2015 年 DGR 改訂点

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2015 年 DGR 改訂点の概要。
また以下の内容はあくまでも改訂点の概要です。全ての改訂点を網羅したものではありませんので、詳しくは 56
版の規則書本文でご確認ください。
ご注意:資料作成に際しては、細心の注意を払っておりますが、万一誤記、誤訳等により損害が発生した場合、
一切の責任を負いかねますので、詳細は必ず規則書本文をご確認下さい。
Section 1 Applicability
1.
引用される国連モデル規則の版が変更になります。
(18th Revised Edition)
2.
引用される IAEA 規則の版が変更になります。(IAEA SSR-6)
3.
56 版 IATA 規則書は、2015-2016 年版 ICAO 技術指針に準拠しています。
4.
Lamps Containing Dangerous Goods の新設(1.2.11)
危険物を含むランプ(電球等)の項目が追加されます。
これによりこれまで 3.2.2 に盛り込まれていたガスを含む電球の除外要件が 3.2.2 より削除されます。
5.
Provision of Information to Passengers
航空会社には、旅客取り扱いのあらゆる場面で旅客に対して危険物に関する情報の提供が求められますが、
これまでの情報の提供(Provide)という表現が「Present」と言う表現に変わります。これによりこれまで
は危険物に関するリンクを貼って、旅客がその意思を以ってクリックしなければ表示されないものも情報提
供と見做されていましたが、今後は旅客の意思に関係なく危険物情報を表示(Present)する事が必要とな
ります。
6.
Training Requirements
危険物を受託しない航空会社の教育訓練のカテゴリー番号が新たなものとなります。
Section 2 Limitation
7.
2.2 Hidden Dangerous Goods
Note として国連 GHS の警告マーキングに関する注意書きが加えられます。
8.
2.3 Dangerous Goods Carried by Passengers or Crew

リチウム電池を内蔵する機器類の扱い、スペアのリチウム電池の扱いに関する項目の整理が行われ、
「Spare Lithium Batteries」、「Lithium Battery-Powered Electronic Devices」、「Portable Electronic
Devices (including Medical Devices) Containing Batteries」の項目に整理されます。

ペースメーカーに体内埋め込み型に加え、対外型についても盛り込まれました。
Section 3 Classification
9.
3.2 Class 2 Gases
ガスの形態として、圧縮ガス、液化ガス、深冷液化ガス、溶解ガスに加え、吸着ガス(Adsorbed Gas)が
加わります。これはガスが多孔性の固体に吸着されたものです。
10. 3.5 Class 5
区分(Division)5.1 の酸化性物質の分類テスト基準が変更になります。
11. 3.6 Class 6
区分(Division)6.2 の病原性物質の適用除外要件が見直されます。
12. 3.9 Class 9

リチウム電池の国連テスト基準の記載が見直されます。
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
Asbestos(石綿)についてその種別が盛り込まれます。

複数の危険性を併せ持つ場合の放射性物質の扱いに関して、適用除外放射性物質(Radioactive Material
in Excepted Package)が他の危険性を併せ持つ場合の要件を定めた SP A130 の適用について、2015
年より新たに追加される UN3507、六フッ化ウランの適用除外放射性物質には該当しない旨の追加がさ
れます。
Section 4 Identification
13. いくつかの新たな UN 番号/プロパーシッピングネームが追加及び見直しが行われます。

Class 2 Adsorbed Gas が追加されます。

Class 8 に六フッ化ウランの適用除外放射性物質(UN3507 Uranium hexafluoride, radioactive material,
excepted package)が主危険性クラス 8 副次危険性クラス 7 の危険物として追加されます。

Class 9 Air Bag 関連、Seat Belt 関連の名称が、Safety Device に変更されます。

Class 9 Capacitor についてこれまでの電気二重層キャパシタに加え、新たに非対象型キャパシタ(UN3508
Capacitor, asymmetric)が追加され、これに伴って、電気二重層キャパシタのプロパーシッピングネームが
UN 番号 UN3499 はそのままに、Capacitor, electric double layer と変更になります。
その他にも多くの危険物が追加されます。詳しくは 56 版規則書本文でご確認下さい。
14. 4.4 Special Provision の見直し、新たな追加があります。

A19 消火器(Fire Extinguisher)に関する要件が見直されます。

Air Bag、Seat Belt 関連が Safety Device に名称変更される事に伴っていくつかの SP で見直しが行われ
ます。

A192 として Paint と Paint の関連材料が同梱される場合の申告について、Paint Related Material として
の一括名称での申告が可能となる旨の記載が追加されます。

UN3507、六フッ化ウランの適用除外放射性物質の追加に伴って関連 SP の見直し及び追加が行われま
す。

UN3164 Articles, pressurized, hydraulic 及び Articles, pressurized, pneumatic について追加の要件が
A195 として盛り込まれます。

UN3508 の非対象型キャパシタの追加に伴い、関連要件が A196 として盛り込まれます。

UN3077、UN3082 の環境有害物質について、内装容器及びシングル容器当たり 5L/5kg を超えないもの
についての規則書からの除外要件が A197 として盛り込まれます。

輸送禁止となっている、Hay、Straw、Bhusa について濡れていないものや、湿っていないもの、オイ
ルで汚染されていないものは、規則書に適用しない旨の A198 が追加されます。

UN3496 のニッケル水素電池について、危険物リスト上、禁止(Forbidden)となっていたものが A199
を引用するものに変わり、A199 として UN3496 は海上輸送のみを想定したものである旨と、航空輸送
上特定要件を満たす事によって、規則書の適用を受けない旨が盛り込まれます。これに伴い A806 は削
除になります。

廃棄用空容器が UN3509 Packaging discarded, empty uncleaned として盛り込まれ、関連要件が A200
として追加されます。

2015 年より旅客機での輸送が禁止となる PI 968 に該当するリチウム金属電池の適用免除での旅客機輸
送要件が A201 として盛り込まれます。

A802、A803、A804 に、収納する容器にその危険物に割り振られる PG よりも高い PG 要件が求められ
る場合の書類への記載について、書類への記載はあくまでもその危険物に割り振られた PG を記載する
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事が Note として盛り込まれます。
その他にも多くの SP の新設や要件の変更が盛り込まれます。詳しくは 56 版規則書本文でご確認下さい。
Section 5 Packing
15. 5.0.1.5 のオーバーパック要件から CAO 危険物含むパッケージのオーバーパック各種制限に関する 5.0.1.5.3
の要件全てが削除となり、項番が繰り上がります。但し、USG-13 では航空機への搭載に関し、
「Accessible」
な状態での搭載について「each package」への Accessibility が求められている為、米国向けについては、注
意が必要です。
16. Packing Instruction について、多くの Packing Instruction で見直しや、新たな危険物の追加に伴う Packing
Instruction の追加があります。詳しくは 56 版規則書でご確認ください。以下は一部のもののみです。

PI 213 消火器についての梱包要件の見直し。

Class 2 Adsorbed Gas に関する Packing Instruction の追加。

PI 877、UN3507、六フッ化ウランの適用除外放射性物質についての Packing Instruction の追加。

PI 971 に UN3508 非対象型キャパシタに関する要件が盛り込まれます。
リチウム電池関連の Packing Instruction の見直し

PI 965 Section IB のパッケージ制限がグロス重量での制限から電池の正味重量での制限に変更されます。

PI 966、969 Section I 及び II へ 1 パッケージに収納出来る電池の数をその機器の作動の為の個数プラス
2 個の予備電池と記述が整理される予定です。但し、PI 969 の金属電池の場合、予備電池を入れてしま
うと、USG-02 により米国向けには旅客機での輸送が制限されますので注意が必要です。

PI 968 リチウム金属電池のみをパッケージに収納して輸送する場合の要件が大きく変わります。
全ての Section(Section IA, IB 及び II)で電池の旅客機での輸送が禁止されます。収納するパッケージ
には、CAO ラベルの貼付が求められます(全ての Section について)
。Section IB のパッケージ制限が
グロス重量での制限から電池の正味重量での制限に変更されます。Section II の電池については、航空
運送状へも CAO である旨の記述が必要となります。また全ての Section の電池が荷主さんやフォワー
ダーさんの作成する ULD に含める事が禁止され(これまでも Section IA, IB 電池は禁止されていました
が、これに加え PI 968 については Section II の電池も ULD での航空会社への搬入が禁止されます。)
、
Section II には混載貨物についての制限も盛り込まれます。
Section 6 Packaging Specifications and Performance Tests
容器の要件の見直しや、引用する各種の ISO 基準の見直しなども盛り込まれます。詳しくは 56 版規則書本文で
ご確認ください。
Section 7 Marking and Labelling
17. Overpack について「Overpack」というマーキングの最低サイズ要件が導入されます。12 ㎜以上の高さが必
要となります。但し、この要件が強制要件となるのは、2016 年 1 月 1 日からとなります。
その他にも Marking/Labelling 要件について多くの変更・見直しがあります。詳しくは 56 版規則書本文をご確認
ください。
Section 8 Documentation
危険物申告書の記載について

危険物を収納する容器に、その危険物に割り振られる PG よりも高い PG の容器要件が課せられる場合の書
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類の記載について、その様な場合でも書類に記載する PG はあくまでもその危険物に割り振られた PG であ
る旨の注意が盛り込まれます。

クラス 3 の引火性液体で、粘性物質の要件に従って PG III となっている場合、その旨を Additional Handling
Information 欄へ記載する旨の要件が追加となります。
航空運送状への記載について
非危険物貨物に危険物を連想するような国連 GHS マーキングが表示されている場合、運送状の品目に続けて
「Not Restricted」と記載すべきである旨の追記がされます。
Section 9 Handling
18. 受託要件に国連 GHS マーキングに関する注意が盛り込まれます。
19. 受託チェックリストを使用しての受託確認が求められるのは、あくまでもその危険物を最初に受託する航空
会社のみである旨が盛り込まれます。輸送途中で他社へのトランスファーが発生する場合、トランスファー
を受ける航空会社は、規則への適合を確認すべきである(特にパッケージの損傷、マーキング、ラベル等)
と追記されます。
20. ULD に含めて受託可能な危険物
従来のものに加えた以下のものが追加されます。

UN3373 Biological Substance Category B

UN3245 Genetically Modified Organisms, Genetically Modified Organisms

リチウム電池で PI 965 から PI 970(PI 968 は除く)で Section II に該当するもの。

UN3164 Articles, pressurized, hydraulic または Articles, pressurized, pneumatic で PI 208 (a)に基づいて
梱包されたもの。

Dangerous Goods in Excepted Quantities(微量危険物)

Radioactive Material in Excepted Package(適用除外放射性物質)
21. 危険物同士の隔離要件
要件自体に大きな変更はないものの、隔離表の見直しと整理が行われる予定です。
22. 危険物の機長通知(NOTOC)への記載について、Technical Name の記載は必要なくなります。
Section 10 Radioactive Materials
23. UN3507 Uranium hexafluoride, radioactive material, excepted package が適用除外放射性物質の 1 つとして
新たに追加されますが、分類上の主危険性はクラス 8 となり副次危険性のクラスが 7 となります。
この追加に伴って随所に UN3507 に関する記述が追加されます。
24. 基準とする IAEA 規則の改訂に伴って、この他にも多くの変更・要件の追加が盛り込まれます。特に核分裂
性物質に関する要件についての見直しや追加要件が多く盛り込まれる予定です。詳しくは 56 版規則書本文
でご確認ください。
Appendices
25. Appendix A DGR 改訂に伴って Appendix A も改訂されます。詳しくは 56 版規則書本文でご確認ください。
26. Appendix B 国連 GHS マーキング関する記載が追加されます。