公益社団法人 教育文化協会 2014 年度事業計画 (2014 年 7 月 1 日~2015 年 6 月 30 日) Ⅰ.基本的考え方 本協会は、昨年 7 月 1 日に特例民法法人から公益社団法人へ移行し、今年度は移行後 2 年目となる。働く者を取り巻く現在の社会情勢において、労働運動が果たすべき役割 はますます高まっており、とりわけ、そうした役割を担う人材の育成、労働教育に対す るニーズも増していると考えられ、本協会も事業目的の達成に向けた取り組みを通じて、 そうしたニーズに応えていけるよう努めていく。そのため、今年度は、各事業の質的充 実を図っていくことを主眼に、事業計画を策定する。 教育事業は、 「連合寄付講座」と「Rengo アカデミー・マスターコース」を 2 つの柱と して実施し、よりいっそう時代の要請に応えられるような講座をめざし、内容を充実さ せていく。 文化事業では、連合との共催で、「連合・ILEC 幸せさがし文化展」「私の提言」の 2 つの募集事業を、引き続き実施する。両事業とも、だれでも資格を問わず応募できる公 益性の高い募集事業であり、より多くの作品・提言を寄せてもらえるよう、広報等を強 化していく。 Ⅱ.事業計画の具体的な展開 1.教育事業 (1)「連合寄付講座」 「連合寄付講座」は、大学生に、働くということ、労働運動の意義や労働組合の役割 について理解を深めてもらう目的で、大学の正規の授業科目として開講しており、これ までの履修生は約 5500 名を数える。これから社会に出る大学生に対して、働く側の視点 から、働く現場の課題や労働組合の取り組みについて情報を提供する本講座の役割は、 今後ますます重要になると考えられ、徐々に増えつつある「地方連合会寄付講座」も含 め、さらに拡充を図っていく。 「連合寄付講座」は、今年度も引き続き 4 大学で開講する。具体的な運営としては、 各大学と連携を図りながら組み立てた講義プログラムに基づいて、労働組合役員を中心 としたゲストスピーカーによる講義を配置し、大学生に対して労働組合の役割や労働運 動の意義等に対する理解を促進する。 「地方連合会寄付講座」は、これまでに 6 大学で開設され、今年度も 1 大学で開設の 予定であるなど、着実に拡がりを見せている。さらなる新規開設に向けて、未開設地方 ブロックを中心に、連合本部、当該地方ブロックおよび地方連合会と連携を図る。 ①同志社大学社会学部 現行の寄付講座設置協定(2012 年 4 月~2015 年 3 月)が終了するため、同志社大 1 学と 4 回目の設置協定(2015 年 4 月~2018 年 3 月)を締結するとともに、2015 年度 春学期(2015 年 4 月~7 月)「働くということ-現代の労働組合」の講義プログラムの 作成と開講準備・運営に取り組む。 ②一橋大学社会学部 2015 年度夏学期(2015 年 4 月~7 月)「現代労働組合論Ⅰ」の講義プログラムの作成 と開講準備・運営に取り組む。 ③埼玉大学経済学部 現行の寄付講座設置協定(2011 年 10 月~2014 年 9 月)が終了するため、埼玉大学 と 3 回目の設置協定(2014 年 10 月~2017 年 9 月)を締結する。あわせて、2014 年度 後期(2014 年 10 月~2015 年 1 月)「働くということと労働組合」の開講準備・運営に 取り組むとともに、2015 年度後期「働くということと労働組合」の講義プログラムの作 成に取り組む。 ④法政大学キャリアデザイン学部 2014 年度秋学期(2014 年 9 月~2015 年 1 月) 「働くということと労働組合」の開講 準備・運営に取り組むとともに、2015 年度秋学期「働くということと労働組合」の講義 プログラムの作成に取り組む。 ⑤「地方連合会寄付講座」開設の促進 「地方連合会寄付講座」については、未開設地方ブロックを中心とした新規開設に 向けて、連合本部、当該地方ブロックおよび地方連合会と積極的に連携をはかる。 併せて、既に開講している 6 大学での寄付講座について、当該各地方連合会に対し て、引き続き財政面、運営面で支援・協力する。また、新規開設に際しては、準備段 階からの協力・連携に努める。 ⅰ)連合山形寄付講座(山形大学人文学部;2014 年度後期)「労働と生活」 ⅱ)連合佐賀提供講座(佐賀大学経済学部;2014 年度後期) 「働くということと労働組合」 ⅲ)連合福井寄付講座(福井県立大学経済学部;2014 年度後期) 「働くということと労働組合」 ⅳ)連合三重提供講座(三重大学人文学部;2014 年度後期) 「働くということと労働組合」 ⅴ)連合滋賀寄付講座(滋賀大学経済学部;2015 年度前期) 「働くこととワークルール」 ⅵ)連合長崎寄付講座(長崎大学経済学部;2015 年度前期) 「現代の労働と労働組合」 ⅶ) 新規開設:連合大分寄付講座(大分大学経済学部;2014 年度後期) テーマ未定 2 (2)Rengo アカデミー・マスターコース 「Rengo アカデミー・マスターコース」は、労働運動・社会運動を担うリーダーの育成 を目的に、これまで 13 回開講し、326 名が受講した。受講生は、マスターコース修了後 に、それぞれの立場で労働運動、社会運動の一翼を担う等、活躍している。第 14 回マス ターコースの開講にあたっては、現行の講座運営を基本としながら、これまで取り組ん できた経験・反省を踏まえつつ、会員組織等からの今日的な要望・期待に応えられるよ うに努めていく。 ①「Rengo アカデミー・第 13 回マスターコース」 第 13 回マスターコースは、教務委員長による受講生の修了論文の監修を経て、2014 年 9 月 25 日(木)に連合会館にて修了式を行う。あわせて、第 13 回マスターコース 修了論文集を作成、頒布する。 ②「Rengo アカデミー・第 14 回マスターコース」 第 14 回マスターコースは、2014 年 11 月中旬より開講する。第 14 回においても、 受講生出身組織の送り出しやすさと受講生本人の参加しやすさに留意しつつ、運営委 員や教務委員、受講生等の意見も踏まえ、合宿日程の効果的な編成を心がける。 第 14 回マスターコースの学事日程および講座内容等については、Rengo アカデミ ー・マスターコース第 22 回運営委員会・第 32 回教務委員会合同会議(2014 年 7 月 23 日開催予定)で検討・確認したのち、2014 年 8 月 22 日より受講生募集を開始する。 ③マスターコース修了生を対象としたフォローアップ 年 1 回程度テーマを決めて実施を検討する。 また、2015 年 4 月開講予定の連合大学院(連帯社会インスティテュート)に関して、 マスターコース修了生が入学を希望する場合は、円滑な大学院入学に向けて、必要に 応じ個別サポートに努める。 (3)専門講座 今年度は、連合からの受託講座として、「労働法講座」(基礎コース)を開催する。 ○第 9 回労働法講座(基礎コース) (連合雇用法制対策局より受託) 開催時期 2014 年 10 月 27 日(月)~28 日(火) 開催場所 連合会館 (4)「ワークルール検定」への支援・協力 働く上で知っておくべきワークルールについて、広く普及・定着を図る趣旨に賛同し、 NPO 法人職場の権利教育ネットワーク、連合、中央労福協等から構成される「ワーク 3 ルール検定中央実行委員会」の一員として参画し、「ワークルール検定」の企画・運営 に協力する。 (5)労働運動を担う人材の育成に関するさらなる対応の検討 会員組織や関係団体等と連携を図りつつ、労働教育や人材育成に対する基本的考え方 やニーズを踏まえ、教材のあり方等も含めて検討をすすめる。 (6)セミナー、シンポジウムへの開催協力 連合、連合総研等と連携し、「連合総研フォーラム」など時宜にかなったテーマのセミ ナー等の開催に協力する。 2.文化事業 (1)「第 9 回連合・ILEC 幸せさがし文化展」の準備と作品募集 「連合・ILEC 幸せさがし文化展」は、日頃から創作活動に励んでいる働く仲間とその 家族が作品を発表できる場として、連合と共催で 2 年に一度開催しており、今年度は、 第 9 回文化展として、前回と同様、写真、絵画、書道、俳句、川柳の5部門での募集・ 審査を実施する。その後、2015 年 10 月の第 14 回連合定期大会において表彰式を行い、 同定期大会会場等で展覧会を開催する。 第 9 回文化展では、会員組織のメンバーで構成する第 1 回幸せさがし文化展実行委員 会(2014 年 7 月 24 日開催予定)において、実施要領を確認した後、2015 年春から各部 門の作品募集を開始する。 (2)「私の提言」募集 「私の提言」は、2004 年度から連合が継承した「山田精吾顕彰会の論文募集」事業を、 連合と共催で「私の提言」募集事業として取り組んでいる。また、第 8 回(2011 年度) からは、 「私の提言―『働くことを軸とする安心社会』の実現にむけて」募集として取り 組んでおり、今年度は、第 12 回の募集を実施する。 現在、第 11 回の提言を募集中であり、応募締め切りの後、第 2 回提言募集運営委員会 の審査をへて、第 68 回連合中央委員会において、入賞者の表彰と提言要旨の発表を行う。 第 12 回「私の提言」募集については、提言募集運営委員会にて募集要項を確認し、2015 年 3 月の第 18 回連合中央執行委員会の確認を経て、募集を開始する。 <第 11 回「私の提言」募集事業 日程等> 募集期間:2014 年 3 月 6 日~8 月 18 日 4 応募提言の審査:2014 年 9 月 8 日 第 2 回「私の提言」運営委員会 入賞提言の発表:2014 年 9 月 19 日 ILEC ホームページにて発表 入賞者表彰および提言要旨の発表:2014 年 10 月 2 日 第 68 回連合中央委員会 入賞提言集の発行(ホームページでも入賞提言の全文を掲載) 3.出版・広報事業 出版事業では、連合新書 No.1~10『ものがたり戦後労働運動史Ⅰ~Ⅹ』の続編について は、引き続き刊行に向けた準備に取り組む。連合新書 No.17『共助と連帯』は、増補改訂 版の刊行に着手する。 『連合運動史第 5 巻』の編集・発刊を連合より受託し、編集作業に取 り組む。 広報事業では、本協会の事業内容について広く周知するため、「教育文化協会のあゆみ」 の整備や事業ごとの紹介・募集案内など、ホームページ等による情報発信力を強化し、広 報活動の充実に努める。また、ホームページへの「連合寄付講座」の講義要録や「私の提 言」の入賞提言、 「本と資料の紹介コーナー」での書評などの掲載をすすめ、労働運動に役 立つ情報提供にも努める。 (1)連合新書『ものがたり戦後労働運動史』続編の刊行準備 連合新書 No.1~10『ものがたり戦後労働運動史Ⅰ~Ⅹ』の「続編」として、連合結成以 降の労働運動に関する連合新書の刊行に向け、ヒアリング等の準備をすすめる。 (2)連合新書『共助と連帯』増補改訂版の刊行準備 連合新書 No.17『共助と連帯』 (2010 年 1 月発行)は、労働者自主福祉運動のテキスト として今後もニーズが見込まれることから内容の加筆・修正を行い、改訂版の刊行をす すめる。 (3)Rengo アカデミー・マスターコース講義録の作成 第 14 回マスターコースの講義の中から、幅広い活用に資するテーマを選定して講義録 を作成し、2015 年 5 月に頒布する。 (4)『労働運動史事典』の編纂協力 教育文化協会 10 周年記念事業のひとつとしてスタートした『労働運動史事典』の編纂 作業は、目下、編集委員会(代表:高木郁朗日本女子大学名誉教授)が精力的に取り組 んでおり、2014 年内に原稿完成の予定である。本協会は、昨年度に引き続いて編纂作業 に協力し、本協会の設立 20 周年を迎える 2015 年 12 月までの刊行をめざす。 5 (5)『連合運動史第 5 巻』の編集・発刊 連合から事業受託する『連合運動史第 5 巻』(対象期間;2009 年 10 月~2014 年 9 月) の編集作業に取り組み、2015 年 10 月 6 日の第 14 回連合定期大会を目途に刊行する。 (6)「連合寄付講座」講義要録のホームページへの掲載 同志社大学、一橋大学、埼玉大学における連合寄付講座の講義要録を各大学と連携し て作成し、大学と ILEC のホームページにそれぞれ掲載する。 (7)労働関係書籍の紹介-「本と資料の紹介コーナー」 労働運動や労働組合の分野で読んで欲しい本や経済社会問題の重要な文献について、 概ね 3 ヵ月ごとに書評委員会(主査:高木郁朗日本女子大学名誉教授)を開催し、「おす すめ本」「議論を深める」「ルーツを求めて」「連合とそのまわりの刊行物」の分類で選定・検 討し、その内容を書評としてホームページに掲載する。今年度も、書籍紹介を継続する とともに、当該ホームページの閲覧数を増やすべく方策を検討する。 (8)ILEC 通信の発行とメールマガジンの配信 ILEC 通信は、例年同様に、年 4 回の発行を行う。また、メールマガジンについても、 事業活動の紹介や各種募集案内を中心に、随時、配信する。 以 6 上
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