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透析室での感染予防対策
~インフルエンザ集団発生を経験して~
医療法人一陽会 原田病院 透析室
○宮本弘美、栗栖啓子、新田千恵美、吉田美幸、水入苑生、重本憲一郎、
原田 知
【目的】
透析室でのインフルエンザ集団発生を経験し、発生から終息までの対応を振り返り感染対策の課題を明らかにした。
【方法】
平成27年2月14日~3月3日の透析患者106名・透析室職員26名におけるインフルエンザワクチン(以下ワクチン)
接種率、患者発生状況と対応を時系列で振り返り、感染対策の課題について透析室職員でKJ法を用いて分析した。
【結果】
インフルエンザの発生は、外来透析患者を発端に入院・外来透析患者16名、一般入院患者15名、透析室職員4名、
その他の職員34名に拡大した。ワクチン接種率は、透析患者で外来94%、入院60.9%、透析室職員96%であった。
KJ法より、乾燥している透析室の環境・手洗いマスク着用等の患者指導の徹底・感染に対する職員の意識向上・
感染発生時のICTを含めた迅速な対応が透析室の課題として上がった。
【考察】
透析室職員・外来患者に比べ入院患者のワクチン接種率は低く、入院患者への積極的な働きかけが必要である。
外来患者を発端に拡大したことから、患者指導の徹底や環境整備は必要であるが、入院・外来患者を同時に加療
する為、透析室だけでなく全職員の感染に対する意識の向上が重要である。さらに感染発生時には迅速で適切な
対応が拡大を防ぐと考えられた。
【結語】
透析室の今後の課題は、感染防御対策への患者指導、透析室の環境整備、職員の意識向上、感染時の迅速な対応
である。
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当院での血液透析患者の HBV・HCV 感染に関する調査と
感染対策
医療法人社団みめぐみ会 サンクリニック1)、
医療法人社団みめぐみ会 サンクリニックみなが2)
○青木幸平1,2)、櫻田千歩1,2)、平岡泰子1,2)、細川典子1,2)、
中村俊平1,2)、中村雄二1,2)
日本における血液透析患者のB型肝炎の感染率は1.9%、C型肝炎の感染率は9.8%と一
般の人口に対しての肝炎への感染率は高いことが報告されている。透析患者は血液媒
介感染症のハイリスク集団であり、透析施設での血液媒介感染対策は重要である。今
年、7年ぶりに改訂された『透析医療における標準的な透析操作と院内感染予防に関
するガイドライン』(四訂版)においてもHBV・HCVに関する各種必要な検査の実施
が推奨されている。
そこで、当院の全患者にHBs抗原、HBs抗体、HBc抗体、いずれかが陽性の場合に
HBV-DNAリアルタイムPCR検査、またHCV抗体陽性の場合にHCV-DNAリアルタイ
ムPCR検査を施行しウイルス血症の有無を確認した。
今回の結果から、新たなガイドラインを踏まえベッド配置を含めたHBV・HCVの感
染対策を行ったので報告する。
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感染対策に対するスタッフの意識向上への取り組み
はしもとじんクリニック
○片山朱美、木村美穂、奥田理恵、菅知加子、小林恵子、佐々田康子、
橋本昌美
【はじめに】
平成27年3月に「透析施設における感染予防に関するガイドライン(四訂版)」が出版され、感染対策の重
要性が記されている。特に、透析患者は、免疫能が低下しており、易感染状態であるため注意を要する。
今回、当院では感染マニュアルを作成しているが、定期的にスタッフ教育が実施されていない現状であった。
そこで、スタッフ全員の感染に対する意識と透析装置の清浄化手技の統一を図ることにした。
【対象】
看護師6名、臨床工学技士7名、看護助手4名
【方法】
チェックシートを作成し、それを用いて透析装置の清浄化の手順をチェックする。その後、拭き残しの有
無をGEO GERMを用いて明らかにし、再度ふき取り指導を行った。
【結果・考察】
手順に沿って清拭できたスタッフは数名で、その他は自己流にしていたことがわかった。拭き残しテスト
を施行した結果、きれいに清拭したつもりでも急ぐことが優先し、拭き残しが視覚的に確認された。
装置パネル及び外装は、常に血液が付着しているものと考え、スタッフの意識向上が出来る環境が必要で
あると考える。意欲的に感染対策に対する知識を得るため、院外への研修参加や院内の勉強会を開催する
ことが重要である。
【まとめ】
透析スタッフの感染に対する意識向上ができ、透析装置の清浄化における手技統一化をすることができた。
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透析室における感染予防策の現状について
県立広島病院 腎臓総合医療センター 透析室
○吉川恭子、中田美由紀、沖原美穂、重永英子
血液透析患者は、免疫力低下や低栄養状態などで易感染状態にあり、感染症を発症す
ると重症化しやすいため感染予防策は重要である。
当施設では、各診療科からの血液透析患者の受け入れがあり、平成26年4月に脳心蔵
血管センターが設立され、より入院患者の重症度も高くなっている。
治療は、ワンフロアーで同時に多人数に対して実施されており、感染予防策として「透
析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン(三訂版)」と「院
内感染対策実践マニュアル」に準じた標準予防策と感染経路別予防策で対応している。
今回、四訂版が発行され項目にある「感染予防からみた透析診療内容チェックリスト」
で当施設での感染予防策の状況の見直しを行った。物品や設備に関連する項目は出来
ていたが、手指衛生関連2項目、スタッフ教育項目に対して院内手指衛生サーベイラ
ンスで目標回数を満たしていないことや、感染対策に関する研修会の参加率が低いと
いう結果が出た。この現状について考察したので報告する。
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災害時を見据えた情報ツールとしての PD 導入基礎情報・
外来記録用紙の活用~地域との連携を考慮して~
独立行政法人国立病院機構広島西医療センター 看護科
同 腎臓内科
○濵口富江、久保口綾子、東 江里香、平崎奈美江、安部亜由美、
倉恒正利
H病院は災害拠点病院であり、近い将来の発生が予測される南海トラフ地震など災害
対策について、病院を挙げて取り組み中である。しかし、3年前から開始した腹膜透
析患者への関わりについては、CAPD認定指導看護師がいないこともあり、緊急時の
連絡については、腎臓内科医1名がすべて対応している現状にある。
昨今の状況を鑑みても、腹膜透析患者に対する情報の共有不足を改善する必要性があ
ると思われた。そこで、腹膜透析患者において、災害時にも活用できる情報ツールと
してのPD導入用基礎情報・外来記録用紙を整備することが重要であるとして、医師
とともに検討し作成した。現在、電子カルテ上で運用を開始している。
また、これらの情報については、基礎データとして地域との共有も必要と考え、H病
院地域連携室と協働して、腹膜透析患者の理解を深めていただく目的で、平成27年2
月5日「腹膜透析の基礎知識について」の学習会を企画し開催した。今後も災害を見
据えた関わりについて検討を続けている段階であり、その経過について報告する。
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