「電磁波励起反応場第188委員会」活動状況報告書 ⑴ 設置年月日:平成26年7月 ⑵ 委 員 ⻑ 名 (所属職名) :和田 雄二(東京工業大学・教授) (期間:平成26年7月〜現在に至る) ⑶ 委 員 数 :46名(学界委員22名、産業界委員24名) 1.委員会趣旨・目的 から抽出された発展性の高い化学工学、化学 日本のものづくり技術は、今までに出会ったこ 合成、乾燥等技術に関する話題提供講演をい とのない閉塞的状況に遭遇している。それは、科 ただいた。 学技術の世界的普及による技術水準の均等化と技 2)材料金属分科会2回(東工大、ウインクあい 術開発速度の減速に起因する。新たな競争力を持 ち):無機材料の創製、製造や金属生産分野に つための新規な技術開発と産業創出、そして災害 於ける高温反応場(例えば500℃以上)への 復興や防災を目的とした新技術の確立を目指し マイクロ波応用を目的とし、11月6日に研究 て、日本発の独自の技術開発に挑戦することが求 会を行った。学側から3件、産側から3件の発 められている。マイクロ波を中心とする電磁波エ 表があり、19名(産業界13名)の出席があっ ネルギー利用技術は、今までのものづくり技術を た。 全面的に変革する可能性を持つ未来技術候補のひ 3)装置計測分科会3回(東工大、阪大、四 とつであり、この革新的なツールを武器としてこ 谷):マイクロ波ユーザー1件とメーカー1社 れらの現実問題に取り組むことを目的としてい から、この分野のニーズと市場状況を講演し る。産学官研究者等を軸として活動を開始し、今 ていただき、参加企業が情報収集または情報 後の研究環境の整備と関連領域の拡大を図る。 発信を行いやすい場を提供した。また、装置 計測分科会が2年以内に取り組む内容を体系化 2.活動概要・実績 し、各担当者から成果報告を行った。 概要: 初年度であるため、委員会相互の理解と包含分 野における課題抽出を目的とし、全体会議および 3.活動の成果 ・NEDO「クリーンデバイス社会実装推進事業/ 分科会会議を開催した。 省エネルギー社会を実現する高効率高出力マイ 実績: クロ波GaN増幅器」(H26〜28)を一部の委員 ・全体会 第1回(東工大、40名)、第2回(東工 所属機関で受託した。 ・当初、装置計測分科会は産業界の委員が中心で 大、30名) 1)化学分科会3回(東工大3回):委員からの あるため、情報漏えいの観点から意見が出にく 関連技術に関する現状確認および課題の発掘 いかと予想されたが、講演会は非公開であるこ 報告に加え、NEDOが行った関連技術調査研 ともあり、非常に活発な議論が続いた。また、 究内容を見直すための勉強会を開いた。そこ 分科会取り組む内容(装置標準化、半導体発振器 -231- の普及、その他)についての資料作成と様々な提 ・H26年度研究会での議論を通じ、金属・材料分 案をしていただき、業界一丸となって分野を盛 科会研究の特色として、以下の項目が分科会の り上げる雰囲気が高まった。 特色であることを打ち出した。 物 用 高温非平衡反応場の利 高温(目安として500℃以上) 質加熱技術 物 耐火 技術との連関 材料、電磁場シミュレーション 物 大電力投入する大型プロジェクトとの連携 固体の反応、 性、データベース 4.今後の活動方針 た、産学協同研究の重要課題を見出し、実験室 ・講演会や分科会で取り組みは各委員からの賛同 的な研究から大型装置を援用する技術に至る研 を受けており、今年度も持続する。新しい取り 究開発を推進する。この目的から、講演会にお 組みとして、11月18日に日本電磁波エネルギー いて専門家を招聘したり、見学会等を企画する 応用学会と上智大学の共催で、ソフィアンシン と共に、委員会において産側と学側間で深い議 ポジュウムを開催する予定であり、この中でこ 論を行なう。 の分野における海外の動向を国内外の専門家か ・半導体発振器利用コンソーシアムを立ち上げ、 ら講演していただき。本分科会の委員にも無料 発振器、装置などの製造側とユーザー側委員間 で参加していただく場を設ける。 での情報交換の場を創設する。 ・材料分野において、国の科学技術政策に従っ -232-
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