報 告 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点 公募型共同研究平成 27 年度採択課題について 「学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点」は、北海道大学、東北大学、東京大学、 東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学にそれぞれ附置するスーパー コンピュータを持つ 8 つの共同利用の施設を構成拠点とし、東京大学情報基盤センターが 中核拠点として機能する「ネットワーク型」共同利用・共同研究拠点として、文部科学大 臣の認定を受け、2010 年 4 月から本格的に活動を開始しました。 このネットワーク型拠点では、我が国の学際大規模情報基盤の共同利用・共同研究の拠 点として、超大規模数値計算系応用分野、超大規模データ処理系応用分野、超大規模デー タを共有するため等の超大容量ネットワーク技術分野、およびこれらの研究分野を統合し た超大規模情報システム関連研究分野、更にはこれらの分野間に亘る複合分野の研究が展 開されます。 平成 27 年度の課題公募には 51 件の応募があり、審査委員会による審査を経て、下表 の 35 課題(73 共同研究拠点)が採択されました(順不同) 。うち、平成 25 年度より運用 されているハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の一部である HPCI-JHPCN システムを利用する課題としては、さらに HPCI 選定委員会での議を経て 27 課題が採択されました。採択課題の分野別の内訳は、超大規模数値計算系応用分野 27 件、 超大規模情報システム関連研究分野 4 件、超大規模データ処理系応用分野 1 件、複合分野 3 件でした。また、当センターとの共同研究としては、10 課題が採択されました。 なお、課題募集要項等については以下の Web ページをご覧ください。 【http://jhpcn-kyoten.itc.u-tokyo.ac.jp/】 学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点公募型共同研究平成27年度採択課題一覧 研究課題名の冒頭に * 記号が付いた課題は HPCI-JHPCN システム利用課題 ※ 共同研究分野の略称 数:超大規模数値計算系応用分野、 デ:超大規模データ処理系応用分野 ネ:超大容量ネットワーク技術分野、 情:超大規模情報システム関連研究分野 研究課題名 研究課題代表者 (所属) 研究 共同研究拠点 分野 北大、東北大、 東大、東工大、 名大、京大、 阪大、九大 東大、名大、 九大 * 大規模データ系の VR 可視化解析を効率化する多階層精度圧縮数 萩田克美 値記録(JHPCN-DF)の実用化研究 (防衛大学校) 数 * 時間並列化アルゴリズムの新しい方向性と実用例の探索 萩田克美 (防衛大学校) 数 * 超並列宇宙プラズマ粒子シミュレーションの研究 三宅洋平 (神戸大学) 数 北大、京大 * 核融合プラズマ研究のための超並列粒子シミュレーションコー 大谷寛明 数 ド開発とその可視化 (核融合科学研究所) 名大、京大 * コデザインアプローチによる高性能電磁場解析基盤の確立 岩下武史 (北海道大学) 数 北大、京大 Digital Life Vol.25 (2015.9) 17 報 告 * Xeon Phi・ベクトル計算機への FDTD コードと電磁流体コードの 深沢圭一郎 最適化手法の研究 (京都大学) 情 北大、東北大、 東大、京大、 九大 * 太陽磁気活動の大規模シミュレーション 横山央明 (東京大学) 数 東大 * 乱流混合と内部自由度のあるマイクロ粒子巨大集団との相互作 後藤俊幸 数 用 (名古屋工業大学) 名大 * フェーズフィールド法と分子動力学法による大規模デンドライ 高木知弘 数 ト成長シミュレーション (京都工芸繊維大学) 東工大 * 分子動力学計算ソフトウェア MODYLAS のメニーコアアーキテク 安藤嘉倫 チャ対応並列化に関する研究 (名古屋大学) 数 東大、名大 * 可動な分散粒子を含む金属材料における多結晶粒成長の大規模 山中晃徳 マルチフェーズフィールドシミュレーション (東京農工大学) 数 東工大 * 超多自由度複雑流動現象解明のための計算科学 石原卓 (名古屋大学) 数 名大 * 熱中症リスク評価シミュレータの開発と応用 平田晃正 数 (名古屋工業大学) * 計算資源の連携を目指した将来のサイエンスビッグデータ共有 松岡聡 機構の開発 (東京工業大学) デネ情 * 階層分割型数値計算フレームワークを用いた 3 次元電磁界解析 杉本振一郎 数 の高速化研究 (諏訪東京理科大学) * Fast Multipole Method を用いた多種アーキテクチャ向けスーパー 成見哲 コンピュータ用ライブラリの開発と分子・流体シミュレーショ 数 (電気通信大学) ンでの評価 伊澤精一郎 * 渦の動力学に基づく乱流生成とその維持機構の理解 数 (東北大学) * クラウドを活用したビッグデータポスト処理環境実現のための 村田健史 情 データ伝送実験 (情報通信研究機構) * 次世代降着円盤シミュレータの開発 * 航空機の環境適合性・安全性向上に向けた大規模数値解析手法 佐々木大輔 の研究 (金沢工業大学) * グリーンランド氷床モデルを用いた 2.5 次元理論地震波形計算 * 松元亮治 (千葉大学) 東北大 北大、東大、 東工大、九大 東大、名大 東北大、 東工大、 名大、京大 東北大 名大、京大、 阪大、九大 数 東大 数情 東北大、名大、 九大 数 東北大 科学技術計算における効率の良い複数拠点利用とそれを実現す 實本英之 るユーザ駆動型・拠点協調フレームワークの開発と検証 (東京大学) 数情 北大、東大、 東工大、九大 * 超大規模シミュレーションのためのアーキテクチャ特性を考慮 遠藤敏夫 した通信削減技術 (東京工業大学) 数 北大、東北大、 東大、東工大 * 大規模 GPU/CPU 計算に向けた高生産フレームワークの構築と 下川辺隆史 これを用いた都市気流計算コードの開発 (東京工業大学) 数 東工大 * 動的負荷分散による GPU スパコンを用いた粒子法の大規模シ 青木尊之 ミュレーション手法の開発 II − 流体・構造連成計算への適用 - (東京工業大学) 数 東工大 * 環オホーツク圏の海洋・大気シミュレーション 数 北大 * 大規模計算結果の効果的な利用に向けた高精細可視化イメージ遠 阿部洋丈 隔配信システムの実証 (筑波大学) 情 東北大、阪大 行列分解のタイルアルゴリズムの高並列環境における最適化 鈴木智博 (山梨大学) 数 東大 次世代トランジスタの量子輸送シミュレーションに関する研究 森伸也 (大阪大学) 数 阪大 海溝型巨大地震を対象とした大規模並列地震波・津波伝播シミュ 竹中博士 レーション (岡山大学) 数 東大、東工大 分子性液体の積分方程式理論による大規模生体分子系における 丸山豊 高速な溶媒和自由エネルギー計算プログラムの開発 (理化学研究所) 数 東北大、東工大 18 Digital Life Vol.25 (2015.9) 豊国源知 (東北大学) 中村知裕 (北海道大学) 報 大西立顕 (東京大学) デ 東大 社会インフラの破壊・非破壊シミュレーションの高度化に資す 中畑和之 る大規模数値解析 (愛媛大学) 数 京大 牛島省 (京都大学) 数 京大 次世代スーパーコンピューター向けの軽量な仮想計算機環境の 品川高廣 実現に向けた研究開発 (東京大学) 情 東大 社会・経済データの実証分析 流体・固体連成を考慮する防災計算力学 告 (学際情報科学研究体 佐藤 芳樹) Digital Life Vol.25 (2015.9) 19
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