透析患者における送迎業務の見直し ~院内転倒事故を経験して現在までの取り組み~ (医)徳洲会 大垣徳洲会病院 臨床工学科 ●坂口耕一郎 清水慎太郎 中野路子 中川紀子 旭恵次 久富俊宏 (医)徳洲会 大垣徳洲会病院 内科 野口 享秀 第65回 日本病院学会 CO I 開示 筆頭発表者名: 坂口 耕一郎 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある 企業などはありません。 目的 当院では透析患者の送迎を行っているが、送 迎を行っている職員は専門職ではなく 一般 職員が行っていた。 2013年12月に送迎中の転倒事故を経験し、 送迎業務に携わるうえで必要な技術、知識教 育がなされていなかったことを痛感し、再発 防止策を講じた。 3 背景 当透析室はベッド数44床、患者数84名が治 療を受けており、送迎患者数も1日当たり15 名、運転手3名で対応していた。 送迎では最も遠い患者では片道1時間もか かっており、こういった人手のなさ、時間のな さが教育不足につながり、今回の件に拍車を かけていたと考えられた。 4 検討課題 ① 専門の知識・教育体制の構築を どうしていくのか? ② 透析室・送迎ドライバーの連絡体制 の構築をどうするか? 5 計画 ① 専門の知識・教育体制の構築 ② 透析室・送迎ドライバーの連絡体制の構築 の2点を計画した。 ①は病院業務という特殊性の高い業務であると 同時に、透析患者の送迎という、患者との接点を 持つ業務のため専門の知識を持つことが患者・ス タッフ双方に有益だと考えた。 6 計画 ① 専門の知識・教育体制の構築 ② 透析室・送迎ドライバーの連絡体制の構築 の2点を計画した。 ②は患者の情報・状態を細かに伝えることで転倒 リスクのある患者に対してより注視することが可 能だと考えた。また急変時の指示などの受け渡し も必要だと考えた。 7 改善 8 改善 一次救命 医療安全 感染対策 送迎判断 9 改善 10 評価 総務 送迎運転手 介護タクシー運転手 急変時対応 × ○ 止血対応 × × 身体介助 × ○ 情報共有 ○ × 医療安全知識 △ × 感染対策知識 × × 11 再検討課題 ① 専門の知識・教育を作る体制構築を どうしていくのか? ② 透析室・送迎ドライバーの連絡体制の 構築をどうするか? ③ 介護タクシードライバーの教育も必要 であることが判明。 介護タクシー会社も含め教育する。 12 評価 総務 送迎運転手 介護タクシー運転手 急変時対応 × ○ 止血対応 × × 身体介助 × ○ 情報共有 ○ × 医療安全知識 △ × 感染対策知識 × × 13 介護タクシードライバーへ 緊急対応時の教育 ①シャントの基礎知識 ②感染対策 ③緊急時の止血方法 ④患者対応 14 介護タクシー車内の様子 15 考察 転倒予防の為に、転倒リスクの高い透析患 者は介護タクシーの利用開始をした。 院内の転倒症例に対しては介護タクシー利 用などにより、裁判でその取り組みは評価さ れる可能性が高い。 しかし、転倒を根本から少なくするには院内 外を問わないチーム全体の教育体制が必 要である。 16 ご清聴ありがとうございました 17
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