることで、両側に山を作り、その二
つの山が、二点でしっかりと指に定着するので、持ったときに安定します。
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8.
全面印刷可能
現在では、自分がデザインしたイラストをマグカップに転写する方法や
サービスがあり、気軽にオリジナルのマグカップが作成できます。
本製品は取っ手の下に排水口があるので、従来品と同様に全面印刷が可能です。
従来品とは全く異なる製品なのに、
他の誰かのデザインとうまく融合できるという、
二面性を持ったマグカップです。
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9.
重ねて収納
円筒形マグカップは重ねられない場合が多いですが、
本製品は高台が内側にあるので重ねることができます。
※地震等により転倒する場合がございますので、
補助具等を使用することをお勧めいたします。
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10.
業務改善
本製品は切欠き部分に丸みと厚さで強度を持たせたので、業
務用としても使用して頂くことが可能です。食洗機の回転率
を上げることは、作業者の負担軽減はもちろん、経営者の課
題でもあります。乾き易い食器が一番効果を発揮するのは、
大量に食器を使用する、飲食店等なのかも知れません。
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11.
程よい持ち心地
陶磁器の円筒マグカップはほとんどの場合水には浮きません。
重すぎたり、
重心が取っ手側にずれていたりするからです。
本製品は重心の位置が本体中心に近いので水に浮かびます。
重心の位置が大事なのですが、
これにより、持ったときに程よい重量感を味わうことができます。
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12.
インスタント系、溶かします
コーンスープを飲んだ後、粉が溶けきらずに底に残ってしまい、
味が薄くなったり、最後に濃くなったりした経験はないでしょうか。
これはスプーンとマグカップの底とに隙間が生じ、
スプーンが届かない位置に粉が残ってしまうからです。
本製品は本体内底の周りを丸くし、スプーンとマグカップの隙間を極力無くしました。
これによりコーンスープやコーヒー等、様々なインスタント系の飲み物を
最後まで溶かし易くなり、上記の悩みを軽減させることができます。
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13.
食物のカスを洗い流して衛生的に
食洗機で食洗後、食器の裏底に溜まった水の中には食べ物のカスが
一緒に混ざっていることがあります。
そのまま乾燥してしまうと裏底にそれらがこびりつき、
洗い直しが必要になったり、
食器を重ねたときに他の食器の内側に移ってしまったりと、
衛生的ではありません。
本製品は排水口を穴ではなく切欠きにすることで、
小さな食べカスから大きめの食べカスまで排水させ、
食器を衛生的に保ちます。
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14.
取っ手を清潔に
マグカップを使用するときに一番触れるのは取っ手の部分でしょう。
本体内側の洗浄にばかり気を取られがちですが、
人の手が良く触れる取っ手の部分は
最も洗浄したい部分でもあります。
本製品は裏底の面積分だけ受けた洗浄水を取っ手に流すので、
通常よりも多く洗浄することが可能で、
その分、
取っ手を清潔にすることができます。
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15.
安心安全
本製品はカドミウムや鉛といった有害物質を使用しておりません。
衛生基準法で定められた基準を大きくクリアしており、安心してご使用頂けます。
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16.
スポンジ、あたる
従来の円筒マグカップは本体内底の周りが直角に近く、スポンジがあたりにくく、最も汚れが付く箇所が最も洗いにくいという構造でした。
本製品は『インスタント系、溶かします』で述べた通り、本体内底の周りに丸みを持たせているので、
スポンジがあたり易く、汚れが落ち易いので、手洗いをする場合は従来に比べ楽に洗うことができます。
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17.
汚れ、一点集中
『スポンジ、あたる』でも述べたように、
従来の円筒マグカップは本体内底の周りが直角に近く、
その部分に飲み残しが溜まるので、
最も汚れが付く箇所が最も洗いにくいという構造でした。
本製品は本体内底の中心に向けてほんの僅かな傾斜を付けています。
これにより、隅の部分に汚れが付きにくく、中心に飲み残しが集まるようになり、
飲み残しが乾燥してできた跡は一点集中し、更に、洗い易い位置にできるため
従来に比べ洗い易く汚れにくい構造になりました。
また、最後の一滴まで飲みたいという方にも
おすすめの機能かも知れません。
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18.
MADE
IN
JAPAN
( KOFU × MINO × SETO)
本製品は日本製にこだわっています。
工程は大きく 4 つに分かれますが、各工程をそれぞれの専門家が担当しております。
【デザイン】
知る人ぞ知るジュエリー生産国内トップ、甲斐の国は甲府
ジュエリー業界では『ジュエリーは人を幸せにするためだけに存在する』とよく言われます。
そんなジュエリー業界出身のデザイナーが、
人々を幸せにできるようなマグカップをデザインしました。
【石膏型】
窯業業界でいち早く 3DCAD・CNC を用いた精密石膏型製造のパイオニア、美濃地域の専門業者
本製品の石膏型はとても特殊で、マグカップとしては異例の方法で製造しています。
構造が複雑な本製品はこの専門業者の精密加工やノウハウなくしてできません。
【成型】
1300 年の歴史があり、日本六古窯に数えられる瀬戸
成型は最も重要な工程で、商品の良し悪しがここで決まると言っても過言ではありません。
熟練職人が上記特殊石膏型を使いこなし、きめ細かな手作業による仕上げを行います。
【焼成】
陶磁器国内圧倒的トップシェアを誇る美濃焼
これは伝統に囚われず、あらゆるデザインや人の価値観の変化に対応してきた結果だと思います。
焼成だけではなく型設計・成型の総合的管理を、美濃焼の中でも技術に定評があり、
陶磁器の駆け込み寺としても知られる多治見市の専門業者が行います。
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19. 特許出願中
本製品の大きな特徴の一つに、特許製品であることが挙げられます。
『特許製品である』ということは、権利のない第三者が『勝手に』その技術を使用し、
製造販売することができないという意味を持ちます。
つまり権利者が独占できるということなのですが、
それは販売側の利点であって、製品の利用者にとっては関係ありません。
特許を取得する目的は他にあります。
実は、『特許製品である』ということは、逆に言うと、
『勝手に』でなければ誰でも使用できるということでもあるのです。
将来、食器の排水システムという技術が皆さんに受け入れられ、
それを用いた様々な製品が色々なメーカーから生まれたとしても、
使ってみたら十分に機能しなかったり、粗悪品だったりしたら大変です。
『勝手に』ではなく、製品の品質を管理した上で製品を提供することが
特許取得の大きな目的です。
積極的に他社様と協力し、排水システムに共感して頂けるお客様が
排水システム付きの食器を購入する際の選択肢を増やしていきたいと考えています。
将来、世界中の食器に排水システムが付くようになれば
自分の好きなデザイン、好きなメーカーの食器を気兼ねなく選ぶことができます。
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20.
更なる発見
子供達にこのマグカップの底はなんのための形状か尋ねると、様々な答えが返ってきます。
・視力検査
(黒のマグカップは底の縁部分が C に見えることから)
・ピタゴラ装置
(球を転がす遊びに使うのだという)
・流しそうめん
(いくつか段々に並べてそうめんを流すのだという)
・スキージャンプ
(白のマグカップは雪原に見えるのだという)
・噴射口
(マグカップを取ろうとすると排水口から火を噴いて高速で逃げるのだという。
これには想像したら思わず笑ってしまいました。)
すべて正解だと思います。
子供は少しの変化に対して敏感に反応し、
想像力豊かな発想を返してくれて、新たな面に気づかせてくれますし、
モノゴトに無限の可能性が秘めていることを教えてくれます。
そんな中、一人の女の子が言った、
『小人が水の滑り台をするの。棚の中で人が見てない時に』
という発想に心を打たれました。
本当にそうなのかも知れないなと、思ってしまいました。
彼女の頭の中では、このような世界が広がっているのかも知れません。
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21.
開発秘話
どんなに良いデザインであっても作れなくては意味がありません。物理的に不可能
なこと以外は技術で補い、その境界線を探ることに時間を費やし、一般的なマグカ
ップは 1 ヵ月あれば十分完成できますが、本製品は半年の期間を要しました。変更
回数は 30 回以上となりましたが、どの工程も途中で妥協することなく、最善の方法
を模索し、変更する度に製品がより研ぎ澄まされていくのが実感できました。開発
秘話がある製品はどこか味わいが増すものです。
『あなた』のお気に入りのマグカッ
プになるためには、どれも欠かせない重要事項なのです。
22.
日本の心
もし、食器洗いをしている人が自分ではない誰かの場合、乾き易い食器を選択することは、
その人への感謝の気持ちになると考えています。相手に対する優しさに気づかれたくないと
思う日本人独特の心情と、機能的であることを隠したいマグカップ。そこには共通する日本
の心が見え隠れしているように感じます。使用する『あなた』のお気に入りであり、他の人
にもちょっとした良いことがある。そんなマグカップであって欲しいと願っています。
23.
シークレット・ハート
本製品は、取っ手が本体に反射してハートを作り出します。これは初めからデザインし
たわけではなく、完成した後に気づきました。美濃焼の品質の高さがよくわかる現象だ
と思います。狙っていたわけではないので、このハートを発見した時は、マグカップか
らサプライズプレゼントを受け取ったような気がしました。使い手に良い製品を届けた
いという開発者の気持ち、使用することで伝える食器洗いをしてくれる人(自分だとして
も)への感謝の気持ち、思わずそのような気持ちと結び付けたくなるような出来事でした。
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24.
+α
『どこにでもありそうなマグカップ』であるために、
皆さんは何か新たな条件が加わったでしょうか。
『排水システムが付いている』
『内底が傾斜している』
『取っ手に山が二つある』
『有害物質を含んでいない』
『妖精が遊んでいる』
等々
少なくともひとつくらいは加えたい条件があったのではないでしょうか。
『どこにでもありそうなマグカップ』とは、
使用する人々に最も愛されたマグカップなのではないかと、改めて思います。
Ugadell Design は、
これからも皆様に愛される製品を目指していきます。
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Drieasy
1. 『どこにでもありそうなマグカップ』 P1,2
2.
3.
4.
5.
乾き易さ
排水システムで乾き易い
内底傾斜で乾き易い
風が流れて乾き易い
重ねても乾き易い
P3,4
P5,6
P5,7
P5,8
機能美
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
収納し易い
持ったときの安定感
全面印刷可能
重ねて収納
業務改善
程よい持ち心地
インスタント系、溶かします
P9
P10
P11,12
P13
P14
P15,16
P17,18
13.
14.
15.
16.
17.
衛生面
食物のカスを洗い流して衛生的に
取っ手を清潔に
安心安全
スポンジ、あたる
汚れ、一点集中
P19,20
P21,22
P23
P24
P25,26
story
18.
19.
20.
21.
22.
23.
24.
MADE IN JAPAN
特許出願中
更なる発見
開発秘話
日本の心
シークレット・ハート
+α
P27,28
P29,30
P31,32
P33,34
P33,35
P33,36
P37
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Drieasy 300ml mug
Designer :Yoichi
Sasamoto (Ugadell Design)
Collaboration :Masahiro Umeda (KYOTOYOGYO Co.,Ltd.)
Photographer :Akihiro Yoshida (1002)
Diorama :Keigo Sato (dwarffactory)
URL:http://ugadell.jp